サウジの交通事情
サウジアラビアで一番、身の危険を感じたのは、この国の交通事情です。サウジでは食事も美味しいし、暮らしやすいし、住んでいる人々も好きなのですが、交通事情だけはどうにかしてもらいたいと思いました。サウジで私が命を落とすとするなら、それはもう自動車事故でしょう(密猟者にサルと間違われて狙撃されたことはありますが)。私は毎日片道100キロくらい離れた調査地に通っていましたが、自動車事故を目撃しない日はないくらい、頻繁に目撃しています。私が見たひどい事故の一つは、ガールスクールのスクールバスと自動車が正面衝突した事故です。スクールバスは完全に大破しており、目撃したのはけが人は救急車で運ばれた後だったのですが、間違いなくたくさん女学生の命が奪われたと思います。このようにサウジで悲惨な交通事故が多い原因のひとつは、スピードの出し過ぎと無理な追い越しです。普通の公道の制限速度は日本と同じ60キロくらいなのですが、そんな制限速度を守る運転者は皆無です。ほとんどの車が130キロくらいで走行しています。それ以下の速度で走ると、追突されたり無理な追い越しをかけられたりするので、むしろ危険です。片側一車線の道路で、対向車があっても平気で追いこしをかけてきます。追い越しの途中で対向車とすれ違うことなんて日常茶飯事です。まさにメルギブソンの「マッドマックス」の世界です。彼等はまるでゲーム感覚のように危険な運転や追いこしを楽しんでいるようです。A氏などは父親と兄弟を交通事故でなくしたにも関わらず、スピード狂です。私も同乗した彼の車で、時速160キロを超えた時には、さすがに私も怒りました。サウジの若者は飲酒はもちろんのこと、男女交際まで禁止されていますので、そのストレスのを自動車運転で発散しているようです。サウジの警察は信号無視には厳しい(2日間、ブタ箱入りだそうです)のですが、スピード違反に関しては、ほとんどおとがめなしのようです。サウジで走っている車の約7割くらいは日本車です。ベドゥィンはトヨタや日産のピックアップによく乗っています。セダンではカムリやクレシーダ(CRESTAの輸出仕様車か?)が好まれているようです。ハイブリッドカーの「プリウス」を見た時には笑ってしまいましたね。あと、ジープ系では、トヨタのランドクルーザー、日産のパトロール、三菱のパジェロなんかをよく見ました。日本車以外でよく見るのは、GM、シボレーなどのアメ車で、BMWやベンツなどのドイツ車も走っています。アメ車やドイツ車はここでもお金持ちが乗るようでした。日本でよく見かける大衆的外車のVWは一度も見ることはありませんでした。サウジの車ツウに聞いたところ「VWなんかよりトヨタやニッサンのほうが性能がイイのに、なんでそんなのに乗らないといけないんだ」と言われました。また、日本ではステータスシンボルとしてVWを後生大事に乗る人が多いと言うと「バカだなあ」と言われてしまいました。彼等は日本車に絶対的な信頼をおいていて、部品をまめに交換しながら、メーター10まわり(100万キロ)くらいは平気で乗っているようです。サウジの中古パーツ市場にも行ってきましたが、ありとあらゆる車種の各部品が売ってありました。日本車は廃車にしても捨てるところがない、ということでしょうか。日本車は潜在的にこれほど耐久性があるのに、日本ではメーターひとまわりもいかないうちに廃車ににしてしまうのは、どう考えてもおかしいですね。という私も一回りもいかないうちに、最近車を買い替えてしまいましたが。
ベドゥィンはトヨタやニッサンのピックアップに乗っていることが多い。荷台にヤギなどを乗せてよく走っている。こちらは雨がふることはほとんどないので、車体が錆びることはないが、ボロボロになるまで(なっても)乗っている。こんな車が100キロ以上で常時走っているのだから、よっぽど日本の車が優れているか、あるいはこの国の自動車整備しが優秀なのだろう。タイヤがつるつるになっても全く気にしないようで、路肩に バーストしたタイヤの破片がよく落ちている。下はよく行くショッピング街。ラクダの首を吊るしていた肉屋もここにある。お祈りの時間だったので人通りはない。日に5回のお祈りの時間には、店のシャッターがみごとに閉まる。イスラム教はそれほどまでに魅力のある宗教なのであろう。向こうのほうに見えるのがガソリンスタンド。日本のパチンコ屋のように、多量の電力を使って、ネオンをともしている。ガソリンは1Lが30円くらいだ。
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