日本の農業 W

          ニューファーマーズフェア 2001

 三連休初日の2月10日、池袋サンシャインシティーでニューファーマーズフェア2001(新規就農説明会)
が行われました。 会場になったワールドインポートマートビル4階の催し物会場は、私が昨年行った時
とは、一寸違った雰囲気と熱気がありました。

            

 私が会場に着いたのは、開場間も無い11時20分頃でした。 別に早く着いたって良いことがある訳じゃ
無し、ゆるりとコーヒーなんぞを飲んでからのんびりと出向いたのですが、既に会場は人で一杯でした。
何よりも驚いたのは、若い人が多いんです。 同じ会場で行われた、北海道への就農説明会に参加した事
があるんですが、その時初めて若い就農希望の女性に出会ったんですが、この会場には農大の女子大生
や専門学生に混じって、若いOLさんと思しき方までおいでになったのです。 更には、親子で就農説明会
に参加して、熱心に質問しておられたのを何組か見かけました。 時節は受験シーズンの真っ只中の事、
私は何やら、場違いなところに迷い込んでしまったのではないかと、不思議な感じがしました。
年の頃は二十歳前後の息子さんとお母さんが、行政が行う就農支援ブースで真剣に話しこんでいる姿は
私が就農への情報収集活動を始めてから初めて見る姿でした。 ちょっぴり感動的ですらありましたよ。
昨年の今ごろ出向いた就農説明会では、圧倒的にオジサン族が多く、言葉は悪いかもしれませんが、うら
ぶれた中高年の集いと言った趣で、たまに若い人がいても大抵は男性で何かおずおずとして、申し訳無さ
そうに話を聞いていたのですが、この日は実に堂々とブースの担当者と渡り合っていましたよ。
 就農準備校のブースで話を聞いていた時の事でした。 となりでは、リクルートスーツに身を包んだ農大
の女子学生が話を聞きに来たんです。 この国のシステムでは、農大を卒業したって農家の子女でなけれ
ば簡単に就農する事は出来ないって知ってました? 専門的な知識を持っていても、会社組織の中に入ら
無ければその能力を発揮する場を与えられないって事ご存知でしたか? ケッタイな話でしょう? 
そんな、彼女達が就農を真剣に考えていると言う事に、感激し、又、少しばかりの戸惑いも感じました。 

    

 今回は中高年の相談窓口も設置され、私のような者にも相談しやすい様に、ありがたい配慮が施されて
おりました。 会場には自治体のブースの他に、各地の農業法人による求人情報や、就農準備校の説明用
ブースまであり、サービス満点でしたね。 前に来た時は会場もまばらな人だかりで、説明の為のブースで
はこちらを値踏みするかのように見つめるカウンセラーの方が座り、何だかとっても話を聞きにくい雰囲気
だったのですが、今回は説明を聞く為に立って待たなければならない状況でした。 相談をしながらの世間
話から貴重な情報を得る事も多かったのですが、今回は後ろで待つ人に遠慮しながら手短に要件を確認
する事しかできませんでした。 それくらい以前とはムードが変わっていたと言う事になるんでしょうかね。
 情報その物は、別段目新しい事は無いように思いました。(ただ、今回はブースで話を聞けたのは3ヶ所
だけだったのではっきりとは断言できませんが…。) 情報だけなら幾らでも入手の方法はあるでしょうが、
こう言った機会に自分と同様の希望や考えを持った人が沢山居る事を知るのは意義のあることではない
でしょうか? 就農するという事が特段変わった事ではなく、自分流の生き方を求める為の1つのステップ
に過ぎない
のだと理解できれば、もっと素直に自己主張をしながら話を聞く事ができるようになる筈です。
廻りを見渡しながらの及び腰の相談や、引け目を感じながらのおずおずとした態度なんぞ取っていたら、
この説明会では何も得る物は無いどころか、説明を受ける事すら難しかったかもしれません。
その内に、説明を受ける為に予約や、番号札が必要になるかもしれないなぁと、本気で思いましたもんね。
僅か1年、されど1年といった所でしょうか、時の流れの早さに考えさせられる物がありましたよ。

