


バーリトゥード
僕は目を見張った。
そう、目の前の男の言葉に・・・
「バーリトゥードだ!!」
そう宣言したのだ。
しかし、正確には目の前の男は僕に向かって言ったわけではなかった。
そう、僕の隣の男に言ったのだ。
僕の隣・・・そこにはK吾さん(仮名)が居る。
もう一度男は言った。
「C名K吾、君にバーリトゥードで勝負したい。」
バーリトゥード・・・それは、いにしえから伝わる決闘方法の一つだ。
日本語に直訳すると『なんでもあり』と言う意味になる。
すなわち・・・ハート、スペード、月のマークの使用を認め、デック点修正カードも3枚使用してもよいと言う特殊ルールだ。
K吾はの答えは既に解っていた。
「ああ、受けて立つ。勝負は?」
そして問い返す。
「召喚術師戦だ。」
男は応えた。
「さあ、デックオンだ!!」
ここで男は自己紹介をした。
「新宿マリア、榊原だ。」
男は普段から新宿で鳴らしているらしい名前を告げた。
K吾が応えた。
「俺の名前は・・・知っているんだったな。C名K吾・・・リコル。」
勝負が始まった・・・
試合はK吾が有利に進んでいったようだ。
K吾は重儀式デック、対する榊原はジャッジメントデックのようだ。
K吾の本陣には星に願うものが居た。
時は満ちたようだった・・・
K吾がタービュランスを撃つ。
榊原は反応しない。
続いてアースクエイク。
榊原が手札を一枚捨てた。バックラーで打ち消したのだ。
しかし、アースクエイクさえもフェイクだった。
「アポカリプス#3」
K吾の宣言にもはや榊原は反応できなかった。
「アポカリプス#2」
続いていく・・・
「アビス」
「アポカリプス#4」
「スターライトイクスプロージョン。」
全てが無に返った
そして
ここまで来れば明白だった・・・
「アポカリプス#1召喚・・・」
それは厳かですらあった。
榊原はもはや遅すぎる、宙に祈るものを本陣にを召喚できただけだった。
そしてK吾が本陣攻めをする。
即時はなかった。
先攻はK吾だ・・・
そう、たったひとこと言えば終わるのだ・・・
K吾がおもむろに宣言した。
「終わりの始まり、起動。」
馬鹿な!!
ギャラリーの驚きの声があがる。
そして世界から一瞬、音が消えた・・・
「バーリトゥードだ!!」
目の前の男が宣言した。
どこかで見たことのある男だ、そう二階堂静寂は思った。
どこでだったかは覚えていないが。
そう、その宣言は自分ではなく隣の男に向けられているようだった。
隣の男・・・すなわちC名K吾(仮名)に。
「俺は新宿マリア、榊原だ。」
そのセリフさえ聞き覚えがある気がした。
そして戦いは始まる・・・
第59回 完
