1995/11/2 赤桐
「ファイブアップ」はアメリカの特に西海岸でよくでプレイされているゲームです。ジャン・クルー氏の書いた「フレンチゲーム入門・ドミノとバックギャモン」で,「カンテット」として紹介されているゲームと実質的に同じものですが,ごく微妙なルールの差もあります。
ここでは,アメリカの用語とルールを中心に紹介します。ルールは Dominic C. Armanino氏の紹介による International Domino Association の「公式ルール」を基にしています。
普通の28枚のダブルシックスのドミノを使います。
2人〜4人。4人のときは向かい合った2人がパートナーになります。
ドミノをすべて裏返して,よくかき混ぜることです。「親」が決まっている場合には,親の右隣のプレイヤ ーがシャフルするのが正式のやりかたです。
シャッフルされたドミノの集まりから,ドミノを1枚ずつ取ることをドローと呼びます。ドローするときには任意のドミノを取ることができ ます。もちろん,ドローする前にドミノを表向きにしてはなりません。
各ハンドで最初にプレイするプレイヤーを親と呼んでおきます。(ハンドとはシャッフルしてドローしてからプレイが終わるまでの1勝負のことです。)
シャフルしたドミノから各プレイヤーが1枚ずつドローして,両方の目の合計が1番多いドミノを引いたプレイヤーが,ゲームの最初の親になります。同数ならば大きい目を含むドミノを引いたプレイヤーが親になります。例えば 4-3と5-2があれば,5-2のプレイヤーが親になります。ドローしたドミノは元に戻して,再びシャッフルします。
次回からは,前回の親の左隣のプレイヤーが親になります。つまり,親は時計回りに交代します。
シャッフルのあと,親から始めて時計回りに,各プレイヤーは5枚ずつドミノをドローします。2人ゲームのときは7枚ずつドローします。
各プレイヤーの取ったドミノのことを手と呼ぶことにします。
最初のドローのあと残ったドミノはまとめて1ヶ所に置いておきます。これをタロンと呼ぶことにします。
タロンは正式には親の右側に置きます。
親の行う最初のプレイをリードと呼びます。
親は手から自由に1枚のドミノを選び,それをテーブルに出します。
リードしたドミノがシンプル(ぞろ目でないドミノ)であれば,親は目の大きい方を自分に向けて,縦に置きます。 ダブル(ぞろ目のドミノ)であれば,自分 に対して水平になるように置きます。
親がリードしたら,時計回りの順番に,各プレイヤーは自分の手の中から1枚ずつドミノをテーブルに出して,すでにテーブルに並んでいるドミノの列につなげます。
ドミノのつなぎ方は次の通りです。
リードがシンプルだった場合や,場に並んでいるドミノの列の1つの端がシンプルだった場合,その端へシンプルをつなぐには,同じ数の目と目を接続させて,列の伸びる方向に伸ばしてつなぎます。
例1:
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例2:
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なお,ドミノの列が伸びてテーブルの上に置けなくなるときには,シンプルとシンプルを直角につないで列の伸びる向きを変えてもかまいません。例えば,つぎのようにします。

リードや列の端のシンプルに対して,同じ目のダブルをつなぐこともできます。その場合,ダブルはドミノの列の方向に対して直角に(T字形に)置かなければなりません。
例1:

例2:
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リードされたダブルや,列の端のダブルに対して,同じ目のシンプルをつなぐこともできます。このときには,そのダブルに対してさらに直角につなぎます。したがって,本来のドミノの列の延長方向に伸ばすことになります。
例1:

例2:
ダブルの両脇にシンプルが接続された後にかぎり,そのダブルを中心に列を四方に伸ばしていくことができます。

このようにして,ドミノの列はダブルを中心にして枝を作ることができ,また,その枝の先にさらに枝を作ることもできます。
テーブルに出したドミノによって,ならんでいる列のすべての端の目の合計が5の倍数になったら,5につき1点を得点します。
ダブルは,列の端にT字形に置かれているときだけ,目を計算されます。このとき,両方の目が計算されます。ダブルの両脇にドミノが接続されている場合は,まだ枝を伸ばしていない場合でも,そのダブルの目は計算しません。

