P THE MEN WHO HAVE ENDED
P終わっている男達
P第78回
チョムバ・斉藤



 今なんと言った?

 『オレハヒトノテフダガヨメルンダ』

 人の手札が読める!?

 嘘だ、目の前の男は嘘を言っているんだ。


 榊原遥人はいつものようにデュエルルームを荒らしていた。

 デック傾向はとくに決まっていない、強いて言えば『強い』デックだ。

 そんな感じでデュエルルームに現れてはそこら中の人間に対戦を申し込む。

 ちょっとは名が知れた頃だろうと思っている。



 そんなある日にその男は声を掛けてきたのだ。

 24〜5歳に見えるその男は「チョムバ・斉藤」と名乗った。

 名の示すとおりにハーフだろうか、その瞳にはかすかに北の匂いがした。

 対戦が始まる・・・



 「俺は人の手札が読めるんだよ」

 斉藤はそう言った。

 「その手札に隠したディスペル、落とさせてもらおう」

 そう言うとそいつは「デーモントレード」を発動した・・・

 的確にディスペルマジックを抜いていく・・・そう、3枚とも

 今まで溜めて置いたのがあだになった・・・

 こいつは・・・こいつは本当の『読め』るのか!?

 いや・・・そんな人間なんて居やしない・・・

 疑惑を理性が否定する。

 しかし、そいつは能力が本当なら全く合っているデックを使っていた。

 手札捨て系のカード、ダークエルフをメインに、マミー、髑髏の魔術師、カースエレメンタル、ギアスまで入っている。

 確かに手札が読めるならそのデックの威力は何倍にもなる・・・

 いや、そんなはずは・・・無い・・・

 しかし疑惑は捨てきれない。

 そんな時俺はルールを思いだしていた。

 相手のカースエレメンタルの能力が発動した時だ

 「ら、ランダムだ、ダイスで決めてくれ!」

 そうだ、手札のランダム破棄は通常、対戦相手に引かせることによって代行する。

 しかし、ランダムなのだ、俺は忘れていた。

 そう、ダイスだ・・・それで手札が読めても・・・関係ない!

 チョムバ・斉藤はちょっと顔をひきつらせていた・・・

 少し汗をかきながらダイスを振った。

 2と5・・・スカだ。

 ここに来て無敵に見えたその能力の綻びが見えだした。

 「その手札がジャスティスとリザレクション、フレアーだって事は判っている」

 ・・・本当に読んでいる・・・俺はその能力を信じることにした。

 信じるしかない、ここまで100%なのだから。

 しかし、俺は自分のデックを信じている。

 やることをやるだけだ。

 「フレアー」

 「・・・対抗はない・・・」

 俺の宣言にチョムバ・斉藤はそう答えた。


 その後も俺は全力で行った。

 相手に不足はない。

 「チャージングウィンド!そしてアタックだ!」

 反応がない・・・

 ・・・斉藤はそのままパーティーを捨て山に送った。


 「アタック12点。」

 捨て山に移動


 「ファイアーボール」

 捨て山に・・・


 そんなことを繰り返しているウチにチョムバの本陣が落ちた・・・

 チョムバが唸った・・・

 「先攻が・・・先攻が取れない・・・誰だこんなデック作ったのは!!」

 「お前だろう・・・?」


第78回 完P第79回

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