Diary Watching,Hearing,Feeling,...and more (2011/1-)

  
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12/03/27

〈映画「イップマン 誕生(葉問 前傳)」(ネタバレあり)〉

制作:2010年
監督:ハーマン・ヤウ(邱禮濤)


〈ストーリー〉
1905年、中国広東省の佛山。
二人の男児が父親に連れられ詠春拳の武館へと弟子入りする。
ひとりはイップ・マン/葉問、そしてもうひとりは養子のイップ・ティンチー/葉天賜。
彼らの入門から時を置かず、宗師のチェン・ワースン/陳華順(サモ・ハン・キンポー/洪金寶)が病死し、武館の指導者は兄弟子のウー・ツォンソウ/呉仲素(ユン・ピョウ/元彪)が引き継ぐこととなる。そしてイップ兄弟は、妹弟子の少女メイワイ/李美慧(シュー・チャオ/徐嬌)ともすれ違いながらも好意を寄せ合い、研鑽の日々を送った。

月日は流れ、ある夜イップ・マン(デニス・トー/[木土]宇航)とティンチー(ルイス・ファン/樊少皇)は、メイワイ(ローズ・チャン/陳嘉桓)や他の弟子たちとともに祭りに店を出す。そこで大道芸人に絡んだ無法者たちを得意の拳法で撃退したイップ・マンは、その場に居合わせた副市長の娘チャン・ウィンセン/張永成(クリスタル・ホアン/黄奕)にも見初められるのだが、メイワイの嫉妬によりせっかく書いた彼女の手紙は本人の手元に届くことがなかった。

恋愛沙汰は進展することもなく、イップ・マンは香港へと留学し学生生活を送るが、ある騒動の後、リョン・ピック/梁璧(イップ・チュン/葉準)という薬局の主人が実は詠春拳の一門から出奔したということを知り、その独自に発展させた新たな技の指導を受けることになる。

留学期間が終わり佛山に戻ったイップ・マンは久しぶりにティンチーと手合わせをするが、彼の技が邪道であるとツォンソウから咎められてしまう。

大陸に侵攻した日本軍の影が、彼らの周囲にも色濃く漂ってくる時代の流れの中、佛山で活動する貿易商の北野行雄(澤田拳也)の謀略に大きく巻き込まれてゆくことになる。そこで明らかになる北野の陰謀とティンチーの過去とは。


〈感想〉
毎度御馴染み、ヒット作の関連商品を出してきた香港映画界(笑)
当然のことながら、制作陣も監督も「イップ・マン」および「イップ・マン 序章」とは違っています。ただ俳優が色々と被っているのが、またヤヤこしいというかなんというか。

とはいえ、すくなくとも作っている側としては至って真面目に望んではいるようですし、俳優陣も豪華です。まぁ、これは「イップ・マン」シリーズのヒットがあったからこそ、でしょうが。

アクションもワイヤー成分多めながら見所が多く、サモハンとユンピョウの手合わせ等ガッツリ楽しめものの、なんとなくスッキリしなかったのは、「脚本の雑さ」ゆえでしょうか。

とにかく最も重大は瑕疵は、義兄弟と対決したうえに命を賭してまで助けに行ったはずのメイワイについて、最後は放置状態になっているという点です。幼い頃からのメイワイの気持ちは放り投げて、ウィンセンと幸せいっぱいのエンディングじゃあ、イップマンそのものが只の朴念仁か冷血漢に見えますよ。

あまつさえ、メイワイを人質にしたラスボスが、ただの貿易商って…
いや、それまでに北野が武術に秀でているとか、あるいは重火器で武装しているとか、そういう「強敵」であることの段取りを踏んでいればまだしも、ただの卑怯なオッサンとのタイマンにしか見えない戦いがラストっていうのはダメでしょう。

某ワイ○ド7の時にも書いたように、映画としての順番が間違ってるとしか思えません。

せっかく北野の妹を暗殺団のリーダーに置いてあり、中盤でも絡みもあったのに、ラス前でアッサリ殺しちゃうし。勿体ない。

また、この時代を背景にしたときに、日本人が悪者になるのは史実と違うとはいえ致し方ないながら、どうして「ショッカー並みの秘密結社」みたいな描き方になっちゃうんでしょうか。

なんだか判らん貿易商がニンジャアサシンのような手下を引き連れて悪事を働くって、きょうびの映画の作り方として、どうなのよ?ちゃんと手ごわい軍隊、あるいは使い手として描かれていれば、こっちも納得なんですよ。そこらへんの按配は「イップ・マン」のシリーズは、そこそこ上手くやってましたよね。これって「ま、ハーマン・ヤウだしなぁ」という切り方では済まない問題のような気がします。


12/03/22

〈BSフジ「DEAD END Live 2011」〉

今年から地上波でのF1の放送がなくなるので、急遽BSをみられるようにしたところ、なんかいろいろとステキな番組がやってるじゃありませんか。

な、次第で先日(3/18)に放送されたDEAD ENDのライブも録って見てみましたよ、と。
やっぱりMINATO氏がいないのは毎度のお約束のようなもんでしょうか(笑)

なんしか、凄まじくカッコ良くて悶絶…

再結成後の曲が中心なので、まだ旧曲ほど馴染みはなかったものの、引き込まれましたねェ。
もうね、MORRIE氏の存在感たるや圧倒的。GA○KTやらH○deなんざァ、ハナタレですよ(<失礼!)
YOU氏もJOE氏も貫禄出てましたが、さすがに上手いし独特な世界を作り出すよなぁ、と夜中にひとりで興奮してました(笑)

番組は一時間の中に詰め込まれていたので、半分ほどの曲がダイジェストになっていたとはいえ、充分に堪能出来ましたよ。

データ
2011/10/13 Shibuya O-WEST にて収録された「DEATH ACE 2011」ツアーの最終公演

・摩天楼ゲーム
・DressBurning
・FinalFeast
・夢鬼歌
・Conception
・DevilSleeep
・Princess
・冥合
・Sacrifice of the vision


12/03/05

〈ラルフ・マッカリーの訃報〉

ラルフ・マッカリー氏の逝去について、とあるブログで接し驚きました。

スターウォーズについては、それぞれメカもキャラクターもデザインのブラッシュアップをしたスタッフがいますが、世界観のよりどころとなったのは氏のコンセプトボードであることは疑いのないところでしょう。

決してアーチスト的な立ち位置の人では無かったので、ややもすると影に隠れがちですが、功績の大きさは疑いようはありません。

天国ではゆっくりと休んでいて欲しいものです。

12/03/02

〈ひさびさのボヤキ〉

先日、あるセミナーに仕事で参加したんです。
まぁ、その内容がアレでして。

内容的に特定を避けるため、そうとうふんわりした書き方しか出来ないのはご容赦のほど。

まず何が酷いって、「教科書(に当たるもの)はあるから、自分で勉強しろ」に始まる、上から目線が基本の姿勢なんですよ。
いや、誰でも参加できるセミナーだし、テーマに対しての理解度も様々な人が集まってるんですよ? そういう初心者を指導するのが、貴方たちの役目じゃないの? 興味を持って参加した人間に理解できるよう配慮するのが、第一人者としての役目なんじゃないですかね、普通は。

それに、輸入された馴染みの無い英語の専門用語をそのまま説明なく使っても、理解できませんわ。判らせようって気、無いでしょ?
もし同じテーマで、もっと判り易く教えてくれるセミナーが現れたら、そこへ流れるでしょうね、みんな。

加えて、講師が国連主義者の日本sageで最悪。
あれですよ、例の緑豆の鯨事件について言及があったんですが、日本の法律に添った有罪判決に対して、人権委員会から勧告受けたのが「日本の常識、世界の非常識」の典型なんだそうで。

「公益のためなら犯罪も許される」って、それ、全体主義につながりかねませんよ?紅衛兵やナチスのやったことと根っこは同じですよ?それで良いんですか??

さすがに仕事で行ったため、雰囲気ぶち壊しには出来ないので突っ込みはしませんでしたが、なんかもう途中からヤル気ナシでしたわ。

12/02/29

〈映画「タクティカルユニット 機動部隊-絆-(機動部隊-同袍/Tactical Unit - Comrades In Arms)」〉

製作:2009年(香港)
監督:ロー・ウィンチョン(羅永昌)


〈ストーリー〉
香港警察のPTU(機動部隊)に所属するサム/森哥(サイモン・ヤム/任達華)の率いるチームは、同じ部隊のメイ/張佩儀(マギー・シュウ/邵美[王其])をリーダーとするチームといつも反目し合っている。
サムのチームが職務質問ののちに開放した男性を、メイ達がわざわざ検め直してみたり、逃走する犯人を追いかける中での手錠の掛け合いで手柄争いのひと悶着を起こしてみたり…

上司の覚えがめでたいメイに対して不器用なサムは、昇進争いでも遅れを取っている。
リーダーであるサムの冷や飯食いや同僚の左遷辞令に腹の虫が収まらないメンバーは、壮行会の席でからかいの言葉を投げてきたメイの部下と殴り合いのケンカをしてしまう。

きっかけは、ギャンブル癖が抜けずに降格されたトン/肥棠(ラム・シュー/林雪)の酔いにまかせた上司批判だったのだが、サムはそれでも忍耐強く部下を諌めた。

そして現チームでの最後の任務となる事件が発生する。現金を強奪した犯人たちが中国への逃亡を図り、山へと隠れたというのだ。サム班はメイの指揮下に入るよう指令を受け、両チームが合同で山へ分け入ることになった。

そこには武装強盗以外にも、様々な困難が彼らを待ち受けているのだった。

〈感想〉
ジョニー・トーの各作品で、協同監督や編集、あるいは女装で看護婦に変装(笑)するスリ役など八面六臂の活躍をしているロー・ウィンチョンが監督した一本。
香港の街の闇の深さが印象的だった「PTU/機動部隊」(2005年)のスピンオフとして企画された5本のうち、唯一劇場公開されたものです。

同じ目的を持つ組織の中での反目は、ともすれば悲劇的な結末へと向うようなストーリー展開へ導かれることも多いのですが、本作においては、じつに気持ちの良いハッピーエンドで終劇という予想を良い意味で裏切るものでした。

いかにもありがちな、チーム間の行き過ぎたライバル意識や、組織の中での軋轢、またそれによって増幅される嫉みや増長など、空中分解へ一直線の緊張感を満載しつつ危険なミッションへと向かい、そこへ武装した犯人に加えて得体の知れないキ○ガイ男や密入国者と思しきホームレス、山なりの自然現象など次々と困難が降りかかり隊員が疲弊してゆくわけです。

散り散りになった隊員たちが、ある場所へと導かれるラストシークエンスまで、その緊張感が延々と続いているため、犯人の持つウージー(イスラエル製の著名なサブマシンガン)がアップになった時点で「こりゃアカン。ナムー(-人-)」と思いましたが、ここからが大どんでん返し。ものすごく気持ちの良い展開が待っていました。

そりゃ、部隊の出動の対処の仕方や装備に至るまで、色々とツッコミどころはあるかと思いますが、その辺は演出ということでひとつ。
隊員のひとりが弾丸のクリップを投げてよこす辺りで、自分的には最高潮のガッツポーズポイントでした。

とにかくくどくどしい説明セリフも、心情ダダ漏れのモノローグも用いずに、これだけ括弧良い男(+メイ姐)たちのストーリーが出来るんですから、先の某邦画の脚本家には猛省をお願いしたいところ。トー作品で腕を揮うヤウ・ナイホイ(游乃海)に、さすが!と思わされました。
ハリウッド式のヒーローとはまた違いますが、任務に殉じる「漢」を描かせると今の香港映画には敵わないなと感じた一本です。

12/02/20

〈フレンチジョブ?〉

先日、海外通販で取り寄せた43のキットを開けてみて苦笑い。
なんと梱包材が「ポップコーン」!!

目を疑って確かめてみましたが、どう見ても本物です。
さすがに口に入れて確かめるのは憚られたので、絶対に本物かと言われると心許無いんですけどね…

よく43のキットで、タイヤが前3本後ろ1本みたいなミスが見つかると、「イタリアンジョブだしねぇ…」と言うこともありましたが、今回のキットはフランスのJemmpy製。さしずめ「フレンチジョブ」ってところですかね(笑)

12/02/13

〈ワンフェス終了〜(その2)〉

そういえば、何を作ったのか一切書いてなかったような気が…

ざっくり説明すると、リフティングボディの架空機。
「スーパーバード」の無人機タイプ量産第一号で、愛称が「コッペリア」となります。

出典は、スタジオぬえのメカデザイナー宮武一貴氏が、70年代にSFの同人誌「宇宙塵」に発表した二編の小説です。

リフティングボディの新型攻撃機の開発を描く内容で、一作目の「SUPERBIRD(スーパーバード)」は有人型のタイプA、続編「Coppelia SUPERBIDR Vol.2」が無人機のタイプCと関連するシステムがハードに描写されています。

M2F2やらのNASAのリフティングボディ機が大好きな自分としては、どうにも琴線に触れるデザインの三面図が掲載されていたことでもあり、「心の中の、いつか作る棚」へ収まっていました。

当然のように、小説を読んだ直後にもトライしましたが、当時の環境とテクニックでは太刀打ちできるわけもなく(笑)

今になって、ようやく力技の発揮の仕方が判ったので、なんとか形になりました。
1/72でのサイズは、フランカーとは全長は同程度なものの、リフティングボディということでボリュームがえらいことになっています。

当日は、リフティングボディ大好きなオジさんと、スタジオぬえの大ファンというオニイさんに買ってもらえて、超うれしかったです(<頭の悪い表現ですんません。

12/02/12

〈ワンフェス終了〜!〉

「WF2012冬」が無事に終了しました。
自分主体で卓を出すのは、JAF-CON以来でしたねぇ。

で、シリコン13kgウレタン樹脂8kgの成果(笑)も、無事に2個売れました。
カスリしないかと思っていたので、まぁ上々。

え?費用対効果? 知りませんよ、そんなもん。

12/01/25

〈MH3G「G級おひとり様(笑)」〉

色々と忙しいのでキークエストだけチクチクと進めて、ようやくG級に。
ハンターランク云々よりも、ボウガンのリミッター解除が目的だったので、さっそく加工屋へ。

もともと無印の頃からガンナーメインなので、今のところ使い勝手としては違和感ありません。
ソロだと、「しゃがみ」の出来るタイミングなんか、ほとんどありませんしね。

港クエストは、村上級のメイン武器だった「妃竜砲【姫撃】」一本で押し切りました。オプションは、もちろんパワーバレル一択!(笑)
村では中盤までは「ペコキッシュサンダー」と、上級に入ってすぐに作れる「メテオキャノン」で進められましたが、港へ行くには少し心許ないので「妃竜砲【飛撃】」を調達して村★9に届いたところで速やかに【姫撃】へ強化した次第。

リミッター解除できたので、アグナ亜種を何度か狩り、「凍戈銃アヴェルスヘル」も製作。
これでようやく「氷結弾」が持ち込めるようになりましたが、今回優秀な通常Lv.3が使えないのは残念!
まぁ、あとは使ってみて考えます。

12/01/11

〈映画「ワイルド7」(ネタバレあり)

製作:2011年(日本)
監督:羽住英一郎


〈ストーリー〉
警察の対応能力を超えた凶悪犯罪に対抗するため、犯罪者を集めて組織された「ワイルド7」
彼らは犯人を「逮捕ではなく退冶」するために、射殺の権限をもち超法規的な存在として活動している。

ある事件で、銀行を襲い人質を取って逃亡する犯人たちを「退冶」するが、最後の一人を正体不明の人物に狙撃されてしまう。 リーダーの飛葉(瑛太)は、そのフルフェイスヘルメットを被った人物を追うのだが、バイカーの溜まり場へと紛れ込まれて取り逃がす。

その後、偶然に路線バスの乗客であるひとりの女性ユキ(深田恭子)を目撃した飛葉は、先の狙撃犯だと確信するのだが、問い詰めてみても正体は明かされない。彼女に振り回されるまま前後不覚になるまで飲んだ飛葉は、ユキの部屋で目を覚ます。気まずい雰囲気のまま早々に辞する飛葉だが、ユキには秘密があった。

おりしも、製薬会社から致死性のウィルスが奪取され、飛行船をつかった首都圏への散布をもくろむというテロが勃発。
実行犯を追い詰めたワイルド7の前に現れたのは、あのフルフェイスの人物だった。


〈感想〉
今年の一本目がコレだったのは、験が悪いというか何と言うか…(笑)

いや、もともと内容についての期待値は高くなかったので、逆に感心させられた部分もありましたよ。
たとえば、これまでの邦画では見たことがなかったほど派手な銃撃シーンや、ちゃんと改造したバイクを使ってのスタント、またそれにまつわる音響等の効果についてはグッジョブと言って良いほどでした。

ただ惜しむらくは脚本の拙さが、それらスタッフの頑張りを台無しにしているんですよ。素人でも何点か指摘できるレベルですから、何をかいわんや。

その1:とにかく説明セリフが多い
アクション映画として、やっちゃいけないことの筆頭でしょう。ミステリーや設定の複雑な作品ならいざしらず、この作品での説明セリフの過多は致命的です。

なんせ、ワイルド7のメンバーのプロフィールを何度も説明してくれるんですから、なんと言う親切設計。それ冒頭で出てきたじゃん、なんで何度も繰り返すの?ナメてんの?と腹立たしいことしきり。

セカイの親子ネタも、ウィルステロのエピソードで観客には伝わっているんだから、わざわざ黒幕に紹介させなくても・・・。そこまで観客はバカだと思っているんでしょうか?

その2:キャラクターがまったく「立って」いない
メインキャラできちんと成立していたのは、草波(中井貴一)と桐生圭吾(吉田鋼太郎)だけ。
飛葉ちゃんは、いちいち「ランブルフィッシュ、ランブルフィッシュ」と呟くだけだし(笑)、のこり6人も何がナンだか。そのためワイルド7というチーム内の役割も描かれず、山場で次々と退場して行くシーンだけを見せられても何の思いいれも出来ません。

セリフだけはむやみに多いのにキャラが伝わらないうえ、俳優の演技そのものをヘタくそに見せてしまう脚本ってのは、ナンなんでしょうね。
毎度の引き合いに出すのはアレですが、ジョニー・トー監督の「ザ・ミッション/非情の掟」でも見て勉強してくれよ!と言いたいところです。

せめて中心の3人、今回であれば飛葉、セカイ(椎名桔平)、オヤブン(宇梶剛士)のキャラとお互いの関係について描いてくれればなぁ、と思いました。どうせユキなんか通り一遍のキャラ付けなんだし、名前でネタバレしてるんだし。

その3:エピソードの扱いがおかしい
今回の作品では3つのエピソードが描かれます。
・導入部分:銀行襲撃事件
・前半の山:飛行船を使ったウィルステロ
・クライマックス: PSU(公安調査庁情報機関)への突入
以上の3点ですが、映画的には「首都圏を狙ったウィルステロ」と「黒幕の居るPSUへの殴りこみ」とが、どう考えても描くべきボリュームが逆ですよ。

黒幕の桐生は、エシュロン的なシステムで入手した情報を利用し、株のインサイダー取引で設けている。そのため「発端の事件を不可避のものとし、犠牲者が出ることを見過ごしている。あまつさえ金儲けに利用しているのが許せない」というのがワイルド7をもって、PSU襲撃をさせる理由なんですよ。

たしかに、原作でもワイルド7を抹殺せんとする権力者のエピソードもありますが、危機の規模としてはあきらかにウィルステロの方が大きく、映画としてみればメインエピソードにするべきでしょう。桐生との決着なんかは終盤の取りまとめエピソードで流せば良いのに、なぜかクライマックスに持ってくるというアンバランスさ。

銀行襲撃の終わりまでは超盛り上がったのになぁ…残念!

オマケのツッコミ
ラストは殉職したセカイの代わりに、ワイルド7の新メンバーとなったユキを入れての出動シーンなんですね。
んで事件はというと「人工衛星の打ち上げ基地をジャックした犯人が、東京へロケットを打ち込むという予告をしている」というもの。

普通はコレはスルーされるべきネタなんでしょうが、ミリオタ的にはがっかり…
再突入の技術ナメてんのか!つか、衛星落としたくらいじゃ大した被害も出んわ!と、萎え萎え。最後まで色々と残念な内容でしたよ、この映画。
 

11/12/30

〈あかおかずしげNow & Then その2 CD「KRUBERABLINKA」〉

1.Don't be so mad
2.太陽
3.だれも
4.砂山
5.業火

だから「あかおかずえ」さんですってば!(笑)

そして、この秋に発売となった、まさかの新譜。
赤尾和重さん再始動のバンド「クルベラブリンカ」の1stミニアルバム!

まさかこれだけのブランクの後に、新しくバンドを率いてカムバックされるとは思っておらず、驚くばかり。

正直言って、聴いてみるまでは不安満載でした。
有りがちに「枯れて」るんじゃないか、とか「モダンにしてみました」な方向になるんじゃないか、とか。

いやさ、ほんとスミマセン。そういうの、一切ナシでした。
何処に出しても、誰に聴かせても恥ずかしくない堂々たるハードロック。
TERRAROSAとはまた違いながらも、正統派の王道サウンドですよ、これが。

もちろん、それはパートナーとしての鈴木広美氏の力に由るところも大きいんでしょう。

できれば「Don't be so mad」のようなファストな曲を、もっと聴きたいですね。

さて、2月には鹿鳴館でライブがあるそうなんですけど…
ン十年ぶりに行くかどうか、迷ってます(笑)

11/12/29

〈あかおかずしげNow & Then その1 CD「TERRA ROSA OF ANGRY WAVES」〉

1.DEATHBLINK
2.見果てた夢
3.VISIONS OF THE LAKE BOTTOM
4.THUDERBIRD FLIES
5.ONE OF SECTIONS ‘LAP’


いやさ、ほんとは「あかおかずえ」さんです(笑)

すっかりチェックし忘れていて涙を飲んだ、テラローザが一夜限り再結成して行ったライブで頒布されたCDです。

ヤフオクのウォッチに入れていたら、先日、特に競り合うこともなく落札できて超嬉しかった。

再結成はメンバーだった山口氏の逝去に対するトリビュートで、もちろんこのCDもその意味で製作されたもの。
20年以上経っても、これだけのクオリティで演奏できているんだから、さすがですね。

KILL THE KINGばりのイントロで幕をあける1.DEATHBLINKから、1stアルバムの開幕曲である5.ONE OF SECTIONS ‘LAP’まで、ぎっしりと様式美ハードロックが詰まっていて大満足の一枚です。

11/12/27

〈CD「岳薇 (Ngok Mei) /No.01 ‐1st Extended Play‐」〉

Track 1 : 水漫金山
Track 2 : 鐘樓上的月光
Track 3 : 水蒸氣
Track 4 : [?戻]光閃閃
Track 5 : 永遠別[言兌]永遠

先日のフィルメックスで上映された、ジョニー・トー監督の最新作「奪命金」の主題歌となった「水漫金山」が収録されているので、サントラ代わりにゲット。

トー監督は曲のタイアップのみならず、なんと、このCDのプロデューサーでもあると。R&Dにもクレジットがあったので、単に資金を出しただけではなさそうですが、いったいどんな口を挟んだのやら(笑)

名前は「コック・メイ(Ngok Mei)」とも「ユエ・ウェイ」とも表記されていますが、まれに「岳薇Pinky」と書かれているので、香港のアーチストの例に倣ってピンキー・メイと呼ぶのが、それらしいのかも。

この作品以前にも、「銀河映像1995-2005: 杜h峰與創作兵團之電影原創主題曲及配樂」というトー先生のサントラ集に「 如果我會飛 / 電影[愛上我?] 主題曲」というのが収録されているようです。んー、CD持ってるけど特に印象無いなぁ…(笑)あとで聴きなおしてみよう。

さておき。
内容は基本的にはアーティスティックなイメージを持った、ウィスパーボイスでのバラード主体。
トラック5以外は全てご本人の作曲ですんで、やっぱりアイドルというよりはアーチスト方面で売って行くんでしょう。

また、香港ポップスでは度々目にする作詞家(?)の林夕氏が2曲提供しているのも、そのスジの人には要チェックポイントかも。

収録曲の中で異彩を放っているのが2曲目の「鐘樓上的月光」
他の曲がピアノのアルペジオ主体のバッキングなのに対して、パイプオルガンやチェンバロもフィーチャーしたゴシック風味のロックになっています。

歌詞をざっと機械翻訳してみると、バンパイアのことを歌っているようで、その面でも他の曲とは浮いています。もしかすると、この曲もジュブナイル映画やゲームなんかのタイアップなのかもしれません。