上記の例では,ピンクの目が計算されることになります。2+1+4x2+5+4=20となります。5の倍数なので,20÷5=4点を得ることができます。
グレーの目は計算されないことにご注意ください。
自分の番のときに,プレイできるドミノが手の中にないときには,タロンからドミノを1枚ドローして,そのドミノをつかってプレイします。1枚ドローしてもプレイできない場合は,ドローしたドミノを手の中に入れながら,プレイできるドミノが来るまでドローを続けます。
ただし,3人ゲームと4人ゲームのときは,タロンに最後に残った1枚のドミノは残しておかなければなりません。つまり,最後の1枚はドローすることができません。2人プレイのときには,2枚のドミノを残します。
プレイもドローもできない場合は,「パス」を宣言します。パスがあると,プレイの番は次のプレイヤーに移ります。
プレイすることのできるドミノを持っているのに,ドローしたりパスをしたりすることは,許されません。
プレイヤーの1人が上がったら,プレイは終了します。上がるとは,手の中のドミノをすべてプレイに使ってしまって,手にドミノがなくなることです 。
4人ゲームのときには,上がらなかった方のペアの2人が手に残しているドミノの目の数を合計して,それを5で割ったものが,上がった側の得点となります。上がったプレイヤーのパートナーの手のドミノは得点には関係しません。
3人ゲームでは,まず上がらなかった2人それぞれが,手に残っているドミノの目の数を合計し,それを5で割って,点数を計算しておきます。上がったプレイヤーは,この点数の合計を得点します。上がらなかったプレイヤーのうち点数の少ないプレイヤーは,点数の多いプレイヤーとの点数の差だけ,得点します。もう1人は得点しません。
2人ゲームのときには,上がったレイヤーは,相手が手に残しているドミノの目の数を合計して,それを5で割ったものを得点します。
なお,5で割るときには,割ったときの余りが1か2のときは切り捨て,3か4のときは切り上げます。つまり,小数点以下を四捨五入するわけです。
プレイヤー全員が続けてパスをしたとき,クローズの状態になり,この場合もハンドが終了します。
4人ゲームの場合には,2つのペアのそれぞれが自分の側の手に残ったドミノの目の数を合計して,少ない方のペアが,多い方のペアの目の数の合計を5で割ったものを得点とします。(差を5で割るわけではありません。)
3人ゲームでは,まず3人のプレイヤーそれぞれが,手に残っているドミノの目の数を合計し,それを5で割って,点数を計算しておきます。実際の得点は,目の数の合計の1番少ないプレイヤーだけが得ることができます。他の2人の点数から自分の点数を引いたものが得点となります。2人以上のプレイヤーの目の数の合計が同数であり,それが最も少なかった場合は,誰も得点しません。
2人ゲームの場合は,手に残っているドミノの目の数の合計の少ないプレイヤーが,相手の目の数の合計を5で割った点数を得点します。
5で割るときには,上がりのときと同じように,割ったときの余りが1か2のときは切り捨て,3か4のときは切り上げます。
ハンドが終了した時点で,得点が61点を超えたペアやプレイヤーがいたら,ゲーム終了となります。もちろん,最高点のペアやプレイヤーが勝者となります。
最高点が同点であるならば,4人ゲームと2人ゲームの場合は,あと2つのハンドを行います。3人ゲームの場合は3つのハンドを行います。3人ゲームの場合は,他の2人よりも得点の低かったプレイヤーが逆転勝利する可能性もあります。
4人ゲームや2人ゲームでは,勝ったほうと負けたほうの得点の差が,勝ったほうのプラス点になり,負けたほうのマイナス点になります。
3人ゲームの場合は,勝ったプレイヤーは,自分と2位のプレイヤーの得点の差に自分と3位のプレイヤーとの得点の差を加えたものがプラス点となります。他のプレイヤーは,勝ったプレイヤーと自分の得点の差がマイナス点となります。
