P THE MEN WHO HAVE ENDED
P終わっている男達
第96回
エスケープ


 「マイケル、モンコレを辞めたって本当なの!?」

 ニコラスは放課後、風邪での休みから久しぶりに学校に来たマイケルに言った。

 「・・・ああ辞めたよ」

 「何で!?もうすぐモンコレ3も出るっていうのに」

 ニコラスは食い下がる。

 「何でって・・・何でだろうな。それにニコラス、あれはスターターが在るからと言ってモンコレ3なんかじゃない、だたの拡張セットだ」

 「ほら、やっぱりチェックしてたんじゃないか」

 「い、いや、そんなことは俺には関係ない。」

 「そんな人ごとみたいに言わないでよマイケル。君は僕たちのリーダーなんだよ?」

 「情熱が、無くなっちまったのさ」

 ・・・なら

 それなら

 「マイケル、辞めたんなら極稀全部ちょうだい、もういらないんでしょ?」

 その言葉にマイケルが初めて反応した。

 「ニコラス・・・お前はファイターだろ?」

 声のトーンが下がっていた。

 「うん、だから極稀が必要なんだ、君と違ってファイターの僕にはね」

 「ファイターは・・・ファイターっていうのは互いのカード、知力、運の全てを掛けて戦うものだ。そして得られる物・・・それが賭け札である本陣だ。」

 「マ、マイケル・・・どうしたの?」

 マイケルの怒りは収まらない。

 「それをお前は『タダでくれ』だって?・・・お前も本当にファイターだと言うのなら俺から戦って獲れ」

 「マイケル・・・それはリアルアンティって事?」

 「そうだ、そしてデックは全て極稀で作れ。」

 「極稀?」

 「そうだ、極稀を奪おうという行為は、極稀を奪われる・・・そんな覚悟を背負った者だけの権利だ。」

 「・・・解ったよ、マイケル」


 そして次の日の放課後

 戦いは始まる。

 二人とも震えていた。

 恐れではない、かつて無い喜びだった。

 これほどの集中力は賭け札無しには得られない。

 これほどの興奮は極稀を賭けた者にしか解らない。

 そしてダイスは振られた。


 「ま、マイケル・・・」

 「・・・辞められなくなっちまったな、こんなに極稀が集まっちゃったらな」

 奪われた者と奪った者。

 しかし両者とも何故か表情は同じ、晴れやかだった。


第96話 完第97回

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