


モンコレ売りの少年
「モンコレいりませんか、楽しい楽しいモンコレですよ・・・」
大晦日、少年が独りモンコレを売っていた。
寒い日だった。
雪は深々と降り、街灯がもの悲しさを誘う。
「モンコレはいりませんか、そこのお兄さんモンコレはいりませんか。」
少年は通りかかる人々を呼び止めてはモンコレを売っていた。
でも誰も買ってくれません。
少年はもう三日も何も食べてないのです。
今日もモンコレが売れないと餓死してしまいそうです。
それにこの寒さ、凍死してしまうかも知れません。
「モンコレはいりませんか、1パック400円ですよ・・・」
何時間経っても1パックも売れません。
「ああ・・・もう駄目かな・・・」
少年は疲れ果ててしまっていたのです。
「・・・じゃあ・・・最後にちょっとだけ・・・」
少年は売り物に手を出してしまったのです。
「1パックだけ・・・」
少年は箱からパックを取り出しました。
震える手で慎重にパックを開けます。
「ああ・・・」
少年はやっとの事でパックを開きました。
「リバイアサンだ・・・それにマカラ・・・これでデックを組んだら強いだろうなぁ・・・」
「もう1パックもう1パックだけ・・・」
少年はまたパックを開け始めました。
「ああ、ブルーシルフにゴモリー・・・」
「もう1パックもう1パックだけ・・・」
「ああ、花園の歌姫にシルク&ミルク・・・」
少年はその後もパックを開け続けた。
何も気が付いていないかように・・・
少年が持っていた箱にはクラブが30枚も入っていたのです。
現実にはあり得ない組み合わせで・・・
「ああ・・・僕はしあわせだなぁ・・・」
少年は誰にも看取られずに静かに息を引き取った。
第41回 完
