精神安定剤

【どんな薬?】
精神に対して働きかける薬はその作用から大きく2つに分けられます。1つは気持ちを落ち着かせたり不安を和らげたり、眠気を催させる作用をもつ「マイナー トランキライザー」と呼ばれるもの。もう1つは精神分裂病などに使われる「メジャー トランキライザー」と呼ばれるものですが、一般的には「精神安定剤」と言えば「マイナー トランキライザー」のことを指します。この種類の薬物はたくさんの種類があるんですが、それぞれの異なる特徴をいかして「抗不安薬」や「睡眠薬」「抗けいれん薬」として使い分けています。

【誰が使うの?】
「マイナー トランキライザー」とは「緩和な精神安定薬」という意味ですが、なにやら難しそうな言葉ですよね。でも、病院の外来では意外と よく使われている薬なんです。たとえば、不眠が長く続いたり、ストレスや不安からくる頭痛や胃腸の痛み、動悸がしたり血圧が高くなったり…などの訴えに対して、それらの原因を和らげる目的でこの薬が出されることも多いようです。私達の誰でもが、いつか病院でもらうかもしれない薬なんです。

【なぜ効くの?】
簡単に言うと、脳の情報伝達システムに働きかけて、その流れを緩やかにさせる作用があるのがこの薬なんですが、その結果、眠くなったり脱力感などの症状が現われます。「脱力感」はクスリが持っている「筋肉をほぐす働き」が原因なので「抗けいれん薬」として使えますが、同時に「眠くなる」という副作用を伴います。不眠症の人には「眠くなる」作用は歓迎ですが「翌朝の脱力感」という副作用を伴います。このあたりを上手に考えてクスリというものは使われているんです。

【依存性もある】
これらの抗不安薬・睡眠薬は、長い期間、しかもたくさんの量を飲み続けた場合、依存症になることが知られています。この場合、急に飲むのを止めると幻覚や譫妄、痙攣などを起こすことがあります。また、アルコールを一緒に飲むと作用が増強して「前後不覚」に陥ってしまうことも考えられます。精神病とは違い、精神安定剤依存症は私達の誰でもがなってしまう可能性のある薬物依存症です。無茶なクスリの使い方をすると、ニュースの殺人犯のようになってしまう危険性だってゼロではありません。

【一言コメント】
クスリはそもそも、人間の生理機能の好ましくない変調を元に戻すためのものです。決められた通りに使わなければ元に戻すどころか、とんでもない作用が現われて、クスリによっては死ぬことがあるほど本来危険なものです。医師や薬剤師の指示のもとできちんと使うことは、自分の身や周りの人の命を守ることでもあるんですね。それができなくて社会に迷惑をかけたとしても、やはり自分自身の責任は免れないと思うんです。刑事責任能力という言葉をよく聞きますが、その場での意識がなかったとしても、そこに至るまでのあいだで責任は十分あったんじゃないかと思います。大阪教育大付属池田小学校の事件は本当にやるせないです。

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