1998/3/20 赤桐
ダブル・ピノクルは普通のピノクル(シングルデッキ・フォーハンド・パートナーシップ・オークション・ピノクル)と同じぐらい米国で人気のあるピノクルのバリエーションです。
普通のピノクルとの違いは,普通のピノクルのカードを2組使うことです。ただし9のカードは使わないので,80枚のカードになります。もともとピノクルには同じカードが2枚ずつあったので,ダブル・ピノクルでは,同じカードが4枚ずつあることになります。
ここで紹介するルールは,正確には,ダブルデッキ・フォーハンド・パートナーシップ・オークション・ピノクル(Double-deck Four-handed Partnership Auction Pinochle)ということになります。
4人。向かい合った2人がパートナーとなります。
各スートの2〜9を除いた20枚のトランプを4組混ぜて使います。ジョーカーは使いません。カードは80枚になります。
最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは,時計回りに交代します。
ディーラーは各プレイヤーに20枚のカードを配ります。
ディーラーの左隣から時計回りにビッドを行います。
ビッドは,パートナー2人で得点するつもりの点数を宣言します。最低のビッドは50(点)です。今までにビッドしたプレイヤーがいたら,それより高い点数をビッドしなければなりません。ビッドしたくなければパスをします。
ビッドの点数は,60点までは1点きざみで,60点以上は5点きざみになります。つまりビッド可能な点数は51,52,53,...,59,60,65,70,75,80...となります。しかし,この点数のきざみの中ならば,どれだけ高い点数をビッドしてもかまいません。
パスをしたプレイヤーは,再びビッドをすることはできません。1人を除いて全員がパスをするまで,何順でもビッドは続けられます。
最後にビッドをしたプレイヤーがデクレアラーとなります。
最初の3人が続けてパスをした場合には,ディーラーは必ず50(点)のビッドをしてデクレアラーにならなければなりません。
ビッドが終わると,デクレアラーはまず切札のスートを決めます。
次に,すべてのプレイヤーは,自分の手札に次のカードがあると,宣言してメルド(手役)の点数を得ることができます。
切札のA,K,Q,J,10があった場合,15点もらえます。ランが2組あった場合には,150点となります(切札のA,K,Q,J,10が2枚ずつあった場合です)。3組なら225点,4組なら300点です。
切札のKとQがあった場合,4点もらえます。ただし,ランになっている場合には,この点数は数えません。ロイアル・マリッジが2組あった場合,つまり切札のKとQが2枚ずつあった場合には,8点になります。3組なら12点,4組なら16点です。
切札以外の同じスートのKとQがあった場合,2点もらえます。マリッジが2組あった場合には4点になります。3組なら6点,4組なら8点です。
各スートのAを持っているとき,10点もらえます。エース・アラウンドが2組あった場合,つまり各スートのAを2枚ずつ持っている場合には,100点となります。3組なら150点,4組なら200点です。
各スートのKを持っているとき,8点もらえます。2組ある場合には,80点となります。3組なら120点,4組なら160点です。
各スートのQを持っているとき,6点もらえます。2組ある場合には,60点となります。3組なら90点,4組なら120点です。
各スートのJを持っているとき,4点もらえます。2組ある場合には,40点となります。3組なら60点,4組なら80点です。
Jと
Qを持っているとき,4点もらえます。2組ある場合,つまり
Jと
Qが2枚ずつあるときには,30点もらえます。3組なら60点,4組なら90点です。
1つのメルドで使ったカードを別の種類のメルドでも使うことは可能です。例えば,切札のKとQが各1枚とそれ以外の各スートのKがある場合,ロイヤル・マリッジとキング・アラウンドのメルドができます。
しかし,切札のKが2枚とQが1枚あっても,ロイヤル・マリッジが2組できるわけではありません。同じ種類のメルドで,同じカード(切札のQ)を2回使うことはできないからです。
また,既に述べたように,ランのメルドで使ったカードをロイヤル・マリッジでも使うことはできません。
なお,各スートのAとKを全部持っているとき,ラウンドハウス(Round House 別名ラウンドロビン Round Robin)として24点とすることもありますが,これはロイアルマリッジ,マリッジ(3組),キング・アラウンド,クイーン・アラウンドの点数を加えたものにすぎません。
メルドを宣言するときには,メルドを構成しているカードをすべて表向きにしてテーブルに置き,みんなに見せなければなりません。しかし,プレイが始まる前に手札に戻します。
チームの2人のメルドの点数を合わせても20点に達しないときには,そのチームのメルドの点数は0点となります。この場合,メルドのカードを見せる必要はありません。(プレイによる点数が20点に達しない場合にも,メルドの点数は0点になります。)
