−日記帳(N0.1609)2006年05月13日−
NY松井選手の怪我に思う(1)
−日記帳(N0.1610)2006年05月14日−
NY松井選手の怪我に思う(2)


芝生にグラブをとられて手首が不自然に逆転している様子

米大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜外野手(31)は11日(日本時間12日)、当地のヤンキースタジアムで行われたレッドソックス戦で、試合開始7分後の1回表無死一塁、2番ロレッタ選手の放ったヒット性の浅い飛球を追ってグラブをはめた左手を伸ばしてボールを捕球しようと着地したその瞬間、左手首はひっくり返るように激しく折れ曲がり(上の写真)、左手をだらりとしたまま、こぼれたボールを右手で即座に拾って内野に返球しました。

そして松井選手はその後、立て膝をしたまま歯を食いしばって激痛を堪えていましたが、グラブが外れて露出した左腕は力なく垂れ下がっておりました。ジーター、デーモン、トーリ監督、トレーナーがすぐさま松井選手のもとに駆け寄りました。ようやく立ち上がった松井選手は、力の入らない患部をトレーナーに支えられ、無表情のままベンチへ歩き始め、ベンチに近づくと天を仰ぎながら観客からの拍手が響くなか、ロッカールームへと姿を消していきました。

トレーナー室で応急処置を受けた松井選手は、午後7時35分、ユニホーム姿のまま左手を装具で固定した状態ですぐに選手用入り口に待機していた救急車に、顔面蒼白、無表情のまま乗り込みました。病院には広報担当の広岡勲氏、カーロン通訳、球団チーフトレーナーらが同行しました。搬送されたニューヨーク市内の病院で松井選手は、チームドクターのハーソン医師、手首の専門医ローゼンワーサー医師の診察を受けた結果、骨折と判明しました。患部を固定する手術を12日午前中に行い、13日に退院の見通しとのことです。 骨折は1カ所で靱帯の損傷や外傷などはないものの患部はかなり腫れ上がっており、医師から手術への同意を求められると松井選手は一瞬間を置いた後に「はい」と短く答えたとのことです。

病院へ同行した広岡氏は「今まで、どんなケガでも『大丈夫、骨は折れていないと思う』と言っていたのに、今回は『痛い』の一言だけでした。普通の人ではこらえ切れない痛みなのだと思います」と説明しえおります。病室で松井と広岡氏、カーロン通訳の3人だけになり、広岡氏が「じゃあトランプでもやろうか」とジョークを飛ばしても、松井は「カードが持てない…」と力なく答えるのみだったそうです。

病院で骨折の瞬間について、松井選手は原因は雨ではない。グラブが土の中に入っちゃった」とポツリと漏らしたそうです。。医師の問診に「今までに味わったことのない痛み」と話したという。全治は術後に判明するが、トーリ監督は試合後の会見で「医師から『2〜3カ月かかる』と聞いた」と明言しており、長期離脱は避けられず、少なくとも前半戦中の復帰は絶望的となりました。テレビで松井選手とニューヨーク・ヤンキースを応援してきた私としては残念この上有りませんが、一刻も早く直して後半戦の優勝争いで活躍して欲しいものです。


トレーナー室で応急処置を受けて病院に向かう松井選手

松井選手はこれまでも、何回か怪我をしたことは有りましたが、その強靭な身体で克服し、大掛かりな手術をしたり、長期にわたって戦線を離脱するようなことは有りませんでした。今回の松井選手の衝撃的なプレーのシーンをテレビで見て、松井選手のサムライにも似たプロ魂を垣間見た思いがしました。

外野手が捨て身でボールを捕球しようとしてフェンスに激突したり、ベンチやカメラマン席に飛び込んだりすることはよくあることで、今回の松井選手のプレーもそうしたプレーのひとつですが、差し出したグラブが何時ものように芝生に平行して滑っていけば何も問題は起こらなかったのですが、たまたまこの日は倒れこんだ時の姿勢が悪くグラブが芝生に垂直に近い角度で突っ込んでしまったため手首を普通なら曲がらない角度まで曲げてしまったため骨折してしまったのでした。

松井選手も、そのような捕球姿勢が危険であることは充分承知していたのに、プロ選手の本能が一瞬それを忘れさせたのだと思います。そして、凄いなと思ったのは手首が折れた時の激痛で普通なら倒れこんだままになるところを起き上がって右手でボールを掴んで内野に返した行動でした。ボールに対するプロ選手の執念がそこに有りました。

そして、松井選手のプロ根性は手術後の談話でも記者たちに深い感銘を与えております。ニューヨーク地元紙『デイリー・ニュース』は、この談話で守備中のアクシデントにもかかわらず、ケガによる離脱を素直に謝罪した松井選手の真摯な姿勢を高く評価しております。また松井選手は「ケガをしたことで、チームメートに迷惑をかけて申し訳なく思う。連続試合出場を考慮して毎試合起用していただいたトーリ監督には心から感謝しています」という談話を残しており、このコメントに対して同紙は、「松井こそがアスリートのあるべき姿」と絶賛しております。



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