ナッチャンRera (青森〜函館)
 【東日本フェリー株式会社】
 評価:★★
注目の外国製高速フェリー、いよいよデビュー!


         ナッチャンRera(青森港)
東日本フェリーが社運を賭けて導入したオーストラリア製の高速船。船価は約90億円もするそう。従来のフェリーが3時間50分要していた青函航路を半分以下の1時間45分、約40ノットの俊足で駆け抜ける。ただし、深夜運航便は減速するので2時間30分かかる。風変わりな船名は、船体のデザインをした女の子の愛称「ナッチャン」とアイヌ語で風を意味する「Rera」を重ねたものという。来年には2隻目の高速船の就航が予定されている。

平成19年就航。総トン数10700トン。
(利用時期:平成19年9月)
 Cabin〜船室は快適か?
船内は3クラス制で、全てが椅子席、座席指定となる。
等 級  設備・感想など
エグゼクティブ ・シングルシートとペアシートの2種類がある。
・乗船したら女性従業員によるご案内があり、軽食か茶菓、ドリンクのサービスがある。新聞の用意あり。
・「ペアシート」は当初「ラバーズシート」という怪しい雰囲気の名称で発表されていたのだが、いつのまにか名称変更されていた。中央の肘掛はなく、モニターは2人で1つ。相席は想定しておらず、1人使用は50%の占有料金が必要となる。
・「シングル」は1−2−1列のモニター付きのリクライニングシート。2人席は中央に肘掛こそあるものの、シングルには不適切か。もっと各席の独立性を高め、隣の人が気にならないようにもう少し大きな仕切り(日航が導入する国内線F席のような)が必要だと思う。まあ、ここが相席になる程、客が乗ることは滅多にないかな?
・座席の背は手動でリクライニング、足置きはなぜか電動。肘掛のなかにテーブルが、読書灯もあるが、機能がややこしい。国際線旅客機のビジネスクラスにあるような「座席機能の説明図」が必要なのではないだろうか?
・どんなサービスがあるのかよくわからないので、ドリンクメニューや提供できるサービスを記載した案内が各座席に欲しいと思う。
・シートポケットが小さく、安全のしおりやイヤホンがきつく詰め込まれていた。もう少し余裕が欲しい。
・スリッパと毛布の貸出しがあったらいいな〜と思うので検討してほしい。
・提供する軽食について、詳しくは書かないけど、客に出す前にいろいろと表示されている数字等を箱の裏側まで確認してから出した方が良いと思うよ。
・さらに軽食について、同じ便なら同じ物を全員に当たるように用意すべき。途中でなくなったから別の物というやり方はどうかと思う。予約数を確認して積み込みをしておき、どうしても足りないときは予約なしで来た客に異なる物を出すようにしてほしい。(予約なしの場合は軽食が異なる可能性があることを予告しておくと良い。)
ビジネス ・船の後方に位置し、座席の向きは後ろ向きとなるが、ほとんど気にならない。
・ドリンクなどの特別なサービスはなく、エコノミーと比較しても大差はないのであまり価値を感じない。
・むしろエコノミーの方が景色が良いので、あまり使いたくないかな?
・「ビジネス」という名称にしては安っぽく、疑問を感じる。
エコノミー ・3〜4人掛けのリクライニングシート。窓側と前方はパブリックシートとなっている。
・ビジネス、エグゼクティブよりも圧倒的に眺めが良い。
・無理に指定席にせずに自由席の方がいいのでは?(あまり守られていない様子)
・全クラスに共通することだが、座席番号の付け方が日本的でなく、ややこしいし、表示がとても小さいのでわかりにくい。
・座席の高さが外国人向きなのか、高くて座りにくいかと思う。(身長にもよるけど)
エグゼグティブ ビジネス
(写真提供:RUMI様)
エコノミー
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
エントランス
ラウンジ
・案内所はなく、吹き抜け階段を中心に、ショップ、カフェ、ラウンジ、エレベーターが配置されている。
・自動販売機、公衆電話の設備はない。
ショップ ・レジの所に、目的地の入港予定時刻を表示していたので、案内所兼用のつもり?
・外国のお菓子やお土産中心で船内で飲食するものはほとんど販売さてておらず、魅力がなかった。
・就航直後だからか、オリジナルグッズも皆無。
・もう少し、現実的、実用的な品揃えを望む。
カフェ ・生ビール400円、缶ビール300円、オレンジジュース250円など。
・パン類を販売。(米飯の販売なし)
・何をいくらで販売しているか入店しなくても外でもわかるようにメニューを掲示してほしい。
バー ・エグゼクティブ区画にあるカウンターなのだが、何かを販売しているのか、もしくは無料で頂けるのかなど、何も説明や掲示がないので不明。
トイレ ・洋式のみで温水便座。便座クリーナー等は一切なし。
・トイレのドアが重いので開けるのに力が要る。
シャワー (追記、平成19年10月利用時)
・エグゼクティブクラスのトイレの奥にはシャワー室がある。客室乗務員に声をかけると、バスタオル、タオル、バスマットを無料で貸してくれる。せっけん類の用意はなし。
・扉の上部にストッパーがかかっているので、使えないと誤解しそう。
・シャワーの水圧は弱く、イマイチな感じ。
分煙の状況 ・何を気取っているのか知らないが、船内は全てが禁煙で一切喫煙できない。やりすぎ!
・船の場合は航空機とは異なりスペースには余裕があるのだから、どこかに喫煙コーナーは必要だと思う。フェリーを利用する客層は喫煙率が高いという現実を直視しましょう。
エントランスラウンジ ショップ カフェ
パブリックシート(船首側) パブリックカウンター(舷側) バーラウンジ(エグゼグティブ専用)
 Infomation〜船内案内・感想など
船内やサービス内容は航空機を意識しているような気がする。出港後に救命胴衣や非常脱出についてモニターで説明する映像が流れたり、シートポケットの安全のしおり等、航空会社とそっくり。(安全の為にビデオをご覧頂きます。皆様必ずご覧ください・・・って今時ビデオなの?) 女性従業員の笑顔やサービスも良い意味でも悪い意味でも航空機風?

