1  アイメイトになるまで 


   

幼い頃

 
私は’89年12月25日のクリスマスの日、繁殖奉仕をしてくださっている方の所で、7匹の兄弟姉妹と一緒に生まれました。
 小さい頃はしっかり者で、ご飯をもらう時や体を拭いてもらう順番を静かに待っていたり、兄姉の世話を焼いたりしていたそうです。
 そして、2ヶ月「ママ」や兄弟と過ごした後、飼育奉仕をしてくださる家族の家にあずけられました。 この家にいた1年の間、食餌や排泄など若干のしつけをされた意外は、うんとかわいがってもらい、よく遊び、悪戯もいっぱいして、のびのびと過ごしたのでした。

**アイメイトに適した犬に育つためにはこの飼育奉仕者の家での生活が大変重要です。ここでは、暖かい家庭で、愛情を育くまれ、優しく情のある犬、主人に忠実な犬としての人格(犬格?)を培われるのです。また、ここでの1年間の生活を通して、家庭での生活に十分なれておく事も大切です**

そして1年後、私はアイメイトとしての訓練を受けるため、この家族とお別れして、アイメイト協会に引き取られました。 
 
  

アイメイト協会での訓練


’91年2月、沢山の仲間に囲まれて、いよいよアイメイト協会での基本的な訓練が始まりました。

**先ず左側通行、段差や道の角での停止、そして「ライト」 「レフト」 「ゴー」 「ストップ」 「ストレート(道路を横断する)」などの命令に従って使用者を安全に誘導する訓練です。よく、「盲導犬が道を全て覚えていて使用者を誘導する」と思っている方があるようですが、それは間違いです。盲導犬の仕事は使用者の命令に従い障害物をよけながら道を安全に誘導することで、使用者自身が道順をよく理解していることが必要です。 また、「スィット」 「ウェイト」 「ダウン(ふせ)」 「ステイ(待っていろ)」などの命令に従い、使用者が買い物や食事をしている間、その足下で静かに待っていることも大切な訓練の一つです。
 命令語は英語です。それは、日本語では男言葉と女言葉があり人によって言葉・言い方が変わってしまうし、「進め」のように命令調に統一しても、あまり聞こえがよくないためだそうです。
 そして、「ドア」 「ブリッジ(階段)」 「エスカレーター」 「エレベーター」 「キップ(キップ売り場)」 「改札」などを見つけること、「フェッチ」の命令で、使用者が落とした物を拾うことなどの訓練もあります。
 これらの訓練の中で何より難しいことは、道を横断する時使用者が安全と判断して「ストレート」と命令しても、車が近付いて来ることがわかったら、それに従わないという訓練で、これを「利口な不服従」といいます。この時は実際にもう一人の指導員が車を運転し、体験的に訓練が行われるのです。**
 

そして4ヶ月後、私はこれらの訓練を終了し、避妊手術も受け、いよいよアイメイトになる準備が整ったのでした。


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