P THE MEN WHO HAVE ENDED
P終わっている男達
P第58回
情熱の真っ赤な薔薇



 「す、すまん静寂・・・」

 「いや、しょうがないさ、もう起きてしまったことだからね。」

 ここは都内の高校の一角である。

 そこには少年が2人いた。

 悲壮感が漂っているかも知れない。

 「こうなったらからには全力で行く、まずはレベルアップだよ。」

 静寂と呼ばれた方が背の低い方に声を掛ける。

 「きついことを言うようだけれども、今の君の実力じゃあヤツらには勝てない。」

 ・・・

 背の低いほう・・・高見瞬は歯を食いしばってうつむいている。

 そう、彼はとんでもない約束をしてしまったのだ。

 静寂が言う「ヤツら」とは、隣の高校の『TCG研究会』の事だ。

 その学校は荒っぽいことで有名で、そこの生徒は何が気に入らないのか、いつも喧嘩を吹っ掛けている。

 いや、しかし安い挑発に乗った瞬も悪い。

 そう、勝負は一週間後。

 2対2の変則モンコレファイト。

 2人はチームとなり、一つのデックを扱う。

 しかし、その対戦中は話をすることを禁じられる。

 そう、2人の実力に差があるとどうしてもハンデになってしまう。

 一人がどんなに強くても、もう一人が対抗を勘違いしたりすると、もうお手上げだ。

 しかし、ほんとに悪いのはこれからだ。

 なんと、『負けた方はモンコレを辞める』と言うことになってしまったのだ。

 本当なら静寂の瞬への言及はこんなモノでは済まない。

 「静寂・・・俺・・・」

 「瞬、時間がない。反省している暇があったら練習するよ。」

 「あ、ああ・・・よし、解った、やろう。」


 対戦当日〜

 対戦相手2人はガクランで現れた。

 対戦は静寂達の学校の会議室でやることになった。

 ジャッジにはそれぞれの学校から一人ずつだ。

 静寂達のグループからは高橋純一がジャッジになった。

 ファイトが始まる・・・



 45分の後、静寂と瞬は辛くも勝利した。

 一週間の特訓は伊達ではなかったらしい。

 ガクランは言った。

 「・・・約束だ、モンコレはきっぱりと辞める。」

 その言葉に静寂は言った。

 「君のモンコレへの情熱はそんなモノだったのかい?」

 「え?」

 「君にとってモンコレとは『辞めろ』と言われて辞められるような、そんなモノだったのか、失望したよ・・・君の実力にではなく、その負け犬根性にね。」

 その言葉にガクランは反応した。

 さっきまで死んでいた目に火がともった。 そして輝きだした。

 「いいんだな・・・ここで引導を渡さなかったことをいつか後悔するぜ。」

 そして2人のガクランは立ち上がった。

 そして静寂と瞬に指を突きつけた。

 「お前を倒す。」

 そしてガクランは去った。

 2人の後ろ姿に向かって静寂が言った。

 「望むところさ。」


第58回 完
P第59回

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