とはいえ、広東語とゴシックの食い合わせが意外と良く、それはそれで収穫(笑)

11/12/12
〈ガンナーポーチ〉

もうね、コレがあるだけで全肯定ですよ。
素晴らしいね(笑)
 

11/12/07

〈映画「奪命金/Life Without Principle」(映画祭上映)〉

製作:2011年(香港/中国)
監督:ジョニー・トー(杜[王其]峰)


〈ストーリー〉
主人公は三人

仕事熱心で部下からの人望も厚い刑事のチョン/張(リッチー・レン/任賢齊)は、現場検証の最中に妻からのメールで呼び出される。 妻のコニー(マイオリー・ウー/胡杏兒)は、気に入った高級マンションの購入をチョンに熱烈に勧めるのだが、彼は今ひとつ関心を寄せない。他にも生活の悉くに判断を先送りするチョンの態度に業を煮やしたコニーは、マンションの仮契約を勝手に進めてしまう。

そして、あまり立ち回りの上手くない銀行員のテレサ(デニス・ホー/何韻詩)は上司に営業活動のプレッシャーをかけられているのだが、イマイチ成績が伸びず会議でも無視され、リストラの対象として声を掛けられそうな雲行き。
彼女は顧客の中年女性を説得し、件のハイリクスな金融商品「一攫千金」の契約を、ようやく取り付けることに成功する。別の客であるケチな高利貸し(ロー・ホイパン/盧海鵬)にも同様に勧めるが、あれこれと難癖を付けられて契約までには至らない。

後日、彼は自身の口座から1000万香港ドルを引き出しておきながら、急な予定変更で500万ドルのみ持ち帰ってしまったため、テレサのロッカーには残り半分の大金が預けられた状態となる。

最後のひとり、義理に固くお人好しのチンピラやくざパン/豹(ラウ・チンワン/劉青雲)は、仕切りを任された親分の誕生日会でも如才なく振る舞い、予算を切り詰めご祝儀も集めて幹事役として八面六臂。

宴会の客として出席した兄貴分が西九龍署へ連行されると、パンは保釈金を求めて東奔西走。なんとか保釈させた直後、別件で今度は東九龍署の刑事が兄貴を連行してしまう。とてもやってられないとチンピラ仲間はギブアップするのだが、パンだけは諦めずに金策へ走る。

向かった先は誕生日会に名刺を置いて行った、骨壷販売の会社。社長に会ってみると、その男は若い頃につるんでいたロン/龍(キョン・ヒウマン/姜皓文)だった。ロンは表向きの業務の他に株のブローカーも行い、黒社会とも繋がっていたのだ。

そして、おりしも発生したユーロの経済危機。三人の運命が、この危機によって大きく動くことになる。


〈感想〉
東京フィルメックスの常連となっているトー監督。
今回は黒社会のメンバーそのものが主役を張るのではなく、市井の人々の群像劇です。
およそ香港では、日本以上に投資や株が身近にあるようで、先の「竊聽風雲(日本未公開)」や直接ではないにしても「ドリーム・ホーム/維多利亜壹號」でも、これらが登場人物の運命を左右するような内容を持っています。

ただ、たしかこの作品は何年かに渡って撮影されていたと記憶しているので、ユーロ危機のようなタイムリーなネタを取り込めているところに驚きました。これはたぶん、大きな動きとしてのバブル崩壊を見越して進めていた作品に、うまいタイミングで起きた危機が織り込まれたものなんでしょうね。

三人の関係は、チョンは妻のコニーがテレサの顧客、テレサの顧客の金貸しがロンへの貸付けを行っている、という線で繋がっていて、それぞれに起こる事件がお互いに因果を持ってストーリーが進みます。

実は、この映画の中では時間軸を巧妙に操りながら見せているため、ある人物の掛けていた電話が別の登場人物との会話であったと後から判明したり、また、キーとなる事件の展開が玉突き、というよりは化学変化のようにストーリーの進む向きを変えたりして、かなり面白い趣向となっています。

このあたりは、今までのトー作品とはいっぷう変わったものでも、さすがの銀河映像節は健在と言ったところでしょうか。

もちろん毎度のユーモアも忘れられておらず、本作ではどちらかといえば、本人は至って真剣なのがかえって滑稽という見せ方をしています。これはトー監督のノワール作品にみられる、ヤンチャな男どもの悪ふざけとはまた違うもので、ここでも「奪命金」がこれまでとは別のアプローチで作られたものだと判ります。

さて「竊聽風雲」のような悲劇的な結末を迎えなかった「奪命金」ですが、トー監督は、この飄々として、かつ逞しい香港人の強さ(拝金主義とは、またちょっと違う)も描きたかったのかと思います。

時事ネタのあまりのタイムリーさに、今まさに日本でも楽しめる作品だと思うのですが、一般公開は難しいでしょうね。せめて「スリ(文雀/Sparrow)」のようにDVDスルーだけでも良いので、見られるようになって欲しいものです。

11/12/06

〈WF本申請通過〉

先に書いたようにWFへ当日版権の申請をしていたものが、無事に審査通過しました。
とはいえ今月は業界的に最大の繁忙期なので、実質作業は年明けからキリキリと進めなきゃならない按配。

基本のところは終わっているんですが、意外と細かいところの仕上げで進まなくなるのも明らかなので油断できませんね。完成見本のスケジュールも見越して考えないと…やばす。

11/11/25

〈映画「新少林寺/SHAOLIN(新少林寺/Shaolin)」〉

製作:2010年(香港/中国)
監督:ベニー・チャン(陳木勝)


〈ストーリー〉
清朝後の中国、列強勢力の協力を得た軍閥が各地方で割拠し、内戦が続いていた。
河南省にある少林寺の僧侶たちは自らの意思で戦いの犠牲者を弔い、また怪我人に対しての手当てにと奔走していた。

登封城戦の後、敵の掃討を逃れ少林寺へと逃げ込んだ敗軍の将を、命乞いも聞き入れずに殺害したコウケツ/候杰将軍(アンディ・ラウ/劉徳華)は山門に掲げられた「天下武宗」の書に「不外如是(これを恐るるに足らず)」と朱書きして立ち去って行く。

候杰は腹心のソウバン/曹蛮(ニコラス・ツェー/謝霆鋒)とともに凱旋するが、戦利品の上前を撥ねられるために日頃から快く思っていない義兄のソウコ/宋虎(シー・シャオホン/師小紅)に対する疑心暗鬼を抑えきれず、暗殺を企てる。宋虎がお互いの子供を婚約させようと言い出したのを好機と捉え、会食の場での実行を図ったものの、計画が漏れたうえに部下の曹蛮からの裏切りにもあい妻子とともに脱出することになる。

逃亡の際、ひとり娘であるショウダン/勝男(嶋田瑠那)が大怪我を負い、治療の為に、あれほど侮蔑した少林寺へと落ち延びるのだが、僧たちの努力も空しく娘は落命してしまう。
己の欲望と猜疑心が元となり娘の命を奪ってしまった候杰は、妻のガンセキ/顔夕(ファン・ビンビン/范冰冰)にも自身の罪を責め立てられ半狂乱で僧をなじるのだが、取り押さえられ意識を失う。

全てを無くしたうえ犯罪者として手配書まで回されることになった候杰は、少林寺の厨房で働いていたゴドウ/悟道(ジャッキー・チェン/成龍)に諭される中で、それまでの行いを悔い仏道に入る決意を固める。かつての非礼が仇となり、修行僧のジョウノウ/浄能(ウー・ジン/呉京)たちには拒絶されるが、大師ホウジョウ/方丈(ユエ・ハイ/于海)に許しを得て少林寺の一員となる。


〈感想〉
我々のようなおっさん世代には懐かしい、あの「少林寺」が帰ってまいりました!
たしかにブルース・リーの「ドラゴン」シリーズや、ジャッキー・チェンの諸作に比べてはマイナーなものの、少林寺と聞いて心ときめかす層は、決して少なくないはず。とはいえ、今回は純粋なカンフーアクション映画というよりも、やや「仏の教え」の色が濃いものとなっています。

もちろん「インビジブルターゲット」や「コネクテッド」の監督ベニー・チャンですからアクション部分も手抜きはなく、それどころか映画の終盤に至っては、大量の火薬がバンバン投入される大破壊シーンというスペクタクル展開ですよ。

主人公がジェット・リーではなくアンディ・ラウということから、アクション面での不安もかすめましたが、脇を固めるのがジャッキー・チェンを始め、ウー・ジンやシン・ユー(シー・イェンレン)といった本職揃い(笑)ですので、それはもう見事にカンフーの見所もたっぷりとあります。

中盤から「あれ、アンディどこ行ったん?」という気配になりつつも、終盤の雪崩れるような怒涛の展開で一気にストーリーが厚みを増し、歴史大作的な趣きすら漂わせたのは、意外な驚きでした。

西洋の銃刀を運用する軍閥と伝統の拳法を守る少林寺との死闘の上に、外部からの勢力が圧倒的な力を見せる所などは当時の中国の姿そのもので、一歩間違えれば本土では公開不可能な内容に転びそうでしたが、物語の軸にある仏法の教えがアンカーになって文句のつけどころのない着地を見せています。なんといっても、候杰は曹蛮に対する復讐を果すためではなく、改心させるために寺へ踏みとどまるんですから徹底しています。

とはいえ抹香くさいだけではないというのは、先に書いたとおり終盤の大きなスペクタクルがあるからですね。
さすが香港映画(笑)

11/10/25

〈クローズアップ現代「想像力が未来を拓く〜小松左京のメッセージ〜」〉

昨晩たまたま良いタイミングでつけたTVで、表題の番組をやっていたので視聴。

ああ、この番組のディレクターは「モリミノル」については耳にしたこともないんやろな、と苦笑い。
あいも変わらず後付で「すでに警鐘が云々」の言には軽い吐き気も(苦)

未読だった「虚無回廊」が、イーガンの「プランク・ダイヴ」にちょっと通じるっぽい部分もあるという発見が、自分には収穫。読んでみよ。

いちおう苦笑したくだりについて説明しときますと、「小松左京が望んだ方向には『SF』は進まなかった」という旨のナレーションの際に「うる星やつら」だの「パトレイバー」だの、あまつさえ「地球へ・・・」だのの『コミック』が画面に映されるという、ゴミっぷりでしたので、個人的にはあれで番組の良かったところも吹っ飛びました。

もし仮にそのナレーションに画を付けるなら、(100万歩譲っての上ですが)ソノラマ文庫辺りにすべきだったんじゃね?
なんちゅうか、メルカバとAPCを同じくくりで認識して話しているような違和感が…(<余計わかりませんか、そうですか)

11/10/26

〈映画「夢遊 スリープウォーカー(夢遊/Sleep waker)」

製作:2011年(香港/中国)
監督:オキサイド・パン(彭順)


〈ストーリー〉
縫製師のイー/紫怡(アンジェリカ・リー/李心潔)は、夜ごと見る夢に心を囚われていた。
「どこかの荒れた林を歩く夢」「夜中に突然、警官が家に来る夢」そして「自分を詰問してくる電話の夢」それらを繰り返し見ることが、彼女の心を重く圧迫している。

そのプレッシャーが彼女の言動を奇矯なものとしてしまうため、仕事仲間や離婚した夫などをも近寄りがたくさせているうえ、どうも睡眠中に自身が徘徊をしているようであることにも気づき始めたイーは、さらに暗鬱とした気持ちに落ち込んでゆく。

忽然と行方不明になった元夫の事件に於いて重要参考人となったイーは、捜査員のアウ(フォ・シーヤン/霍思燕)とともに催眠療法に解決の糸口を求めるのだが…

〈感想〉
東京国際映画祭で初の3D上映作品となった本作。
正味のハナシ、3Dはそれほど効果的に使われていたわけではありませんが(笑)映画そのものには満足しました。

主演のアンジェリカ・リーは、「the EYE」「リサイクル-死界-」「カオマ」など、香港ホラーには珍しく良く出来ている作品に出演されているので、自分にとってある種の安心ラベルです。

んが、監督のオキサイド・パンというかパン兄弟は、最近ちょっと空振りが目立ち始めたので要注意だったうえに、そのスジの人であればご存知のとおり香港映画におけるホラーのグダグダっぷりは甚だしいことこの上ないので、嫌な予感も抱きつつ足を運びました。

結果的に、「不思議なこともあるもんだねぇ」という範囲に収まる程度のオカルト分は残しつつも、現実的な結末へ着地できたストーリーで安心しました。
イーを中心とするエピソードに、もう一組の事件が交差し始めたところで謎が深まり、また疑念もあちこちへ飛び始めるんですが、変なアクロバットも唐突な犯人の登場もなく、上手い具合に纏めたと思います。

自分の行動が明らかにおかしくなって自信を持てなくなったうえに、殺人を犯した可能性までもが見え隠れするようになり、それを否定したい気持ちと、逆に認めざるを得ない状況証拠との間で憔悴する主人公を、アンジェリカ・リーが見事に演じて見ごたえがあります。やっぱ美女とホラー(風味)は似合いますねぇ。

また全ての事件が解決したあと、過去のイーと同じ行動を取り始めた人物に対する視線には救いを感じました。
同じ傷を持つ者同士でありながらも、突き放したり敬遠するのではなく肯定の姿勢を見せるイーは、過去の出来事を昇華させることが出来たように見えますし、それであればこそ悲劇も繰り返されることはない、と思えます。

そしてエピローグにおいても、何故、劇中の或るエピソードの中でイーが涙を流したのかを伝え、或る種の円環構造にもした構造は「theEYE」再びと言った感があり、非常に腑に落ちるものでした。

11/10/19

〈映画「アクシデント(ACCIDENT/意外)」

製作:2009年(香港)
監督:ソイ・チェン(鄭保瑞)


〈ストーリー〉
露店と歩行者でごったがえす香港の路地。 パンクしたベンツがつっかえ後続車があっという間に狭い道で渋滞を起こすと、それに連鎖した事故に巻き込まれ、ある男が大怪我を負って死んでしまう。
それらの出来事を見つめるひとつの視線があった。その男ブレイン(ルイス・クー/古天楽)は、事故に見せかけた方法でターゲットを亡き者にする暗殺を生業としていた。

仲間をも監視の対象とし注意深く行動するブレインだったが、次の仕事で計画外の事故が発生しパートナーのファット(ラム・シュー/林雪)が死亡する。ファットが、いまわの際に呟いた「これは本当に事故なのか…」という言葉に捉えられ、同時に発生した空き巣事件で疑心暗鬼に陥るブレイン。

暗殺の依頼者に始まり、その男が会っていた保険会社の社員も、仕事仲間も、全てが疑わしくなったブレインは猜疑心の塊となってゆく。


〈感想〉
2009年の東京フィルメックスでも観ることの出来た本作。ようやく日本での劇場公開の運びとなりました。
監督は「ドッグ・バイト・ドッグ」や「軍鶏」のソイ・チェン。それらのフィジカルにバイオレンス色の強い作品とは一風異なるモノになったのは、もちろん製作のジョニー・トー(杜[王其]峰)率いる「銀河映像」組の脚本によるところが大きいでしょう。

この映画も、トー作品で御馴染みの「プロフェッショナルなチーム」がコトに当たるというスタイルではあるものの、決定的な違いは「信頼」の欠如です。背中を預けられる男同士の(とも限りませんが)信頼関係で物語が動いてゆくトー作品とは違い、いったん陥った猜疑心に雁字搦めになった男が、自分自身を追い詰めてゆく過程が息苦しいまでに描写されます。
緻密であるがゆえに狂ってゆくブレインの姿を、シンプルに言葉少なく映像の力で見せられるのは、さすがトー組と言ったところ。

真相と結末へ向けての着地は、あるいはあっけなく思われるかもしれませんが、「銀河映像」のダークサイド作品として非常に興味深い一本です。

11/10/18

〈香港アクション列伝BIG4 その3〉

新宿武蔵野館で実施中の「香港アクション列伝BIG4」
その3本目の「アクシデント/意外」を見にいってきました。

映画の感想はコチラ…って書いてなかったっけか。そういえば映画祭に行ったのは、欝に片足突っ込むくらい忙しかった頃でしたねぇ。 そのうち書きマース。

で、先着プレゼントでもらったのが、画像のクリアファイル。
さすがに会社とかで使うもんじゃないですが、地道なキャンペーンが嬉しいですよね。

これは映画のワンシーンで、ニックチョンがクリアファイルを持っていたことで思い付いたグッズなのかな。

香港映画も暫く盛り下がりの一途だったのが、武蔵野館さんやシネマート系列のように継続して公開してくれている劇場もあるので、その心意気には応えないとなぁ。

11/10/12

〈舞台「超鋼祈願ササヅカイン〜暗黒のイノセント〜」〉

なんと笹塚にもご当地ヒーローがいるんですよ。

先日の「半神」の時にもらったチラシで知って、観に行ってきました。
カプセル兵団という劇団が自発的に、笹塚のヒーローとして発案したものが、めでたく区の公認?に昇格したという珍しいパターンだそうです。

ピープロくさいデザインに、手作り感満載のスーツということで、さほど期待していませんでしたが、これが意外や意外しっかりした内容で驚きました。

アクションが主体の構成で、そこは見せ場もバッチリ。
笹塚ファクトリーというビルの地階に設営された、けっして環境も良くなくスペースにも余裕のないであろうステージをめいっぱい使って、スピード感のある殺陣を見せてくれました。
男性陣のキレはもとより、女性対女性のアクションも見劣りせずにしっかり出来ていて、日本のアクション界も捨てたもんじゃないなと思いなおしましたよ。

演出も斬新で、長い暗転で場面切り替えをするのではなく、一瞬だけ落とされた照明の中でスピーディーに入れ替わりと転回を済ませるというもの。
加えて、フィルムでいう処のカットインのような見せ方もあったり、大道具が一切なく俳優でそれらを表現していたり、なかなか面白い舞台でした。
そういえば、バレットタイムみたいなのもあったなぁ。

正直ストーリー部分は、ある種の王道的なもので個性的とまでは言えませんでしたが、ご当地ヒーローの舞台であることから、それは問題ナシでしょう。

唯一残念なのは、自分が嫌いなパターンの「声をあてている中の人が表に出てくる」という演出があったこと。
これは過剰サービスだとしか思えません。楽屋落ちのバリエーションみたいなもので、これを喜ぶ観客もいることは判りますが、出てこなくたって「くすぐり」としては機能するはずです。ここだけが残念だったなぁ。

さておき、他のオリジナル作品も見てみたいと思えたので、機会があればまた行きたいですね。

11/10/06

〈映画「ザ・ウォード-監禁病棟-/THE WARD」〉

製作:2010年(アメリカ)
監督:ジョン・カーペンター


〈ストーリー〉
森の中を何かに追われるように駆け抜ける、ひとりの少女。
パトカーの警察無線からは、その特徴と合致した捜索指示が聞こえてくる。

少女は一件の農家に火を放ち、到着した警官に取り押さえられる。
そのまま精神病院へと連行された少女−クリスティン(アンバー・ハード)は、自分の名前以外の記憶を無くし何も答えられずにいたが、体には虐待の痕らしき怪我があった。

重度の記憶障害があり放火の現行犯でもあるクリスティンは、精神病院の奥深くにある監禁病棟へと隔離される。 そこには彼女と同じ年代の少女が4人、既に入院していた。クリスティンは自分の正気を疑わず投薬も拒否するのだが、就寝時間を過ぎると出歩くことを禁じられているはずの廊下に人影を見つけ、またベッドの下から壊れたアクセサリーのチャームを見つける。 鍵が掛かっているはずの病室に入れるはずもない、その「誰か」について問いただすも看護士は全く取り合わない。

主治医であるストリンガー医師(ジャレッド・ハリス)の治療も始まるが、依然として「そこに居たはずの誰か」の気配を感じるクリスティンは、婦長の隙を狙い事務室に侵入してカルテを調べてみる。そこに有ったのは「アリス・ハドソン」という患者の収容履歴。先に見つけたチャームに彫られていた文字も、並べ替えると「A L I C E」であることに思い至ったクリスティンは、他の患者達に話をするが、やはり芳しい答えは返ってこない。

誰もが口を閉ざす「アリス」とは誰なのか。完治したはずの患者は何故、ひとりも戻ってこないのか…


〈感想〉
なんとカーペンター監督の10年ぶりになってしまった劇場公開作品。

実は映画のオチは、それほど意外性もなく、おおよそ「この手の映画」を良く見る人にとって予想されるいくつかの候補の中のひとつでしょう。そこは言わぬが華ではあるものの「今、コレで落としますか!監督!!」な気分が抑えきれないのは、高望みなんでしょうか。

B級映画の巨匠である監督には、もっとぶっ飛んだものを期待していましたが、この作品では意外とマトモな演出に終始し「サングラスを掛けろ!」「掛けるかボケ!」という肉弾戦の掛け合いが延々と続くこともなく(笑)若干の肩透かし感も…

さておき、精神病院に5人の少女と聞けば誰もが思い出すのは「エンジェルウォーズ」なわけですが、あちらが妄想全部乗せをCGIでケレン味たっぷりに描写していたのに対して、こちらは由緒正しくショッカー&ホラーの作法に則ったもの。
ですので、前半は「アレやコレやのモノ」は画面でのチラ見せが殆ど。それでも登場人物の視線、視界を操っての恐怖演出はさすが円熟の域ですね。
オマケに男前なヒロインによる脱出モノの要素も愉しめるとあれば、ファンとしてはオチの弱さも気にならないかも。

ただこの映画で本当に怖いのは、ロボトミーや電気ショックによる精神病治療にそれほど抵抗が無く見える医者と、その時代背景だったりするんですが、逆に彼が善意の人格者であることも描写されているのが皮肉というか何というか。

もうひとつ残念なのは、5人の少女(と言っても20才前後の設定ですが)のうち、ロリ担当と眼鏡っ娘担当の女優さんが、もうちょっと可愛ければなぁ、というところ。いや、これは「残念なのはオマエの方じゃ!」というツッコミが聞こえてきそうでアレですけれども(笑)

11/10/05

〈WF本申請提出〉

もともと今年の夏に向けて作っていた原型を、再開して進めていたものです。
今日の昼に監修用の本申請を郵便で提出してきました。

全体で85%くらいのところ(部品のフィッティングがイマ2くらい)で止めて、撮影用にスジ彫りを入れたんですが、写真にしてみると殆ど見えず…

さておき監修を通るかどうか判らないままではありますが、いったん原型はスローダウンして、ホビーフォーラム向けの43を進めないとヤバいですな。

監修OKなら、久しぶりのディーラー参加になります。
さてさて、どうなりますやら。

11/09/28

〈映画「「レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳(精武風雲・陳真 Legends of the Fist Return of Chen Zhen)」

製作:2010年(香港)
監督:アンドリュー・ラウ


〈ストーリー〉
第一次世界大戦中、中国は派兵の代わりに使役として労働者を欧州へ送りこんでいた。

フランス軍に配置された中国人のリーダー格チェン・ジェン/陳真(ドニー・イェン/甄子丹)は仲間たちを鼓舞し、戦闘支援に邁進する。
ある戦闘の際、強力な攻勢に会ったフランス軍が撤退を始めると、塹壕に取り残された徒手空拳の中国人たちにドイツ軍が襲い掛かったが、チェン・ジェンの目覚しい活躍で撃退。

さらにそれを上回る機関銃攻撃が始まり友人が落命してしまうと、激高したチェン・ジェンは銃剣を手に敵の銃座へ単身で突っ込んでゆく。援護を受けながら次々とドイツ兵を屠り殲滅した彼は、仲間とともに祖国中国への帰還を誓った。

時は移り1925年の上海。そこは一次大戦の連合国による租界で分割され、それぞれの勢力の坩堝と化してした。

戦場で命を落とした友人チー・ティエンユアン/齊天元(チャン・ホアイユイ)の名を借りたチェン・ジェンは、レジスタンス活動の情報収集のために中国人社会の大立者リウ/劉(アンソニー・ウォン/黄秋生)へと近づく。

リウの経営するクラブ「カサブランカ」で傍若無人に振舞う日本軍との騒動を収めたチェン・ジェンは、彼の歓心を得て役員の立場へと登用される。

折りしも中国東北部での内戦が激化する中、日本軍はその動きを利用して中国勢力の弱体化を狙う。その尖兵を担うのは虹口道場の代表でもある力石猛少将(木幡龍)

彼の率いる駐留軍は、中国人への苛烈な弾圧とともに身内にも容赦のない姿勢で、恐怖による支配を行っていた。
日本軍と協調する卓将軍に対立する曹将軍(ショーン・ユー/余文楽)の暗殺を謀り、また抵抗勢力の精神的指導者達の暗殺リストが市中に洩れるに及び、チェン・ジェンたちのレジスタンス活動も激しさを増し、同時に彼の周りにも捜査の手が伸び始めるのだった。


〈感想:以下ネタバレ全開です。〉
えー…
正直、やっちまったな、な感のある一本です。
なんでまたアンドリュー・ラウも、ここまで盛大に中共へ尻尾振るかなぁ…

いうなれば「豆腐花」を頼んでワクテカしていたら「臭豆腐」が出てきた、みたいな(笑)
伝わらないですね、すみません。

自分としは、ドニー・イェンのカンフーアクション映画を観に行ったつもりだったんですね。 そうしたらなんと、予想以上に強烈な抗日映画だった、と。
アクション映画のスパイスに政治情勢をバックグラウンドとして加えている程度ならまだしも、いかんせんスパイスが多すぎて咽返るようです。

先の「イップマン」シリーズでも、同じような時代を背景に敵役としての日本軍が描かれていましたが、あの程度なら許容範囲で済まされたものが、まぁ、中華いや、中共ファンタジーがテンコ盛り過ぎちゃって…

また、この映画には追加要素が多すぎるんですよね。
この作品がブルース・リーの「ドラゴン怒りの鉄拳」をリメイクしつつ、その後日譚を描くものだったんだと最終的には理解できましたが、そこへ「カサブランカ(ボガートのアレ)」やら「李香蘭」ネタまで追加したために何やらコマ切れ風味です。

後日譚だと判るのは、主人公のチェン・ジェンは「怒りの鉄拳」で力石剛(今回は倉田保昭)を倒したあと、本国では行方不明となっていたものの、実は欧州に逃げていたので名前を代えて中国に戻ってきたんだということが、映画の後半になってチラっと語られるからなんですよ。
それまでは完全リメイクかと思ってましたよ。

その単純なリメイクでは無い捻った部分が余計に混乱を生んでいて、実は後日譚なんだということを映画の序盤に読み取れるのは、そうとうに予習をしている人か、ディープなファン以外には居ないでしょう。

そもそも、「あの『怒りの鉄拳』をドニー・イェンがリメイク」という体での作品紹介ばっかりですしね。

そこへ「李香蘭」ネタを加えて悲恋の要素も入れちゃったので、人物像が薄い薄い。
クラブ「カサブランカ」の歌手キキ(スー・チー/舒淇)の正体が日本人とか、しかも名前が山口由美とか「山口淑子as李香蘭」まる出しですやん。でもって、中国人への思い入れが強くなりすぎたと力石に思われたらしく、あっさり斬り殺されちゃうし。

ここまで書いておきながらアレですが、アクション部分は本当に凄いです。
冒頭の戦場でのドニーイェンオンステージは、もう笑いが出るほど凄い!