よく行われているオプショナルルールとして,勝ったペアやプレイヤーが10点のボーナス点をもらえるというのがあります。上記の計算は,まず得点に10点を加えてから行います。
続けて次のゲームを行うときには,前のゲームで1番得点の低かったプレイヤーが最初の親になります。
パートナーは合意により決めてもかまいませんが,そうでないときには,親を決めるときと同様に,各プレイヤーが1枚ずつドローします。各プレイヤーのドミノの両方の目の合計を比べて,上位の(多いいほうの)2人がパートナーになり,下位の2人と対戦します。このとき,目の合計が同じならば,片側の目が大きい方が上位とみなします。
このようにパートナーを決めた場合は,このとき最も上位であったプレイヤーが最初の親になります。
「ドミノとバックギャモン」では,2人ゲームでも5枚ずつドローするやりかたも書いています。
K.W.H.Leeflang氏はすべてのドミノのゲームについて,プレイヤーがX人ならば,最初のドローは(8-X)枚とすることを薦めています。つまり,2人ならば6枚,3人ならば5枚,4人ならば4枚 etc.です。
通常,ゲーム中の得点は,61の穴のあるクリベッジボードを使ってカウントします。
次のようなオプショナルルールを用いることもあります。
ゲームが終わったとき,負けたプレイヤーのスコアが30点以下だった場合は,勝ったプレイヤーは10点のボーナス点をもらえます。3人ゲームの場合は,ゲームの点数を出すときに,勝者とスコンクのプレイヤーとの差を計算するときだけ,10点のボーナスを加えます。
スコンクの場合,10点のボーナスの代わりに,計算されたゲームの点数をすべて倍にするというやりかたもあります。3人ゲームの場合は,勝者とスコンクのプレイヤーの差の計算結果だけ倍にします。
「ドミノとバックギャモン」では,敗者が1セットの得点の過半数の18点に達しない場合,半スコア(仏:Demi-Score)とよび,勝者の得点を2倍とする というルールが紹介されています。
プレイヤーが上がったとき,2点の得点が得られるというルールです。
ヨーロッパのルールでは,どの人数でプレイする場合でも,タロンには2枚のドミノを残すようです。ただし,ジャン・クルー氏の「ドミノとバックギャモン」では,4人ゲームと2人ゲームのときには2枚を残し,3人ゲームのときには1枚を残すことになっています。
上がりの場合,本文では,5で割るときには割ったときの余りが1か2のときは切り捨て,3か4のときは切り上げとしていますが,「ドミノとバックギャモン」では,必ず切り捨てることになっています。
また,「ドミノとバックギャモン」では,3人ゲームのとき,上がったプレイヤーは,残りの2人の目の合計を加えたものを5で割った点数を得点します。上がらなかったプレイヤーのうち目の合計の少ない方のプレイヤーは,多い方のプレイヤーの目の合計から自分の目の合計を差し引き,それを5で割ったものを得点します。(本文とは,加減算と割り算の順序だけの問題ですが,四捨五入あるいは切り捨てにより,少しだけ結果が違ってきます。)
クローズの場合も,上がりの場合と同じように,「ドミノとバックギャモン」では5で割った余りを切り捨てます
「ドミノとバックギャモン」では,3人ゲームでクローズになったとき,1番残りの目の少ないプレイヤーが,あとの2人の目の合計から自分の目の合計を差し引いた数を5で割ったものを得点し,2番目のプレイヤーが,3番目のプレイヤーの目の合計から自分の目の合計を差し引いた数を5で割ったものを得点します。
「ドミノとバックギャモン」では,35点で1セット(仏:Partie)終了と して,あらかじめ決めていたセット数を勝ったほうが,ゲーム(仏:Jou)の勝者となります。
「ドミノとバックギャモン」では,ゲームが終わったあとのゲームの点数の計算については説明されていません。また,ゲームを続けて行う場合の,最初の親についての記述もありません。