2003/01/18 沙漠で車がスタック!! in KSA

 沙漠の国サウジアラビアでは、沙漠のまん中で車がスタックしてしまって、そのままドライアップして死んでしまう人がいるとのこと。そんな話をサウジでの共同研究者のB氏が私にしてくれたことがある。その時は、「間抜けな奴はどこにでもいるもんだ」と鼻で笑ったりしていた。そんな私がサウジでスタックしてしまうなんて・・・。

 サウジでとある動物の行動を追って、車でワジ(涸川)の中を走っていた。その動物の群れを見失ったしてまったので、ワジの中にできたワダチから外れて、車をUターンさせようと、ギアをバック入れると車の車輪が空回りする。そこでギアをローに入れて前進すると少し車は進んで、その後、また車輪が空回りしてしまう。それでも、アクセルをさらに踏んで、車輪が巻き上げる砂で前が見えなくなるくらいまでエンジンをふかす。「動かない、そうかこれは、スタックなんだ」と思った時にはもう遅く、車の後輪は深く砂のなかに埋まり、後ろのバンパーと地面がくっつくくらいに砂に埋もれてしまった。もうこれは、自分一人の力ではどうしようもない。「落ち着け、落ち着け、水は充分に車に積んでいる。それに日に何度か車だって通るじゃないか」と自分に言い聞かせる。

 「まあ、とにかく、車が通りかかるのを待とう」と思い出したようにタバコを吸う。1時間以上待っても誰も通りかからないので、電話のあるところまで歩くことにする。1時間くらい歩いたかな。電話で共同研究者のB氏に救援を頼む。2時間くらいして彼は牽引するためのチェンを持ってきた。彼の車と私の車をチェンで結び付けて、彼の車に引っ張ってもらうが、チェンが何度も切れてしまう。「こりゃダメだ」。それに車はますます砂の中に深く埋もれてしまう。「クレーン車でもなけりゃあ、絶対に無理だ」なんてものすごく弱気になってしまう。これが沙漠のどまん中なら、間違いなくドライアップして死んでいるところだ。

 そこへ、車が通りかかる。降りてきたのは高校生3人。授業をさぼって、仲間と沙漠の中をドライブしていたところらしい。その中のリーダー格の一人が状況を確かめて、的確に指事を出す。(1)後輪の下に石をしきつめる。(2)タイヤの空気を抜いてグリップを強める。(3)車を後ろから押すのではなく、後ろのバンパーに人間が乗ってタイヤに体重をかける(4)プラグを何本か抜いてエンジンの出力を落とす。(5)そして、4WD、ギアはセカンドでGO!。すると、みるみる後輪は砂の中から這い出し、スタックから抜け出てしまった。素晴しい!彼等は笑顔で握手をして、また沙漠の中へと消えていった。

 う〜ん。日本の高校生にこんな頼りになる奴はいるだろうか?後日、またまた授業をさぼって親の車を乗り回していた彼等と会う。人懐っこくて、いろいろ話し掛けてくる。日本の製品はすべて好きだという。リーダー格の彼は、実は学校を辞めているらしい。

ワジの中でのスタック

6.5Lの日産パトロールもここでは無力

助けてくれた高校生。私の隣のグラサン青年がリーダー格。いかにもボスといった感じ