戦場のガレキを盾に弾幕の中を駆け抜け、電線を使って宙を舞い、建物の外壁をナイフでよじ登ってドイツ軍の機銃座に取り付きます。
正直、この「ドニー・イェンin欧州戦線」だけで一本撮ってもらいたいくらいのキレです。

また、中盤のカトーマスクwith革ランでの立ち回りも、グリーンホーネットを軽く上回る素晴らしさ(って、ジェイ・チョウはアクション俳優じゃないので比べるのは不適切ですね。すんません)
クルマの屋根を軽々と飛び越え、多段蹴りを繰り出し、暗殺者を瞬く間になぎ倒します。

実は、ここからチェン・ジェン八面六臂の大活躍が見られると思っていたら、あれよあれよと抗日描写のオンパレードと、その合間の甘酸っぱい恋愛シーンへと内容がスライドしてしまいます。超ガッカリ…

とにかく日本人は冷酷で非道、もしくはたかだかレジスタンスにコロっと騙される愚か者、対して中国人は義に厚い愛国者か、非業の死を遂げる哀れな犠牲者としか描かれません。なんだかねぇ。

そしてチェン・ジェンが力石を倒して仲間の仇を討とうが、上海の情勢は何ひとつ変わらないという歴史上の事実は動かせないので、ラストはビルの望楼にすっくと立つ黒侠コスプレのチェン・ジェンというカットに「日本軍の侵攻に対して中国人はレジスタンスを続けた」とかいうナレーションが被って終劇というションボリなもの。
これならいっそオリジナルのエンディングの方が、潔いですよね。

とまぁ、ドニー・イェンのアクションさえ見られれば他は何でもOKな人以外には、正直オススメできない作品でした。ほんと、残念至極。

11/09/19

Live「秋のプログレ三夜祭」2夜目 2011.09.28」〉

沼袋のサンクチュアリさんでのイベント。
昔なら皆勤したところですが、さすがに必見のものだけで失礼しました。


・Seraphita
ン十年前に買ったCDから、ほとんどイメージの変わらなかった最近のオムニバス収録曲まで、スジの通ったハードプログレ路線。
ダブルネックを抱えながらキーボードを弾くという器用な場面にびっくり。
なんだかんだで、ライブにこういう「サーカス」的な部分があると楽しいですよね。

・Marge Litch
こちらも息ながく、よりHR/HMに近いハードプログレを続けてますね。
ユニゾンのカンジが、「ああ、これこれ!」な懐かしさも。
このメンバーでのアルバム製作とか、あるんでしょうか。

・Water Garden
出身が滋賀というのがユニーク。
やっていることは「歌謡メタルのプログレ風味」というか、ゴリゴリでない分、聴き易いのと、ライブの盛り上げ方は良く知っているなぁ、と。
たぶん、こういうバンドが入り口になって、「こっちの世界(笑)」へ来る人もいるんじゃないかな。

・GO!MAN-ZA
本日のメインイベントで大トリ。なのに正味の演奏時間は、たぶん最短(笑)
MC部分が完全に一定年齢以上のベテラン向けで、ウチの嫁なんかは置いてけぼり状態。地名から何から相当にピンポイントで、自分なんかは大笑いしましたけど。

マジメな話し、大ベテランのオヤジ連中の姿が眩しかったですよ。
一晃座長のセレクトによるセットリストは次のとおり。

・マジカルモーニング(乱舞流)
・光の余韻(乱舞流)
・陽炎の街(乱舞流)
・悪魔のワルツ(フロマージュ)
・伝説の夜(ファッション)
・セレナーデ(魔璃鴉)
・ラプソディ(シェラザード)
・鏡(シェラザード)

11/09/17

〈映画「バタフライエフェクト・イン・クライモリ/ACOLYTES」〉

制作:2008年(オーストラリア)
監督:ジョン・ヒューイット


〈ストーリー〉
森の中を裸足で逃げて行くひとりの少女。道に飛び出した彼女は、SUVに轢かれて死んでしまう。
SUVのドライバーは少女を森の中に埋めようとするが、それを或る少年が目撃していた。その少年マーク(セバスチャン・グレゴリー)はタイヤカバーに描かれていた蝶々を目にとめる。

マークは、友人のジェームス(ジョシュア・ペイン)と、そのガールフレンドのチェイス(ハンナ・マンガン・ローレンス)と何時もつるんでいた。実はマークはチェイスに片思いをしているうえに、ジェームスとも忌まわしい過去を共有しているために離れられずにいるのだった。

森の中での出来事をジェームスに話したマークは、蝶々の目印を手がかりに轢き逃げ犯を探し出そうと持ちかける。
チェイスも巻き込んで捜索を始めた矢先、三人は首尾良くくだんのSUVを見かけ犯人の家を突き止めることに成功する。

元々は警察に通報して終わらせるつもりのマークとは裏腹に、ジェームスは或る計画をスタートした。
それは轢き逃げ犯の男イアン(ジョエル・エドガートン)を脅して、因縁のあるパーカー(マイケル・ドーマン)を殺害させよとするものだったが…


〈感想〉
今回はネタバレありで行かせてもらいますので、ご注意のほど。

まず邦題について酷いという意見がウェブ上にも溢れていますが、それに全面的に同意するとともに、より一層の「バカ邦題の罪」について指摘したいと思います。

「バタフライエフェクト」と「クライモリ」という、二つの先行するシリーズを恥ずかしげもなく合体させたセンスについては、ビデオスルー作品には良くある頭の悪さということで、あっさり無視できなくもありません。

が、それぞれの作品に纏わる情報というかイメージ、ですね、『「バタフライエフェクト」であればタイムスリップの要素があるんだろう』とか、『「クライモリ」だと××(自主規制)の出てくるスプラッターホラーだよね』という予備知識と言うかある種の期待が発生しますよね。

ところが本作は、その要素がひとつもないんですよ。いや、要素が無いというだけならまだしも、ちゃんとサイコ・スリラーとしてのストーリーが存在するんです。つまり、SF/ファンタジーでもホラーでもない、けっこう現実的な範囲で物事の起こるスリラー映画なんですよ。

演出の少々の上滑りと全体に漂う説明不足のため、傑作と呼べる水準まで達していないまでも、雰囲気のあるサイコ・スリラーとして評価できる可能性もあったのに、この邦題のせいで盛大に減点される羽目に陥ってしまっています。

まぁそもそもが、バカップルとヘタレが、シリアルキラーにホモショタの殺害をさせようと謀るという、どうしようもない内容である点では、強力には擁護しようがないんですけどね!(笑)

バカ邦題は遠くの棚に放り上げて指摘するならば、マークのものとして示されるビジョンを、きちんと「現実に起こったこと」として見せる演出を忘れないことが必要ですし(これは邦題にも問題あるので同情の余地は残りますが)、イアンがマークたちのことを「アマチュアめ!」と罵るのであれば、プロのシリアルキラーとしての実力を提示しておくことは必須でしょう。

ところがマークのビジョンは夢なんだかテレパシーなんだか判らないまま進みますし、イアンの実力(…)は未遂が一件あるもののカケラも見せてもらえませんし、ましてやそのアマチュアに簡単に返り討ちにあうとか、ボコボコと穴が開いてるんです。こういう点を丁寧に潰していけばよかったのになぁ、と大変残念な思いです。


11/09/16

〈映画「スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団/Scott Pilgrim vs. the World」〉

制作:2010年(アメリカ、イギリス、カナダ)
監督:エドガー・ライト


〈ストーリー〉
ニートのスコット・ピルグリム(マイケル・セラ)は、17歳のナイブス・チャウ(エレン・ウォン)と付き合いながら、インディーズのバンドで活動中。
ある日ナイブスと出かけた図書館で、夢に出てきた女の子が本当に目の前に出現!当然ひとめ惚れをしたスコットは、彼女のストーキングをしてパーティに潜り込み名前と諸々の情報をゲットする。

彼女はニューヨークからやってきたラモーナ・ヴィクトリア・フラワーズ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)、マゼンタ色に髪を染めアンニュイでミステリアス。

スコットは、ラモーナの心を射止めようと次々とプッシュ!ところが行く先々で、ラモーナの元カレが戦いを挑んでくる。7人いるという元カレを全て倒さなければ、ラモーナとは付き合えないという。


〈感想〉
わー、惜しい!というのが、率直なところ。

まず映画の前に出てくるユニバーサルのロゴを、ドット絵&チップチューンで見せたところには掴まれました。

本編も、原作のコミックを画面レイアウトを含めて、かなり忠実に再現しているので、効果音が目に見えて表示されたりゲームのようにアイテムやスコアがポンポン表示されたりします(古〜い喩えで恐縮ですが、オヤジ世代の人は1960年代に作られた「バットマン」のTVシリーズを思い起こしていただければ…)

ただストーリの骨格だけを言えば、「売れないバンドをやっている男の子が恋愛を成就させる」ものですので、そういう意味ではストレートです。ってか、演出もストーリーも斬新だと良く判らんモノになりまさぁね。

まぁ、そういう大元のところは凄く好きなんですが、主人公の行動がまず受け付けないです。あまりにルーズうえに、彼女にゲーム代(小銭だよ?小銭!)を出させるとか情けない。

おまけに主人公スコットとナイブスのルックスが超残念!スコットはナード臭が強いし、ナイブスがゴリマッチョって…

スコットは少なくとも、仲間とバンドをやりつつ彼女をとっかえひっかえ出来るほどの器量は持っているんですね。バンドのドラマーも元カノですし(!)だからせめて、アーロン・ジョンソン(キック・アス)くらいのルックスだったらなぁ。

ナイブスの方も、ゴリマッチョは言いすぎかもしれませんが基本ガッチリ系で、アレは無いわー。原作は地味可愛い雰囲気だったんだから、もうちょいキュートなキャストにならんかったもんかと。もちろん西洋人のチャーミングと日本人のカワイイでは、ズレが生じるのは仕方ないとはいえ。

アクションもゲーム画面のようにバカバカしくも楽しく、色々なオマージュもふんだんで音楽もイイという、いかにも自分の好きそうなタイプの映画だったんですが、どうにもモニョモニョモニョ・・・

そういえば、このエドガー・ライトの映画作品は、「ショーン・オブ・ザ・デッド」も 「ホット・ファズ 」も観ているんですよ。どの作品も演出のスタイルは好きなので、キャストに納得できればハマるような気がします。

11/09/13

〈映画「カーズ2(Cars2)〉

制作:2011年(アメリカ)
監督:ジョン・ラセター、ブラッド・ルイス


〈ストーリー〉
いずこかの洋上。フェリーに乗った英国のスパイ、フィン・マックミサイルは潜入中のエージェントに指示されたポイントへと到達。そこへ現れたのは所属不明の戦闘艇。フェリーは体よく追い払われるが、フィン・マックミサイルは密かに警備艇へ取り付き敵基地である石油プラントへの潜入を果たす。

彼がそこで見たものは、手配中の科学者ザンダップ博士の一味だった。犯罪の証拠を撮影したものの発見されてしまい、数々の装備を駆使して逃走。戦闘艇のミサイルで破壊されたと思わせる欺瞞工作を残して、海中深く消えて行った。

ところ変わってアメリカの片田舎、ラジエーター・スプリングスではピストンカップで連勝中のレーサー、ライトニング・マックイーンが久しぶりに里帰りし、親友のオンボロレッカー車であるメーターたちから大歓迎を受けていた。

マックイーンは休暇を楽しむつもりだったが、TVに出演していたライバルのフランチェスコ・ベルヌーイによる挑発に乗ってしまったメーターが反論の電話を掛け、結局、新燃料「アリノール」のPRイベントであるワールドグランプリへと参戦することになる。

日本、イタリア、イギリスの三カ国を転戦するワールドカップの裏で、ザンダップ博士と組織のボスによる陰謀が動き始めていた…


〈感想〉
けっこう多くのピクサーファンをがっかりさせているらしい(笑)本作。
なんでも前作の感動が云々ということらしいんですが、そういう辛気臭いのが前面に出てないとダメなんでしょうか?っていうのが自分の感想。

とか言ってますが、これはたぶん、遺伝子の螺旋にネジ山が切ってある自分のようなメカ好きだからこその見方であるという説が濃厚(笑)

たしかに前作は「唯我独尊の天才レーサーが田舎に来て大事なものに目覚める」なんていう、世の中のお父さんお母さんが諸手を挙げて歓迎するようなストーリーでしたから、むべなるかななんですが。

それでも、本作も表面的にはスパイアクションが前面に出てはいるものの、ちょっとオツムの弱くKYなメーターの自信回復と友情の物語であり、一点でも秀でた能力があれば世の中から肯定されるというポジティブなストーリー展開なんですけどね。

マックイーンが主人公でないのはマイナスポイントであるとの指摘も、クレジットからしてメーターが先ってことは、もう制作者側は確信犯でしょうに(<誤用にて失礼!)

とにかく映画の冒頭、フィン・マックミサイルが敵組織の基地へ潜入するシークエンスがあるんですが、ここで出てくる組織の戦闘艇がトリマラン(三胴船)のLCS(沿海域戦闘艦)をモデルにしていたことで、自分的なツカミはOK。いや、このタイミングで出せるんだもん、やっぱメカオタクのシンパシーを感じざるを得ないでしょう!

あちこちにある小ネタや、擽りも楽しすぎて困りもの。でもやっぱり、少しマニアックなところへ行き過ぎてるなぁ、ってのは否定できませんねぇ。だってスパイの合言葉が「カルマンギアには、ラジエーターがない」「だって空冷だから」って、何それ(笑)子供とかママさんには、さっぱり伝わらんでしょうに。

世界観の作りこみも大変なもので、悉くが擬人化されたクルマに最適化されていて、そのこだわりにシビレます。
かと思えば、あるキャラの終盤でのナイト叙勲シーンでは、きっちり作法に則っているとか素晴らしいわー。

もちろんCGアニメの強みを活かした演出も多々ありますし、スピード感やクルマの挙動の見せ方とかとか褒め処にいとまがないです。

大いに感動したい人にはオススメしませんが(<!!)クルマ好き&スパイアクション好きなら楽しめること請け合いですよ。

11/09/12

〈CD(BOX)「V.A./ PROG EXHIBITION - 40 Anni Di Musica Immaginifica」

収録バンドおよびゲスト

・ABASHSINESTESIA
・ALDO TAGLIAPIETRA, TONY PAGLIUCA, TOLO MARTON(ex:LE ORME)
・BANCO DEL MUTUO SOCCORSO
・DAVID CROSS (ex:KING CRIMSON)
・DAVID JACKSON (ex:VDGG)
・GIANNI LEONE (ex:IL BALLETTO DI BRONZO)
・IAN ANDERSON (ex:JETHRO TULL)
・MASCHERA DI CERA
・NUOVA RACCOMANDATA RICE VUTA RITORNO
・OSANNA
・PERIFERIA DEL MONDO
・PREMIATA FORNERIA MARCONI
・THIJS VAN LEER (FOCUS)
・THE TRIP  

2010年にローマで開催されたプログレイベントを、7枚のCDと4枚のDVDのセットで纏めたものです。

多くのバンドが出演している中でも、やっぱり目玉はPFMとBANCOなんでしょうが、個人的な聴きどころは元レオルメのトリオだったりします(一時期「フェローナとソローナの伝説」をかなり愛聴してました)

また今回のライブには、バンドそれぞれにゲストが加わっていて、PFM&イアン・アンダーソン、元レオルメ&デビッド・クロスなんていう驚きのセッションもあります。ここもまた必聴ポイント!

ベテラン連中の演奏は言うに及ばず、(たぶん)若手のバンドも健闘していてハズレ無しです。ジョン・ウェットン参加の部分は大人の事情で未収録なんだそうですが、それを補って余りあると思います。

内容も、「ドルチェは別腹な親父」どもらしく(笑)、年齢からは想像の出来ないエネルギッシュなライブで、1.5倍速の「セレブレーション」とかニヤニヤしてしまいますねぇ。

絶対値としては安くはない買い物(輸入盤で一万円弱)ではありますが、ボリュームとレア度を鑑みれば、超お買い得なボックスセットであることは間違いありません。一家に一箱!

11/09/07

〈映画「レイン・オブ・アサシン(剣雨/Reign of Assassins)」

製作:2010年(香港/台湾/韓国)
監督:スー・ジャオピン(蘇照彬)


〈ストーリー〉
かつて天竺(インド)から南宋(中国)に渡り僧侶として出家の後、修行の末に武術の奥義を極めた達磨大使。
彼の死に際し遺骸は二つに分かたれミイラ化し、行方知らずとなってしまう。そして何時の頃からか、遺骸の一対をどちらも手に入れた者は「大きな力」を得る事が出来るという噂が囁かれ始めた。

時は経ち、達磨大使の死から800年後の明王朝時代。謎の暗殺者集団「黒石」は、その達磨大使のミイラを奪うために宰相のジャン・ハイドゥアン/張海端を襲撃し、息子のジャン・レイフォン/張人凰ともども殺害したうえで首尾よく目的を果たす。ところが刺客のひとり、シーユー/細雨(ケリー・リン/林熙蕾)がミイラを奪取したまま行方をくらましてしまう。

シーユーは整形の秘術を受け顔を変え、ザン・ジン/曽静(ミシェル・ヨー/楊紫瓊)と名乗り市井に紛れて暮らし始める。
お節介で人の良い大家ツァイ/蔡(パウ・ヘイチェン/鮑起静)の後押しもあり、同じ店子であった配達人のアシャン/阿主(チョン・ウソン)と結婚をすることになった。

堅実なシーユーの商売と、殆ど見入りのないアシャンというギャップはあるものの、お互いを思いやり穏やかな生活を続けていた二人だが、ある事件をきっかけにシーユーを追う黒石の捜索の手が伸び始める。


〈感想〉
さすがのミシェル姐さんが、キレの良いアクションを見せるだけで充分なのに、「中の人」がケリー・リンとか、なんて俺得な映画なんでしょう!という点は置いておくとして・・・笑

メインキャストに港台のスターを揃えたうえに、ワダ・エミを衣装に招き、更にセットの規模も大きくエキストラも山盛りと、良くみれば大作のような気がしなくもないながら、どうにもイマイチ突き抜けないイメージです。

ミシェル&ケリー姐さんは鉄板、刺客のレイ・ビン/雷彬(ショーン・ユー/余文樂)、ジャン・チン/綻青(バービー・スー/徐熙媛)、そして首領の転輪王(ワン・シュエチー/王學圻)も好演していましたし、アクションのワイヤー成分低めな部分も現代的で見易く楽しめたんですが。

思うに、ストーリーの骨格部分のズレと、見せたいディテールの配分でミスってるんじゃあないか、と。

まずトホホなのが、転輪王の目的というのが、けっこうアレなものだったという点が挙げられるかと思います。転輪王の正体と併せての説得力アリと踏んだのでしょうが、ちょっとなぁ…
普通に「武術の奥義を極めるためにミイラを欲した」という理由で良かったんじゃないかと思えるんですよ。本人にとっては重大な悩みというか「業」なんでしょうけどね。んー、いかに道を極めようとも煩悩は捨て難し、という話しなのかなぁ。

とはいえ、目的と正体を唐突に開陳して奇を衒うのではなく、転輪王の不自然な話し方や「髭」でのを振りを印象に残しておくあたり、丁寧な仕事ぶりではあります。

逆にアシャン絡みの部分は、唐突過ぎて無理矢理感が満載。
明らかに只の配達人ではないことは演出として挿入されるものの、前半のエピソードとの齟齬がハンパないです。アシャンだけ他のキャラクターほどの目配せが出来ていないのは、何故なんでしょうか。

そんな按配ですので、転輪王の目的とアシャンの正体が明かされる後半のストーリー面での失速ぶりは目を覆わんばかり。ラストも韓国ドラマのような急転直下なオチで残念!ここは、そこに至る「機微」を丁寧に描くか、最後の告白をもっと抑えておかないと…
いつの間にかパワーアップしているのも、由来不明で??な状態になりましたし。

また、それはそれでイイ話しポイントではあったレイ・ビンのエピソードも、描き方としては中途半端で、他のメンバーの描写を削ってココを増やすか逆にバッサリ切ってしまうかの方が、メリハリが着いたと思われます。

ちょっと辛めの感想ですが、古装片としてのデキは良いと思いますよ。恋愛要素の配分がアンバランスで残念でした(笑)

11/08/30

〈演劇「半神(多摩美術大学映像演劇学科)」

いわずと知れた、野田秀樹版の「半神」

氏が同大学で教授を務める関係から、演出含むスタッフに多摩美の学生を置き、そこへ外部から美術と客演を招いて上演されたもの。

これは自分が、演劇を楽しむ作法を殆ど持ち合わせていないことが原因なので仕方ないところですが、今回の舞台はあまり楽しむことが出来ませんでした。

入場時にいただいたパンフレットのスタッフ紹介を見た時に感じた印象そのままに、「表現をさらけ出すことへの躊躇い、衒い」があるように感じてしまいました。自分が学生の頃を思い出してみるに、あまりにも心当たりがありすぎて眩暈を起こしそうなんですが(笑)、どうしても外面を作ってしまう年頃だから仕方ないところなのかも…

ストーリーのクライマックスに向け、もう少しでこちらの胸に届きそうだったものが、あと一歩のところで落ちてこず残念しきりです。

同じ「半神」から生まれた作品でも、Pegeantの「ヴェクサシオン」は今でも深く刺さっていることを思えば、やはりこれは、自分には演劇鑑賞の回路が未整備だったという一言に尽きるように思えます。


11/08/29

〈映画「モールス(Let Me In)」)

制作:2010年(アメリカ)
監督:マット・リーブス


<ストーリー>
アメリカの南部のニューメキシコにあるロス・アラモスの病院に、ひとりの男(リチャード・ジェンキンス)が搬送されてくる。

彼は両腕と顔を酸のようなもので焼き、身元も明らかではなかった。男が犯罪に関与していることが疑われるため、ひとりの刑事(イライアス・コティーズ)が病室へ聞き込みに来たが、目を離した隙に窓から身を投げて絶命してしまう。

