P THE MEN WHO HAVE ENDED
P終わっている男達
P第77回
泉ー源泉記



「あっ・・・」

 高見瞬たち4人は、いつかの泉に来ていた。

 モンコレハイキングだ。

 しかし今回の目的は対戦ではない。

 そう、目的は泉そのものだった。

 「ここだな、瞬?」

 リーダー格の男、二階堂静寂が声を掛ける。

 「ああ、ここだ」

 目の前にある物はまぎれもなくただの泉だった・・・

 「そう簡単には信じられないがな・・・」

 そう言っていた高橋純一だが、やはり気になるのか真っ先に泉を覗いている。

 「じゃあ早速入れるぞ・・・」

 純一は一枚のカードを手にした。

 そしてそれを泉の中に投げ込んだのだ。

 「あ〜それは1000年前、若い女が溺れた呪い的泉、以来その泉に落ちたものみな、若い娘の姿なってしまうね!」

 突然、後ろからそんな叫びが飛んできた。

 「誰か落ちたね?」

 「・・・い、いや、大丈夫だ誰も落ちてない。」

 静寂がやっとの事で応えた。

 その言葉に安心したのか男はもう一言だけ注意して去っていった。


 「・・・なんだったんだ?今の」

 「ここは金のトレカがもらえる所じゃなかったのか?なあ、瞬?」

 「・・・どうやら道を間違えたらしい、ほらこの前はなかった木だ。」

 ・・・4人は黙ってしまった。

 投げ込んだカードがコモンだったのが何よりの救いだ。


 しかし、そうしてボウっとしていると、突然泉が光った。

 光は一瞬だった、そしてその後には・・・

 カードが一枚浮いていた。

 純一がそれを回収する。

 「あれ?これ・・・シャドウストーカーを入れたはずだったのに・・・」

 純一が持っているのはピクシーだった。

 「あっ・・・若い娘に・・・」

 瞬が声を上げた。

 「若い娘になったんだ・・・」

 何を馬鹿な・・・誰もがそう思った、しかしそこにあるのはまぎれもなくピクシーだった。

 『なら他の物も入れてみよう』

 そうなるのは当然の流れだった、誰も攻められはしないだろう。

 しかし止めておけば良かったのだ、さっさと帰れば良かったのだ、カードなどに気がつかなければ良かったのだ。

 待っている結末にも気づかずに次々にカードを泉に投げ込む男達・・・


 オーク錬金術師団はオーガシャーマンになった


 インキュバスはサキュバスになった


 エルフ火山観測隊はタイガーリリーになった


 ケンタウロス風使い隊はフェアリーになった


 太陽を睨む天使は雨に踊る天使になった


 バードマン攻撃隊長は北風のハーピィになった


 キングオブデストロイヤーは死人使いネビロスになった


 髑髏の魔術師は愛の女神イシュタルになった


 髑髏の騎士は血まみれ修道女になった


 こんな結果が出たのだ止めとけば良かった。

 いい加減にしとけば良かったのだ・・・

 ・・そう、それだけはやってはいけなかったのだ・・・

 「じゃあ入れるぞ・・・オーガパワーズラザーズ!!」

 純一の手がカードを離す。

 ひらひらと泉に落ちるカード、そして光・・・


 あたりには男達4人の叫び声だけが響いていた。


第77回 完P第78回

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