熊野筆

【熊野筆??】
「根元から毛の先があるようなずらし方をしないとうまく化粧がのって行かない。」…みなさんはこの意味がわかりますか?
 M・A・C(メイクアップアートコスメティックス)やスマッシュボックス、ジバンシィ、エスティローダー、ランコムなど多くの有名ブランド用に化粧筆を製造している白鳳堂の社長の言葉です。白鳳堂の化粧筆は1995年に初めてM・A・Cに供給して以来、今では世界の高級化粧用ブラシ市場の6割近くを持っています。

【白鳳堂?】
白鳳堂の本社がある広島県熊野町は古くから書道用毛筆の一大産地で、社長の高本氏も江戸時代から続く筆職人の家に生まれたそうです。もともとは農家の副業として行なわれた行商を基盤として製筆法が確立し、今では全国生産の8割を占める熊野筆ですが、書道用毛筆そのものはどんどん衰退していたことから、1974年に独立し、苦労の末、化粧にこだわりを持つ女性や世界のメーキャップアーティストの御用達企業として成長したのです。

【何がいいの?】
1本1万円近くする高級化粧筆。いったい何がそんなに良いのでしょうか?…化粧の主役はもちろん化粧品ですが、口紅や頬紅、アイシャドーなどを使うときの化粧用ブラシが実はたいへん重要なんです。「柔らかい布で頬を優しく撫でられているような、とても気持ち良い感触。」…なんですって。白鳳堂のそれは筆先の当たりが柔らかいので肌触りが良く、硬いブラシで化粧をすると出てしまうスジが出にくく、化粧の仕上がり具合を左右する「ぼかし」をより自然に表現できるのが人気の理由なんですって。江戸時代から伝わる伝統的な技術が活かされているんですね。

【筆とブラシ】
高本さんは「筆とブラシは違う」と言います。職人のこだわりですよね。他社の化粧ブラシも材質的には高品質な動物の毛を使うのに変わりないんですが、毛先を顕微鏡で見ると全然違うんだそうです。前者のそれは大量生産をしているため毛が太く、先がブッツリ切れているものが混ざっていますが、白鳳堂のそれは毛先が細くて丸いんですって。書道用の筆を作る際に使う「さらえ取り」という技術を用いて、途中で切れてしまった毛を1本1本丁寧に取り除いているから高い品質が保てるんですね。これってすごい手間ひまがかかる作業だと思います。

【ホームページ】
これまで化粧品の「付属品」として軽く見られて来た化粧用ブラシですが、最近の化粧用ブラシへのこだわりによって市場もだんだんと拡大してきました。白鳳堂は「化粧筆の良さを知ってもらいたい」と、インターネットのホームページで自社ブランドの化粧筆を販売したり、筆を利用した化粧の方法なども紹介しているそうです。

【一言コメント】
女性にとって、美しさは永遠のあこがれです。原料の半分を捨てて選りすぐった「品質の良い毛」を用い、「根元から毛の先がある」ように製造された化粧筆は、パウダーを多く含ませることができ、滑らかな感触で化粧の仕上がりが良くなる…。これなら1万円だって出す価値があるかも知れませんね。皆さんも一度試してみてはいかがですか? ちなみに、熊野町では年に一度「筆の市」が開かれ、毛筆、画筆、化粧筆、日本画筆、デザイン筆などを特別価格で販売しているそうです。今年は9月23日だそうなので、お近くの方は是非行ってみてはどうでしょうか?

参考:ブロードキャスター(TBS),日本経済新聞,他
白鳳堂のHP(パソコン用サイト)

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