時間は遡り、事件から2週間前の或る日。
いじめられっこの少年オーウェン(コディ・スミット=マクフィー)が暮らす集合住宅に、一組の親子が引越しをして来る。

オーウェンは宗教に取り付かれた母親(カーラ・ブオノ)から逃れ、学校でのいじめの憂さを晴らすために、夜になると集合住宅の中庭に行き独りで過ごしていた。

今日も中庭にいたオーウェンに、あの少女が声をかけてくる。少女はアビー(クロエ・グレース・モレッツ)と名乗り、機先を制するよう「友達にはなれない」と唐突に彼へ告げた。それでも少しづつ距離を縮めた二人は、壁越しにモールス信号を使って言葉を交わすようになる。

同じころ、街では不思議な殺傷事件が起った。犠牲者が卒業生のため、オーウェンの通う学校へも警察からの捜査協力が及んだ。


<感想>
先ごろ、ジャンル映画のファンの間で話題となった「ぼくのエリ」を、ハリウッドでリメイクした作品です。

発生するエピソードはオリジナル版と殆ど変わらないものの、いくつかの重要な点での改変も見られます。それに拠って、テーマが整理されて判りやすくなっているのがリメイク版の特徴と言えます。

いちばん肝心なところは明かせませんが、例えば、同じ住宅に住む仲良し中年グループは存在せず、代わりに刑事が物語を回すサポートをします。

また、ストーリーの冒頭が救急搬送のサイレンで開幕し、緊迫感を出しているところなどはハリウッド的なツカミなんでしょう。このエピソードは、オリジナル版では中盤での出来事でしたしね。

テーマを際立たせるという意味では、オリジナル版ではオーウェン(あちらではオスカー)が慕っていた別居中の父親も、今作では理解者としては登場しません。もちろんオーウェンへの愛情は見せるものの、困り者の母親の対処に意識が向いているように描かれています。

このため、学校では執拗な苛めに会い、家では狂信的な母親に息苦しさを感じさせられるという、逃げ場のない孤独はよりいっそう明確に伝わるようになっています。

舞台も1980年代の初頭、レーガン大統領の時代という政治的マッチョイズムの潮流のなか、しかもロス・アラモスというピンポイントな場所だというのが、「弱者」としてのオーウェンの背景にダメ押しを加えているように見えます。

また、それとは裏腹の時代的な演出としては、劇中で流れる「カルチャークラブ」のボーイジョージやダンスミュージックへシフトしたデビッド・ボウイなど、軟派と切り捨てられそうな中性的な者たち(すぐ後のニューロマンティックへ繋がる流れ)の台頭の空気もあるでしょう。<これについては考えすぎかもしれませんが(笑)

とまぁ、ウルサく見れば色々書けるものの、基本は完コピですのでオリジナルの変奏として楽しめるかと思いますよ。

11/08/16

〈映画「「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2/Harry Potter and the Deathly Hallows PRAT2」)

制作:2011年(アメリカ)
監督:デビッド・イエーツ


〈ストーリー〉
ハリー(ダニエル・ラドクリフ)とロン(ルパート・グリント)そしてハーマイオニー(エマ・ワトソン)の三人は、ヴォルデモート(レイフ・ファインズ )の魂を納めた分霊箱のひとつである「金のカップ」の破壊をもくろみ、ゴブリンとの取引によってグリンゴッツ銀行の地下金庫室へと忍び込む。
アクシデントが発生しながらも目的を達成した彼らは、次のターゲットを探すために飛んだ魔法族の村ホグズミードで或る人物と出会い、彼らの協力を受けてホグワーツへと秘密裏に帰還することに成功する。

ホグワーツは、いまやセブルス・スネイプ(アラン・リックマン)が新しい校長として君臨し荒廃しきっていたが、反ヴォルデモート派の最後の砦としての意思は強かった。
ハリーの合流に端を発し、副校長の魔女ミネルバ・マクゴナガル(マギー・スミス)を先頭に立ちあがるホグワーツに集う魔術師たち。

ヴォルデモート率いる闇の魔術師軍は、ハリーを亡き者にしようと侵攻を始める。迎え撃つホグワーツ勢も、それぞれが最終決戦に向けての士気を高めつつあった。


〈感想〉
さて、スケール感がイマイチと書いたPART1とはうって変わり、さすがの最終決戦!ドラゴンやらトロール、魔法で動く彫刻の兵士軍団に至るまでの大盤振る舞い。正邪双方のキャラも勢ぞろいの上に、モブの魔法使いまでわんさか登場。

重要な伏線も回収してオチもつけたところで、「細けぇところはイイんだよ」な勢いのある仕上がりです。<もちろん説明パートでの展開速度は落ちますが、ハグリッドが出て来たと思ったら既に捕まっていたりして、原作をズバズバ省略してあることは想像に難くないところです。

甘酸っぱいこと(笑)のあれやこれやは前半で片付けているので、ハリーたちも思う存分戦えますし、カタルシス的にはシリーズ最高ですね。

なんだか脇役のおばさま連中の威勢が良く(ベラトリックスを倒すのが、まさか…の人物だったり)微笑ましくありますが、なんと言ってもルーナですよ、若旦那!(<誰?)不思議ちゃんキャラ大好きな自分もご満悦です(笑)
前半ではただの人質で見るとこナシでしたが、今回は違います!ハリーをキッチリとサポートして活躍します。あぁ素晴らしい!!

ええっと、閑話休題

原作を読まずに映画のみ通して見たワケですが、あまりに損な役回りのスネイプ先生に泣けます。なんだか一途な恋心をコジらせてしまったがために、不幸を背負ってしまったようで…

先生が魔法を使えるようになったのは、「30歳を越えて云々」だったからですかねぇ(<もちろん違います! 笑)

逆に、あれだけ良い人オーラを発して周囲の信頼も厚かったダンブルドア校長のドライさにも驚きましたよ、ええ。
色々と「真実」を知っているうえ、それを処理する心構えも持っていて、まぁ、「ザ・大人」ですわなー(棒)

なんしか、ほぼスッキリと大団円を向かえ、後日譚のオマケも付いている今作。長いシリーズの締めくくりとして良く出来ていたと思います。

ただまぁ、嫁に連れられて、映画を全作付き合っていたのでスッキリとはしましたが、一本づつ細切れに見ても仕方ないわけでして。そういう意味では「重い」シリーズですわな。

11/08/25

〈俺得な「スペースウルフ」)
ハセガワの新ネタが、キャプテンハーロックの「スペースウルフ」だったということで、「誰得?」な愚痴が大量発生してますが。

いやー、俺得ですよ、俺得。
ガレキ(積んだまま)も買ってたりしますし、あのSFアニメ然としたキャラ立ちの良いデザインが大好きなんですよね。

ホントのデザインは宮武一貴氏ですけど、松本作品のメカってくくりで「大人的」にはOKなんでしょね

11/08/20

〈CD「Decisive/SABER TIGER」)

8月頭に発売された、何年かぶりの新作アルバムです。
なんと結成30周年!さすがに、オリジナルメンバーはリーダーしか残ってませんけどね(っていうか、サーベルは入れ替わり多いですし)

オープニングのインスト曲“486-102”の後は、いつもどおりのテクニカルでファストなナンバーが目白押し。その中にあって、“Reminiscence”のようなドラマチックな作品も忘れないのが、らしくて良いですね。

サーベルの最高傑作は、久保田陽子時代の「INVASION」だという意見を曲げる気はありませんが(笑)、本作もかなり好みです。

また、そのアルバムのスピードチューン“LIGHT-THUNDER-RIGHT”がセルフカバーで収められているのも嬉しいところ。今のボーカルにあわせて、ずいぶん男くさい仕上がりですが(笑)

11/08/12

〈映画「デッドボール」)

制作:2011年(日本)
監督:山口雄大


〈ストーリー〉
各地で暴力的な犯罪を繰り返して逮捕された、野球ジュウベイ(坂口拓)

栃木にある、重度の非行少年を矯正する施設「鳥竜矯正学院高校」に収容される直前、三船知事(田山涼成)から密命を下され潜入の立場となったジュウベイは、入学早々の騒ぎで校長(蜷川みほ)に目を付けられる。

彼女は「非行甲子園」への出場のため、ジュウベイを口説き落として協力させようと謀っていたのだ。ジュウベイは、過去の事件がきっかけとなり野球を封印していたが、ある取引から野球部に参加し「非行甲子園」への出場要請を受けることになる。

同室となった進之助(星野真里)とともに、見込みのある連中をスカウトしたジュウベイはチームを結成し球場へと向かう。対戦相手は凶悪な非行少女のグループ「ブラックダリア」 
ルール無用の試合が、いま始まる。


〈感想〉
SUSHI TYPOONのラストは「デッドボール」です。この作品は漫☆画太郎の原作を映画化した「地獄甲子園」の姉妹編のようなもの、だそうです。
いちおう一般映画だった「地獄甲子園」でのリミッターを外した作品だと製作側が説明するとおり、タガの外れ度はSUSHI TYPOONのなかでNo.1かと。

カンフーサッカーのような、ある程度はスポーツの体を成しているモノなのかと思いきや、まっとうに野球めいたシーンはほとんどナシ!(笑)
あまつさえ、映画の終盤には「ある国」まで登場して、まったく予想外の展開をして行きます。まだしも「ヘルドライバー」のほうが、未見の人に説明しやすいという処から、その破天荒っぷりを察してください。

「極道兵器」でも有名な俳優の怪演が見所でしたが、こちらはなんと星野真里さんが16歳の少年役をやってます。まぁ、暴言は吐くわ鼻血は噴くわ頭はボンバーになるわ…、
「男子の中に女の子が潜入」しているという同じようなシチュエーションの、「花ざ○り△たちへ」や「美○で△ね」で見せられるヌルさとは一線を画した役者魂の爆発は、涙なくしては見られません(あ、こっちは中身も少年という設定なので、ちょっと事情が違うんですけどね)このキャスティングを思いついた人は天才だわ。

そんなこんなで内容的には「見ないと判らん」シリーズですが、見るともっと判らなくなりそうで、なかなかオススメし辛いですねぇぇ。
人に勧める前には、まず「ゼイリブって好き?」とか聞いてみるか!(笑)

11/08/11

〈映画「極道兵器/YAKUZA WEAPON」)

制作:2010年
監督:坂口拓、山口雄大

〈ストーリー)
岩鬼-イワキ-組組長のひとり息子将造-ショウゾウ- (坂口拓)は、手下の拓三(仁科貴)や三太郎(西明彦)とともに傭兵として大暴れをしていた。
南米(?)で、とあるエージェントから岩鬼組組長(麿赤児)の訃報を耳にしたショウゾウは、4年ぶりに日本へ帰国する。

ところが組事務所であったはずの場所がサラ金へと変わり、岩城組の元組員が社長の座に納まっていることに憤慨。ローン会社の連中に鉄拳制裁を加える中、元若頭だった倉脇(鶴見辰吾)が父親を裏切り実権を握った後、勢力の拡大を図っていることを知る。

許婚の山鬼なよ子(黒川芽以)までもが攫われるに至り、ショウゾウはケジメを付けるため倉脇の待つ巨大ビルへと向かう。


〈感想〉
海の向こうのハリウッドでは、Xメンやアベンジャーズたちマーベルヒーローの映画化に忙しい中、日本にはこの人あり!の石川賢作品をアニメではなく、なんと実写で撮ってしまうヤンチャ坊たちが出現!なんて向こう見ずな…

ショウゾウは戦いの中でサイボーグ化され、片腕に変形式のガトリングガンを備え、膝にロケットランチャー内蔵というヤクザ・ウェポンへとパワーアップして暴れまくります。いや、改造以前からかなり暴れてますけどね!
気合があれば弾は避けるとか、どんだけやねん(笑)

大筋では極道モノの復讐譚をなぞりつつ、兄弟分との契りと確執も横軸に加えて、ストーリーのウェットさではSUSHI TYPHOONで随一。とはいえサイボーグ化されたヤクザの大暴れが主軸なので、基本的にはハチャメチャな映画ですからご安心?を。

そういえば、敵のボス役は鶴見辰吾氏が演じているんですが、けっこうアレで下品な芝居をキッチリこなしていて、キャリア的に問題無いのか非常に心配です(笑)

11/08/10

〈映画「AVN/エイリアン VS ニンジャ」)

制作:2010年(日本)
監督:千葉誠治


〈ストーリー〉
任務を終えて伊賀の里へ帰還する下忍のヤマタ/耶麻汰(三元雅芸)は、夜空を裂いて落下する巨大な火の玉を目撃する。
ヤマタと行動をともにしていたジンナイ/陣内(柏原収史)とネズミ/寝隅(土平ドンペイ)は、織田信長の未知なる武器ではないかとの疑いも含み、あらためて下忍頭からの命令を受け調査へと向かう。
別働の下忍衆とも合流したヤマタ達は、落下地点を思しき森の奥深くへと到着するが、仲間たちが次々と見えざる何者かに襲われてゆく。


〈感想〉
忍者が主人公で、「伊賀」「甲賀」「織田」などのワードも出ては来るものの、厳密な時代考証を持って作られた作品ではありません。そもそもが忍者の装束もプロテクターのついたコンバットスーツですし、俳優たちのメイクもイマドキです。

ストーリーも面倒な工夫は一切無く、オチも「お約束」の範囲というシンプルなもので、単純に体術と刀だけ(一部例外アリ)でエイリアンとガチ勝負するというコンセプトのみで押し切っていて、いっそ清々しいです。

とにかくアクションシーンが良く、その見せ場もたっぷり(というか、全編ほぼアクションだけ、です)で香港映画にも引けをとらないレベルだと思います。主人公ヤマタ役の三元氏はもちろん、「くのいち」リン/凛林役の肘井美佳さんも感心するほど動けてます。

あまりのシンプルさに物足りない方もいらっしゃるかもしれませんが、自分はSUSHI TYPOONの4本の中でいちばん好きです。他の作品が色々な要素をブチ込んだ闇なべ的なゴッタ煮なのに対して、言うなれば旨いオニギリ(<いや、そこは寿司やん!笑)みたいな一本。ドニーイェンの映画が好きな人にはお勧めです。


11/08/09

〈映画「スーパー8/SUPER8」)

制作:2011年(アメリカ)
監督:J・J・エイブラムズ


〈ストーリー〉
舞台は1979年、アメリカ中西部のオハイオ州にある小さな街。この街の基幹産業である製鉄所で働く母親を事故で失った少年ジョー・ラム(ジョエル・コートニー)は、保安官代理を務める父親ジャック(カイル・チャンドラー)との二人暮らしとなってしまう。

ジョーは母親を亡くしたトラウマを形見のロケットで慰めてはいるが、以前からの仲間たちとの8mmフィルムを使った映画作りは、いぜん続けている。もともと模型作りが趣味のジャックは独学で覚えた特殊メイクを担当し、制作そのものは順調に進んでいた。

映画のストーリーに厚みをもたせようと、主人公の妻を脚本に加えた監督のチャールズが声を掛け、憧れのアリス(エル・ファニング)も彼らのグループに参加した或る日、撮影のために夜半に家を抜け出して街の無人駅へと向かう。

リハーサルも終えた彼らは、偶然のタイミングで現れた貨物列車をバックに撮影を始めたが、通過しようとする列車へ1台の小型トラックが突っ込んでくる。

事故の衝撃で次々と脱線し炎上を始める貨物列車を避け、幸運にも一命を取り留めたジョーたちは、事故現場で彼らの学校の教師であるウッドワード(グリン・ターマン)がトラックの運転席で、瀕死の状態でいるのを発見する。目を疑いながら近づくと、「今見たことは誰にも言ってはならない。さもないと君たちも親も殺されてしまう」と警告されてしまう。

大勢の何者かが近づいてくるのを見たジョーたちは事故現場から逃げ出すが、その夜から街の住民の行方不明や停電などの事件が頻繁に起こり始める。現場から回収したフィルムを現像してみたジョーとチャールズは、そこに有得ざるモノが写りこんでいるのを見つける…


〈感想〉
見たのはずいぶん前ですが、おくればせながらの感想。
事前の告知では、製作のスピルバーグにオマージュを捧げた「ET」的な作品という触れ込みでしたが、それってちょっと違うような。どちらかといえば「スタンド・バイ・ミー」のようなノスタルジーが中心のもので、宇宙人とかの要素はハッキリ言って代替え可能です。さすがに大事故だけでもストーリーは成立しますが、そこはファンタジー要素を加えることで映画としての楽しみを増そうという意図でしょうし、それは正解と思います。

「ET」そのままのような夢物語は今となっては環境的に製作が難しいでしょうし、かといって大事故でトラウマを乗り越えるだけ(と言っては語弊がありますが)の痛々しいストーリーでは、動員も望めないうえに、この監督へ期待するところではありませんし(笑)

SFファンタジーよりもノスタルジーに重点が置かれていることは、ビジュアルの様々なディテールからも明らかですし、劇伴もレトロで、なんと言っても「マイシャローナ」が流れるんですから、狙いは明らかでしょう。

これはもう間違いなく、自分たちのようなJJエイブラムスと同年代のオヤジに向けた、「青春のおもひで」にちょっと「盛った」映画ですよね。

つか、ジョーがアリスに自作の模型でウンチクを語り、「グレイ(の塗料)には14種類もあるんだよ」と言って半分呆れられるシーンは、もう苦笑い無しにはみられないところです。うはは。

にしても無神経な邦題ですよね。「スーパー8」ったって、すぐに8mmフィルムのことだと判る人って少ないでしょう。
スーパー能力を持つ8人の少年少女の話しかと妄想したのって、自分だけ?(笑)


11/08/08

〈映画「ヘルドライバー」)

制作:2010年(日本)
監督:西村喜廣


〈ストーリー〉
殺人狂姉弟の片割れであり、母親でもあるリッカ(しいなえいひ)に父親を殺され、逃走を図りながらも捕らえられてしまったキカ(原裕美子)

首を締められ危機に陥ったその時、空から飛来してきた隕石様の物体がリッカの胸を貫く。ところがリッカは絶命することもなく、キカの胸から心臓を引きちぎると己の体に納め融合させてしまう!

化け物となったリッカの口から黒い霧状の物体が勢いよく噴出されると、それは北海道から広まり関東以北の地域を瞬く間に覆い、そこに住む人々を触覚の着いた「感染者」へと変貌させる。同時に琥珀状の物体に包まれ遠く放り出されたキカは、昏睡状態のまま謎の組織に回収されて処置を施される。

霧が晴れたのち、「感染者」の地と化した北部日本を隔離するため関東から日本海へ横断する「壁」が築かれるが、難民の流入により東京は混乱を極めている。人肉を求め徘徊し重大な怪我を負っても死なない「感染者」はゾンビとしか形容しえないのだが、度を越した人権主義者である総理大臣を筆頭に彼らとの共存を訴える陣営と、殲滅を謳う陣営との確執もピークに達していた。

謎の組織により人工心臓を埋め込まれたキカは状況の変化により「壁」へと廃棄されるが、そこで触覚採取を行っていた密猟者(柳憂怜)達と出会う。

「感染者」の触覚は未知の物質を含みドラッグのような作用を人間に与えるが、衝撃を与えると爆発するという性質を持っている。この「触覚」が麻薬ビジネスと置き換わり、地下組織も命脈を保っていたのだった。

感染者殲滅の最右翼である法務大臣(ガダルカナル・タカ)の元で動く武装警察に拘束されたキカたちは、感染者の大元であるリッカの討伐と引き換えに命の猶予を与えられ、感染者の地である北部日本へと向かうのだった…


〈感想〉
特殊造形の第一人者であり、自ら「東京残酷警察」などの作品も監督している西村喜廣氏の最新作。

上のストーリーも、なんだか色んなところがおかしいのは諦めてください。とにかく整合性とか理屈とかはハナからすっ飛ばしているので、突っ込んでも仕方ありませんよ(笑)

この映画で自分が気に入ったのは、それぞれのキャラクターのデザインで、キカが失った心臓の代わりに胸につけているのは、まるでキャンプ用発電機のようなエンジンです。しかもご丁寧にリコイル・スターターで動きだすというもの!そこから動力を供給される武器は、刃の部分がチェーンソウになった日本刀という素晴らしいデタラメぶり。
また、武装警察の兜(?)というかヘルメットが三日月型でカッコいいんですが、これが後半のマークII(違うか!)ではセンターにチェーン・ソウが装着されていてシビれます。

ストーリーとしてはキカの母親に対する復讐が軸にはなるものの、延々と見せられるゾンビ相手のゴアなアクションシーンを楽しむ映画ですので、色々とおかしな処はスルーしつつ楽しむのが正しいのは、言うまでもないでしょう。そのアクションについては、役者陣がそうとうに頑張っていて頼もしいです。

ただ残念なのは、毎度の悪ふざけが少し冗長かな、というところ。造形関係の悪ノリは凄くイイんですが、演出面でのおふざけがクドくて。
贅沢を承知で言わせてもらえば、無理に寒いギャグを突っ込むんじゃなくて、度を越した暴力やナンセンスが笑いに転化するんだというところで押して欲しいですね。

あと、いつも自分が馴染めないのが、シャビシャビの血糊噴水なんですよ。これが西村監督のスタイルなんだろうとは思いますが、赤い水がピューピュー噴出しながら首無しの胴体がプルプル痙攣するっていう絵面に飽きちゃっいました。確かに今回は、ねっとりした血糊エフェクトも加わってはいましたが、大概は色水でしたので。まあ、これも「スプラッター」のお約束ではありますね。


11/08/03

〈映画「海洋天堂/海洋天堂」)

製作:2010年(中国/香港)
監督:シュエ・シャオルー(薛暁路)


〈ストーリー〉
青島の水族館で働くワン・シンチョン/王心誠(ジェット・リー/李連杰)は、自閉症の息子ターフー/大福(ウェン・ジャン/文章)との二人暮らし。
なかなか社会生活に適応できない息子に手を焼きながらも、優しい隣人のチャイ/柴(ジュー・ユアンユアン/朱媛媛)にも助けられ、つつましく暮らしていた。

ところが或る日、ワンは自分が末期のガンであることを知る。のこされた僅かな時間の中で、自分の死んだ後にもターフーが生きて行けるように受け入れの施設探しに奔走し、様々な生活の術(すべ)を教えこんでゆく。

そんなワンの心を知る由もないターフーは天真爛漫に暮らし、水族館に巡業に来た大道芸人一座のリンリン/鈴鈴( グイ・ルンメイ/桂綸[金美])と心を通わせる。


〈感想〉
アクション俳優として日本でも有名な、ジェットリーことリー・リンチェイが普通の父親役を演じて話題となった一作。
スタッフもベテランで固め、撮影にウォン・カーウァイ作品で有名なクリストファー・ドイル、音楽は久石譲、主題歌にジェイ・チョウなどなど、そうそうたるメンバーが顔をそろえています。

クリストファードイルが撮る御馴染みな色彩の中でジェット・リーが普通の父親を好演し、全体としては暖かなトーンで物語は進行します。

ガンが突然治るようなミラクルもなく、母親も育児に疲れての自殺であることが語られ、ターフーは結局は一人で厳しい人生を歩むであろうという未来が示されるにも関わらず、過度な泣かせもなく誠実な演出が好印象です。リンリンとの交流や隣人との関係は、救いのあるエピソードとして配置されてはいるものの、全体につきつめれば厳しい展開であることは変わりありません。

惜しむらくは自分に子供がいない点ですが、世の中の父親連中に見せれば感涙必至の作品となっています。
単館上映という厳しい環境とはいえ、おいおいレンタルにも出されると思いますので機会あれば、是非。


11/08/01

〈SUSHI TYPHOON〉

休日出勤の代休を取ったので、銀座シネパトスまで行ってきました。

公式サイトはコチラ→(http://www.sushi-typhoon.com/jp/

全4本中、時間の都合で半分しか見られませんでしたが、それぞれ概ね満足。
楽しめる部分とダメなところが、まったく予想どおりで(笑)

今日は「ヘルドライバー」と「AVN Alien VS Ninja」の2本。
感想は、また後日!

そういえば予告で見た、カーペンターの最新作も超たのしみ!


11/07/28

〈さよなら 大きな友達〉

「さよなら 大きな友達 さよなら 僕らの仲間」
(今日だけはBBJをカルト映画扱いするの禁止!)

