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前回は農業収入をアップさせる為には、当たり前とも言える事を書かせて頂きました。 いわば基本とも
言える事柄です。 何故なら、その基本すら無視したような政策に逆らってみたかったからです。
先日発表された減反政策の強化はまさにそれに当ります。 米が余っているから作るの
を止めてもらうと言う理屈は経済原則に合っているようで、全く合ってはいません。 第一、
そんな誤魔化しがいつまで続けられると思っているのでしょうか? ただで止めてもらう訳
にはいきませんから補償金を払います。 無論税金からです。 更に何年か休耕田となった
田圃は元に戻すのに同じ年数が掛かるか、二度と元には戻りません。 10年前には130%
を超えていた耕地利用率は現在では100%を割り込んでいます。 これも減反が大きく影響しているのは
明らかです。 農地として活用すれば収益を生み出す耕地を遊ばせ、更に農業を営んでいなくても一定の
金額を税金から支払うなどと言うのは二重の無駄ではありますまいか?
10/4付けの日経新聞に日本のバランスシートが発表されていました。 民間の上場企業なら株価は
倒産価格になるでしょう。 経団連が日本が支出を減らさずに今のままのやり方を続ければ5年後には
間接税を25%にしなくてはならないと警告しているのもあながち大げさとは言えない状況です。
現在の農政を高い所から論じている人の中には農業を妙に神格化している風が見うけられます。(見方を変えれば、農業者を子供扱いしていると言えなくもありません
が…。) しかしながら、ひとつの産業として見た場合、農業を特に神格化する根拠など何処にもありはしません。 経済原則を厳密に適用しなくてはならなくなった状況下で農業が一体どの様に変化していかなけばならないのかを農家の方は自分の事として切実に考えなければならない時代になってきています。
情報の流れが速く正確になれば、次には間違いなく物とお金の流通速度が速まります。
その流れの中で今の様なやり方を続けていって、果たして現在の農業が生き残れるのかどうかを真剣に考えなければならない”時”がやって来てしまったのだと思います。
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作付け面積を増やしたり、商品性を考慮した作物の質と収穫量を上げ、顧客となる消費者との関係を
構築して生産コストを削減すれば、農家の収入は確実に増加するのでしょうか? 答えは NO!です。
前回にお話した事を否定する様で申し訳ありませんが、それだけでは確実に収入が増える保証などあり
ません。 増収を見込める農業経営の入り口に立ったに過ぎないのです。 そこから先は農業を営む方の
努力と工夫に掛かっています。 どんな作物の作付け面積を増やせば良いのか、農作物の商品性とは
何なのか、品質と収穫量の両方を上げるためにはどうすれば良いのか、顧客とのコンタクトをどの様に
取れば良いのか、生産コストを下げる工夫とは具体的に何をすればよいのだろうか、”当たり前”だと
思っている事をひとつ々自分たちの手で検証しなおしていく事が次のステップになるのです。
この検証作業では全国共通で通用する回答は得られないと思います。
それぞれの地域特性やロケーション、気候風土やお国柄の違いによって
農業のやり方も、栽培する作物も違って当然の事です。 むしろ全国似た
様な作物を作っている今の農業の方が異常なのではないでしょうか?
米は主食であると同時に、戦国時代から経済規模や収入を表す単位と
して用いられてきた為、独特の思い入れや感情が我々にあるのは理解
できるのですが、現在の様に唯一自給率100%を達成し、買い入れ価格
は下降し消費量も減少傾向を示している状況下では次世代の農作物と
して、その商品性に疑問と不安を抱かない訳にはいきません。
米を育てる農家の方の本音として、栽培に慣れており楽である事、価格
に変動が少なく政府の保証が行き渡っている事、先祖伝来の田を守って
いく義務があることなどを取材で聞いております。 しかしこの考え方では
国家財政が厳しさを増していくこれからの時代に、自立した農家として国からの援助に頼らないで健全な農業経営を営んでいくのはますます難しくなっていくのではないでしょうか?
