サウジアラビアでの食事

サウジアラビアでは、ジッダから車で約2時間の、標高1500mくらいのところにあるタイーフという街に滞在することが多かった。その街には、我々の受入先である、政府のとある研究機関があり、そこの宿舎に宿泊していた。そのセンターは、フランスの企業が資金を提供していることもあり、スタッフの約半数がフランス人だった。センターにいる間は、センターの食堂を利用したが、毎日がフランス料理だった。インド人のコックがつくった10皿程度の料理を好きなだけ自分の皿にとって食べるというもの。もちろん味のほうは最高だったが、脂の多い肉料理ばかりだと、すぐに食傷気味になってしまう。ここではフランス料理のことを詳しく書いても仕方がないので、外のレストランで食べた、サウジに住む人々が普通に食べている料理を紹介する。基本的に多量のライスの上に、肉や魚を煮たり焼いたりしたものをのっけるといった単純なものが多かった。日本人には大変うれしい食事ばかりだった。

チキンカプサ
これは、サウジのあらゆる街の食堂で見られるであろう料理。ブロイラーの若鶏の半身を炭火のもとでじっくりとローストしたもの。調味料はほとんど塩だけと思われるが、これがたいへん美味しい。長時間ローストしているので、脂はほとんどない。ライスは長米を トマト、レーズン、チキン、トウガラシ、にんにくなどと一緒に炊き込んだもの。日本人にとって長米は抵抗があるが、食べてみると驚く程うまい。和食以外なら、絶対に長米のほうがあうと信じるまでになった。ここで食べたのは俵型の長米だった。おそらくエジプト産。一人前が4合くらいあり、ほとんどの人はライスは残してしまう。それなのに、多量のライスが毎回盛られてくる。ここでは食事を残すのが美徳なのか。これだけのボリュームでたった10SR(300円弱)、しかもペプシコーラつき。この値段はどこの店でも共通していた。ちなみにサウジでのペプシコーラの価格は1SRだ。このレストランのその他のカプサはこちらの頁で

魚の丸ごとフライ
紅海沿岸の街まで下った時のレストラン。冷蔵庫の中に、新鮮な珊瑚礁の魚があり、その中から好きなものを選んで、丸ごとフライにしてもらう。コバルトブルーのブダイなんかもあった。この時は、30センチ程度のカスミアジ1尾と、ハタの仲間を2尾注文した。店にはテーブルはなく、床に布が敷いてあり、大皿を中心にして車座になって座る。手前がライス4人分。軽く1升はあるだろう。注文したフライは奥の皿。レモン汁をかけて、手でちぎって食べる。1人前40SRくらいしたと思う。魚は高級品だ。

ヤギのカプサ
これはサウジの西南端のイエメンとの国境近くのレストランで注文したヤギのカプサ。写真は3人前。ヤギの肉や内臓を米と一緒に炊いたもの。これがカプサの元祖だろう。ヤギの肉は大変臭いという印象を持っていたが、食べてみると特有のクセは全くなく、とにかく旨い。肉も柔らかく、よく煮込んだブタの角煮のような食感だ。日本で食べられているヤギは乳用の品種だから臭いとのこと。腸のぶつ切りも入っていた。内容物もそのまま腸に入っているようで、濃緑色をしていた。思いきって口にしてみると、少し苦味がきいて大層うまい。これはクセになる味だろう。ヤギのカプサはサウジでは客をもてなす料理らしい。スプーンがついてこなかったので、現地の人と同じように右手を使って食べる。慣れないと手や口の周りが米粒だらけになる。

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