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1月3日
マドリッドオフ
ウベダからマドリッド
今日はマドリッドへの移動日で、待ちに待ったマドリッドオフの日です。
セレスは「パティオのドア捜し」にすっかり慣れ、スムーズに朝食のレストランに向かいます。また、私はビュッフェスタイルのメニューに慣れ、パンはクロワッサン、飲物はミルクティーとオレンジジュース、それに、ハム・マセドニア(フルーツポンチ)・ヨーグルトなど、好きな物をお願いできるようになりました。
朝食後部屋に戻り、セレスに今日も早めの食餌を与え、フロントに電話してすっかり準備のできた荷物を下まで運んでもらいます。
ボーイさんがスーツケースを転がして進む後ろから、セレスが私を誘導しながら、荷物を見失うまいと必死に後を追ってフロントまで行きます。
フロントにタクシーをお願いしました。ところが、何カ所電話してもどこも出ないようです。昨日バエサに行ってもらったタクシーの携帯電話にもかけてもらいましたが、やはり出ません。結局タイムリミットとなり、昨日バスのチケットを買っておいてくれたコンセルジェが、自家用車で送ってくれる事になりました。
車に乗り込むと、スピーカーから聞いた事のある優しい歌声が流れてきました。
「この人、アナ・トロハでしょう?」
「そうそう、アナ・トロハです。私は彼女がまだ子供の頃からずうっとファンなんですよ」ホテルの人はうれしそうです。
「私、この人のCDを1枚持っているんです」と言うと、
「じゃぁ、それはこれと同じ物でしょう。」との事。話が盛り上がりました。
バスターミナルに着くと、すぐバスに乗れるのかと思ったら、昨日のチケットは予約だけなので、座席を指定した券をもらわなければならないとのこと。
窓口で昨日の券を出すと、「彼女の席と盲導犬の席と、2席取っておきました」と、係の人がホテルの人に言いました。チケットを予約する時に、こちらの事情を説明しておいてくれたのでしょう。
ホテルの人は、バスに一緒に乗り込み、座席まで送ってくれました。
バスには、珍しく運転手さんが二人乗っています。一人はこのルートは始めてらしく、もう一人が、要所要所で危険な個所などいろいろ説明していました。 バスは細かく停車し、次第に混んできて、ついには満席になってしまいました。でも私の隣の席は誰も座らず、セレスは椅子のしたにゆったり横たわっています。昨日予約して盲導犬の事を話しておいてくれたホテルの人と、セレスの席を確保してくれた係の人に感謝しました。
2時間半程で、休憩地点の、ラ・マンチャの小さな町に到着。みなが降りた頃、先輩運転手さんが座席までやってきて、一緒に降り、バルへとエスコートしてくれます。私がミルクティーを注文すると、何も食べないのかと聞いていましたが、自分のオーダーしたパウンドケーキを一つくれました。
その後トイレに行くと、なんとそこのトイレは有料で、25ペセタコインが必要でした。私に持ち合わせがない事がわかると、運転手さんはバルに戻り、25ペセタコインをもらってきて(?)くれました。
有料のトイレはきっときれいに違いないと思って入ったら、なんと、便座がありません。私は当惑してしまったのでした。
トイレから出た後ドアを閉めると次に入る人も有料になるので、次の人にバトンタッチしてから出たいと思ったのですが、バスの出発時刻が迫っていたので、しかたなくドアを閉めました。
バスはそれから2時間ほどでマドリッドに到着。例の運転手さんは、うとうとしている私の肩にそっと手を置いてから、小さな声で「もうすぐマドリッドですよ」と教えてくれます。いきなり起こしてびっくりさせないように気を使ってくれている細やかな優しさが心に沁みました。
バスターミナルから、タクシーでグランビア近くのホテルへ。道が渋滞していて、都会に来たことを実感しました。
マドリッドの街
ホテルはグランビアからちょっと入った所です。これまでのホテルよりずっと小さいので、移動は楽そうです。 荷物を部屋において、まず昼食をとりに出ました。
フロントで食堂を訊ねると、女性のコンセルジェが道順を説明してくれていましたが、一緒に付いてきてくれました。
