RURAL LIFE  

 田舎暮らしも、田園生活もそこで生活する人々の意識で
実際は大きく変わってきます。
そこで、都市からの就農希望者の方々にルーラルライフ
の提案
をしたいと思います。
ルーラルライフとは、直訳すれば田園地域における生活
や人生と言った所でしょうが、URBAN LIFE(都市生活)
を田園生活に活かすといった意味合いの言葉です。
都市における収奪型、大量消費生活から、田園における
生育型、自然循環生活へと就農者は生活パターンを変化
させる事になりますが、都市生活者としての全てを就農希
望地に合わせるべきなんでしょうか? 又、就農者を受け
入れるの側の人々はそれを望んでいるのでしょうか?
 田舎暮らしには、農耕生活を営む上で決して犯してはな
らないルールと守るべき事柄が厳然としてあります。 
しかし、都市生活にも同様のルールが在りそれらは各々が快適な生活する上での合意事項なのです。
人が生活するのですから、そこに幾つかの決り事が生まれるのは当然の事と考えなければなりません。
要点は、URBAN(都会)とRURAL(田園)をどう融合させるかではないでしょうか? 既にそこに住んで
いる人々にとって何が迷惑で、何が有難いのかをようく考えてみようではありませんか!

ある就農希望者が語る”田舎暮らし”とは
 「家は萱葺き屋根、囲炉裏があって土間がある。 玄関を出るとすぐに畑に出られ、自給自足を満たす
のに十分な土地があり、食えれば良いんだからその作物を育てるのに手間は殆ど掛からない。 機械化
を進めて労働時間は短縮し余った時間は縁側でのんびりするさ! 余裕のある生活、広い空間、いい空
気、うまい物を食って心の洗濯をすれば長生きできるってもんさ。 な、そうだろう?」  某月某日 渋谷

 何処からか”石”が飛んできそうですね。 今時、萱葺き屋根の家に好んで住む人間なんて
都会の命知らずぐらいのもんではないでしょうか? 囲炉裏があって土間があるということは
虫や蛙は入り放題、蛇さんも時にはおいでになるような家の事です。 古屋なら修復にいくら
掛かるか見当もつきませんし、新築はまず不可能です。 農地などそんなに都合よく手に入
れる事は出来ませんし、第一素人に作物が簡単に作れるなんて思いあがり以外の何物でも
ありません。 機械化を図って効率が上がるのはある程度の広さのある耕地に対してで、猫
の額のような田畑に機械化なんぞ意味はありません。 縁側でのんびりする暇なんてまずな
いでしょう。 余裕のある生活とは金の事を意味するのなら可能でしょうが、生活全般を意味
するのなら、難しいと思いますよ。 この人は、農業をしたいのではなくて単に田舎に逃げて
来たのだと思われて誰からも相手にされなくなってしまうでしょう。 辛うじて、いい空気と、
美味い物は手に入るとは思いますが…                    

ある就農希望者が語る”田園生活”とは、
 「家は古屋でもいいが、出来れば新築したいものだね。 農地は余り広くなくてもいいから、便利な所で
地味に富んだ耕地を手に入れよう。 何時も働くわけではないから、誰かにヘルプしてもらえるように手配
してもらえないかな。  面倒な会合には出たくないから、近所付合いも程々にして出来るだけ沢山の友人
を都会から呼べるようにしたいから、広い駐車場がいるなぁ〜。」          某月某日 新宿

今度は”岩”が飛んできそうですね。 金さえあれば何でも出来ると思いこんでいる人って結構
多いんですよね。 しかし、金で農業を始める事(上手く運営できるとは全く思えませんが)は
出来るかもしれませんが、”田園生活”を金で買う事は出来ません。 このタイプの人って、大
金をはたいて田園生活を始めたはいいけれど結局都会へ戻ってしまい田舎の悪口を散々言
うタイプの人ですよね。 大金を無駄にしてしまったのは自業自得ですから仕方ないにしても
近所付合いもせずに田園生活は失敗だなんて言ったりしたら笑われるだけだと思うんですが
気がつかないんですよね、こう言う人は… 
田園生活をやめる原因もいろいろと言うけれど、結局淋しくなってやめてしまう様です。

我々が望んでいるルーラルライフとは
 「まず、農業をやるのに支障のない家と耕地を確保しよう。 次に現地の人々にいろいろ教えて貰わなけ
ればならないんだから、出来るだけ現地の人々との付合いを広げ、自分達に出来る事を積極的にやって
行こう。 その中には、現地の人の手助けになることがきっとあるはずだから、それを続けることで現地の
人々にとって役に立つ”仲間”になろう。 誰か言ってたよな、人生って支えあって生きる事だって…
でも、都会生活の快適さも捨てがたい物があるよな〜。 なんとかできないものなのかねぇ〜。 家だって
余りひどいと修理だけで毎日が終わってしまいそうだし、耕地なんてじっくり見てみても僕らには良いのか
悪いのか判るはずも無いもんなぁ。 何かいい方法は無いもんかねぇ〜…」       今月今夜 我家

今度は、”何が”飛んできますか? 当たり前の事を、当たり前の様に言ってるだけなんです
が前の二人とは少し違って聞こえませんか? 大きな違いは、ルーラルライフではまず生活
基盤を構え、そこを拠点にして周囲の人々との共生を行う事を念頭においているのです。
人間の体は細菌などの異物が侵入すると抗体を作ってそれを阻止しようとするそうです。 
人間の生活もまた然りではないでしょうか? 都会の様に種々雑多な物が混在する地域
では、このような抗体反応が乏しいのかもしれませんが、田園生活のような”純粋”な地域に
おいてはエイリアンでは生活しにくい事は確かです。 しかし、いつまでも同じ所に止まって
同じような生活をしていられる筈もありません。 
 今、日本の社会は明らかに曲がり角に来ているのだと我々は考えています。
それは、農業も決して例外ではなくむしろ国からの保護を多く受けている分だけ、総倒れに
なった護送船団方式の金融機関のようになる危険性を含んでおります。 そして、この次は
特別融資などといったふざけた救済策は採れないでしょうし、又、国際社会の中では外圧も
それを許さないでしょう。
 自助努力でしか解決の道が無い袋小路に迷い込んでしまったら、とにかく前向きに進むし
かありません。 都市からの就農希望者には意識無意識の違いはあれ、農業や環境保護、
食糧問題等に対する危機感を抱いている者が少なくありません。 就農への動機の一つに
さえなっている程です。 農業地域の方で、これらの事に大きな関心を寄せておられる方は
多いのですが、じゃあその為に何かを実行するとなると難しい物があるようです。 ここに
ほんの僅かですが都市住民が就農する積極的な意味での”価値”を我々は見出しておりま
す。 都市生活で身につけた経験や物の見方、考え方等が農村地域における大きな変革の
原動力になり得るのではないかと言う”期待”です。 それを実現するのがルーラルライフを
送る事の究極の目的であるとも言えるかもしれません。
 兎に角、具体的にどうやってルーラルライフを始めるのかを検証してみる必要があります。
次回は、ルーラルライフのスタートについて考えてみたいと思います。

 前置きばかりが長くなってしまって申し訳ありません。 具体的なルーラルライフへの就農プランは既に
存在してはいるのですが、更に検証と議論を加えより良い物へと昇華させたいと考えております。
皆様の就農に対するお気持ちや、ルーラルライフに対するご意見をお待ち申しております。 
                                                          8/10 '00

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