こうして二人で歩く時、私はママとたくさんおしゃべりをします。
道が狭くなって危ない時、下りる階段の手前などでは、鼻先でママの膝に軽くふれて「気をつけてね」と知らせますし、道を間違えたのでは? と思う時も同じく「大丈夫?」と尋ねます。
尻尾でもお話をします。お天気が良く気分の良い時はゆったり振り、目的の物(階段やドアなど)が見つかった時は精一杯振り、特にママにほめてもらえた時はちぎれるほど振ってそれに応えるのです。
でも、もちろん歩行中も家の中でも吠えたり鳴いたりすることはありません。
** このようにどんな所でも一緒に出掛けるので衛生にはかなり気を配っています。**
ブラシは毎日します。ゴム製の2種類のブラシで、表面の堅い毛も、深部の柔らかい毛も、抜けやすい毛は皆落とします。そして、最後に乾いたタオルで皮膚や毛の油分を拭き取るのです。
シャンプーは月1度、専用のシャンプーで洗った後よく水気を拭き取ってからハンド・ドライヤーで毛をすっかり乾かしてもらいます。私はブラシやシャンプーが大好きなので、じっとおとなしくしています。
爪切りは3ヶ月に1回獣医さんでしてもらいます。それに耳掃除や歯磨きもママが時々してくれます。
また、お出掛けの時には洋服を着ます。毛を落としてジュータンなどを 汚さないように、飲食店などで周囲の人に不快感をあたえないように、そして私自身が汚れないようにとの配慮からだそうですが、私にとっては、洋服を着ればお出掛け、ということだから、嬉しくてたまらないのです。
**また盲導犬にとって健康であることは重要です。体調が悪く使用者と一緒に外出できなくては盲導犬としての役目を果たせないからです。**
私はアイメイト協会を卒業して間もない頃は何回か下痢ぎみで「お留守番」をしいられました。歩行中不意に下痢をして周囲の人に迷惑をかけてしまったこともあります。でも半年ほど経つと精神的にたくましくなったせいか、そのようなことはなくなりました。
また、大きな病気ではありませんが何回か獣医さんのお世話にもなりました。まず外耳炎。私の犬種は耳がたれているので中がむれ外耳炎になりやすいのです。それから真田虫も寄生したことがあります。
** そして盲導犬の健康管理は使用者の大切な義務でもあります。蚊を媒体として起こる「フィラリア」は命取りの病気なので、蚊がいる季節(春から秋)には薬を飲みます。また狂犬病(現在日本では絶滅)の予防接種は義務付けられていますし、その他の伝染病の予防接種もしておく必要があります。医療費は悩みの種ですが、東京では、都の獣医師会から盲導犬診療券という形で補助をいただいています。**