


未来王
私は皆に「未来王」と呼ばれていた
私の持つ力故だ
わたしはそう・・・
未来が見えるのだ
私はかつて、ある秘密組織に属していた
そう、過去形だ
もうその組織は潰れた
私が海外にいる間に本部が潰されたのだ
私には連絡さえ入らなかった
今なら解る、疎まれていたのだろう
私の能力は絶対だからだ
強き故に疎まれる
・・・いや、愚痴ってもしょうがない
私の同僚も疎まれていたのだろう
組織の危機に呼ばれたのは私の同僚ではたった一人だった
同僚・・・そう、私を含めた4人は組織では『四天王』と呼ばれていた
呼ばれなかった3人はみな組織から必要とされてないと言うことがはっきり解った
だから、再建からは手を引いた
もっとも我々が居なければ再建など不可能だろうが
私の他の2人はどうしているかは解らなかった
まぁどうせ私に比べれば大したことのない能力だ
一人は「人の持つカードが読める」などという透視だかテレパシーだか解らないような中途半端なやつだった
私の知ったことではない
過去は断ちったのだ、自らの手で
そう、私には未来があるのだから
今日は久しぶりに対戦してみることにした
気まぐれだ
強さは時に無気力を生むのだ
無敵・・・
悲しい響きがする
だから久しぶりだ
私の能力にはきっかけが要る
カードを引く、その瞬間に「見える」のだ
それが未来王の能力
相手は「よろしくおねがいします」と言って準備を始めた
私もデックを取り出す
カット、シャッフル、セット・・・
そして・・・引いた、瞬間
見えた
俺が負ける?
気のせいだろうか、35ターン目に判定で負けていた・・・
巻き戻す
5ターン戻ってカードを一つ破棄してみる
判定負け
さらに3ターン戻ってわざとユニットを殺されてみる
本陣が陥ちた・・・
さらに戻ってダイスを変えてみる
遡って口三味線を弾いてみる
妖精の輪を捨ててみる
囮を使ってみる
アイテムを捨ててみる
スペルを我慢せず使ってみる
手札を惜しげもなく捨ててみる
・・・
駄目だ・・・どうしても俺が負ける結果しか「見え」ない
何故か・・・
どこかに私が勝結果があるはずだ
はずなのだ!
もう一度最終ターンから一つずつ遡ってみる
そして行動を少し変えて時間を流す
それを1ターン目まで繰り返す・・・
――この間18秒――