いえ、もちろん友達なんて間柄では有り得ませんでしたし、仲間と呼ばせていただくのも、おこがましいのは承知のうえで…

小松左京御大が逝去されました。

残念とか悲しいというよりも、「ご苦労様でした」という気持ちで一杯です。

自分たち、あるいはそれ以上の古いSFファンにとって、氏はパイオニアであり、盾であり、名刺であり・・・

日本中でいちばん知られているSF小説であろう「日本沈没」も然り、スケール感の大きな小説を書かれるイメージでしょうが、短編にも佳作が多くありましたね。「くだんのはは」なんかは、今でも強いイメージが残っています。

特に関西では、SF作家の顔以外にも多くの場面で見られることもあり、親近感を持たれていた方も沢山いらっしゃったでしょう。

同時代のSF仲間も後輩たちも、氏が牽引して数多く世の中へ飛び立ちました。
あまりに偉大な功績は、今後も語りつくされることなく輝き続けるんじゃないかと思います。

今日はご冥福を祈り、何か読み返してみようかと考えています。


11/07/21

〈映画「イップ・マン 序章 (葉問/Ip Mam)」

制作:2008年(香港)
監督:ウィルソン・イップ(葉偉信)


(ストーリー)
1930年代の中国。広東省の佛山には多くの武館が立ち並ぶ「武館街」があった。そこに新たに加わった泰山武術館の館主リウ/廖(チェン・チーフイ/陳之輝)は、当地の名家の家主であり詠春拳の使い手であるイップ・マン/葉問(ドニー・イェン/甄子丹)と戦って名前を上げようと屋敷を訪問する。立会いの結果は口外しないよう依頼し手合わせを行うが、苦も無くあしらわれて退散することとなる。

そして或る日、北の地方からカム・サンチャウ/金山找(ルイス・ファン/樊少皇)という男が手下を引き連れて武館街へ乗り込んでくる。荒々しくも強力な拳法を使うカムは、館主達を次々と打ち倒し意気軒昂となったところへイップの存在を聞かされ、彼の屋敷へと向かう。
当然のように軽くいなされてしまったカムは、イップに武術家としての道を諭され街へと去って行く。

1938年に入り、侵攻する日本軍によって佛山も占領下となり、イップ邸は司令部に徴発され一家は赤貧の生活へと転落する。それまで働いたことの無かったイップは生活のため炭鉱労働に加わることになるが、そこで以前から懇意にしていた茶館の店主リン/林と再会を果たす。お互いを気遣い親交を深めるが、現場に日本軍の兵士達が現れる。彼らの通訳を請け負うようになっていた元警官のリー/李(ラム・ガートン/林家棟)によれば、占領軍の大佐である三浦(池内博之)の命により、兵士達の空手の練習相手を探しに来たという。
裏切り者のリーを軽蔑しているリンは始め聞く耳を持たなかったが、試合に勝てば米をもらえると聞き志願する。他の参加者とともに道場へ向かったリンは、三浦の空手に果敢に挑むが破れて命を落としてしまう…


〈感想〉
公開が無事に決定しながらも、震災の影響でついぞ劇場に向かうことが叶わなかった「序章」をようやく見られました。先の「イップ・マン/葉問」の前日譚という位置づけでの公開ですが、ご存知のとおり、この「序章」のヒットを受けて制作されたのが「イップ・マン(オリジナルのタイトルはイップ・マン2)」です。

物語の大枠としては「無敵の人格者イップ・マンが悪人を懲らしめる」というもので、序章と2の間には若干の時差がある程度です(笑)
ただ日本軍を敵役に置いた点はさておいても、全体としては「イップ・マン」の方が好み、というか順当にスケールアップした方を面白く感じてしまうのは自然ですよね。観る順番が逆なら、更に面白かったかもしれません。

なにせ「日本軍の占領化に置かれた」という説明カットの直後から、それまで明るく華やかに彩られていた画面が一瞬でダークトーンに切り替わり、そのあまりの落差にヤリ過ぎ感が…。残念ながら、日本軍は苛烈な占領地支配を行ったことにしないと困る人たちがいるので、仕方ないっちゃあ仕方ないんですが、指輪物語のモルドール並みに禍々しい町並みは、いったいどこの異世界なのやら(笑)
もちろんそれは、美術設計が効果的だったということにもなりますので、単純なマイナスポイントではありません。またDVDに収録された特典映像での未公開シーンから察するに、いわゆる反日表現は随分とマイルドに抑えられています。

さておき、素晴らしいカンフーアクションのみならず、それぞれに微笑ましいエピソードの挿入や泣かせポイントの突き方もうまく、イップ・マンという人物の英雄譚としては非常に楽しめるものとなっています。
また日本軍が敵役とはいえ、三浦自身は高潔かつ格闘家としての振る舞いを是とする人物として描かれているので、その点は「イップ・マン」よりもアジア的といえるでしょうか。「イップ・マン」のツイスターはヤな奴でしたからねぇ。

なにより順序は逆になってしまいましたが、ようやく全体がつながってスッキリしました(笑)


11/07/20

〈映画「言えない秘密/不能説的秘密」〉

制作:2007年(台湾)
監督:ジェイ・チョウ(周杰倫)


<ストーリー>
淡江の音楽学校(体育系の専門課程がありそうに見えるので、音楽学校ではないかも)に転校してきたシャンルン/小倫(ジェイ・チョウ/周杰倫)は、旧校舎で美しい曲を耳にする。その音に導かれて入ったピアノ室で、シャオユー/小雨(グイ・ルンメイ/桂綸[金美])という少女に出会いタイトルを聞いてみるが、彼女の応えは「誰にも“言えない秘密”」だった。

シャオユーの不思議な雰囲気に惹かれたシャンルンは、彼女を家まで送ろうと誘い、好きな音楽や片親同士である互いの身の上を話し合ううちに、二人は心を通わせて行く。

彼女が喘息の持病を持つことを知り、音楽学校の教師でもある父親(アンソニー・ウォン/黄秋生)から「喘息にはリンゴがいい」と聞いたシャンルンは、毎日ひとつづつ持って行くが、欠席続きのためにいつの間にか15個も溜まってしまっている。

久しぶりに登校したシャオユーと、放課後に旧校舎のピアノ室で逢う約束をしたものの、そこに現れたクラスメートのチンイー/晴依(アリス・ツォン/曾[小豈][王玄])との出来事を彼女に誤解され、以降、いっさい登校してこなくなる。誤解を解くために、シャンルンはシャオユーの自宅に向かうのだが…


<感想>
2008年の劇場公開から早くも3年、ようやくDVD化されました。いやー、「グリーンホーネット様さま」ってとこでしょうか。

実はこの映画は、或るジャンルのものなんですが、それを書いてしまうだけでかなりのネタバレになってしまいます。劇中のピアノ曲のタイトルだけでなく、他にもシャオユーが言う処の「言えない秘密」が大ネタとしてありまして…。

それが明らかになるのは、ストーリーがそうとう進んでからです。とはいえ脚本が巧みで、唐突にネタばらしされた感もなくキレイにまとめてあります。再見の自分が、「ネタバレって、こんなに進んでからだっけ?」と思ったほど引っ張っているんですが、そこまで全然飽きさせずかつ、お腹いっぱいにさせずのバランスが絶妙でした。

初見だったウチの嫁も、前半の「恋愛モノなんだけど、どこか違う雰囲気」をちゃんと理解できていましたし、それは伏線になる部分もきちんと機能していた、ということでしょう。修正液(!)などの小道具の振り方も見事で、後半の展開に感心することしきりでした。

ストーリーとの直接の類似性はないものの、或る佳作を思い出したりしましたが、そのタイトルを紹介するだけでも、やっぱりネタバレ直結というもどかしさ(笑)

台湾の美しい風景の中で展開する、甘酸っぱい青春モノ(笑)としても楽しめますので、ジェイ・チョウの「俺様モテモテムービー」なところを気にしない方は是非!


11/06/29

〈映画「『スカイライン -征服-/Skyline」〉

制作:2010年(アメリカ)
監督: グレッグ・ストラウス、コリン・ストラウス


<ストーリー>
親友の誕生日を祝うためにロサンゼルスに来たジャロッド(エリック・バルフォー)とエレイン(スコッティ・トンプソン)は、明け切らない朝に窓の外からの眩しい光で眼を覚まされた。
隣の部屋からの悲鳴にジャロッドが駆けつけると、パーティに参加していた男が外からの青い光に吸い込まれていったという。

明け始めた街の異常な静寂に気づいたジャロッドは、くだんの友人テリー(ドナルド・フェイソン)とともにペントハウスから屋上へ行き、様子を探ろうとする。果たして彼らの見たものは、上空から降下してくる巨大な飛行物体と、そこから発進してくる小型の生物型UFO。そして降り注ぐ青白い光に曝されて、ことごとくの人々が飛行物体へと吸い上げられて行く驚くべき光景だった!


<感想>
めずらしく予告通りの一本!(笑)
予告通りの内容を大きく上回ることなく、かつガッカリさせることなくバチピタで見せるというなかなかニクい作品です。TVでオンエアされている予告を、きちんと見直しに行く映画と言いましょうか。

ストーリーの骨格部分は、これまでの侵略物と変わらない「人類収穫タイプ」で、そりゃあもう成すすべも無く圧倒されて行くわけですよ、人類は。ウェブの感想をざっと見ると、ここに気づけていない人もいてけっこう驚きました。あんなに判り易いのにねぇ。

新機軸という意味では、主人公とその周辺の人々が何ひとつストーリーの根幹に関わらない(ラストのアレは別)のも面白いですし、なんと物語の発端の高級マンションから、脱出に失敗したまま出られないで終わるというのも新鮮です(笑)
あぁ、「収穫の後」も新しいっちゃあ新しいかも。

その点でラスト近くの「アレ」は新機軸なのか蛇足なのか・・・

スピルバーグの「宇宙戦争」しかり「クローバーブィールド」しかり、侵略される側の一般人が、ただただ手をこまねいているというのは最近のハリウッドの基本路線となっているようですが、本作は更に輪をかけて、主人公がリーダーシップを発揮できずに終わるという体たらくです。

彼女にはっきり「No!」と言われ、険悪なムードに陥りながらも一緒に行動してゆくなんてーのは、既婚者としてはなかなか身につまされる処ですよ(<おいおいおい)

何にも出来ない主人公ですが、ある理由があってフィジカルに異星人(?)をボコボコにしてたりするのは笑い処なんでしょうかねぇ。
まぁ、それがあのオチにも繋がってるんでしょうが。


11/06/28

〈人生初救急車&初CT〉

実は、ちょうど一週間前の火曜日に、人生で初の救急車を経験しまして。
とは言っても、そんな重大な事態ではなかったんですけどね。

持病と言って良いのか、眼精疲労のキツイやつを持ってるんですよ。
10年くらい前に何度か現れたあと、最近は鳴りを潜めていたのが、先日、久しぶりに出てきたというわけです。

その日は休日出勤の代休を取ったので、色々と用事を済まそうと千住のハンズに行ったところ、なんだか急に視界に違和感を感じ始め、あれよあれよと言う間に悪化。ヤバイと思ったので、すぐに帰宅し始めたものの千住のホームでまずダウン。

症状は右眼の奥がむちゃくちゃ痛んで、吐き気が付いてくるうえに手足が痺れるという、頭痛+貧血といったカンジです。

ホームのベンチで休むと少し落ち着いたので、ようやく電車に乗って亀有まで辿り着いたところで再度ダウン。
親切なオバちゃんが連れてきてくれた駅員さんに案内され、事務所で休憩していましたが、けっこう長引いたので心配になったらしく救急車を呼ばれてしまいました。

そりゃ、さすがに頭だの眼だのが痛いと言うと、心配はされますわなぁ。

やっぱり出動してしまった手前、こちらが大丈夫だとは言っても万全を期したいのが職務に忠実な隊員さん達でして。そのまま脳外科搬送されて、有無を言わさずCTスキャンと相成りました。

皆さん、どうもご迷惑をお掛けしました、という顛末の一件でした。


11/06/08

〈映画「ドリームホーム(維多利亜壹號/DREAM HOME)」〉

制作:2010年(香港)
監督:パン・ホーチョン/彭浩翔


<ストーリー>
住人たちの収入の伸びよりも、はるかに大幅な上昇カーブをみせ高騰する香港の住宅事情。狭い地域にびっしりと立ち並ぶ高層住宅群の一室で、チェン(ジョシー・ホー/何超儀)の家族は暮らしていた。ブルーカラーで収入の少ない父親と暮らし、立退きで友達を失い、幼いチェンは「広い家に住むこと」しかも、亡き祖父の願いであった「海の見える部屋に住むこと」を願うようになっていった。

母親の死後、病気のために弱っていく父親と弟を養うために、昼は銀行で融資勧誘のテレフォンアポイントに就き、夜はブランド品のバッグ店員として生計を立てているチェンは、ハーバービューのマンションへの思いを、日に日に募らせてゆく。

ようやく貯めた貯金を元手に、やっと希望に叶う憧れの部屋「ビクトリアNo.1」の一室を手に入れかけたそのとき、父親の保険の不備が元で手術費用の工面をしなければならなくなる。あまつさえ、部屋の持ち主が売り渡し価格を上げたいとの連絡も入ってきてしまう。

思いつめたチェンは、夢のハーバービューを手に入れるため、ある行動を開始する…


<感想>
まず面白かったのは、あの香港の高密度な高層住宅群を俯瞰するカットが時々挿入されるんですが、その画がちょうど本城直季氏の作品のように、まるでミニチュアの町並みに見える処理がされていた点です。

ググってみるとチルトシフト効果と呼ばれているそうで、タイトルロールの幾何学的な画面作り(<これもマイケル・ウルフというドイツの写真家の作品を意識しているそうです)とも違い、香港の箱庭感が出ていて良かったです。もしかすると、「こんな箱庭みたいな街で起こっている、悲喜劇」みたいなメッセージが込められていたのかもしれません。

さて本筋ですが…。上のストーリーは実際の映画とは時系列が違っていて、殺人事件の間に挿入される回想シーンで明らかにされるチェンのバックボーンです。映画では開幕からすぐに事件が始まり、以降、延々と殺人のシーンが続きます。

で、丁寧にバックボーンが説明されるので、主人公が殺人を重ねる動機も想像できる構成なんですが、「本当の狙い」の部分は少しずらしてあって、ちょっと感心しました。それに加え、最後の最後で主人公の罪が無駄になってしまうという底意地の悪さが素晴らしい!(笑)

良くあるスプラッタームービーのような理由なき殺人ではなく、チェンにはれっきとした理由もあり、ポジティブシンキングの上での(<ええっ! 笑)解決策だと思い行動するんですが、悲しいかな一介のOLである悲しさでキッツイ逆襲も受けたりします。

それでも父親の形見の工具ベルトを身に纏い、虚仮の一念(違うか!)でコトを成そうとするチェン。各所で言われているとおり、マカオのカジノ王の娘が、こんな役を嬉々として演じているっていうのも、この映画の楽しみかと。

なんせ映画の大半がゴアシーンで刺殺絞殺撲殺銃殺と目白押しなので、その手の場面が苦手な方にはオススメできませんが、香港のゴッチャリした屋根裏も堪能できるので、魔窟趣味の方は是非(笑)

それにしても、ウォン・カーウァイ風味と言われた「イザベラ(伊莎貝拉)」との落差が凄いですねぇぇ



11/06/07

〈映画「ブラックスワン/Black Swan」〉

制作:2010年(アメリカ)
監督:ダーレン・アロノフスキー


<ストーリー>
ニューヨークのバレエ団でソリストを務めるニナ(ナタリー・ポートマン)は、シングルマザーの母親とともに厳しい摂生とレッスンの日々に明け暮れていた。彼女自身もバレリーナだった母親から受けるプレッシャーは大きいが、ニナはその期待に応えるべく真摯な生き方に迷いはなかった。

ところが次期演目の「白鳥の湖」でイメージの刷新を図る演出家トーマス(ヴァンサン・カッセル)から新しいプリマドンナに指名されると、同時にニナ自身の演技には感情表現が欠けているとの厳しい指摘と指導を受ける。

プリマドンナ候補のライバルでもあるリリー(ミラ・クニス)は、ニナには欠けている表現力(=「色気」)に溢れ、奔放な性格で監督にも急接近を図っているように見えた。ニナは四方からのプレッシャーに追い詰められてゆく。


<感想>
さて、ナタリー・ポートマンが鬼気迫る演技でアカデミー賞を獲得した、サイコ・スリラーです。と書くと、何か違和感バリバリなのは何故?(笑)

まずはナタリー・ポートマンには「鬼気迫る演技」ってのがイマイチそぐわないですし、しかも「よりにもよってサイコスリラー?」というのが大方の見方だったかと思います。それって、「八仙飯店之人肉饅頭」で香港電影金像奨最優秀主演男優賞を受賞しちゃったアンソニー・ウォン(黄秋生)と同じじゃん?と考えてしまうのは違いますか、そうですか(笑)

公開時には、れいのCGを使った黒鳥のシーンが印象的なCMが大量に投下されたので、バレリーナを主人公に据えた文芸作品なのかも?という勘違いは、さすがに発生はしなかったようですが、ナタリー・ポートマンとサイコ・スリラーとの組み合わせは予想外でしたよね。

「Vフォー・ヴェンデッタ」ではスキンヘッドにして体当たりで望んだものの、「レオン」に始まり「アミダラ姫(スターウォーズ)」や「ブーリン家の姉妹」など、どちらかといえば『綺麗な良い子』でしたもんねぇ。

ストーリーは、もう、なんと言っていいかタブロイド臭が全開でして…
ちょうどこの映画の公開と時期を同じくしてツイッターを炎上させた、ラサール石井の騒動を速攻で思い出しました(笑)
まぁ、「色気のある演技をするには『経験』が必要だ」ってのがラサール発言の芯であり、この映画の骨子でもあるんですよ。片やツイッター炎上で謝罪、片や映画大ヒットと、その違いはなんなんでしょうね。

自分としては「並み居る女形全否定かよ!」という意味で、その意見には与しないんですが、この映画の出来とはまた別モノです。

なによりニナが精神的に逝ってしまうまでの追い詰めっぷりがハンパなく、それも見ていると判るように、あくまでもニナの内面が現れているという内容なんですね。ですから、リリーとの或る行為や前任のプリマとの絡みのシーンはもとより、トーマスの殆どセクハラのような演技指導も、もしかすると「無かったこと」なのかもしれない、という表現がされています。

自分としては、あまりに直接的な表現にがっかりしたので、「殆ど妄想説」を強く推したいところです(笑)とはいえ、「白鳥の湖」と映画のストーリーをシンクロさせているところなんてのは、上手いもんですね。その点では、例えば同系統の作品の「ピンクフロイド・ザ・ウォール」等より、スムーズで判り易いものだったと言えるかもしれません。

いずれにせよ、「あの」ナタリー・ポートマンの壊れ演技が主演女優賞もむべなるかなな迫力で、CG等のサポートもあって相当に説得力のある画面を作り出しています。自分が特に感服したのは、最後の白鳥になる直前の化粧のシーンですね。あの様々な感情を湛えた表情にはヤラれました。あれを経ての「Parfect…」は、まさしく「完璧」で文句のつけようが無いと思います。


11/06/06

〈とりあえずメモ〉

最近見た映画を忘れそうなので、とりあえずメモ

・ドリームホーム
・ブラックスワン
・イップマン 序章
・あるいは裏切りという名の犬
・カールじいさんの空飛ぶ家

上の2本は劇場で。
「イップマン 序章」は例の震災のために劇場での上映を見逃したので
ようやくスッキリ(笑)


11/05/29

〈この春に行ったところ その3〉

これは、つい先週のもの。

京都の或るお寺さんに、義父の納骨へ行ったときに撮りました。
けっこう有名なお寺でCMなどでも使われたことがありますが、そういう表で見える処以上に、なかなか見られない裏手の山がかりの庭にも、とても情緒があります。
この画像ではほとんど判らないのが残念ですが、木の枝に蛙の卵が下がっていたりもします。


11/05/26

〈この春に行ったところ その2の2〉

SLで新潟まで行った帰りは、MAXで上野まで。
新潟までは、けっこう時間がかかるんですが、色々とイベントごとがあって飽きさせません。
MAXの2階は視点がいつもと違って、これも面白かったです。


11/05/26

〈この春に行ったところ その2〉

そんなこんなで、帰りは喜多方から会津若松へ戻って「ばんえつ号」へ。
SLって、乗っているとそんなにうるさくないんですね。


11/05/25

〈この春に行ったところ その1〉

この春に行ったところで撮ってきた写真をアップしてみます。
一枚目は「食堂なまえ」二枚目は「はせ川」です。

マイミクさんが反応しそうですな(笑)

どんとこーい、風評被害!


11/05/18
〈映画「星を追う子ども」〉

制作:2011年(日本)
監督:新海誠


<ストーリー>
舞台は1970年代の日本。中学生のアスナは、母親と二人きりで山がちの小さな町に住んでいた。母親が病院勤めをしているために、日々の家事も独りでこなさなければならず友達との交流も少なくなりがちだったが、自宅から見える山の中腹にある旧軍の防空壕跡(防空砲台跡?)を自分だけの場所と決め、日参していた。そこでの楽しみは、父親の形見である青い鉱石を組み込んで作ったラジオを聴くこと。

いつものよう防空壕跡へ向かおうとしたアスナは、とつぜん異形の怪物に襲われる。危機に陥ったアスナを救ったのは、忽然と現れたシュンという少年。腕に怪我を負いながらも怪物を退け、人なみ外れた身体能力でアスナを連れ現場から姿をくらましたシュンは、自分が「アガルタ」という遠い土地から来たことを告げる。

翌日、アスナは再会の約束を果たすために山へ向かうが、シュンの姿はない。そして数日後、アスナが応急処置で使ったスカーフを腕に巻いた身元不明の少年が見つかり、怪我のために亡くなったことを母親から聞かされる。

代任教師モリサキの授業中に、様々な死後の世界の話を聞いたアスナは、そこに「アガルタ」という名前が出てきたことに驚き、調べ始めた。より深く知ろうとモリサキの家に赴いたアスナは、アガルタについて彼から或る知識を得る。


<感想>
アニメ界でのマイナーメジャーの筆頭、新海誠監督の最新作です。
予告を見た時点では、旨く転べばジブリ作品と肩を並べるジュブナイルになるかと期待したのですが、残念ながら今回は叶わなかったようです。

それでも、巷間言われるほどジブリに似ているのかどうか・・・。確かに記号だけ羅列すればそういう捉えも致し方ないかとは思います。
自分としては、「リアリティとリアルは違う」もしくは「脳の仕組みと合致したものがリアルと感じられる」といった按配の程度での「ジブリっぽさ」でしかないとおもいます。つまりは「観客のもつジブリのイメージ」に近かったということでしょう。

ただジブリ作品と決定的に違うのは、やはり「主人公の意思」の現れ方にあります。

まだ中学生の女の子という弱い存在のアスナが、異世界である(しかも「死後の世界」と同じ名前の)アガルタを目指すためには強烈な意思が必然かと思うのですが、そこは残念ながら観客に上手く伝わってきません。
そのほかにも、たぶんバックグラウンドとしては考えられているであろう要素が画面に上手く現れず、全体として「演出は丁寧なのに説明が足りない」という状態に陥っています。

その影響か、「行って還ってくる話し」であれば重要なはずの「還る」部分のすっとばし感も強烈です。作品中でも都度々触れられる「イザナギ」の話しでも、帰還に纏わる部分はかなり大事だったと思うんですけどね。(そういえば、途中で「ヨモツヘグイ」の話になるのかと思ったりもしました)

形見である青い鉱石は、間違いなくアガルタ由来の「クラビス」という石と同じものであるなら、それを残して亡くなった父親への強い思いをアスナにもたせれば、動機付けとして説得力も高いと思えるのですが、作品中ではモリサキに促され状況に流されるままにアガルタへ向かい旅を続けることになってしまいます。

あるいはアスナの動機が、実は父親がアガルタで生きていることを知って会いに行く、という設定でも良かったかもしれません(<辻褄については検証してません。すんません)

こういう展開は確かにありきたりですから、強い動機付けを持たない主人公という変奏のスタイルを提示したかったのかもしれません。
ただ転換の第一歩であれば、王道に乗るという選択肢もあったのではないかと思うんですよ。


また現実世界と物理的に地続きであるアガルタについても、世界をリアルに描こうとする努力が少し足りていないように見えます。

アガルタは、作品中で図示されるように1940年代までは地上との行き来があった(それは限定的な範囲であったとしても)ようですが、とてもそうは見えない中世以前の社会形態を持っていますし、観客にとってアガルタ人の代表なのかと思えたシュンたちが、超人的な身体能力をもっていることの必然性もあまり見られません。どうもアガルタの中でもシュンや弟のシンたちは、飛び抜けた能力を持っていそうなんですが、その他のアガルタ人との違いもあまり説明されません。