その食堂はホテルから2分ぐらいの、グランビアに出た所にありました。店は非常に広く、テーブルにはクロスなどもかかっていない、大衆食堂といった感じの所です。
私はシーフードスープと平目のソテーをオーダーしました。店内は非常に込んでいてにぎやかで、ちょっと落ちつけない雰囲気ですが、お腹の方は満たされました。でも、料金がかなり高く、都会の物価の高さを痛感しました。
それから、街を歩いてみる事にします。マドリッドは思ったより暖かく、コート無しでも大丈夫です。
革製品を扱っているお店やバル、ポップコーンの屋台などを通り過ぎるのが判ります。セレスは人混みの中、一生懸命私を誘導してくれます。
どこをどう歩いたのか見当がつきませんが、30分ほど歩いてから戻ろうと道を聞いたら、不思議な事にホテルの通りのすぐ近くにいたのでした。歩道が広くてよく判らなかったけれど、きっと直進しているつもりで、大きな通りの角を曲がり、一回りしてしまったのでしょう。
この日のマドリッドオフに、友達を一人誘っていました。
夕方、今度はその友達と一緒に街を散歩します。「ここはプラサ・マジョール」「ここはソル」「さつまいもふかして売っているよ」など、街の地理や様子を説明してもらいながら歩くと、これまで私には大きすぎてつかみ所のなかったマドリッドの街が、非常に身近に感じられました。
途中、プラサ・マジョールの近くで、夢を買う人たちの長い列の後ろに列び、私も、スペインにピソ(マンション)を買うことを夢みて、1枚3000ペセタのニーニョの宝くじを買いました。
人出は昼食後の散歩の時よりずっと増え、クリスマスイブに歩いたバルセロナの街のようです。私は、マドリッドは殆ど素通りだし、ちょっと立ち寄った時はいつも夏のバカンスシーズンで、人々は町を脱出していたため、こんな人の多いマドリッドは初めてです。人々はやはりレージェス・マーゴスのための買い物に出ているようです。みな、洋服を着たセレスに注目して通って行きます。この雑踏に、大都市マドリッドも人々の生活する町であることを実感し、私はマドリッドに大変親しみを感じたのでした。
それにしても、どこを歩いても人・人・人で、セレスにトイレをさせられそうな場所がありません。そこでちょっと足を伸ばして、スペイン広場まで行ってみました。さすがにこちらの方はぐっと人の数が減っていて、セレスに心置きなくトイレをさせる事ができたのでした。
マドリッド会食
8時半、ホテルから2・3分の所にあるマドリッドオフの待合せ場所のバルに到着。緊張で胸が高鳴ります。
「今晩は。セレスさんですね。」まずMさん登場。優しそうな方でちょっと緊張がほぐれます。続いてIさん。お二人と挨拶を交わすとだいぶ平常心に戻りました。
2台のタクシーに分乗し、私のリクエストで、ガリシア料理の店に向かいます。
そして、四人は個室の大きなテーブルに着き、セレスはいつものように、私の左脇におとなしくよこたわりました。
えびやかに、ベルセベと言う貝(?)、ガリシア風蛸やハムなど、素材を生かした料理とアルバリーニョの白ワインを堪能しながら、スペインでの生活の様子、旅の話題、インターネットの事、ニフティの会議室「イベリア部屋」の話題など話が広がり、和やかな時が流れます。
IさんもMさんも、書き込みの印象どおり、とても穏和で優しそうな方です。
そして、最後に出てきた 料理、アロス・デ・ボガバンテが絶品。大きなえびでだしを採ったお雑炊のような物なのですが、口の中にえびの香りが広がり、上品で贅沢な味に、正にほっぺたが落ちそうでした。
1年半前、パソコン通信を通して、同じようにスペインを愛する方々と出会い心が満たされ、スペインからの生の情報満載の書き込みに感動しました。でも、そのようにネット上で知り合った方々と、スペインのマドリッドでこうして会食できるなんて・・・。ワインの酔いも手伝って、私には、夢を見ているような一時でした。
会食は11時頃お開きとなり、友達と私は、タクシーをグランビアで降り、ちょっと喉を潤してからホテルへ帰りました。

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