日常に関する話

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「名残りの花火」




戸棚を整理していたら花火が出て来た。
何時の物だろう、少し古い絵が付いていた。

子供の時は、夏の間は毎夜花火をした。
歩けない妹が何時もせがんだからだ。

縁側から降りて、古いバケツに水を汲んでいると
妹が窓際まで這って来る。私は窓の下で花火をしてやる。
簡単な線香花火や、シュウシュウと火花が飛ぶ奴だった。

煙が白く、家の中から射す灯に映っていた。
煙があるから蚊取り線香は焚かなくて良いと言われたけれど
私の足は良く蚊にさされていた。

何時頃から、花火をしなくなってしまったのだろう。

色褪せた花火の袋を手に
しばらく考えてみたけれど、結局思い出せなかった。

人の記憶も儚いものだ。
すぐに消えてしまう、花火のように。




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071013

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