P THE MEN WHO HAVE ENDED
P終わっている男達
P第27回
格闘デュエル



 「ブランドン・・・私の両親に会ってくれる?」

 突然だった。

 遂にこの時が来たのだ。

 シェリーは良家の子女だ。

 それに比べて僕はしがない役者。

 しかし、そんなことで俺達の関係は崩れやしない。

 親にも認めさせてみせる。

 そう思う。

 そして答える。

 「ああシェリー、わかったよ。」

 「ありがとうブランドン、日にちはまた連絡するわ。」

 「ああ。」

 「今日は楽しかったわ、おやすみなさい。」





 そして当日が来た。

 シェリーの家はいつ見ても荘厳だ。

 それでいて軽やかで美しい。

 「ブランドン様ですね、こちらへ。」

 メイドらしき人が案内する。




 「早速ですが、私の娘との結婚はそう簡単に認められません。」

 シェリーの母親だ。

 彼女に似て美しい、しかし厳しさも兼ね備えている。

 僕は身を固くした。

 「テストをします、我が家の婿にふさわしいか否か。」

 (テスト?何をするんだ。)

 「あなたも知っての通り我が家系は格闘デュエルの表千家、そこでコレであなたを試します。」

 そう言う手にはモンコレのスターターが握られていた。

 (何が起きているんだ?一体・・・何故ここでモンコレが出てくる。)

 「お母様、実はブランドンには言ってないの・・・」

 シェリーが重い口を開いた。

 母親の目が厳しく光る。

 「ではこの殿方は何も知らないと?」

 「ええ・・・知られたくなかったの、このことは。うちが・・・」

 「いや、シェリー任せておいてくれ。君に恥をかかせるようなことはしない。」

 (モンコレは専門だ!!)

 「格闘デュエルはタダのモンコレではありませんよ、それを承知ですか?」

 「ええ、解っています。うわさには聞いています、格闘デュエルの話は。」

 「そうですか、ならば何も申しません。テストは1ヶ月後です。」





 格闘デュエル・・・

 古くからカードゲームをやっている奴ならば聞いたことくらいはあるはずだ。

 カードゲームで相手を倒すと同時に、プレイヤーも倒す。

 方法は色々ある

 俊速ドローによるカマイタチ現象で相手を引き裂く

 対抗、カウンターによるカードで相手を直接切る

 その他ありとあらゆる方法で格闘しながらデュエルをする

 それが格闘デュエルの本質だ。





 俺はシェリーに特訓を受けていた。

 いくら知識で知っていても実際にやるのとは大違いだった。

 「ブランドン、ドローする姿を相手に見せては駄目よ、下品な行為は減点されるわ。」

 「えっ、下品?」

 「そう、格闘デュエルはただ相手を倒せばいいと言うモノではないの。美しさも追及されるわ。」

 (深い、深すぎる・・・格闘デュエル!!)

 そして1ヶ月が過ぎた・・・




 「対戦相手はこの子です、倒せたら結婚を認めましょう。」

 !!

 「シェリー・・・」

 「私が相手よブランドン・・・」

 対戦相手はシェリーだった。

 1ヶ月の特訓で僕の格闘デュエルの腕は格段に上がっていた。

 (今、本気で戦えばシェリーを傷つけることになる・・・)

 戦いは始まってしまった。


 そして戦いは中盤になった。

 「セブン!!」

 僕のセブンが通った、俊速ドローだ・・・しかし・・・

 僕は決断した!

 「シェリー一緒逃げよう、君を傷つけたくない!!」

 僕はシェリーに手を差し出した。

 シェリーは呆然としている。

 しかし、次の瞬間に僕の手を堅く握り、二人で扉に向かった。

 「シェリー!!」

 母親の声が部屋に響く。

 「お母様ごめんなさい、シェリーは悪い子です・・・」




 そのまま追っ手を振り切り僕らは屋敷をあとにした。

 これから二人で幸せを掴むのだ!!

 僕の腕の中には幸せそうに眠るシェリーがいた。

 (十分じゃないか)

 そう思う。


第27回 完
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