そういえば、シュンが「こちらの世界」に来た動機も、なんだかモヤモヤしたままですよね…

というような消化不良な部分が残念な出来ではありますが、原作に頼りながら世界をブチ壊している諸々の作品群よりは、志の高さは感じられるんじゃないでしょうか。次回作は、より伝える努力が現れた作品であることを、願ってやみません。

今回は、トレードマークともいうべきモノローグの表現は取らなかったことでも、新たな手法で挑もうという心意気は感じられます。
ところが、意外にもミニマムな自分と大きな世界との関わりを描けていたモノローグの手法を封印したことで、却って世界と主人公の距離感が判らなくなってしまったという…

いや、自分は、これまでの「ボソボソワールド」好きなんですよ。
あれを残したままでも、冒険ファンタジーは描けると思うんですけどね。

そうそう、音楽は今回も絶品で、背景美術も(やや抑え気味とはいえ)良かったです。まさに新海作品に望むものであり、その点での満足感は充分でした。


11/05/17

〈映画「月に囚われた男(Moon)」〉

制作:2009年(イギリス)
監督:ダンカン・ジョーンズ


<ストーリー>
旧来の化石燃料に代わるエネルギー源、「ヘリウム3」の利用が実現している近未来。

サム・ベル(サム・ロックウェル)は「ヘリウム3」の採掘を行っている企業「ルナ」との契約に従い、月の基地に一人で暮らしている。通信衛星の故障により、地球との直接のリアルタイム通信が行えなくなっているなか、基地での話し相手は移動式端末の形をしたロボットのガーティのみ。

契約の終了まで残り僅かとなったある日、サムは月面での作業中に事故を起こしてしまう。 医務室のベッドで意識を取り戻したサムは、この生活に感じた違和感を序々に募らせ、ある行動に出る。そこで見た基地の真実の姿とは・・・。


<感想> ☆今回はネタバレ回避のため、相当にモニョモニョした書きようになってます。ご容赦のほど。

えー、公開当時からけっこう評価も高い作品だったんですが…
個人的に言ってしまうと、ちょっと微妙です。これはいわゆる古参のSFファンとしての感想なので、「こまけぇ事はイイんだよ」な目で見ると、そこそこ楽しめると思います。僭越な表現をさせてもらうなら「映画としては有り、SFとしては無し」です。もちろん、それだけでダメ映画だというつもりは全くありませんよ、念のため。

こう書くためには、そもそも「SFファン」とはどういうモノの見方をするのか、という点について説明しなければならないでしょう。では、それはどんな目線かと言うと「SFファンは物語世界の仕組み、手続きについて煩い」というものです(<あぁ面倒くさいっすね。すみません 笑)

つまりは、この作品のストーリーを成り立たせるために準備された舞台に、いくつもの大穴が空いているように見える点に釈然としないんですよ。(もちろん月の重力についての意図的な無視は、ここには含まれません)

たとえば「通信衛星の故障」については、なんでそんなすぐにバレる嘘をついているのか。就業規則として通信厳禁にしとけばイイじゃん、とか。

「ルナ」という企業が、そういう手段で「ヘリウム3」を採掘するために必要な準備要件から考えれば、なぜ基地には一人しか常駐していないことになっているのか、とか。

それにガーティはレールに沿っての移動、もしくは端末や表示機器でのコミュニケーションしか出来ないんですから、事故の処理とサムの搬送について本人に疑問を持たれるのは必定で、その辺りのアリバイ作りが全く見えない、とかとか。

そういう瑣末な部分が気になってしまって、微妙だな、と。

それから直ぐに気づく部分ですが、鉱石ポッドあるいは作業服に「サラン鉱区」という意味であろう「ハングル混じりの英語」が使われていることや、サムとの会話の中にハングルでの挨拶が含まれていることから、「ルナ」が韓国系もしくは韓国資本の入った企業であることが判ります。これをもって「悪役にさえなれない日本企業オワタ」な感想もweb上にあって、その浅さにガッカリ感が…

日本に住みたいとまで言う監督の親日っぷりから見れば、「日本企業を悪役」という線は取らないでしょうし、また、れいの「論文スキャンダル」も有って、韓国企業という設定なら説得力が上がるんじゃないかと考えたというのが、見方としては妥当かと思いますよ。

11/05/07

〈模型「静岡展示会準備完了」〉

静岡の合同展に出す作品が昨日、完成しました。
余裕を持って完成させられたのは、はじめてかも(笑)
今日、会のほうへ預けて持っていってもらいます。

スターターのフォーミュラカーは初挑戦でしたが、意外と佇まいも良くてびっくり。
開いてないサイドポンツーンとか、一体化されてるシートとかも気にしなーい。
んー、なんて健全な!(笑)

11/04/28

〈映画「エンジェルウォーズ(Suckerpunch)」〉

制作:2011年(アメリカ)
監督:ザック・スナイダー


〈ストーリー〉
病死した母親の遺言に拠り、幼い妹と二人だけで遺産を受け継ぐことになったベイビードール(エミリー・ブラウニング)は、継父(<たぶん)の姦計にかかり精神病院へと送られる。病院内を仕切る看護士のブルー(オスカー・アイザック)は継父から金を受け取り承諾書を捏造して、ベイビードールにロボトミー手術(注)を受けさせようとする。医師の到着は五日後。残された僅かな時間の中、ベイビードールは虚構の中での戦いを始める。

(注)ロボトミーというのは、外科的な手法で前頭葉をきり離すというもので、以前は精神病患者などに有効とされていたものです。


〈感想〉
この映画の構造では、上記のようなストーリー紹介はあまり意味をなさないと言うか・・・
では、どういう構造かといえば、精神病院に収容されロボトミー手術を受けるところまではたぶん現実(<実はオープニングの解釈によっては、コレすらも怪しいかもしれません・・・)で、そこでインプットされたイメージの断片がベイビードールの妄想世界へ反映されている、というものです。

更にヤヤこしいのはその妄想世界が2段階になっていることで、『現実』>『妄想レベル1:地下娼館』>『妄想レベル2:アドベンチャーパート』という多層構造という点でしょうか。

まずベイビードールが現実の世界から逃げ込んだ妄想レベル1では、彼女は大富豪に差し出される地下娼館の新人ダンサーであり、そこで出会うのがスイートピー(アビー・コーニッシュ)とロケット(ジェナ・マローン)の姉妹、それにブロンディ(ヴァネッサ・ハジェンス)とアンバー(ジェイミー・チャン)を加えた4人の先輩ダンサーたちです。

彼女たちとチームを組み、妄想世界レベル2のファーストステージで賢者(スコット・グレン)から提示された脱出用のアイテム、「マップ」「炎」「ナイフ」「鍵」そして「もう一点、謎の『何か』」を獲得するための戦いが、次の層である妄想レベル2で描かれています。

レベル1からレベル2への移行もするりと行われ、いちおうベイビードールがダンスをするシーンでの内面描写だという縛りはあるものの、クリストファー・ノーランの「インセプション」のように「世界ごとの約束を構築する」ところには力点がありません。
その点では、「スローターハウス5」や「ピンクフロイド/ザ・ウォール」に近しい映画といえるかもしれませんね。

そして、およそ普通の生活を営んでいたであったろう二十歳そこそこの女の子の妄想世界ですから、整合性とかはまるっきり無視されています。それぞれ列挙すると、「雪深い山間の寺院で、身の丈5m越えのサムライwithガトリングガンと対決」「複葉機と飛行船が頭上を舞う塹壕で、蒸気仕掛けのゾンビドイツ兵とのドンパチ(ロボット兵器のチート付き)」「片翼がジェットに換装されている双発のレシプロ機に乗って、化け物がウヨウヨいるドラゴンの根城へ殴りこみ」「シルバーメッキのロボット兵を満載した暴走列車にヘリボーン」というのが、その妄想世界レベル2のメニューです。

そこへ乗り込むのが、コンセプトバイ寺田克也の「ヘソ出しセーラー服&絶対領域」を身に纏い、ポン刀とチャーム付きハンドガンをひっさげたベイビードール率る、アサルトライフルとコンバットショットガンを振り回す網タイツねーちゃんのチームですから、まったくもって妄想フルスロットル。それこそ「ぼくのかんがえた、さいきょうのがんだむ」を開陳する小学生と何ら変わることがない、という素晴らしさで、さしもの自分もお腹いっぱい(笑)

いや、さすがにザック・スナイダーらしいマッチョイズムを塗した(っぽい)説教も、取って付けたように有るっちゃあ有るんですが。

さておき、画作りは「300」や「ウォッチメン」といったザック・スナイダーのこれまでの作品と同質の画面なので、おおよそ想像どおりの濃さですから、先のような映画が肌に合わなかった人は回避していただくのが宜しいかと。
初めてのオリジナルストーリー、かつメジャーで多額のバジェットを使った作品がこのボンクラ加減ということで、ザック・スナイダーには親近感を覚えるしかないですね。製作者側のやりたい放題でも、見る側が楽しめるという点では、「アサルトガールズ」に爪の垢でも(以下略)

本国では評論家から酷評噴出らしい本作、いうなれば「光麺全部のせ」あるいは「V2アサルトバスターガンダム」ですから好き嫌いはハッキリしているでしょうね。なんだか頭の悪い喩えで申し訳けない!(笑)

だたまぁ、なんですか、あの吹き替え版ってのは?声優ユニット云々は否定しませんが、それをさも一般常識のようにプロモーションされてもなぁ、と。つか、こういう肉食系パツキン姐ちゃんって、オタクとの食い合わせ悪いと思うんですが。

11/04/27

〈映画「孫文の義士団(十月圍城/Bodyguards and Assassins)」〉

製作:2009年(香港/中国)
監督:テディ・チャン(陳徳森)


<ストーリー>
20世紀初頭の香港。英国の租借地となっていた彼の地には、清朝の圧制から逃れた様々な人たちが暮らしていた。
その香港の地へ、日本に逃れていた孫文が訪れることになる。目的は、打倒清朝を目指す中国同盟会の各省の代表13人との、決起計画の密談を行うためだった。

それを耳に入れた西太后は、ヤン・シャオグオ/閻孝国(フー・ジュン/胡軍)に率いらせた500人からなる暗殺団を派遣。対して革命を扇動する新聞社「中国日報」の社長、チェン・シャオバイ/陳少白(レオン・カーフェイ/梁家輝)らは孫文を守るべく、清朝から追われた将軍ファン・ティアン/方天(サイモン・ヤム/任達華)と協同を図る。ところがファンの組織は暗殺団の奇襲を受け、娘のファン・ホン/方紅(クリス・リー/李宇春)を残して壊滅してしまう。

チェンは活動のパトロンでもあり、同じく本土から逃れて今や豪商となっているリー・ユータン/李玉堂(ワン・シュエチー/王學圻)に協力を求めるが、彼は慎重な態度を崩さない。一方、リー・ユータンの息子でありアメリカへの留学も決まったリー・チョングァン/李重光(ワン・ポーチエ/王柏杰)や、車夫のアスー/阿四(ニコラス・ツェー/謝霆鋒)のような血気盛んな若者たちはチェンの呼びかけに応じ、孫文を守る義士団として戦う決意を明らかにする。

彼らの想いに動かされたリー・ユータンも、ついに重い腰を上げ義士団のメンバーを集めることになる。一人は臭豆腐売りの巨漢でカンフー使いのワン・フーミン/王明(メンケ・バータル/巴特爾)、もう一人は鉄扇の達人で物乞いに身をやつしているリウ・ユーバイ/劉郁白(レオン・ライ/黎明)

賭博に溺れ、小金欲しさにヤン・シャオグオに通じながらも、己の過去に苛まれていた警官のシェン・チョンヤン/沈重陽(ドニー・イェン/甄子丹)やファン・ホン、そして多くの無名の義士たちが名乗りを上げる中、孫文の上陸は刻一刻と迫っていた。ミッションは、孫文の命を守り敵の目をくらませて一時間を乗り切ること。


<感想>
いわゆる「武侠モノ」のバリエーションと呼んで差し支え無いであろう、歴史アクションの超大作です。
なんと言っても俳優陣が豪華。上記以外でも警察署長役でエリック・ツァン/曾志偉、シェンの元妻で、今はリー・ユータンの第?夫人となっている美女にファン・ビンビン/范冰冰(烏龍茶のCMにも出てましたねー)など、香港映画ファンには御馴染みさんが目白押し。しかもエリックのおっさんは、ちゃっかり美味しい処を持って行きやがるし(笑)

人外のパワーを発揮するヤン・シャオグオに率いられた暗殺団の手にかかり、味方が次々と果ててゆく様は涙なくして見られません。
それぞれに義士団へ参加した事情はありながら、その中でも親子の関係にクローズアップされたエピソードが多いために、どうしても感情が揺さぶられます。いや、まぁ、けっこうベタベタではあるんですが。

父親の仇を討つべく戦うファン・ホン(最後のセリフに泣けた!)、親代わりのリー・ユータンとその息子のために命を投げ出すアスー(あまりのフラグ回収っぷりに泣けた!)、己の素行が原因で妻と娘に会うことを憚られることになってしまったシェン(ドニーさんのヘタレ演技に泣けた!)。リー・チョングァンとヤン・シャオグオも、共にチェン・シャオバイの生徒であったという関係も、そこに相似するものだと思います。その物語の中で、いつもはイケメンヒーロー役のニコラス・ツェーも、一途な車夫という役柄をきっちり演じていて好印象です。

また中国本土に大型セットで再現された、今世紀初頭の香港セントラルも見所(現在の皇后大道あたりだそうです)で、そうとうなバジェットがつぎ込まれたのは想像に難くありません。プログラムによると、プロデューサーのピーター・チャン/陳可辛が、かなり苦労したようです。監督としてはイマイチ好きになれないんですが(笑)、プロデューサーとしては優秀ですね!<何様?

それにしても「近代中国の父」である孫文を守ることがテーマとはいえ、民主革命を描いている本作が中国と香港との合作で製作されたというのは、自分としては意外でした。傑作「インファナル・アフェア」のラストを改悪し、不法滞在の中国人を描いているということで本土で上映許可が下りなかった「新宿インシデント」の例もあり、そうとうにナーバスなんだと思ってましたが。そこは「孫文」効果で全部チャラなんでしょうか??

…と、ニコラス・ツェーの役名を字幕でも「アスー」としていましたが、「阿四」の「阿」は「阿Q正伝」と同じく男性の接頭語なんじゃないかと思うんですが?彼の恋人役も「阿純」だったので、違うのかな…

11/04/26

〈映画「わたしを離さないで(Never Let Me Go)」〉

制作:2010年(アメリカ/イギリス)
監督:マーク・ロマネク


<ストーリー>
人里離れた場所に建つ、寄宿舎にも似た或る施設「ヘイルシャム」に暮らす子どもたち。
キャシー・H(キャリー・マリガン)は、ややヒステリー気味なために仲間外れにされがちなトミー(アンドリュー・ガーフィールド)との間に淡い恋を芽生えさせながら、友達のルース(キーラ・ナイトレイ)やクラスメイトたちとの奇妙にも穏やかな生活を続けていた。

ヘイルシャムでは外界との接触が極端に絶たれ、特に健康であることに気を配った指導が行われている。そして『いずれ「他人」の役に立つことで生涯を全うすることが己の人生なのだ』という教えに疑問を持たないよう指導され、創作活動を中心としたカリキュラムを淡々と進めている。

18歳を迎え、寄宿舎を出てコテージで協同生活をするようになる頃には、トミーはルースに主導権を握られて付き合うようになっているのだが、キャシーは自分の思いを持ちつづけたままで日々を送っている。

さらに10年が過ぎ、介護士を志願したキャシーは友人たちの最期を見届けながらも、彼女自身の生涯の終わりを予感していた。


<感想>
今回は全開でネタバレして行きますので、もしこれから鑑賞の予定をお持ちであれば回避してください。とはいえ大筋をバラしてしまっても、瑕疵を与えられることになるような内容ではないんですけどね。

と、重大なネタバレのように書きましたが、おおよその観客が「それ」に気づくのに時間はかからないでしょう。ようは、「ヘイルシャム」を始めとする施設で生活している子どもたちは、臓器提供のためのクローンとして育てられているんですよ。

映画の冒頭、たった2枚のカットで説明される「この世界の前提」
それは「この世界では、1950年代に画期的な治療方法が発見されたこと」「その結果、現在(映画の舞台となる1970年代)において人はかなりの長寿を得られていること」の2点です。そう、つまり過去において既にヒトのクローニング技術が確立されている、別の世界を舞台としたストーリーなんです。

いやー、「アサルトガールズ」でくどくどしく世界の説明をされた身にゃ、これほどスパっと切り上げてくれると、いっそ清清しいところ(笑)

閑話休題

クローニングを通底音に用いるストーリーは数多くありますので、今更それを持って他の作品との類似を指摘するのも間の抜けた行為です。この作品が描くところは、それらの背景の中でクローンとして生を受けた主人公たちの感情であり、そこに日本的な諦念のあることが最もユニークだと言えるでしょう。これは、原作者のカズオ・イシグロのルーツに拠るところであるのは明白かと。

「何故クローンたちが反乱を起こさないのか理解できない」という感想も散見しましたが、それこそ「ハリウッド脳」とでも呼ぶべきでしょうか…子どもの頃から徹底的な刷り込みをされているクローンたちにしてみれば、「提供」を繰り返し青年のうちに終える人生こそが本来であり、せいぜいが「猶予期間」という「噂」にすがるのみであっても、何の不思議もないと思います。

主人公のキャシー・Hは、介護人となって「提供者たち」を看取りながら、自身の生涯の最後も見据えています。それを低い彩度の画面に置いて静かに描いてゆくところが、この映画の目指したものでしょう。
そして「パイレーツオブカリビアン」等の大作に常連の女優、キーラ・ナイトレイすらもこの作品世界にフィットする抑えた演技を見せ、その他の主役陣についても文句ナシです。

全体としてのトーンは、人間性に纏わる問いを静かに投げかけている作品ですが、それを確実なものとするためであろう怖い部分も多々あります。

例えば、交換会と称するバザーでは、子どもたちは何かのご褒美で貰ったと思しき安っぽいプラスチックのチップを握りしめ、観客にとってみればゴミにしか見えないアイテム(足の取れた人形や、使いきったような色鉛筆のセットなど)を嬉々として持ち帰ります。
出入りの業者たちのがクローンたちを見る眼差しも、決して好意的なものではありません。ましてやルースの最期の手術シーンの非人間的なことと言ったら…

また、そもそも「ヘイルシャム」はクローンにも魂があることを認めさせるために、様々な創作活動を子どもたちに行わせていたのですが、それも功を奏せず、いまやトミー曰くの「まるでブロイラー」のような施設ばかりとなっているようです。
厳格と思われた「ヘイルシャム」ですら、まだ人間味のあった場所だということは・・・

もちろん、この作品の舞台を成り立たせるために、いくつかの敢えて無視されている要素があります。
それは臓器移植に際しての免疫抑制の問題であり(これが冒頭で言われる技術革新のひとつだと思われます)医療倫理に纏わる法整備の部分です。もっとも、これらの思考実験をみっちり描くのであれば、そこはプロパーSFの役目でしょうから、この作品にとっての大きな問題ではないと思いますよ。

そういえば「ヘイルシャム」の先生が女性だけだったのは、何か意味があるんでしょうか?原作を読めば判るのかな?

11/04/11

〈もう一ヶ月〉

震災から、もう一ヶ月。
今日も大きめの余震があって、心がザワザワしています。
長めの揺れが続くと、どうしても最悪の予想が頭をよぎってしまうんですよ。
これはもう、しばらくは直らないでしょうね。ビビリだと呼ばば呼べ(笑)

実は金曜日には、支援物資の仕分けのために会社の倉庫に行ってました。
物資は関連会社からのもので、子供たちに向けた衣料の類だったので、早く手元に届けて少しでも衛生に役立って欲しい。
甥っ子たちも新学期を前に仙台に戻ったけど、友達と会えることでストレスが軽くなっていると良いなぁ、と思います。

それにしても、未だガレキの山の現地を見ると、簡単に「頑張れ」なんて言えないですよね。どうして、打ち上げられた船すら除けられないんだろう…


11/04/10

〈プチ花見と都知事選〉

毎年恒例にしている、近所のさくら並木でのプチ花見。
今年も桜はきれいに咲いています。

プチ花見の前には、都知事選に行ってきました。
結果は既に速報の出ているとおりで、まぁ、予想どおり。

何の間違いか素人に権力を持たせてしまって痛い目にあっている今、変化を求めるような勇気を持つ人は少ないでしょうね。


11/04/06

〈うましか〉

昨日、ウチの会社に地元の某与党議員事務所から電話が入ったんですよ。
「被災地に行くから支援物資を融通してもらえまいか」だって。

え?今になって?
震災からどんだけ経ってんねん。
もう別ルートで次々と送り出してるっちゅうの。

先月は横浜方面に行ったら、そこの地元の議員が駅で募金してやがるし。
よっぽど暇なんですかね。

今年度予算も通ったんだし、平議員であろうとも政権与党のメンバーとして、やることは山のようにあるだろうに。本当に役に立たん連中だわ。

しっかりせぇよ。
 

11/03/15

〈予定変更(模型関連)

ワンフェス事務局からのインフォメーションで、なんと夏開催分のライセンスの取り扱いが中止とのこと。
http://wf.kaiyodo.net/

進めていた原型もいったん中止して、静岡の合同展示会向けの作品にかかることにします。
残念ではありますが、事情が事情なので致し方ないところ。

半年後にリスタートしたとき、ちゃんとパワー出せるか、ちょっと心配(笑)


11/03/23

〈お門違いで暴論なのは判っているけど〉

ついに最寄の浄水場の水からもヨウソが検出されるに至り、周りが喧しいのなんの。コンビニじゃあ水の買占めも出てくるし。

お約束のようにマスコミは煽りやがるし。
おまけに陰謀論を振りかざす奴まで出てきやがるし。
平気で疎開云々言う人って、なんなの?

やかましわ!疎開なんか出来るか!こっちは仕事せにゃならんのじゃボケ!
お前が養ってくれるんかい!!

完全に安全な処で無闇に煽った人、軽蔑します。
ってか、そんな事を言ってる暇があるならガンガン経済活動してください。

いやいやいや、そんなに放射線障害が怖いなら、もちろん周囲の「喫煙者」へ文句言ってるんですよね?
まさか御自分でタバコ吸ったりしてませんよね?ね?

暴論だとは判ってますが、過剰反応がウザかったので書きました(笑)


11/03/17

〈がんばれ〉

義弟の奥さんと子供たちが、仙台から横浜へ来ることが判りました。
自宅にいられるとはいえ様々な不自由があることを考えれば、疎開ともいうべきアクションの実行は、ぼくらに取っても安心できる情報です。良かった!

翻ってどうにもバカバカしいのが、今のリーダーたち。
今週に入って何度か、地震速報でないエリアメールが届いています。
内容は節電を呼びかけるものなんですが、差出人は「内閣官房(節電啓発等担当)」・・・
頭イカレてんのか!節電の呼びかけにエリアメール使ってどうすんねん!
スーパーの棚見て回ってる場合ちゃうやろ。

東北で、福島で、命をかけている現場の人たちと比べるべくもない馬鹿さ加減。
おまけに準備の出来ている在沖縄米軍へ出動要請をしていないと聞くと、本当に怒りを通り越して呆然とします
http://twitter.com/MasuzoeYoichi/status/48214689901060097

本当にしっかりしてくれませんか。貴方たちの小さなプライドとイデオロギーで、国民の命と生活に、どれだけダメージを与えたら気が済むんですか?


