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道を歩いていると、不意に世界が平面に感じられた。両手で顔を覆い、その場に座り込みたくなった。立ちくらみではない、これは・・
水晶は不思議な石で、私は時折、それに酔ってしまうのだ。この世界の時間と私の中の時間の流れに微妙にずれが出来、私はそれに耐え切れなくなる。この感覚はチャクラを無理に開いた時に似ている。制御しきれない、あの戸惑いの感覚。
最初に私に水晶をくれた人は、独特の声の持ち主だった。軽くどこまでも言葉の羅列を続ける事が出来るような、そんな人で、声を使う仕事をしていた。
特別に水晶を沢山所持しているわけではない。持ち歩いているわけでもない。だが持ち物と持ち主の間には、繋がりが出来るものなのだ。離れていても、感じている・・そうして私は酔ってしまう。脆弱すぎる精神が。酒が悪気があって人を酔わすのでない様に、水晶にも悪気はないのだ。
少しだけ、世界がずれてしまうだけなのだ。 その波動が、この世界と異なる時に。
私は再び歩き出す。酔いはすぐに醒めるのだ。夢から醒めるのと同じ様に、突然に、素早く・・そして痕にはならない。残るのは、埋もれてしまう日々の記憶の欠片だけ。
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