P THE MEN WHO HAVE ENDED
P終わっている男達
P第91回
ジン・ラミー



 あてもなく彷徨っていた・・・

 「先生!」

 私を呼ぶ声が聞こえる。

 「セブン・ブリッジ先生、お願いします!」

 その名は捨てた名だ。

 セブン・ブリッジ・・・・過去の栄光はたった一晩で地に落ちた。

 実にあっけないものだ。

 昔に思いを馳せつつも、私はそのまま振り返りもせずに歩き出す。

 「先生、ジン・ラミー先生!!」

 私は驚いて振り返る。

 その名は・・・振り返らぬ訳にはいかない。

 私は聞いた、次に来るセリフは予想がついていたが。

 「なんだ?」

 「ジン・ラミー先生、レフリーが、レフリーが足りないんです助けてください!」

 全くお決まりのパターンだった。

 「・・・一流のレフリーは、ギャラも一流だぜ」

 「・・・チーフレフリーをお願いします!!」

 そのセリフを言ったときの奴の顔。

 私はその表情を知っている、私がさんざん使ってきたものだ。

 侮蔑の目だ。

 一流・・・か・・・

 私は自分がここまで落ちていることをやっと自覚した。



 しかし

 以前の私とは違う。

 新しい2のルールにもしっかり対応できる。

 勉強したのだ、この私が。

 また一から伝説の作り直しだ。

 今度は希代の名レフリー、ジン・ラミーだ!!

 拍手喝采、紙吹雪、行く先々で引っ張りだこ、私の名前はジン・ラミー!!

 たくさんの知識、素早い反応、軽いフットワーク

 どれをとっても最高のレフリーだ。

 しかも今度は資格さえも在るのだ。

 私がBestだ。

 「ん〜君それはSNEのHPでエラッタが出ているよ」

 「そ〜それは対抗は無理だねぇ残念」

 「常識で考えれば解るでしょ〜」

 「おおっと、何でそれが入ってるのかな〜チェック甘いぞデックチェック係〜とりあえず除外ね」

 「あ〜その金色ダイスはとりあえず禁止させてもらえるかな〜」


 ・・・


 「さっきから聞いてりゃあずいぶんと勝手な裁定じゃあないか、え、チーフレフリーさんよ」

 「なんだ君は」

 「俺の見たページじゃあ破棄はされねぇって書いてあったぜ」

 「そうだ、僕の見たページにもそう書いてあったけど」

 「そういえばわたしも・・・」

 「そんなページと私とどっちを信じるんだ」

 「信じる信じないの問題じゃねぇ、俺は正確さを聞いているんだ、納得のいかないルールには例え公式ルールでも従う気はねぇ」

 「排除」

 「うわ〜」

 「非紳士的行為として大会から除外だ・・・ん?チーフレフリーは私だ、文句のある奴は出ていって良し!」

 恐怖政治だ・・・

 辺りは騒然となった。


 トゥルルルルルルルル


 その時、騒ぎを静めるかのように、携帯が鳴り響いた。

 みんなが事の成り行きを見守っている。

 私は通話ボタンを押した。

 「・・・私だ」

 「排除!」

 「うわ〜俺はチーフレフリーだぞ!!」


第91話 完
P第92回

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