【注意】 2001年4月、春香山麓および道道小樽定山渓線、魚留の滝付近で、
ヒグマの目撃情報が伝えられています。入山者は十分な注意をはらってください。
これから「北海道の山を歩く」を連載していきます。小樽近郊の身近な山から、大雪、日高の山まで、
山歩き、アウトドア・レポートを少しずつアップしていく予定です。まずは、番外編からスタートです。
北海道の山を歩く ―番外篇―   幻の朝里峠(旧道)スキー越え
新ルートが開通し、冬季間も通行が可能になった道道小樽定山渓線―通称「ゆらぎ街道」―この道が
冬季通行止だった頃、札幌国際スキー場から雪に埋もれた道路を「歩くスキー」で越えたことがある。

数年前の冬、山好きサラリーマン3人が札幌駅前の居酒屋で飲んでいた時、(酔った勢いで)
「通行止め道路を歩いて、スキーで朝里峠を越えよう!」という計画が持ち上がった。札幌国際スキー場から
朝里川温泉まで行程は約15km。ほとんど下りだから、時間もかからないだろう」と、たかをくくって…
ルート略図
【 国際スキー場を「歩くスキー」で出発 】

2月3日 a.m.10:30
札幌駅に集まった私たち3人は、善良な老若男女のスキーヤーで混み合う、札幌国際スキー場行きのバスに乗り込んだ。

12:00
バスがスキー場に到着。他の乗客たちがゲレンデに向かう中、私たちはそのまま自動車道路を歩き、行く手をさえぎる通行止フェンスを乗り越えた。

12:15
スキー場のざわめきが遠ざかり、あたりに人目が無いことを確かめると、担いでいた袋から「歩くスキー」の板を取り出した。

天気は曇り。気温マイナス8度。軽装なのでちょっと寒い。
早めに温泉にたどりつきたい。

2メートル近い雪に埋もれている道をラッセルしながら登り、1時間ほどで朝里峠に到着。ここで昼食タイム。

【 滑らないよ〜 】


14:00
昼食を終えて出発。
やがて視界が開け、道は下り坂になる。工事中の新ルートが、反対側の山間を縫って伸びているのが見える。
ここから朝里峠(旧道)のワインディングロードだ。
しかし、ここで私たちは大きな誤算に気づいた。

夏に自動車で通った時は、急な下り坂だと思っていたのに…、しょせん自動車道路は、スキーで滑るには、あまりに平坦すぎるのだ。滑ったかと思うとすぐに止まってしまう。
しかも、ほとんどが深雪のラッセルで、これじゃあ面白くないし、時間がかかりすぎる。

14:30
あまりの平坦さにうんざりした私たちは、自動車道を歩くのをやめてガードレールを乗り越え、道路のジグザグをまっすぐショートカットして斜面を滑り始めた。
札幌市と小樽市の境界を示す標識が雪に埋もれていた。

【 クレバス?に転落 】

その時、前を滑っていたメンバーの一人が、突然見えなくなったと思ったら、雪の中から手袋がヌッと出てきて、助けを求めている。
近づくと、穴の中で雪にまみれて、もがいている…。

深い雪に埋もれて見えなかった雪崩止フェンスの下に、表面だけ雪をかぶった空間が「落し穴」のように潜んでいたのだ。(斜面を滑り落ちようとする雪の重みで、フェンスの下にすき間ができていた)
他人の失態を指さして笑っていたら、今度は自分の足元が崩壊した。

地雷原を滑るようなスリルに満ちた滑降に、私たち3人はそれでも、しばらくの間スキーの楽しみを味わっていた。
でも、やがてワインディングロードは終わり、あとは再びだらだら坂に…。交代でラッセルしつつ、ぶつくさ言いながら歩き続けることになってしまった。

【やっと温泉にたどり着く】

冬は日が暮れるのも早い。ようやく朝里ダムが見えてくる頃には、太陽は山に隠れ、あたりはすっかり暗くなっていた。寒さもじわじわと迫り、もう何も言う元気も無く、ひたすら心の中で「温泉」「温泉」とつぶやきながら黙々と歩き続けた。
朝里ダム付近では道路工事の人たちが、疲労困憊した怪しげな男たちを見て、「あんたたち、どっから来たの?」と声をかけてきた。やっと人里にたどり着いた気がして、妙にうれしくなった。

17:45
最後の気力を振り絞って朝里のループ橋をぐるりと滑り降り、<温泉→ビール>の待つ「かんぽの宿」へと突入。
冷えきった体に温泉がひときわ快く、しみわたった。

夏も冬も山での楽しみは、やっぱりメシ!
たとえカップラーメンでも…
(全国指名手配中のため、顔を隠しています)
3時間くらいと読んでいた行程が、
結局、休憩も含めて5時間以上かかってしまった。
甘い計画がアダとなって疲れたスキーツアーでした。


新ルートが開通した現在なら、車でわずか20分。

でも、こんなばかげたツアーは、もうできなくなってしまった…


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