ハンセン病について

【ハンセン病】
「そばに寄ると臭かった。指を脱落させ、足を断ち、日増しに顔相が変わり、顔なのか何なのか分からなくなっていった。神経痛に切り刻まれる思いをし、骨が腐るほど痛み、(中略)ひたすら他の病気で死にたいと願いながら生き長らえ、鼻梁も脱落、そこには1つないし2つの、高さというもののない孔だけが残る…」★大竹章著『無菌地帯』より

【その歴史】
かつて、らい病と呼ばれていたハンセン病は、新約聖書や日本書記にも残っているほど古く、原因不明で伝染性の不治の病とされていました。顔や手足にひどい潰瘍ができて醜い形相となり、悪臭を放つことから人々に忌み嫌われてきた病気です。

【感染の仕方】
患者との緊密で長期にわたる接触によって、皮膚の傷や鼻、口、気道の粘膜などから感染します。しかし感染力は極めて弱く、生後間もない赤ん坊や免疫不全のひとが衛生環境や栄養状態の悪いときに感染する程度です。潜伏期間は数年から十数年。

【差別と隔離】
ハンセン病患者は差別され、孤立し、何年もらい病院に監禁され、人間的な生活からの遮断を強制されてきました。日本では1996年にらい学会の勧告などから、1953年以来続いたらい予防法がようやく廃止されました。らい患者の大半は他への感染力がなく、隔離よりも衛生計画に基づいた治療のほうが効率的と判断されたからです。

【一言コメント】
先週ニュースで、国を相手取ったハンセン病患者の原告が勝訴しましたが、もっと早期に廃止できたはずの法律のために社会から断絶させられていたことへの償いを勝ち取ったんですね。本当に良かったと思います。でも悲しいのは、患者の平均年齢は70歳に近く、顔や手足の変形があるため、実際は社会で生活するのは難しいということ。法的には社会に出ても良いのに、これからも同じように、私達の知らないところで余生を過ごす人も多いでしょう。差別と偏見が無くならない限り。

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