P THE MEN WHO HAVE ENDED
P終わっている男達
P第51回
ジョージ・椛島〜失われた風景



 俺は逃れてきたのだ。

 あの、薄汚いところから。

 汚れていた、何もかもが。

 ・・・いや、汚れていたのは俺だったのかも知れない。

 あの場所は俺をただ鏡のように写していただけなのかも知れない。

 ・・・考えるのは止めよう、嫌な答えが導き出されそうだ。

 気にくわない。

 あのグロテスクさも。

 あの金のことしか考えていないところも。

 何もかもが気にくわなかった。

 それで俺は抜け出したのだ。



 ・・・そう、俺は抜け出したはずだった。

 ここは、あそことは違う。

 綺麗なモンだ。

 ・・・そう思おうとしている自分が居る。

 いや、真実じゃないか。

 お前は手に入れたんだ。

 そうだろ?

 鏡に向かって問う。

 しかし答えはない。

 そこには見慣れた貧相な男が居るだけだった。


 しかし、そんなぬるま湯の状況は長く続かなかった。

 亡者どもが俺にまとわりつく。

 ざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわ

 やめろ、俺を・・・俺は、あの場所へは帰らないと決めたんだ。

 目の前にかつての友が居た。

 止めろ止めろ止めろ止めろ、俺にはここがお似合いなんだ。

 古い友は俺に向かって叫ぶ。

 止めろ止めろ止めろ止めろ、独りでは何もできないくせに。

 「椛島ぁっ!!一緒にマジックに帰ろう!」」

 ああああ・・・


第51回 完
P第52回

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