デクレアラーのチームのメルドの点数が少なくて,プレイで全部勝って50点を得たとしてもビッドの点数に達しないときには,プレイを行わないでこのディールは終了となります。デクレアラーのチームはビッドの点数だけマイナス点となり,相手チームはメルドの点数だけを得ます。
デクレアラーが最初のリードを行って,トリックテイキングゲームのプレイを行います。プレイの順序は時計回りです。
各スートのカードの強さのランクは:(強)A,10,K,Q,J(弱)です。同じカード(同スート同ランクのカード)の場合には,先に出したカードのほうが強くなります。
切札が出ていない場合は,リードされたスートのカードのうち最も強いカードを出したプレイヤーが勝ちます。切札が出ている場合は,最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。
勝ったプレイヤーはそのトリックに出たカードを取ります。取ったカードは裏向けにして,各チームごとにまとめて置きます。
勝ったプレイヤーが次のリードを行ないます。どのカードをリードしてもかまいません。
フォローのルールは次の通りです:
次のことにご注意ください。
各チームはそのチームの取ったカードの点数を数えます。カードの点数は次の通りです:
| 各A,各10,各K | 1点 |
| それ以外のカード | 0点 |
さらに,最後のトリックを取ったチームに2点が与えられます。
プレイによる1ディールの全得点は50点になります。
これにメルドの点数を加えたものが,各チームの得点となります。
ただし,デクレアラーのチームは,この点数(プレイの点数+メルドの点数)がビッドの点数以上でない場合には,ビッド失敗となり,このディールの得点は,取った点数に関わりなく,メルドの点数の分だけマイナス点となります。
また,あるチームがプレイで20点未満しか取れなかったときには,メルドの点数もプレイの点数も0点になります。それがデクレアラーのチームならば,当然ビッド失敗となります。
ディールが終わって得点計算した結果,どちらかのチームの累計点が500点に達していたら,ゲーム終了です。
両方のチームが500点以上の場合には,どちらが高い得点かにかかわりなく,最後にデクレアラーになったチームが勝ちます。
ビッドのときに約束を決めておけば,パートナーどうしが互いの手について情報を交換することができます。以下は1つの例です。
50点のビッドや必要最小限のビッドです。パートナーに次に述べるメルド・ビッドをしてくれるように依頼します。
自分の手のメルドの内容を知らせるビッドです。最初の1巡に行わなければなりません。
a)メルドが20点以上あるとき,メルドの点数の10分の1を直前のビッドの点数に加えます。
例えば,直前のビッドが52で,メルドの点数が約30点のときには,55のビッドをします。
最初のビッドのときには50にメルドの点数の1/10を加えます。
b)エース・アラウンドがあり,最初にビッドできるときには,51をビッドします。
c)エース・アラウンドが2組あるときには,59をビッドします(ただし,直前のビッドが58のときには,この意味にはなりません)。
1巡目では,メルドが約50点以上あるときには,いきなり60のビッドをします(直前のビッドが56点以上の場合は,65のビッドをします)。
2巡目では,直前のビッドより2点高くビッドするだけで,強い手であることを示すことができます。
オプショナル・ルールです。
ビッドが終わって切札が宣言され,メルドの宣言が始まる前に,デクレアラーのチームの2人がカードの交換を行うことができます。
デクレアラーのパートナーがまず3枚のカードをデクレアラーに渡し,デクレアラーはそれを手札に加えたあと,その中からパートナーに3枚のカードを渡します。
| 1組 | 2組 | 3組 | 4組 | |
| ラン | 15点 | 150点 | 225点 | 300点 |
| ロイヤル・マリッジ | 4点 | 8点 | 12点 | 16点 |
| マリッジ | 2点 | 4点 | 6点 | 8点 |
| エース・アラウンド | 10点 | 100点 | 150点 | 200点 |
| キング・アラウンド | 8点 | 80点 | 120点 | 150点 |
| クイーン・アラウンド | 6点 | 60点 | 90点 | 120点 |
| ジャック・アラウンド | 4点 | 40点 | 60点 | 80点 |
| ピノクル | 4点 | 30点 | 60点 | 90点 |
カードを1度に何枚ずつ配るかは次のようにいろいろなやり方があるようです。
1枚ずつ配ってもよいでしょう。
各プレイヤーが1度しかビッドができないというルールもあります。また,ビッドが2巡しか回らないというルールもあります。
50点以上の場合も5点きざみではなく1点きざみでビッドできることもあります。逆に100点以上の場合は10点きざみになるというルールもあります。