等級は3クラス制なのだが、「ビジネス」の位置付けが微妙で、エコノミーとほとんど差がなく無意味かと思う。無理に3クラスも設ける必要はなく、「エグゼクティブ」と「エコノミー」の2クラスで十分ではないかと思う。

全て椅子席というのは、昼間だけなら構わないのだが、深夜も運航するので不適切だと思う。特に深夜便では横になりたいというニーズは強い筈。(深夜はソファー席が大人気かな?)以前、九四フェリーで運航していたジェットフェリー「はやぶさ」のようにカーペット敷きや寝台も設置して、仮眠が取れるようにして欲しかったと思う。(さすがに個室までは不要か?あったら嬉しいけど。)

はっきり言って旅客運賃が高い。航海距離と所要時間で全く他の航路の高速船(離島航路等)と比較すればそう高くもないのだが、この地域で競合する鉄道や他のフェリーと比較したら、「この船に乗りたい」という人以外は利用したくなる金額ではない。移動のための交通機関として電車と比較したら、フェリーターミナルへのアクセスが面倒なのでメリットは全くない。就航記念の回数券を発売したり、高速バスとの連絡切符を発売したりして安くしている商品もあるのだが、使い勝手が悪い。制約の多い企画商品よりも正規のエコノミー運賃の値下げを望む。4000円を切れば納得できると思うけど。

会社はしきりに「船旅」という言葉を使ってPRしているが、椅子席だけの高速船では残念ながら「船旅」というより単なる交通機関。本船に乗る事を目的とする旅客需要は就航直後だけだと思うので、交通機関としてお客様に選んで貰えるように現実的な運賃、サービスを提供した方がいいと思う。

40ノットという高速を感じさせない、予想以上の良好な乗り心地と、騒音の静かさであったが、海峡に出るとたいした時化でもないの(2m位)に横波によるローリングがやや気になった。揺れが少ないとの事なのだが、同じ日に乗船した在来船よりも揺れには弱いような気がした・・・(波の向きや積荷によって違いはあると思うけど)

デッキの階数の表示が 「TIER4」 のように日本人にはあまりなじまない表現となっているが、素直に「4階」とか「第4甲板」の方がわかり易いような気がする。

エントランスの吹き抜け階段の上はエグゼクティブクラス専用のフロアとなる。上の階で従業員が見張って侵入を止めているようだが就航直後ということもあって無断侵入が絶えないようだ。ただ、階段の所に何も掲示がないので、本人には悪気は無く上がってくるケースもあろうかと思う。階段の所に、昔の関西汽船の特等への階段のように、「立入お断り」の大きな立て看板を設けたら良いと思う。

たまたまかも知れないが、トラックの乗船台数がとても少なかったのが気になった。高速船は特別扱いという事なのか、積荷による乗船拒否やその他、強気の営業を行っているようだ。一番のお客さんは一見の観光客やヲタではなく貨物であるというフェリー業界の常識をもっと考えるべきでは?

当初、船名は公募との事で大々的に募集していたのだが、該当なしということでユーモア賞のみ表彰、あとはどういう経緯で船名を決めたのかはよくわからない。最初から会社側で命名する事になっていたのなら公募なんかしない方がいいと思うが。

函館港には徒歩客用のボーディングブリッジがあって悪天候の日でも濡れずに乗下船できるのだが、青森港については車両甲板から歩いての乗下船となる。しかもターミナルから一番遠い場所。天気のいい日なら良いが、雨や雪の日は嫌だなあと思う。今回は車両甲板を堂々と見学できたので嬉しく歩いたけど。

色々と辛口での感想を書いたが、この船が成功するか否かはこの会社で働く人達の生活がかかっている。この船を成功させるために客(特にトラック)に選んでもらえるような船になるように頑張って欲しいと思う。

(追記、平成19年10月利用時)
函館港のターミナルにはエグゼクティブクラス乗船者のためのラウンジがある。ドリンク、お菓子のサービスがあり、オーダーを聞きにきて席まで持ってきてくれる。アルコール飲料もある。(車を運転しないか?の確認あり)あまり広くはないが、航空会社のラウンジよりサービスは良いと感じた。
   船 室 構 成 合 計
エグゼクティブ  ペアシート36席 シングルシート58席 94名
ビジネス  椅子席 112名
エコノミー  椅子席 526名
 更新履歴
H19.09.08 新規掲載
H19.10.27 シャワー、函館港のラウンジについて追記。他サービス体制の確認。

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