P THE MEN WHO HAVE ENDED
P終わっている男達
P第35回
瞬・イン・ザ・シェイド



 あと少しだ。

 もう少し・・・

 もう少しこの手を伸ばせば・・・

 そう、それだけでいい。

 でも・・・

 高見瞬は決心した。

 迷いはある。

 まだ・・・

 しかし・・・

 やらなければいけない

 そこまで行ってやっと行動に移す。

 自身の右手を前に伸ばす。

 そして、前の席にいる男の肩を・・・

 その瞬間だ。

 「よう静寂、新しいデック作ったんだ、やろうぜ。」

 「純一、昼休みになるまで待てよ。」

 高橋純一が前の男・・・二階堂静寂に声を掛けたのだ。

 そして2人はデックについてとりとめもなく語りだした。

 か、完全にタイミングを逃してしまった・・・

 目的を失った右手が宙をさまよう。

 ああ・・・また駄目だった・・・

 高見瞬はブレザーの内ポケットにあるデックを右手で確かめながら思っていた。

 たった一言でいいんだ、『二階堂、俺と勝負しようぜ』と言えれば・・・


 高見瞬が初めてのデュエルをするのはまだ先のことである。


第35回 完
P第36回

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