


チョムバ・斉藤
今なんと言った?
『オレハヒトノテフダガヨメルンダ』
人の手札が読める!?
嘘だ、目の前の男は嘘を言っているんだ。
榊原遥人はいつものようにデュエルルームを荒らしていた。
デック傾向はとくに決まっていない、強いて言えば『強い』デックだ。
そんな感じでデュエルルームに現れてはそこら中の人間に対戦を申し込む。
ちょっとは名が知れた頃だろうと思っている。
そんなある日にその男は声を掛けてきたのだ。
24〜5歳に見えるその男は「チョムバ・斉藤」と名乗った。
名の示すとおりにハーフだろうか、その瞳にはかすかに北の匂いがした。
対戦が始まる・・・
「俺は人の手札が読めるんだよ」
斉藤はそう言った。
「その手札に隠したディスペル、落とさせてもらおう」
そう言うとそいつは「デーモントレード」を発動した・・・
的確にディスペルマジックを抜いていく・・・そう、3枚とも
今まで溜めて置いたのがあだになった・・・
こいつは・・・こいつは本当の『読め』るのか!?
いや・・・そんな人間なんて居やしない・・・
疑惑を理性が否定する。
しかし、そいつは能力が本当なら全く合っているデックを使っていた。
手札捨て系のカード、ダークエルフをメインに、マミー、髑髏の魔術師、カースエレメンタル、ギアスまで入っている。
確かに手札が読めるならそのデックの威力は何倍にもなる・・・
いや、そんなはずは・・・無い・・・
しかし疑惑は捨てきれない。
そんな時俺はルールを思いだしていた。
相手のカースエレメンタルの能力が発動した時だ
「ら、ランダムだ、ダイスで決めてくれ!」
そうだ、手札のランダム破棄は通常、対戦相手に引かせることによって代行する。
しかし、ランダムなのだ、俺は忘れていた。
そう、ダイスだ・・・それで手札が読めても・・・関係ない!
チョムバ・斉藤はちょっと顔をひきつらせていた・・・
少し汗をかきながらダイスを振った。
2と5・・・スカだ。
ここに来て無敵に見えたその能力の綻びが見えだした。
「その手札がジャスティスとリザレクション、フレアーだって事は判っている」
・・・本当に読んでいる・・・俺はその能力を信じることにした。
信じるしかない、ここまで100%なのだから。
しかし、俺は自分のデックを信じている。
やることをやるだけだ。
「フレアー」
「・・・対抗はない・・・」
俺の宣言にチョムバ・斉藤はそう答えた。
その後も俺は全力で行った。
相手に不足はない。
「チャージングウィンド!そしてアタックだ!」
反応がない・・・
・・・斉藤はそのままパーティーを捨て山に送った。
「アタック12点。」
捨て山に移動
「ファイアーボール」
捨て山に・・・
そんなことを繰り返しているウチにチョムバの本陣が落ちた・・・
チョムバが唸った・・・
「先攻が・・・先攻が取れない・・・誰だこんなデック作ったのは!!」
「お前だろう・・・?」
第78回 完