「これからは、米で食っていくのは難しいよ。」 これも稲作農家の方の本音であろうと私は思います。
私は水稲栽培をやめようなどと言っているのではありません。 それどころか、自分が就農する際には
是非米作りをしようと考えております。 しかし、それは自分たちが食べる為に作るので、商品作物として
は考えておりません。 売れないと考えているからです。 米の買い上げ単価は下がり続け、自主流通米
として売ろうにも特徴のない米作りでは商品性も低く、何より水稲を大規模で行っている地域にコスト競争
で勝てる理由が見つからないのです。 そんな作物の作付け面積を増やしても意味はありません。
何を作ったら良いのかは、顧客である消費者が教えてくれています。 ブームを起こし、今や一般化した
中国野菜などの商品作物を作っている農家は一様に高い収益をあげています。 美味いと評判を取った
野菜や果物を生産している農家も同様です。 どの時期にどんな野菜をどの位作るかを調査研究し、普通
の野菜生産で高収益を確保している農家もあります。 いずれも、求められる物を、求められる時期に、
確実に供給している結果ではないかと思います。 決して人任せにせず、自分で栽培方法を工夫し、又
自分で販路を見つけ出し、研究を重ね、試行錯誤を繰り返した結果であろうと思います。 そうやって顧客
である消費者との間に良好な関係を築き、彼らの嗜好を知る事ができるようになっていったのでしょう。
誰かが教えてくれる事は、考え始めるヒントにはなっても結論だと思ってはいけないのではないかと私は
考えています。 それが工業で有れ、農業で有れ差はないのだとも思います。 現在、様々な機関や組織
が農業をバックアップしてくれています。 それに甘えていてはそこから1歩も前には進みません。 正しい
とか正しくないとかの問題ではなくて、産業である以上そこから少しでも前に進まなければ競争に勝ち残る
事は難しいと申し上げているのです。 農作業では良い意味での横並び意識が必用な時もあります。
しかし、他人がやらないから自分もやらない何ぞと言う理屈は現代では何処の世界でも通用しない陳腐
な理屈ですよ。 又、皆がやるから自分もやるというのでは収益のアップなどおぼつきませんよ。

農業では、他の産業と違い、国土との結びつきの強さから様々な保護を受けて
おり、一方で多くの制約も受けてもおります。 これからもしばらくは保護を受ける
状態が続いていく事になるのでしょうが、時間の経過に従って、今の様な手厚い
保護を望む事はできない状態になっていく事でしょう。 一方で、転地利用制限
など農家の経済活動の妨げになっている様々な制約は、これからも農家の活動
を圧迫する形で続いていかざるをえないであろうと考えています。 近い将来に
株式会社形態で純粋に営利の追求を目的にした農業をやる時代がやって来る
でしょうが、その時に、今の農家の方の中でどの位の方がまだ農業を続けておら
れるのだろうかと言う事は神のみぞ知る事なのかもしれません。
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私達ならこうしてみたい。 (私は、集団での就農を基本形にして考えております。)
私達が明日から農業を始める事ができるのなら、就農する地方の気候風土に合った作物をピックアップ
してその中から、最も商品性が高いと思われる作物を選択します。 次に何処のどんな消費者を対象にし
て販売するのかを決め、販路を開拓します。 作付けと収穫の時期を研究し、出荷のタイミングを計り、流
通は人任せにせず、できるだけ自分たちの手で直接消費者の手に渡る工夫をします。 顧客の囲い込み
が済んだら、次に消費者の嗜好を探ります。 そしてその結果から次の作物や農法を考えていき、それを
繰返していきながらボリュームのアップを図ります。 ある程度のボリュームが確保できたら、次にはその
作物を使った加工品の製造にかかります。 作物を無駄にしない事と、加工する事で商品価値をアップさ
せ収入増を図るのが目的です。 収入がある程度安定してきたら、農業施設を使ったレストランや観光、
クラインガルテンのような体験型リゾートの運営何ぞも考えてみたいと思います。 これらは分離独立した
物ではなく、一連の流れの中で当然のごとく起きてくる事なのです。 何も特別な事などないのです。
勿論、自分達の食料は自給自足でやります。 その為に、米や日常の野菜などは共同で育て、鶏や牛の
世話も皆でやります。 収穫物は皆で分け合って消費します。 初期のコストを分け合う代わりに自給自足
の体制を確保する事で将来へのリスクを減らしているのです。 将来何らかの事情で農業を続ける事が難
しくなった人がいても、就農した土地に生涯安心して住めるようになっているのが味噌です。
多岐にわたる農業を考えている訳ですから、一人ではどうにもなりません。 地域の人と協力してやるの
は無論のことですが、同時に就農する人々と農業技術の取得や学習、日常生活の工夫なども含めて一体
となってやる必要があります。 それを実現するシステムと明確な指針、個々の権利を守る法的な根拠と
問題解決の方法は不可欠の条件となります。 それらを完成させた物が、私達がやりたい農業の雛型と
言えましょう。 (具体的な「私達の農業」のイメージは「日本の農業 U」から想像してください。)
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あ〜ぁ、随分と口幅ったい事を言っちまいました。 「たった二年ほど、それも既に就農した訳でもない男
に少々農業を聞きかじった位で、そんな事まで言われとうないわい。」というセリフが聞こえてきそうです。
頭でっかちであろう私の考え方に、反論や正論、貴方のご意見等をぜひお聞かせ下さい。 勿論私だって
これが唯一の真実だ、なんてチンケな事は思っちゃいません。 皆さんからのご意見が私の大きな希望な
のです。 二ヶ月とチョットの間にカウンターの数字は1000件を超えました。 当初私が想像していたよりも
ずっと多くの方がこのサイトを御覧になっておられます。 どうか遠慮をなさらずに、発言なさってください。
物言わざるは、腹膨るるわざなり、とか申します。 何も言わなきゃ、何も始まりゃしませんよ。 本当に!!
メールでも、ご意見交換所でもどちらでも結構です。 皆様からのご発言を心底お待ちしております。
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