


虎の穴
「おまえに地形など1ヶ月早いわ!」
男が少年を叱りつける。
「しかし先生・・・」
少年は言い返そうとする。
「コーチだ。」
すかさずに男が訂正する。
「コーチ、せめて『妖精の輪』くらいは入れた方が安定すると・・・」
「俺に口答えするのか?おまえは初心者らしく、素直に『チャージデック』でも組んでればいいんだ。」
少年は言葉に詰まった。
そう、少年は言われたようにモンコレを初めて3日なのだ。
「解ったか?解ったら『ロマンシングストーン30回』だ。」
コーチは少年に言い放った。
「しかし・・・」
少年はなおも食い下がろうとする。
「50回に増やされたいのか?」
コーチの言葉に少年はあわててロマンシングストーン30回を始めた。
「ロマンシングストーンでそのスペルをうち消します。
ロマンシングストーンでそのスペルをうち消します。
ロマンシングストーンでそのスペルをうち消します・・・」
少年は手札からロマンシングストーンを出しては戻し出しては戻ししていた。
「コーチ、俺もジョーイに賛成です。『妖精の輪』は入れた方がいいと思います。」
コーチのしごきのあまりの酷さにアレクサンドリアが反論した。
「フン、おまえもか。おまえは『バックラー30回』だ。」
「コーチ!!」
「早くやれ!!」
アレクサンドリアは渋々、バックラー30回を始めた。
「バックラーでその儀式をうち消します、捨てるのはピクシーです。
バックラーでその儀式をうち消します、捨てるのはピクシーです。
バックラーでその儀式をうち消します、捨てるのはピクシーです・・・」
「みんな良く聞け、ここでは俺が法律だ。逆らう奴は皆、こうだ!!」
そのほかの10人の少年に向かってコーチは言った。
それから1ヶ月。
12人の少年達は皆、見違える様に上達していた。
初心者だったのがウソのような成長ぶりだった。
「ライオンは我が子を千尋の谷底に落とし、這い上がった者だけを育てるという・・・厳しかったろうが皆、良く耐えた!おまえ達はもう立派なライオンだ!!!」
「コーチ!!」 「コーチ!!」「ありがとう御座います!!」
全員が涙を流していた。
少年達がコーチに駆け寄る。
「おまえ達は立派なファイターだ!!」
第33回 完
