P THE MEN WHO HAVE ENDED
P終わっている男達
P第37回
CGレストラン



 「ご注文はお決まりになりましたか?」

 ウェイトレスが声を掛ける。

 「ええ、俺はビーフカレーとディフェンダーデックを。」



 そう、ここは都内にある『CGレストラン』。

 あらゆるカードゲームをやりながら食事もできる。

 デックを持っていない人でも対戦できるとあって人気は上々だ。

 いまや、CGレストランはゲーマー達のサロンとなっていた。



 「で、榊原は?」

 「俺はいつもの奴を・・・」

 榊原と呼ばれた男はそう答えた。

 ??

 ウェイトレスは怪訝な表情を浮かべた。

 「でも、お客様・・・」

 「いいんだ、持ってきてくれ。」

 ウェイトレスはまだ何か言いたそうだったが、客が次々と来るのでしょうがなくその対応に戻っていった。

 「へぇ、お前がここの常連だったとはな、黙ってたのか、人が悪いぜ。」

 菊池は榊原に向かって言った。

 「ああ、俺もまさかここだとは思ってなかったから・・・」

 「まあいいいさ。」



 「アイテムで御座います。」

 やがてウェイトレスが小物入れを持ってくる。

 そこには6面ダイス、2色のおはじき、コインなどが入っている。

 一応どのゲームにも対応できるようになっているのだ。



 やがてデックが2人のもとに来た。

 2人は慣れた手つきでシャッフルする。

 そしてセットする。

 この2人の間ではカットはいつも省略されている。

 互いにイカサマなどしないことを知っているからだ。

 そして勝負が始まった。

 「土地出してエンド。」

 榊原のその言葉に菊池が反応する。

 「榊原、だからいつも言ってるだろう『地形』だって・・・まぁいいや」

 「こっちはアースドラゴン呼んで終了だ。」

 刹那、榊原が動いた。

 「そのアースドラゴン、『カウンター』だ。」

 !?

 菊池はやっと気が付いたのだ。

 榊原の手にあるモノを・・・

 「マジック!!お前それマジックじゃないか!!」

 そう、榊原の手にあるのはマジック・ザ・ギャザリングだったのだ。

 「1マナ払え、払えなければ墓地行きだ。」

 菊池にはどうすることもできなかった。

 モンコレには『マナ』など無いのだ・・・払える筈もない。

 菊池はアースドラゴンを捨て山に移した。


 そのあとは非道かった。

 ユニットが並ぶと地形ごと破棄され、儀式スペルはうち消され・・・菊池に為すすべはなかった。


 勝負は終わった・・・

 菊池はどこにあるんだかわからない20点のライフを削り取られたのだ。

 (こうなったらこれしかない・・・)

 菊池は懐からそっとデックを取り出した。

 攻撃力が3000あれば榊原のどんなクリーチャーも一撃だろう。

 20点のライフなど1ターンで削りきれる。

 そうだ・・・ブルーアイズ・ホワイトドラゴンで・・・


 本当の勝負はこれからなのだ。


第37回 完
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