 写真が拙いんで恐縮なんですが、左の写真は農業法人の求人
説明会の模様です。 明らかに座席不足で私は10分間程、立った
まんまで話を聞かなければなりませんでした。 想定人数を誤った
のでしょうね。 無理もないと思いますよ。 こんなに人が入るなん
て誰も思っちゃいなかったでしょうからね。
しかし、それにしても壇上の方々のプレゼンの下手な事下手な事
あれでは当社に興味を失って下さいと言ってる様なもんですよ。
緊張しているのか、ビックリしているのか、要点がよく判らないの
が多かったように思います。 もう一工夫必要ですよ、皆さん。
 ブースの説明者では農業法人のほうが自治体のそれより工夫
が見られました。 資料の豊富さや女性を上手に配置して雰囲気
を盛り上げていましたからね。 それに引き換え、自治体のブース
では相も変らぬ公務員然としたオジさん達が並んでいて、もう一寸何とかならんもんかなと思いましたね。
にもかかわらず、説明を受けている人の数は圧倒的に自治体のブースの方が多かったようなんです。
やはり、就農を希望する人は農業法人への就職よりも独立志向が高いのじゃないのかなぁ。 でもね、
本気で農業を志すのなら、農業法人に就職するのも遠廻りなんかじゃなくてちゃんと意味のある事だと
いう事もきっちりと理解してくださいね。 世の中にムダな事なんてそうは無いんですから…。

 入り口に飾ってあった各地の特産品の数々です。
こんなに人が入るんだったら、即売会をしても面白かっ
たんじゃないかなぁ。 各自治体で農産物の説明なん
かしても、ぴんと来ないかもしれないけど実物を目の
前にすれば判りやすいし、意欲も沸いてくるんじゃない
かなぁ。 僕もこんな物を作ってみたいってな具合にね
それに、即売会をやるつもりなら、当然生産者の方も
来るだろうから、就農希望者にとっては一石二鳥以上
の満足度が得られると思うんですがね。

 いずれにしても、ニューファーマーズ2001は私にとっ
て色々な意味で刺激になりました。 と、同時に今まで
自分が考えてきた事の方向性にも自信が持てる様に
なりました。 就農相談会は元々は減り続ける農業従
事者を確保する目的で始まった物ですが、徐々にその
趣を変えつつあるのではないでしょうか? 自治体の中には未だ義務として農業従事者を誘致しようと考
えている所もあるでしょうが、これからはそう言った視点ではなく、”農業を魅力的で可能性のある産業”
として捉え、アピールしていく時代へと変化してきていると認識すべきではないでしょうか? 
 この日集まった多くの人々は心の底では一体何を求めてここに来たのかをようく考えてみようではあり
ませんか。 今までの実績や傾向なんか糞食らえです。 これから何が求められ、何が必要になってくる
のかをもう一度考え直してみようじゃありませんか。 そうして、人々に何が求められているのかを見極め
て、それに答えていく事が出来るようになればニューファーマーズ2001は単なる就農へのガイダンスでは
なく人々の流れを変え、産業や文化をも変えていく”21世紀への新しい扉”になるかもしれません。
そしてその扉から涌き出てくる流れが大きく育ち発展を続けていく事ができるようなら、この国の有り様も
少しづつでしょうが、確実に変わっていく事になるのだろうと思います。 

 昨年、土佐の高知のわかいもんネットワークが主催した新規就農交流会でご一緒させて頂いた、全国農
業会議所の所長西山氏が、会場入り口近くの総合相談窓口で頑張っておられました。 一言挨拶をしよう
と思ったのですが、入れ替わり立ち代り現れる相談者の対応にお忙しそうで、何も言わずに失礼しました。
こうやって、組織のトップが自ら陣頭で指揮を取っている様子を目の当たりにすると、心の底から拍手を送
りたくなりますよね。 これからも、我々就農希望者の為にも頑張ってくださいね。
 ニューファーマーズ2001の今後の開催や、就農情報に関しては全国農業会議所のHPをご覧ください。

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