11/03/16

〈人は、それぞれだけどね(原発事故関連の情報つき〉

実は昨日は、例の福島の原発事故を受けて、総務部から指示が出たので早仕舞いでした。
昨日はそんな全社メールを出しておきながら、今日の通達では一切触れず。
なんて言ったらいいのか…総務部長が、そんなグラグラしてたらダメでしょうに。

ウチの部門と業務委託をしている、とある専門家氏も家族を早々と疎開させたとか。
んー、人それぞれとは言え、まぁ、そういう軽挙妄動タイプなんだな、と心に書きとめ。今後の付き合いは考えよう(笑)

以下はFacebookで知った原発事故関連の情報。
紹介してくださったのはTom Vincentさんという方。
けっこう長いんですが、興味あれば眼を通してみてください。

以下引用--------------------------------------------------------------
トム さきほど東京の英国大使館の会見から戻ってきました。日本の原発の現状についてでした。
英国政府主席科学顧問(Chief Scientific Adv...iser)ジョン・ベディントン (Sir John Beddington)が代弁者をつとめ、数名の原子力発電の専門家も同席しました。日本の現状について、彼らの状況判断は下記の通り:

●比較的悪い場合(1個の原子炉の完全メルトダウンとそれに基づく放射性爆発の場合)、避難エリアの30キロ(訂正前:50キロ)は人の健康の安全を守るために十分な距離でしょう。もっと最悪な状況でも、(2個以上の原子炉がメルトダウンする場合)1つの原子炉のメルトダウンのときと比べ、被害にさほど変わりはないでしょう。

●現状の20キロ退避指示区は現状の放射能レベルにたいして適切な範囲でしょう。このまま炉心への海水注入を続くことができれば、大きな事件を防ぐことができるでしょう。これからさらなる地震と津波が起きた場合、海水注入ができなくなる可能があり、その場合上記のメルトダウンが起こる可能性があるでしょう。

●基本的に、専門家は東京住人の健康への悪影響はありませんと予想してる。健康に悪影響を起こすために現状の放射能の何百倍のレベルが必要。専門家はそのような状況にはならないと言う。(しかも、専門家は妊婦や子供へ影響するほどの放射能を基準にしていた。健康な大人にとってはさらに放射能のレベルが高くならないと影響はないという。)

●専門家は風向きは関係ないと言う。東京は現場から十分離れてるので、影響はないでしょう。 海水注入を続けることができ、原子炉を冷えることができれば、状態は大きく上向くでしょう。

●日本政府からの情報は複数の独立した団体によりモニタリングされつづけ、放射能のレベルに関しての情報は的確と判断されてる。

●チェルノブイリとは全く別な状況です。チェルノブイリの場合、原子炉が完全メルトダウンし、手を付けずに何週間も燃え続けた。チェルノブイリでさえ、30キロ(訂正前:50キロ)に避難ゾーンがもしできたら、十分に人の健康を守ることはできたでしょう。チェルノブイリの場合、事件から何年も後まで現地の食料や水に含まれた放射能は一切モニタリングされなかったと、危険性についての情報も全く知らせなかったせい、汚された食品、麦、牛乳や水などを食べ続けた現地の人々が病気になった。事実は隠されたチェルノブイリの事件とくらべ、今回の非常に開かれた福島の事件もその意味でも大きく異なるでしょう。

●ブリティシュスクールの学長が、休校をつづけるべきかどうかを尋ねた。専門家の答えは、放射能に関する恐れのためならば休校は必要ない。余震や建物の状態などに関する理由はありえるかもしれないですが、科学的に放射能の恐れは 子供にとっても全くありません。

●ヨード剤の補充に関して、専門家はヨード剤は現場で放射能を体内に吸収した場合や汚れた食料を食べた場合だけ必要と説明した。それに、ヨード剤の長期的利用は健康によくないと話した。 会見は驚くほどフランクで正確でした。専門家の判断によれば、原発からの放射能の恐れよりも、地震と津波からの被害はもっと大きな問題でしょう。 専門家の判断を信じましょう!

作成:: Tom Vincent.
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トムさん、どうもありがとう。

11/03/15

〈少しの我慢>

鬼束ちひろのCDを聴きながら通勤していたら図らずも涙目になってしまい、花粉症のふりをして乗り越えましたが、如何なモンでしょうか・・・

以下一部引用

「King of Solitude/鬼束ちひろ」
(3rd『Sugar High』およびベスト『ONE OF PILLARS』に収録)

>>もっと側へ
>>今は最高の魔法で
>>積もる雪も翼に変え
>>貴方の肩を温めよう
>>眠れるまで

PV(http://www.musicpv.jp/music.cgi?id=386
歌詞(http://music.yahoo.co.jp/lyrics/dtl/KAA015638/AAA096894/

ぜひ歌詞を読んで欲しいので、リンクしときます。

いつもの鬼束マジックが発動して、まるで今回の災害への復興メッセージであるかのようになっているのが、不思議。


さて今日も自分は通常出社。自宅待機は2名。
やっと、全グループ社員の安否が確認されたとの連絡が入り、またもひと安心。

会社では当たり前のように節電モードで、エレベータの使用中止と廊下、階段は消灯。家でもエアコンは使わず重ね着で対応。少し不自由でも被災地に比べれば・・・

義弟の後輩たちは会社の寮で避難中で、食料がそろそろ底をついてきているそうです。
仙台の中心でこうなので、他の避難所は何をかいわんや。
こちらからは、復旧の情報を送り込んで、少しでも安心してもらうしかありません。

そんな状況なのに、無鉄砲にも被災地へ向かいたがる人が社内にもちらほら。
食料や燃料に始まり、もろもろ自立で活動できる準備がないなら却って迷惑だから、と諭しましたが。
たとえ準備があっても、大人ひとりのスペースを奪うことになるんですよ?
そこで脚を伸ばせる人がいるかもしれないのに。

陸路が分断されている中で向かっても、自分が二次災害に会う可能性だってあるだろうに・・・蛮勇は決して勇気じゃないっつーの。

11/03/14

〈不完全な日常>

仙台にいる義弟一家の無事が確認されて一息。
やはり情報がないのが不安とのこと。

「それぞれの義務を果たし、仲間の力を信頼し、共にこれを乗り切ろう」
「嘆くのは後だ。今はベストを尽くし戦おう」
(アメリカのTVシリーズ『ギャラクティカ』より)<3月17日にDVDで確認して訂正


そして当たり前のように出勤。
定時に出社できていたのは約4割。
品川から2時間かけてママチャリでやってきたり、北千住から徒歩で来たり。

なんだかんだで指示待ちではなく出勤するところが、生真面目な日本人たる所以かも。
総務からは朝イチで「最寄駅の交通が止まっている場合は自宅待機で」とのメール連絡あり。結果、部員の1/3が自宅待機。

幸い結果的には輪番停電には当たらなかったのですが、いつ停電するか判らないまま、黙々と業務遂行。明日も停電や交通に関する情報は確定したものがありませんが、出社の予定。

それから、東京在住者に大きな関心事となっているであろう原発関連の情報について書いておきます。

以下は(http://matome.naver.jp/odai/2129998418247170501)の引用です。
内容としては東京大学理学系研究科の早野龍五教授のツイッターのまとめです。確認する限りでは、たとえ最悪の事態でも、東京では大きな影響にならないはずです。くだらないデマに惑わされないでください。

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Q. 20km以上離れれば安全ということですが、外気に触れないというのは、
東京でも同様でしょうか。

A. 福島と東京のあいだは250km以上離れていますので心配無用です。


Q. ではなぜ20kmに拡大したのでしょうか?

A. 政府の判断基準はわかりませんが、アメリカで1979年に発生したスリーマイル島の
原発事故の時は16km以遠には影響が及ばなかったとされています。
このデータから推測すると、政府の避難指示は適切だと思います。


Q. 東京在住の人は、肌を露出しての外出は控えるべきでしょうか?

A. その必要はありません。20kmという政府の避難指示は妥当です。被曝は風で運ばれる
放射性物質によって引き起こされ、遠くなればなるほど放射能は薄まるので、
東京にいる方が心配することはありません。


Q. 放射線が漏れ出した場合、範囲はどこまで及びますか?

A.漏れた放射性同位元素量と,天気(特に風)がわからないと、予測困難です。
今回同様格納容器が無事だったスリーマイル島の場合は,
10マイル(16km)より遠いところには影響が及ばなかったとされています。
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それから昨日書いたことを覆すようですが…

こんな状況でも迷惑メールを発信している奴は呪われてしまえ!

11/03/13

〈いまだ不安が去らず>

葛飾区でも大揺れだったので、いまだに不安が残ります。

さすがに今は落ち着きましたが、当日の夜から何度も地震予報のアラームが携帯に届き、どうにも心がざわついて安眠には程遠い状態でした。

元々そういうために作られた仕組みとはいえ、アラーム音がめちゃめちゃ不安感を煽るようになっているんですよ。

なんしか、幸運にも今回の震災に見舞われなかった人は、日々の生活をいつもどおりにすごしてください。それが一番です。
むやみに誰かを批判したり、無意識にでもデマを拡散しないよう気をつけてください。何も解決しませんから。

今日も買い物に行くと、近所のショッピングモールでは一部しか営業できていなかったりしますし、コンビニにいたるまで食品類の棚が空になっているような状況で、日ごろの準備の重要さを痛感します。
幸いウチは備えがありますので、何かあっても数日はもちます。

みなさんも今一度、確認してみてください。

11/03/09

〈模型でグルグル>

そろそろ静岡の展示会向けの作品に取り掛からなければならない時期に来たんですが、これがなかなか堂々巡りで決まりません。ってか決めかねてます。

ぐだぐだと、キャラ物を軽く触ってみたりしているうちに、ムラムラと変な方向にヤル気が出て、スクラッチを始めてしまいました(笑)

ネタはン十年来懸案の架空機。

或るディーラーのキットを買ったものの、小さいうえにアレでナニだったので「だったら自作!」のスイッチが入りました。

元々デザイナー氏の描いた図面があるので、そいつを元に断面を拾ってプラ板の骨を作り、現在パテ盛り中。
つか1/72で全長30センチのリフティングボディってのは、鈍器だよなぁ…

今週中にメド立てば、「夏」に滑り込みで申し込むかも?

11/02/26
〈劇場版マクロスF 〜サヨナラノツバサ〜」を観てきたわけで>

公開が今日なのでネタバレしないように、いつもの感想は控えます。
それはまた後日として・・・

まー、あれですよ。この結末に納得しないお子様が大量発生の予感(笑)
いくつか考えられるパターンのうちに入ってるので、良いと思いますがねー。

早乙女アルトは、しっかりと主人公の役を果たしましたし。
色々と、周辺シリーズの小ネタも入れてくれてますし。
メカ好きには燃える展開もありますし。

惜しむらくは、観る側が「あのハイテンション」に慣れちゃってるってところでしょうか。
TV版の最終回からして凄かったですからね。
生半可なことでは圧倒されなくなってるので、作る側は大変だろうなぁ。

それにしても、艦長はしゃぎすぎ(笑)


11/02/10

〈SF「ぼくの、マシン」「逃げゆく物語の話」〉
日本のゼロ年代、つまり2000年代のSFベストと銘打たれた上下2巻の短編集。
SFプロパーではない作品も何篇か含まれているのが、少々不満を感じる点ではあります。
より幅広い作品を収録しようという編者の意図は判らなくはないものの、「SF」の「ベスト」としてはどうなんでしょうか、と。

いや、60年代、70年代ならまだしも、「SFのサンプラーなんだよね」と手にした「今」の読者に対して、ガチガチのSF以外のものが与える印象は決して満足感には繋がらないんじゃないかと思うわけですよ。パスタを食べに入ったイタ飯屋で、メニューにカツ丼がどどーんと乗っかっているような塩梅なんじゃなかろうかと。

さておき、以下に短めの感想を列記します。

『ぼくの、マシン−ゼロ年代日本SFベスト集成〈S〉』

「大風呂敷と蜘蛛の糸」 野尻抱介
既読作品ながら、あらためて読んでも幸せな気持ちになれる(笑)どストレートな良作。
プロジェクトの途中で、メンバーが「あれもこれも」「おれもおれも」「ああだこうだ」と盛り上がってゆくさまは自身も色々と経験の有るところで、そういうポジティブな連鎖に気持ちよさを感じられる人にむいた一編。

「幸せになる箱庭」 小川一水
まさしくイーガン的な側面もあるファーストコンタクト物。オチをぼかさないところが作者の持ち味かな?
タイトルとは裏腹(でもないか・・・)のエンディングを迎えるものの、いちがいにバッドエンドとも言えないのが味わい深いですね。

「鉄仮面をめぐる論議」 上遠野浩平
ある種の寓話で、同作者による「ナイトウォッチ」なるシリーズの唯一のスピンオフとのこと。

「嘔吐した宇宙飛行士」 田中啓文
ヨコジュン的なハチャメチャな作品。内容はタイトル通り(笑)

「五人姉妹」菅浩江
基本、叙情にながれるようでいて、何かの実験レポートでもあるような作品。

「魚舟・獣舟」 上田早夕里
これも別のアンソロジーで既読。
作品に登場する異形なものを想起するイマジネーションの個人差によって、好き嫌いが出るかも?

「A」 桜庭一樹
「今」であればこそ、普通の人にも理解し易いモチーフかと。
ちょっと藤子不二雄氏の、ある短編を思い出したりもしました。

「ラギッド・ガール」 飛浩隆
連作の一編として、まとまりそのものには重きを置かずに読んでみると…ああ、そう落とすか!と「やられた」感が。

「Yedo」 円城塔
あーははは。ええ、こういう与太(と言い切っていいのか?)というかメタというかな話は意外と嫌いじゃありません。

「A.T.D, Automatic Death ■ EPISODE:0」伊藤計劃+新間大悟
毎度の「伊藤計劃」氏持ち上げシリーズ。ほんと、そっとしといてやれよ、と思う。

「ぼくの、マシン」神林長平
自分がクラウドに感じる或る種の気持ち悪さ、それに機器・機材などに対する微妙なフェティシズムを突いてきたような作品。いや、盛大に誤読している可能性が高いんですが(笑)


『逃げゆく物語の話−ゼロ年代日本SFベスト集成〈F〉』

「夕飯は七時」 恩田陸
つまりはイドの怪物でさぁね。
ただ、こういう現象が起こったとき、あの程度でコトが済むのかどうか?
・・・って真面目に突っ込むような作品じゃないか(笑)

「彼女の痕跡展」 三崎亜記
まさに「すこし不思議」なんでしょうが、自分の考えは前述のとおりなので。
小説としては決してクオリティが低いわけではありませんが、「SFの」ベストに入れるべき作品じゃないと思う。

「陽だまりの詩」 乙一
マンガであれば、ひところの「アフタヌーン」に連載していそうな作品。

「ある日、爆弾がおちてきて」 古橋秀之
「ラノベの材料を使って書かれたカジシン的な何か」っていう解釈でどうでしょう?

「光の王」 森岡浩之
現実をグラつかせる系の一遍。こちらは小松左京氏の作品を想起(<内容はまったく違うんですが)

「闇が落ちる前に、もう一度」 山本弘
なんとなく泣かせようという衣に騙されそうになるものの、ちょっと大穴が開いてないですか?な感じ

「マルドゥックスクランブル “-200”」 冲方丁
同名シリーズを読んでいないので、作品の貴重さが判りません。
アンソロジーにいれるべきものなの?同じ作者の別の短編とか無かったんでしょうか。

「冬至草」 石黒達昌
余計な事を書いてしまったために、超絶的なまでにオールドタイプのアナロジーへと墜ちてしまったように思える作品。
ウェブ上では、異常に高い評価ばかりに見えるのは何故?

「延長コード」 津原泰水
やっぱりこういうのも、収録せんとイカンのでしょうか。

「第二箱舟荘の悲劇」 北野勇作
これもまた、ヨコジュン的なハチャメチャ。

「あらかじめ予定されている明日」 小林泰三
ものすごく真面目に書かれているようで、すこーしハズした部分がありながら、それでも怖い不思議な仮想現実の話。

「逃げゆく物語の話」 牧野修
これこそ活字ならでは、の表現。
万が一、映像化されてしまうと、そうとうヘボイ作品になってしまうだろうなぁ。

11/02/06
〈ワンフェス2011冬〉

半年に一度のワンフェス。今回は寒さも酷くなく行列日和でした(笑)

・AUREOLE(パンツァーフロント)/GRAYPHANTOM
ゲームに出てくる架空の戦車で、以前から買おうと思いながらも先送りしてました。
手流しのレベルはさておき、何処に何が付くか良くわからないインストは困りもんですなー。
かなり手強そうなので、心して掛からんとイカンです。

・くるねこ愚連隊(くるねこ)/CHIC
ブログマンガで人気のキャラ(?)
ワンパーツのマスコットキットなので、無彩色の時がいちばん良くみえるパターン。
さて色を塗ったほうが良いのかどうか。

・ガレオン対応キャタピラキット(クラッシャージョウ)/SOY-YA!!
旧タカラの1/48キットの軟質キャタピラを換装するもので、超ニッチ(笑)
はからずも戦車系の買い物が重なりましたねぇ。

・スネーク(MGSピースウォーカー)/海ねずみ
オールドスネークのイイ感じのフィギュア。嫌味のないポーズと適度な表現がステキ。
フィギュアはまったく自作する能力がないので、ただ感心するばかりです。

11/01/31
(鑑賞は1月30日)
〈映画「イップ・マン(葉問2/Ip Mam2)」〉

制作:2010年(香港)
監督:ウィルソン・イップ(葉偉信)


〈ストーリー〉
ある事件(<前作のネタバレ回避)で負傷し、密かに香港へと逃亡してきたイップ・マン/葉問(ドニー・イェン/甄子丹)は知人のつてを頼り、ビルの屋上にあるレストランの跡地で武館(道場)を開く。残念ながら香港で知名度の低い詠春拳では、門を叩く人間はなかなか居ないのだが、ある日現れた青年ウォン/黄梁(ホアン・シャオミン/黄暁明)から「勝負に負けたら弟子になってやる」と挑戦を受ける。

当然の如く軽くいなしたものの、ウォンは弟子にはならずに仲間を連れて逆襲に来る。もちろんイップに敵うはずもなく、ようやくウォンは仲間ともども跪いて弟子入りを乞う。ウォンは仲間たちを次々に入門させ道場は賑わいを得るのだが、稽古代も殆ど払えない連中だったために相変わらずの赤貧生活が続いた。

それなりに順調な日々が始まったかに見えたが、ウォンが洪家拳武館の弟子と諍いを起こしたうえに人質に取られてしまう。イップはウォンを助けるために溜まり場の市場へ向かい、数十人との乱闘を起こした隙に乗じて逃亡を図る。次々と加勢が現れ窮地に陥りかけたその時、本土で因縁のあったカム/金山找(ルイス・ファン/樊少皇)が仲裁に駆け付け、更に、おっとり刀で登場した地元の武館連中のボスであり、洪家拳武館の師傅でもあるホン/洪震南(サモ・ハン/洪金寶)とも顔をあわせることになる。
ホンから香港で武館を開く際のしきたりを伝えられたイップは、居並ぶ各派の師傅(師範)連中への挑戦へと向かう。


〈感想〉
ブルース・リーの師匠である詠春拳の宗師「葉問(イップ・マン)」の物語を描く作品で、実は「葉問2」の前に「葉問」という作品が存在します。
そちらは公開未定ながら、いちおうの邦題がついていまして「イップ・マン 序章」となっています。(えー、それなんてサスペリア? 笑)
なぜいちおうの邦題かと説明すると、なんとこの「イップ・マン」の動員が5000人を越えたら前作も劇場公開という仕組みになっているんですよ。
公開からおよそ一週間(土日は2回)で、ほぼ半数近くの動員がカウントされているので、可能性は五分五分といったところでしょうか?

さて実は、上に書いたストーリーは全編のうちの半分くらいまでで、後半のクライマックスはイギリス人ボクサーとの異種格闘技戦となっています。
武館を軌道に乗せるようとするイップと弟子たち、その邪魔をする他派のメンバーとの争いよりも上位から、統治者としてのイギリス人が高圧的に振る舞い、香港人を差別して利用します。上納金を強い私腹を肥やす警察署長、中国拳法をダンスだと貶めるボクサー、いずれも傍若無人で憎憎しいキャラ造形なので、主人公に思いいれを持たされた観客としてはラストでの快哉は必至です。

アクション映画として紹介するなら、ブルース・リーのファンの方には必見の作品と言えます。
香港映画マニアには周知のドニー・イェンのアクションも満載、往年のカンフー映画で日本でも名を馳せたサモ・ハンも、その年齢からは考えられない身のこなしを見せてくれるので、見所はたっぷりあります。

実は、前作では日本軍が、本作ではイギリス人が絶対的な悪役として設定されているので、中華のプロパガンダ云々という声も聞かれなくはないのが残念なところ。とはいえ時代背景や娯楽作品としての組み立てを考えれば、そういうストーリーも仕方ないかと。(「ドラゴン怒りの鉄拳」だって同じですからねぇ・・・)
正直、イップがあまりにも高潔な人物として描かれていたり、中国人は須らく善人であったりする点が気にならなくないといえば嘘になりますが、今の香港映画が中国市場に頼らざるを得ない状況では、残念ながら見逃すべき瑕ではないでしょうか。
ただし、これが史実に忠実だと思い込まれるのでは問題ですけどね(前作のDVDを子供に見せて、「当時の日本軍の非道が云々」とやったトンチキな親の話をウェブで読んで頭が痛くなりましたが)

なんにしても、カンフーアクション映画の最新型としては、文句なくお勧めできますので、是非!

11/01/24
(鑑賞は1月23日)
〈映画「カンフーサイボーグ/機器侠=机器侠(KUNGFU CYBORG:METALLIC ATTRACTION)」〉

制作:2009年(香港/中国)
監督:ジェフ・ラウ(劉鎮偉)


〈ストーリー〉
西暦2046年。中国の小さな村に勤務しているタイチョン(フー・ジェン/胡軍)は、職務に対する姿勢と正義感を買われて、ある任務に就く。
それは政府の研究所で作られた人間そっくりのロボットK1(アレックス・フォン/方力申)の運用試験だった。かなり胡散臭く思いながらも、研究所の主任(エリック・ツァン/曾志偉)からK1を託されたタイチョンは勤務地の村へと戻ってくる。
人にあらざる者の超常的な能力を発揮して村人の歓心を得た上に、妹のように可愛がっている友人の遺児であり同僚でもあるムイ(スン・リー/孫儷)にも好意を寄せはじめたK-1の態度を、タイチョンは快く思わない。それでも周囲にはK1がロボットであることを隠さなくてはならないために、タイチョンはドタバタと振り回されることに。

タイチョンとK1の凸凹コンビの生活が続いたある日、くだんの組織から逃亡したロボットK88(ウー・ジン/呉京)の確保命令が彼らに下される。
K88は自我に目覚め人間に対して疑問を持ち、自らパワーアップするために放射性物質を入手しようとしているのだった。

囮捜査を進めて果たしたK88との邂逅により、K1とタイチョンの運命は大きく動くことになる。


〈感想〉
えー…
タイトルは「カンフー『サイボーグ』」なのに、K1ってアンドロイドじゃね?と思ったアナタ、正解です。
でもちゃんとサイボーグ(<と、劇中では呼ばれているモノ)も出てきます。どーにもグラついた設定の上で、ですが(笑)

で、ですね、これ、基本部分はラブコメですよ。しかも「THE 香港映画」と言っていいほどコテコテで、なんでもかんでもブチ込まれてますけどね。

紹介サイトなんかで「トランスフォーマーへの香港映画からの回答!」とか「〜巨大ロボットにトランスフォームして云々」と書かれてますが、けっこうウソ率高いです(笑)

基本的にはK1とK88がアンドロイドで、しかも超変形機能もありまして、人間モードからからシャキシャキとCGIのアーマー形態になったり、自転車やらバイク、果ては赤ちゃんのお尻にまで(・・・)変形が出来るんですな。でもって、飛行は言うに及ばず、透視から治癒から何でも出来ちゃう。
あまつさえ、乗り込みタイプ(レバーとハンドルで操縦・・・わはは)の巨大キョンシーロボなんかも出てきちゃった日にゃあ…

そんな次第で、あまりロボット物としてではなく、メカアクション入りのラブコメとして、ゆるーく観るのが正解でしょう。
取ってつけたような「人間とは、ロボットとは」みたいなテーマも、文字通り「取って付けてる」カンジですし。

これを言うとガチガチのファンの人に怒られそうですが、なんだか「仮面ライダー」っぽいです。ほら、CGIでメカが変形したりしてませんでしたっけ?
香港映画のファンの人には、同じジェフ・ラウ監督の「西遊記リローデッド」のメカ版と言えば伝わり易いかと思います。

とかとか、かなりダメな映画なんですが、けっこう楽しめたりできている病膏肓な自分に呆れるところ(笑)

11/01/19

〈MHP3/ひとり上手と呼ばないで(笑)〉

先の日記以来、結局アドホックには行けず、ソロで集会場やってました。
んで、Lv8の緊急が出たのでトライしてみたところ、なんとかクリア。

本当は氷の太刀を強化してから、と思ってましたが、手元に氷結弾を撃てるライトボウガンがあったので行ってみたわけです。
得物はアウロラフレアで、もちろん素材を持ち込んでの調合撃ち。それでも弾切れ寸前(笑)

スキルは回避性能+1と体力+50だけ。もうちょっと突っ込んで構成しないと勿体無いカンジではあります。

なんしかシビレ罠のミスで、一匹は討伐になってしまい残念…。

それにしてもLv8って、さすがにソロじゃ無理な予感(笑)
んー、でも、P2Gのこと考えりゃ行けるかも?

