P THE MEN WHO HAVE ENDED
P終わっている男達
P第41回
モンコレ売りの少年



 「モンコレいりませんか、楽しい楽しいモンコレですよ・・・」

 大晦日、少年が独りモンコレを売っていた。

 寒い日だった。

 雪は深々と降り、街灯がもの悲しさを誘う。

 「モンコレはいりませんか、そこのお兄さんモンコレはいりませんか。」

 少年は通りかかる人々を呼び止めてはモンコレを売っていた。

 でも誰も買ってくれません。

 少年はもう三日も何も食べてないのです。

 今日もモンコレが売れないと餓死してしまいそうです。

 それにこの寒さ、凍死してしまうかも知れません。

 「モンコレはいりませんか、1パック400円ですよ・・・」



 何時間経っても1パックも売れません。

 「ああ・・・もう駄目かな・・・」

 少年は疲れ果ててしまっていたのです。

 「・・・じゃあ・・・最後にちょっとだけ・・・」

 少年は売り物に手を出してしまったのです。

 「1パックだけ・・・」

 少年は箱からパックを取り出しました。

 震える手で慎重にパックを開けます。

 「ああ・・・」

 少年はやっとの事でパックを開きました。

 「リバイアサンだ・・・それにマカラ・・・これでデックを組んだら強いだろうなぁ・・・」

 「もう1パックもう1パックだけ・・・」

 少年はまたパックを開け始めました。

 「ああ、ブルーシルフにゴモリー・・・」

 「もう1パックもう1パックだけ・・・」

 「ああ、花園の歌姫にシルク&ミルク・・・」



 少年はその後もパックを開け続けた。

 何も気が付いていないかように・・・

 少年が持っていた箱にはクラブが30枚も入っていたのです。

 現実にはあり得ない組み合わせで・・・

 「ああ・・・僕はしあわせだなぁ・・・」

 少年は誰にも看取られずに静かに息を引き取った。


第41回 完
P第42回

P1UPP TOP