潰瘍性大腸炎のお話
                               



は じ め に
かつては希少疾患といわれた潰瘍性大腸炎(略してUC)。現在では、全国で50,000人以上に増加しています。しかし、まだまだ世間的には認知度が低く、無理をしなければ普通の生活もできるので、なかなか周囲の人に理解してもらえにくいです。再燃すると「また〜?!」「まだ治ってないの?」と言われて傷ついたり、周囲のに迷惑をかけて申し訳なく思う事が多々あります。
これを読んで、少しでも世の中にUCについて理解してくれる人が増えれば嬉しいです。

症     状
特徴は、下痢血便です。特に、粘液と血液が混じった粘液便が排出されるのは、UC特有の症状です。トイレに通う回数は、1日に4〜5回、ひどい時は10〜20回の場合もあります。30分毎にトイレに駆け込み、遂にはトイレから出られなくなる事も珍しくありません。

当然、腹痛もひどく、体重減少食欲不振貧血を起こします。高熱が出る人もいます。
症状が治まっても、現代の医学では、まだ原因が解明されておらず、予防や画期的な特効薬がないため、再燃を繰り返します。

しかし、ほとんどの人は初期症状が出ても気にとめず、かなり進行してから病院に駆け込むことが多いようです(私もそうでした)。治ったと思っても再燃する可能性は高く、放っておくと、急性憎悪し中毒性巨大結腸症や、腸管穿孔を起こし出血が著しく止まらなくなるなど、生命に危険があるので緊急手術をする場合もあります。

原    因
残念ながら、現時点ではまだ解明されていません。今まで唱えられてきた学説によると、ウィルス細菌アレルギー遺伝酵素免疫異常ストレスなどが原因だといわれてきましたが、どれも決定的な根拠がなく、またどれもはっきりと関係がないとは言いきれないのです。
原因がわかれば予防ができ治療法も見つかるのですが、解明されるのには、まだまだ時間がかかるようです。
気をつけなければいけない事
UCにとって一番の大敵は風邪です。風邪は体力を奪い、炎症を悪化させます。私は元々ノドが弱く、すぐに扁桃腺が腫れてしまうのですが、UCになってからは一段と腫れて、ひどい時は39度以上の高熱を出すようになりました。でも、風邪薬や抗生物質は血流を良くする作用があるので飲まない方がいいとの事。それによって出血を促してしまうそうです。(ただし調子が良い時は、市販の風邪薬でも1週間ぐらいは飲んでも可)UCで抵抗力&体力が落ちているので、1度風邪をひくと長びいてしまい、さらに体力が落ちてしまいます。風邪をひかないためにも、年中うがいをするように心がけます。

季節の変わり目は要注意です。特に、三寒四温の激しい冬から春にかけては、調子を崩す事が多いです。夏から秋にかけてもそうです。夏の疲れが初秋に出やすいので気を付けます。 その他に、睡眠不足冷え等にも気をつけなけないけません。夏場は暑さで体力が低下しているので、注意が必要です。睡眠を十分取り、クーラーでお腹が冷えないようにし、また脱水症状にならないように十分水分補給をします。

ストレスも、なるべくためないようにします。私も過去に再燃したきっかけは、激しくストレスを感じていた時期でした。人間関係で悩んでいた時、将来に不安を感じていた時、恋愛で感情が大きく動いていた時、フラれた時(:_;)・・・。
私はUCになって感情をコントロールする術がすっかり身についてしまいました。でも、あまり押さえ続けていると余計にストレスになってしまうので、バランスが本当に難しいです。日頃からリラックスを心がけ、規則正しい生活をし、自分なりのストレス解消法を見つける事が必要です。

ガン化の可能性
UC暦が10年以上になると、大腸ガンになる確率が高くなるそうです。UCと大腸ガンは症状が似ているので、血便が出てもUCの再燃と思われ、発見が遅れる事が多いのです。また、ガンの種類も、通常より進行速度が速く、しかも筋層に向かって潰瘍を形成しながら成長するガンが多いので、発見が遅れる事が多いのです。ガンになりやすく、発見が遅れる可能性は高いので、レベルの高い検査を定期的に受ける事が必要です。
検     査
血液検査や、検便などの簡単な検査だけでも、大体の事はわかるのですが、やはり検査を受けて、大腸の中を直接調べてみなければなりません。

炎症の状態を診断するためには、注腸X線検査をします。 胃の検査は当日の朝食を抜くだけでいいのですが、腸の場合は前日から準備をしなければなりません。前処置として、前日は低残渣検査食を食べ、下剤を飲んで腸管の中を空っぽにします。そして、肛門から造影剤(バリウム)を注入して、病変を見つけます。検査時間は、10〜20分程度です。

注腸では、病変の場所がわかりますが、どのような症状が起きているのかを見るためには、横のモニターで実際に腸管の中を見ながら、下からカメラを挿入する大腸内視鏡検査があります。こちらも前処置が必要ですが、注腸と少し違います。前日の夜、下剤を飲み、さらに当日、検査の3〜4時間前に2,000ccの下剤(ニフレック)を、最初の30分で一気に半分を飲み、残りは15分毎に150ccずつ飲みます。味のイメージとしては、「限りなく無味無臭に近い、腐ったスポーツドリンク」という感じです(金魚鉢、池やプールの水という人もいます)。私はこの検査を受けるようになって、ポカリやアクエリアスは飲めなくなりました。(ーー;) 病院によっては、メロン(?)などのフレーバーニフレックがあるようです。

このニフレックを2,000ccを飲みむは本当にきついです。しかも途中からは下剤が利いてくるので、トイレに駆け込みながら飲み続けないといけないのです。なんとか飲み終えて、体内のニフレックを全部出し切るとフラフラになります。でも、これで終わったわけではありません。個人差がありますが、私は実際にカメラを腸に入れる時にかなりの苦痛を感じます。複雑に曲折している腸の中をカメラが進む時、腸管が不自然に捻れるので、痛みで息ができなくなる程です。そのうちにエイリアンのようにお腹を破ってカメラが飛び出すのではないかと不安になります。検査の時間は、どこまでカメラを進めていくのかにもよりますが、私は20〜40分ぐらいでした。でも検査を受けている間は、3時間ぐらいに感じてしまいます。

医 療 保 障 制 度
UC患者に認定されると、医療保障制度のひとつである特定疾患医療給付制度の下で保障を受けることができます。原因がわからず長期に渡る疾患なので、難病に指定されているのです。
住民登録をしている保険所でUCである事を告げ、特定疾患医療受給者票交付申請用紙をもらい、医師の診断書と、必要事項を記入して提出すると、特定疾患患者として認定され治療費が減額されます。
通院治療の場合、1回の通院で1,000円、1ヶ月で最高2,000円までの支払いで済みます。入院治療の場合は、食事代、健康保険内の治療代すべての合計が1ヶ月14,000円を超える金額は払う必要がありません。この手続きをして登録すれば、医療費の多くが免除されるのです。