11/01/12

〈MHP3/アドホックに行けてない件〉

いやさ年末は忙しいんですよ。
でもって正月は帰省していたんですのよ。

んな次第で、発売から一ヶ月経つのに一回もアドホックでクエ行けてません。
そんなこんなで、ひとりでできるもん状態で集会場をこなしていたら、いつの間にやらHR5に上がってました(笑)

ソロばっかりじゃ時間もかかるのでアドホック行こうかなー。
ってか御馴染みさんはINしてるんかなー。

11/01/06
(鑑賞は12月31日)
〈映画「モンガに散る/([舟孟][舟甲]/MONGA)」〉

制作:2010年(台湾)
監督:ニウ・チェンザー(鈕承澤)

〈ストーリー〉
舞台は1980年代の台湾。台北で一番の繁華街モンガは商業地区として発展しながら、それに伴い当然のように黒道(ヤクザ)の縄張り争いの舞台ともなっていた。
そのモンガに近い或る高校へ、モスキート/蚊子(マーク・チャオ/趙又廷)と名乗るひとりの青年が転校して来る。
彼はそれまでにも家庭環境をネタにした苛めに会い、度々転校を繰り返した来歴があるらしく、案内の教師からは休まずに学校へ来ることを念押しされている。

さっそく教室では転校生をターゲットにした虐めが始まり、クラスの不良ドッグ/狗仔孩(チェン・ハンディエン/陳漢典)に弁当のおかずで持ってきた鶏のモモを取り上げられるが、モスキートも負けじと奪い返す。
制裁のために仲間と待ち伏せをしていたドッグから、モスキートは逃走。追いかける不良たちに対し、多勢に無勢で立ち向かうモスキートの様子を窺っていた別のグループの男たちが、「仲間にならないか」と声を掛けてくる。

そのグループは、黒道(ヤクザ)のボスの息子ドラゴン/志龍(リディアン・ヴォーン/鳳小岳)を中心に、幼い頃から頭の切れるクールなモンク/和尚(イーサン・ルアン/阮經天)、ケンカのセンスが抜群な白ザル/白猴(ツァイ・チェンシェン/蔡昌憲)、はしっこく生き残りに長けたアペイ/阿伯(ホアン・トンユー/黄鐙輝)の4人だった。
ケンカを繰り返し学校も休みがちになるモスキート達は太子■(たいしばん ■=幇の脚部分が帛)を結成し、日に日に黒道の世界へと深く入り込んで行く。

殺伐とした日々の中、シャオン/小凝(クー・ジャーヤン/柯佳[女燕])という娼婦と出会い心を通わせるようになるが、モンガにも着々と手を伸ばしてくる外省人(大陸系)の勢力によって、モスキート達の運命も大きく翻弄されてゆく。


〈感想〉
2009年の海角七號(本国での公開は2008年でしたが)に続き、2010年もまた台湾の佳作を観ることが出来ました。
キーワードは「青春」「黒道」「ノスタルジー」の三本立てで、いかにもありがちなものとはいえ、台湾映画らしい情緒を感じさせる作品です。
香港映画の「黒道(黒社会/ヤクザ)もの」のように無慈悲なプロフェッショナルの手触りではなく、韓国映画のような行き過ぎたバイオレンスでもない(アクション監督は韓国人ですが)、まさに古くて新しい感覚。とはいえ、情感だけに溺れることなく技巧的にもプロフェッショナルな、しっかりした作品ですよ。

いくつかのカットでは見間違えるくらい日本的な光景があり、また、結社のくだりではジョニー・トー作品で見られたような儀式もあり、と、或る意味で既視感バリバリなんですよ。それが却って安心感あるというか(笑)

モスキートの仲間達は、それぞれに行動原理や家庭の事情を抱えながらも、義兄弟の契りを最も大事に思っています。
彼らの思いが揺るがされるのがモンガを取り巻く環境の変化によってであり、個々人はその中で翻弄されるだけでヒーローとなる人物はいません。実力者の息子で行動力もあるドラゴンや、切れ者のモンクですら「駒のひとつ」でしかないのです。
それでも彼らがふるう拳には意味があり、我々のような日本人の観客にも伝わるものがあります。

様々な登場人物の関わりや心情も丁寧に描かれ、あるいは匂わせられるので、エピローグ部分が特に胸に迫ります。それぞれのカットの意図するところも描写も、非常に判り易く意味を取り違えることはないでしょう。
その中で唯一観客に説明の無い部分は、モンクのドラゴンに対する想いであり、ここは様々な捉え方ができると思います(「腐」的な解釈すらも、あながち外れちゃあいないはず 笑)

襟足の長い伊藤英明(笑)のようなリディアン・ボーンや、イーサン・ルアンといったイケメンも揃えてノスタルジーでラッピングのされた黒社会モノの佳作として、あるいは青春グラフィティモノのアレンジとしても、充分に楽しめるのではないでしょうか。

自分としては、或るシーンで交わされる次の言葉にシビれました。
「どうして俺を(仲間に)?」「指は5本そろって拳になる」…この会話と前後するカットの意味するところも、充分過ぎる程に判り易くて泣けます。

最後にややバレ気味のひと言ですが、モンクは、本当は舟を用意していたんじゃないかと思うんですよ。あれだけ頭の良い男ですし、そこは巧く立ち回ったんじゃないかと。そうであれば尚更、モスキート達との行き違いが切なくなるんですけどね。

10/12/30

〈映画「キック・アス/KICK-ASS」〉

制作:2010年(アメリカ・イギリス)
監督:マシュー・ヴォーン

〈ストーリー〉
コミックおたくのデイブ(アーロン・ジョンソン)は、こんな疑問を持っている「どうして、誰もヒーローにならないんだ?」
現実の自分を見れば、ボサボサ髪で外見はダサく、趣味はコミックとインターネットの冴えない少年。特殊能力は「女の子から見えないこと」

そんなデイブは、自分こそ本物のヒーローになろうと決心し、ネットショップで買ったコスチュームに身を包み「キック・アス」と名乗りパトロールを開始する。案の定というべきか、なんの特殊能力もなく身体能力も高くないデイブはチンピラに刺されたうえクルマにも轢かれ、重症を負ってしまう。
全身に金属の補強を入れ、末端の神経も麻痺したままで退院した彼は、そんな経験にもめげずに再びパトロールへ出発する。偶然巻き込まれた小競り合いでの立ち回りを見物人に撮影され、YouTubeにアップロードされると人気が急上昇。

とある誤解から憧れのケイティ(リンジー・フォンセカ)と仲良くなれたデイブだが、彼女から相談を持ちかけられてドラッグ中毒者の部屋に行く事になってしまう。キック・アスとして乗り込んだデイブが危機に陥ったその時、颯爽と現れチンピラ達をあっという間に切り捨てた少女がいた。彼女の名はヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)ヒット・ガールはビッグダディ(ニコラス・ケイジ)と名乗る黒ずくめのコスチュームの男と連携して、悪人退治をしていたのだ。

ヒット・ガールが惨殺した連中はドラッグの売人としてマフィアの構成員だったのだが、彼らを全滅させたのはキック・アスだと勘違いしたボスは抹殺指令を下す。そんなことは露しらず、今日もデイブはパトロールへ…


〈感想〉
映画秘法やTVブロスのプッシュを見て、いわゆるB級の愛すべき好事家ムービーだと思いきや、まさかの劇場満員!
どうみても怪しげなポスターから、何でこんなにお客を呼べているのか、さっぱり判りませんが(笑)

たぶんこの映画を観た100人が100人とも同じ感想を持つとは思いますが「ヒット・ガール最高!!」
ロウティーンの女の子が得物を振り回し、銃をぶっぱなして悪人をばっさばっさと容赦なく切り捨てる爽快感たるや。

普通の人間がスーパーヒーローになるという物語は、あの「ウォッチメン(一部例外アリ)」や「バットマン」とも共通しながら、より一層リアルなアプローチになっています。ダメ人間の一念発起とはいえ、結局は殆ど何もなしえないという情けなさ・・・痛い、痛すぎる・・・

ビッグダディは、ある事件の首謀者であるマフィアへの復讐のために、ヒット・ガールを戦闘マシンとして訓練して育て上げたわけです。
この「イカれた親の復讐に巻き込まれて殺人マシーンとなる娘」という構造は、あの「修羅雪姫」とも通じていますよね。「修羅雪姫」は主人公が寡黙で冷徹な刺客として、親の仇討ちをストイックに果たす物語でしたが、このヒット・ガールはダーティワードを振りまきながら、大人顔負けのアクションでマフィアを切り捨てて行きます。あそこまで徹底されると、却ってポップなイメージすら感じさせています。

もちろんデイブはデイブで彼なりに頑張りますが、やっぱりヒット・ガールのキュートさには勝てません(笑)キック・アスよりもヒット・ガールのほうが活躍する内容からも、制作側の意図も、そういうコトなんでしょう。
それでもラストでは主人公らしく、起死回生の一発(武器はチートですけどね!)
ここまでキャラ立ちの良い作品ですから、続編も有り得るかもしれませんね。

10/12/26

〈MHP3/村ジエン・モーラン弱体化?〉

なんだかんだで業界的には繁忙期なので、MHP3が遅々として進まず。
ようやく村は終焉以外をクリア。

いや、やっぱ村は終わらせてないとアドホックに出たらアカンやろという自分の縛りだけなんですが。

で、村ジエンは相当な壁だろうと思い、慎重な準備をして挑んだんですよ。

お!ムービーは新規か。

バリスタ採取>砲撃

大砲の弾、採取>砲撃

銅鑼

と、お馴染みの作業を続けていると、10分かそこらで「決戦場」へ

ええっ!村って撃退止まりじゃないの?と驚きつつ淡々と攻撃。

針が15分の所でクエスト終了のメッセージが。ええええ!討伐?
うそーん。

村のラスボスって、死力を尽くして戦わないとあかんのちゃうん?
弾が底を尽くまで撃ち続けないと倒せないんとちゃうん?

簡単に倒せたのは良いんですが、なんか猛烈な肩透かし感が…

10/12/23

〈映画「SPACE BATTLESHIP ヤマト」〉

制作:2010年(日本)
監督:山崎貴

〈ストーリー〉
西暦2199年、謎の異星人からの遊星爆弾(巨大な小惑星のようなもの)を使った遠隔攻撃を受け、地球は危機に瀕していた。
地表は荒廃し、僅かに生き残った人類は地下深くに居住区を建設して生き延びているが、放射能の浸透により滅亡までの時間は残り僅かとなっている。

かつて宇宙戦闘機のエースとして活躍していたパイロットの古代進(木村拓哉)は、あるアクシデントにより軍から退役。地下居住区に暮らし、レアメタルのサルベージをする日々を過ごしていた。古代は、ある日、上空から落下してきた物体に巻き込まれ意識を失うが、何故か致死量だったはずの放射線被爆の影響も受けず、通信カプセルのような物体を手にすることになる。

一方、火星域でのガミラス艦隊との戦闘に破れ地球に帰還した沖田(山崎努)は、くだんの通信カプセルでもたらされた情報を頼りにイスカンダルと呼ぶ恒星への遠征を具申。最後に残された宇宙戦艦を、限られた人類の脱出のためではなく、イスカンダルから供与されるであろう放射能除去装置を得るための旅に使うよう、地球防衛軍司令長官を説得する。

果たしてイスカンダルへの遠征が決定し、派遣のための兵士や技術者を募ることになる。
その志願の列の中には、あの古代進の姿もあった。


〈感想〉
あれ?けっこう良かったんじゃね?というのが正直なところ。思ったより酷くなかった、というべきか・・・
意外と「ヤマト」になっていたというかなんというか。第一世代のアニメマニアとして義務感で観に行ったつもりが、「アルマゲドン」並みには楽しめましたよ、と。いやいやいや、アルマゲドンという例えも貶めてるんじゃなく、プログラムピクチャーの果たすべき機能の一部としての「興業製品(<バリバリ造語)」という面では充分に合格してるんじゃないかな。あれですよ、ASIAとかの「産業ロック」と同じような意味で(笑)

物議を醸した配役やら役柄改変についても、あんまり気にならなかったなぁ。
そこはあまり大きなツッコミ処じゃないです。

余談ですが、生き残りが日本人だらけとか宇宙空間に重力が!とかとかの部分は「原作どおり」ですんで、そこを指摘すると御本人のスットコドッコイ振りを世間様に開陳するだけになるので止めといたほうが良いです。

閑話休題

今作はキムタクあってのビッグバジェットでしょうし、他に古代役の適任者が誰かいるかと聞かれてもコレと言って浮かばないのも事実。
正直「キムタク」かつ「ヤマト実写版」という、叩かれる要素満載の企画に乗っかったうえに、かなりの部分で原作を再現するという方法論を選んだ監督は偉いなぁ、と思いますよ。

そういえば、ここまで元の作品に忠実にするのなら、逆に「顔を青塗りした役者」を出す勇気を持って欲しかった!いや真面目な話しで。
だってガミラス/イスカンダル人を今回の映画の設定にしてしまうと、恒星間航行のためのワープ技術やら地球の逆テラフォーミングなんて、あまり重要性が無くなるんじゃないですか。地球人を、そのまんま使えば良いはずですよね。

いずれにせよ、自分にとって総合的には及第点です。
そもそも、元のアニメ自体が巷間言われているほど名作じゃないし、評価も低かったし。打ち切り番組ですよ、元は。
「お前ら本放送で見てなかったじゃん。アニメビジネスが成り立ったとたん、世間の評価が上がったとたんに乗っかっただけじゃん」と思いますよ、割と本気で(笑)更に加えれば「TV版ヤマト2」以降はアレでナニだったじゃないですか、元のシリーズだって。

スッパリ逆差別をさせていただくならば、ボクらの世代以外の連中が訳知り顔でオリジナルシリーズを錦の御旗にしてるのは、「なんだかなー」と感じますよ。あ、暴言ですか、そうですか。

自分は、ストーリーというよりも構成に不満がありまして、とにかくブツ切り感が強すぎるな、と。
後半の最大のヤマ場であろうイスカンダル上陸でも、降下シーンをあと30秒も増やして「ヤマトのアレ」をもう少し判りやすく見せたほうが盛り上がったんじゃないかなぁ。元ネタのギャラクティカと同じように、艦載機がズバズバ発艦していくシーンを入れるとかね。
尺が足りないというのであれば、第三艦橋に纏わるくだりは切っても良かったんじゃないかな。第三艦橋の破壊シークエンスそのものは残して、古代と乗組員の絡みはカットしても話としては成立するはず。

更には、自分達(制作側)は理解している「この世界のお約束」を、観客側に判らせる努力がちょっと足りないかな。全体に、やや説明不足な感は否めないかと。ガミラス艦を見て古代が発するセリフなんかは、その典型的な例。


ちょっと見方を変えて、メカマニア&SFX(<懐かしい言い回しですな)ファンとしては言いたいことが山のようにあります。
まずはVFXが妙に操演くさい。CGで作って動かしているのに、なぜか糸で吊ってるような動きに見えるんですよ、自分には。いや、そこまで計算づくで動かしていたのなら大したもんですが。機体の中に重心がなくて、画面の外に支点があって動いてるカンジ。

なんかこう、「ウルトラ」っぽいんですよねぇ、機動が。その点、ギャラクティカは空間戦闘での機動の表現が上手かったよなぁ。日本のアニメがコツコツやっていたことが、向こうのVFXに結実したように思えましたもん。SFアニメの本家本元も頑張れよ、と。

全体のライティングも然り。プログラムを読むと、あえて「松本ワールド」を再現するために、宇宙でも光源をひとつにしなかった的な説明がありましたが、松本ワールドのメカって、コントラストが強いイメージがあるんですが、どうでしょう?確かに(特にカラーでの)宇宙空間の描き方には濃淡あるものの、メカは影がキッチリ入ってるタッチのはず。

メカ絡みでもう一つ突っ込むと、コスモゼロ関連の部分が酷い。
デザインもダメですし、例のシーンのために取って付けた様なマニュピレータも最悪。

とまぁ、書いてみると結果的にツッコミが多くなっちゃいましたが(笑)、ちゃんと楽しめる作品だと思いますよ

10/12/13

〈映画「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1/Harry Potter and the Deathly Hallows: Part I」〉

制作:2010年(イギリス/アメリカ)
監督:デビッド・イェーツ 

〈ストーリー〉
ヴォルデモート(レイフ・ファインズ)の一派が魔法界を蹂躙し、魔法省までもがその手に落ち純潔主義者達の恐怖政治が始まる。
ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)を亡くし、ホグワーツ魔法学校でさえも安住の地ではなくなったハリー(ダニエル・ラドクリフ)たちは、反ヴォルデモートの仲間たちとともに逃亡を続ける。もっとも重要な人物であるハリーを狙うヴォルデモートは追跡の手を緩めず、行く先々で戦いが止むことはない。

戦いの鍵となるのは「分霊箱」と呼ばれるアイテムであり、これは魂の断片を封じ込めることで完全な死を防ぐというもの。
ヴォルデモートは7つのアイテムを分霊箱として用い、うち3点までもがこれまでの戦いで破壊されている。

ハリー、ロン(ルパート・グリント )、ハーマイオニー(エマ・ワトソン)の三人は、ダンブルドア校長に託された形見から、残された分霊箱の在り処を推測し探索の旅を続ける。そのうちの1点であるロケットを、ようやく手に入れたものの自分たちの魔法では破壊出来ずに持ち歩く事になるが、身に着けたものは猜疑心に苛まれるという力を持つアイテムの影響でハリーとロンは仲たがいをして袂を分かってしまう。残されたハリーとハーマイオニーは、それでも苦しい探索の旅を続けて行く…


〈感想〉
もともと原作のシリーズも、「王道ではない現代的な魔法使いのファンタジー」としてスタートし読者を獲得して行ったために、映画版でも初期作品は意識的にその部分(魔法学校であったり、魔法使いの様々なグッズであったり)を丁寧に見せることで魅力を発揮しているように思えました。ところがここへ来て、そういう「暖かいものたち(能天気ともいう 笑)」は鳴りを潜め、最終決戦へ向けてのダークな雰囲気が全編を支配しています。

原作は未読ですが、あくまでも年少者向けのファンタジーだった初期設定から大きく逸脱してきている内容について、愛読者の皆さんはどんな風に捉えているんでしょうね?最終決戦もの、レジスタンスものが大好きな自分には、ようやく楽しめる内容になってきたんですが(笑)

とはいえ、ヴォルデモート一派との最終決戦のはずが、いつの間にか仲間が次々とスクリーンから姿を消し(死んじゃうわけではないとはいえ)主役三名の道行きがストーリーの大半を占めるというのは、スケール感としてはイマイチです。純血種裁判(?)のくだりやダイアゴン横丁の廃れっぷりからは、魔法界を覆う暗雲の一部が垣間見えたりはしますが、他の連中は何してんの?一緒に戦ってやれよ、と思っちゃいますよ、これが。その点で、「指輪」は上手かったよなぁ…人なりエルフなりの戦いが描かれてましたもんね。

また三人の旅の目的は、ヴォルデモートが己の魂を封じ込めた「分霊箱」を探すというもので、このアイテムが全て破壊されない限り肉体的な死を迎えても復活が出来るためとのこと。既に前作までにも幾つかは破壊しているので、残りは4つ。けっこう大事な命綱であるアイテムのはずが、意外とおざなりに管理されているのが、この作品らしいというか愛嬌というか。

ヴォルデモードにとって不死を確保するためのアイテムのなのに、かなり端役の人物がほいほい取り扱ったりもして、ちょっと間抜けな感じです。いやまぁ、なまなかな事では壊れないという自信があるからなのかもしれないんですけどね。でもさぁ、壊されたらマズイんでしょ?監視くらい付けておかないと枕を高くして眠れんのじゃーないかと。

あと、マグル(人間)出身のハーマイオニーに頼りすぎだよ、キミたち!純血種の男の子なんだから、しゃんとしなさい(笑)
もうちょっとロン君がしっかりしてくれないとなぁ…とか言いつつ、後半ではけっこうな活躍を見せたりするんですが、それでも影の薄い事といったら!
とかとか、お話づくりとしては取りこぼしと穴も多いながら、キャラ立ちだけはしっかりしているので、パート2へ向けての助走としては充分かな。

ま、なんにせよ不思議ちゃんキャラのルーナ(イヴァナ・リンチ)が可愛いので許す!(笑)
パート2ではガンバレ!

10/12/04

〈Live「プログレな一夜の夢Vol.6」 2010.12.4〉

沼袋のサンクチュアリさんへ伺い、表題のライブ。
去年は超絶的に忙しかったので参加できず血涙でしたが、今年はガッツリ対応。
ベテラン揃いで安定したライブでした。

Go To HongKong
・沈黙の扉
・螺鈿幻想
・うつむく女
・夜笑う
・人形地獄
・木霊
・奈落の舞踏会

あれ?小耳に挟んだ大阪での演奏と違うような…
10月のライブでも聴かれたオリジナル曲がなく、セルフカバーオンリーでした。男性ボーカルであれば、なるほど初期フロマージュという「手」があったかと納得。
座長はといえば、相変わらず色んな神様が降りて来てまして「とりあえず押さえたけど何の曲かわからんかった」とか、こっそりシールドを繋いだりとか、粉まみれとか…イロイロありました(笑)


Elastic Tone
五十嵐久勝さんの新バンドで、去年も出ていらしたらしいのですが、そのときは見られなかったので、今回が初見。
バリバリのロックサウンドというよりも、カバーを含めてプログレハードポップ(<なんやソレ 笑)なサウンド。
小林旭からボウイまで幅広く、好きな音楽を楽しむべく溌剌と歌い上げていらっしゃるのが印象的でした。

・熱き心に
・Vの悲劇
・?
・Whisper of my love
・BlueMoon
・Alabama Song
・Twilight Dream


Gerard
リーダーの世代的には、さほど変わらないはずが、ココだけファン層が異常に若い!これはリズム隊の二人のおかげでしょうか(笑)
そんな客層でも一切手抜きなくゴリゴリのプログレで押し切るところはさすが。あまつさえクリムゾンて!
あ、カバーアルバムが出てるから、それほど容赦ないわけでもないか…
永川さんも、いつまで経っても若いなぁ。

・太陽と旋律 パート2
・21世紀の精神異常者
・Justice and Faith
・Dawn After The War
・Ring of Eternity
・Killing our mother condemning our children
・Durty Hunters

10/12/02

〈モンハンP3 村クエ一段落〉

まとまった時間が取れないままチクチク進めて、本日ジンオウガをクリア。
そもそも属性が雷であることは間違いなかったので、防具は雷耐性のあるものを準備。動きも相当早いことが予想できていたので、動き易い太刀で。

基本的にガンナーとしては、ちゃんとボウガンでクリアしたいところですが、まぁ背に腹は変えられん、と(笑)

クリア後のムービーは、無印からのプレイヤーとしては感慨深いモノで必見です。


以下ココまでの感想。

村は初期装備のユクモを強化するだけで充分。武器も同様。
っていうかジンオウガ戦を前に確認してみたら、ユクモノハカマ(脚)は全く強化し忘れていて、防御力1だったことが判明…うはは。
まさに「当たらなければ(ry」を実践していたワケですな!(笑)

ボウガンも「コレ一本あれば村クエ制覇!」だったアルバレスト改が無いので(いやさ、ほんと村ラオまでOKなんですよ、アルバレスト改って)、どれで進めればいいか見当付きませんでしたが、まぁ初期はユクモノ重弩、素材が揃ってからはズッカカロッツァを基本的に使用しました。もちろん素材を集めながら、他のヘビィボウガンも少しづつ作りましたが。

今回、ガンナー的に困ったのが、ドスファンゴのホーミング追加。
華麗に避けたつもりが(笑)なんとホーミングしやがりまして。くそう。

いずれにせよ、武器と防具の数値設定がリセット&調整され、近接武器との差が少なくなっているように感じました。
あとは今回登場のモンスター達の嫌らしい動きを覚えれば、どれもボウガンでクリアできると思います。

んなワケで、そろそろアドホックデビューかな。

10/12/02

〈モンハンPSP3スタート〉

予約でボケーーーーーっとしていたらAmazonで打ち切りにあったので、ウェブ通販にお願いして無事確保。
メール便で今日届きました。

名前とキャラメイクはいつもどおり。

オープニングのアイルーさんが「判ってらっしゃる」仕様になっていて超トキメキ(笑)

空を飛んでいたのは、ジンオウガと対になるボスキャラ?


今のところ謎だらけですが、これから狩り三昧です。

模型は小休止ですな!
to be continue…
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