HOMEmenesiaのプロフィールオリジナル小説二次小説Gallery 掲示板

戻る

聖なる罪の夜に(最遊記・八戒)


聖誕祭・・
西の国ではカミサマの誕生を祝うお祭りをするのだそうです。
あの銀の髪の人が言いました。

そのカミサマは人々のすべての罪をあがなう為に
自らの命を犠牲にするのだそうです。

あんさんたちには、カミもホトケも関係あらへんやろうけど・・

妖怪である僕らへのあの人らしい言い方ですね。
僕らの神経を逆撫でするのが、大変お上手です。

三蔵は相手にしません。
悟浄もそ知らぬ顔で煙草をふかしています。
お祝いと聞いてご馳走の事で頭が一杯になった悟空だけが目をきらきらさせています。

僕は・・
自分の部屋に戻り、鏡に僕の偽りの姿を写してみました。
右目は義眼、妖力制御のカフスで押さえて人の形を保っている姿。
耳のカフスをひとつ、はずしてみました。
肌に蔦の文様が走ります。
もうひとつ、はずしてみました。
渦巻く妖気が広がっていきます・・嗚呼、皆が驚かしてしまう。
急いでカフスを戻しました。

遠い異国のカミサマ・・
貴方がこの桃源郷に再び生まれて死ぬとしたら、僕の罪もあがなってくれますか?
僕の祈りがもしも貴方に届くなら、僕は許してもらえるのでしょうか。
かなわぬと知りつつ、西の国でも僕のように願いをかける者はいるのでしょうか。
祈りの言葉を知らない僕は、失ってしまった人の名前を、そっと呼んでみました。

花喃・・今夜の夢にキミが現れて僕を抱いてくれるなら、僕は幸せなふりが出来る。
偽りの姿の僕が、偽りの幸福を望んで、いけない事があるだろうか。
そのカミサマの聖なる母が生まれたばかりの聖なるみどりごを抱いたように
僕をこの銀色に流れる夜の底で抱いて欲しい。

いつかは、ほんとうの幸せにたどり着くとしても
今の僕には、ほんとうのものは何もない。

遠い異国の聖なる夜よ・・
静かにふけていくこの国の夜にも奇蹟を分けて下さい。
ほんの少しだけでいいですから。

僕のこの身を生贄にして・・






05.12.25
戻る

HOMEmenesiaのプロフィールオリジナル小説二次小説Gallery 掲示板