デクレアラーの手札にはロイアル・マリッジのメルドがなければならないというルールも一般的です。なければ,デクレアラーのチームはビッドした点数だけマイナスの得点になり,このディールは終わります。(初の3人が続けてパスをしてディーラーが強制的に50(点)のビッドをさせれれた場合にも,このルールは適用されます。)
特定のメルドが3組以上あった場合の点数は,次の3つの例のように,いろいろあります。
| 3組 | 4組 | |
| ラン | 300点 | 600点 |
| エース・アラウンド | 200点 | 400点 |
| キング・アラウンド | 160点 | 320点 |
| クイーン・アラウンド | 120点 | 240点 |
| ジャック・アラウンド | 80点 | 160点 |
| ピノクル | 90点 | 270点 |
| 3組 | 4組 | |
| ラン | 500点 | - |
| エース・アラウンド | 500点 | - |
| キング・アラウンド | 400点 | - |
| クイーン・アラウンド | 300点 | - |
| ジャック・アラウンド | 200点 | - |
| ピノクル | 90点 | 360点 |
| ロイヤル・マリッジ(2組:30点) | 60点 | 240点 |
| 3組 | 4組 | |
| ラン | - | - |
| エース・アラウンド | 150点 | 200点 |
| キング・アラウンド | 120点 | 160点 |
| クイーン・アラウンド | 90点 | 120点 |
| ジャック・アラウンド | 60点 | 80点 |
| ピノクル | 60点 | 90点 |
ピノクル(1組)の点数を14点とするルールもあるようです(2組以上の点数は普通通り)。
ラウンドハウス(各スートのAとKを全部持っているとき)の点数を24点でなく32点とすることがあります。ラウンドハウスに切札の10,J,Qが加わったもの(ラン付きラウンドハウス)を39点とすることもあります。ラウンドハウス2組を240点とすることもあります。
Crさんによれば,本文のようにプレイの点数が20点未満だと,すべての得点が0になる(デクレアラーならばビッド失敗になる)というルールを「ワイプ・オフ」バリエーションというそうです。このようなルールを採用しないこともあります。
Crさんのルールによれば,2人とも1度もビッドしなかったときも,メルドの点数だけ0点になります。
チームのメルドの点数が20点未満の場合でも,エース・アラウンドがあれば,見せなければならないというルールもあります。
ビッドが成功する可能性があっても,プレイの前に降参(Throw In)することができることがあります。ビッド失敗になりますが,相手チームはメルドの点数だけを得点できます。
ゲーム終了の点数は500点でなく,350点や450点などのこともあります。
あるチームが1つのディールで全トリックを取った場合,そのチームの勝利でゲーム終了となるというルールもあります。
本文で述べたビッドコンベンションは,Larry W. Nichoras氏のコンピューターソフトPinochle97の解説によりました。
John Hay氏によると,ビッドのとき可能な最も低いビッドよりも高いビッドをしたら,自分は切札を決めたくないというシグナルであり,実際のビッドと可能な最も低いビッドの差を10倍した点数のメルドを持っているということになるそうです。
例えば最初にビッドできるときに54のビッドをすると(54-50)*10=40なので,約40点のメルドがあることになります。53のビッドのあとに55のビッドをすれば,可能な最も低いビッドは54なので,(55-54)*10=10点のメルドということになります。
Crさんによれば,ビッドのときに,パスをする際に,「バイミー(by-me)」と言ってパートナーにメルドの点数を知らせることのできるルールもあるそうです。
例えば,ワン・バイミーと言えばメルド10点,ツー・バイミーと言えばメルド20点というようになります。バイミーを宣言するとパスをしたと見なされます。
さらにオプショナル・ルールとして、「ハーフ」(=5点)を認めることもあります。例えば「トゥー・アンド・ア・ハーフ・バイミーズ」と言えば、25点のメルドがあるということになります。
カードの交換の方法には次のようなものもあります。
1)デクレアラーのチームは,互いに,相手から渡されるカードを見る前に,自分の手札からカードを相手に渡さなければなりません。
2)デクレアラーの相手チームも,このように交換できることもあります。
切札が宣言される前に交換を行うこともあります。
交換の枚数もいろいろです(1枚〜4枚)。
Joh McLeod氏のインターネットサイトにあるToby Thomas氏のルールは,本文のルールと次のように違います。
John Hays氏のルールは本文のルールの基になったルールですが,次の点が本文のものと違います。
John Hay氏のルールにバリエーションとして載っているGeirge Klemic氏のルールは本文のルールと次のように違います。