

カード・セメタリー
ジョルジュは、もう肩で息をしていた。
慣れない儀式の為だ。
セバスチャンを生き返らせる。
既に準備は整っていた。
不測の事故で逝ってしまったセバスチャン・・・
「死」
その単語がジョルジュの意識を過去へと飛ばしていた。
幼い頃、僕をかばって亡くなった母とその母に無邪気についていった妹・・・
2人の命は僕の命だ。
いや、そんな感傷はどうでもいい、今はセバスチャンを・・・
レイズデッドで・・・
ジョルジュはレイズデッドのカードを右手に持つ、そして火に向かって儀式の続きを行った。
祈り・・・ささやき・・・えいしょう・・・ねんじろ!
手に持っていたレイズデッドのカードが・・・光って・・・
光っていない・・・!?
光はジョルジュの胸元から出ていた・・・
えっ・・・
ジョルジュは内ポケットから呪札を取り出す。
そのうちの一枚が光を発していた。
なぜ・・・レイズデッドが発動しなかった?
光っている札を見る・・・
「ネ、ネクロマンシー・・・」
ジョルジュは気がついた。
さっきの無駄な感傷がまさに仇となったのだ。
生き返らせたいと思った時に3人を思い浮かべてしまった・・・
それが術を失敗させたのだ。
死んだ3人を生き返らせるにはこの方法しかなかった。
そして無意識のうちに発動対象を変えてしまったのだ・・・
「ウゥ・・・」
うなり声が聞こえる。
生き返・・・生き返るわけではない、最悪だ。
この呪文は最悪だ、なんでこんな物がこの世にあるんだ。
クソックソックソッ!!
最悪だった・・・まさに最悪だった。
たった一つの気の緩みが全てを台無しに・・・
「ウグゥゥ・・・」「ウォウォ・・・」
うなり声はいつの間にか3つになっていた。
目の前には、死んだセバスチャンと母と妹のゾンビが・・・
ジョルジュに向かって・・・
た・・・す・・・け・・・て・・・
第93話 完