P THE MEN WHO HAVE ENDED
P終わっている男達
P第73回
ストーカー


 トゥルルルル、トゥルルルル、トゥルルルル

 こんな時間に電話?

 しかし出ないわけにはいかない。

 わたしは眠い目を擦りながら受話器をあげる。

 「はい、林原ですが」

 声が少し無愛想になったかも知れない。

 『もう届いたかな』

 知らない男の声だ。

 「もしもし、どなたでしょうか」

 『ねぇポストは見たかい?』

 「・・・もしもしイタズラですか」

 『早く見てよ、君の欲しがってた物が入ってるからさぁ』

 私は少し気味が悪くなった。

 「イタズラなら切りますよ」

 『きっと喜ぶと思うよ・・・じゃあまた』

 ガチャ

 電話は切られた。

 私はポストに確認に行く事にした、何が入っているのか・・・

 マンションなのでドアを開ける必要はない、大丈夫だ、心配ない。

 そこには封筒があった。

 宛名が無い。

 当然切手も消印も無かった。

 中は・・・こんな物に爆弾など仕掛けられない。

 私はちょっといらぬ心配をしたようだ、しかし・・・カミソリは・・・大丈夫みたいだ。

 危険はない、そう判断してハサミで慎重にあける

 中にあったのは・・・カードだった

 モンコレのカードが一枚入っていた

 一応スリーブに入っている。

 ・・・ミラージュドラゴン・・・

 トゥルルルル、トゥルルルル、トゥルルルル

 その時、また電話が鳴りだした。

 私はあわてて受話器を取る。

 『どう、気に入ってくれた?』

 「あ、あなた誰なの」

 『君のデックはそれを入れると強くなるよ』

 「どうして私が・・・」

 『じゃあまたね』

 ガチャ

 電話は一方的に切られた

 この男は私がモンコレをやっているのを知っている・・・

 それでからかっているのだ・・・きっと

 しかし・・・どうして私のデックにミラージュドラゴンが二枚しか入っていないことを知っているのだろう・・・

 あと一枚、確かに欲しかった。

 私は戸締まりをもう一度確認して雨戸も閉めて、しかし電気はつけたまま眠りについた


 「あーもう、何でコモンのくせに、見つかんないのよ!!」

 私は怒っていた、誰にでもなく・・・

 入れようとしたカードが見つからないのだ。

 しかもコモンが、そういえば昨日も見つからなかった、それであきらめたのだ。

 ピクシーで我慢した。

 トゥルルルル、トゥルルルル、トゥルルルル

 電話だ・・・

 慎重に受話器を取る

 『ねぇ、窓の外を見てごらんよ、君の欲しがってた物があるからさぁ』

 「あ、あなた・・・」

 『じゃあ、また』

 ガチャ

 私はカーテンを開けて窓の外を見た。

 そこには確かに私の欲しがっていた物があった・・・

 100万枚にも及ぶ『シャドウ・ストーカー』が・・・・・・



 『ねぇ気に入ってくれた?』


第73回 完

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