と金メンテ講座 


chapter2 brake bleeder test

フランスへ旅行中に、スーパーマーケットでひとりで出来るブレーキブレーキエア抜き器というのを買ってきました。

ブレーキの原理は、運転席のペダルの先にピストン(マスターシリンダー)が付いており、そのピストンによって押し出されたブレーキオイル(ブレーキフルード)が各ホイールのブレーキキャリパーなどに伝わり、ブレーキ部分のピストンが押し出されるようになっています。ディスクブレーキでもドラムブレーキでもピストン&シリンダーは設けられています。ドライバーがブレーキを踏むとブレーキの摩擦材、つまりパッドやシューが油圧によってディスクやドラムに押しつけられるわけです。つまりブレーキは、簡単に言って、長〜い水鉄砲のような構造なのです(ブレーキ液がブレーキを踏むたびに外に飛び出すことはありませんが・・・)。

ブレーキ本体やパイプやホースは密閉されていて、正常ならば空気が混入することはありません。ところが、ブレーキを踏むとパッドなどの摩擦熱によって、ブレーキ液の一部が沸騰し、気化してパイプやホース内に空気が混在してしまうことがあります。理科の時間に学習したように、液体は圧力が加わっても体積は変化しませんが、気体は変化します。それで、ブレーキへ空気が混入すると、ペダルを踏んで圧力を加えても、パイプやホース内の空気が圧縮されて、その分油圧の伝達にロスが生じ、十分にブレーキ効果を得られなくなってしまい、とても危険なのです。

そこで、定期的にブレーキのエア抜きというのを行います。方法はブレーキ本体に付いているエア抜き用のニップルを緩め、ブレーキを踏んでブレーキ液といっしょにエアも外へ押し出してしまうのですが、そのときブレーキペダルを戻すと、水鉄砲と同様にブレーキ液が逆流し、ニップルから新たに大量のエアを吸い込んでしまいます。ですから、ブレーキのエア抜きをする場合は、ブレーキを踏んで押し出す係り、ペダルを戻す前にニップルを締めて逆流を防止する係りの2人が必要になってしまいます。

それを、ホースの先に逆流防止弁を付けて、ブレーキのニップルからのエア混入を防いで一人でもブレーキエア抜きができる工具というのが、販売されています。これまで、日本で見つけたのは数種類ありましたが、今回購入したものは、構造も簡単で価格的には日本で販売されているものの約1/3〜1/10で売られていました。はたして十分に効果がるのか、テストしてみたわけです。

ブルスターパッケージに入ってカー用品コーナーにありました。裏には簡単な説明が書かれています。構造も簡単ですが、説明書も実に簡単にできそうなイメージです。

エア抜きホースの先端には逆流防止ようの弁が付いています。構造はベアリングボールが2個入っているもので、外側のポリウレタン材の弾性を利用して、通常は密封されています。浮輪などの空気入れ口と同じような仕組みなわけです。

説明書のように、ブレーキキャリパーのニップルに取り付けてみました。ホース長は受けにドリンク缶などを利用するのに、ちょうどいい長さです。

ニップル端にはゴムホースが付き、そこからのエアの吸い込みを防止する、パチンと差し込むホース押さえのカラーが付けられています。このセットの前にニップルを緩めておくのが良さそうです。ニップルは1/3回転ほど緩めれば十分、それ以上ではニップルネジ部からのエア混入が増大してしまうでしょう。

セット後、ブレーキを数回踏むと、ちゃんとエア抜きホースに、このように気泡が排出されてきました。先端からのブレーキ液の排出はかなりな勢いがあって、1回ごとの排出量はかなりのものです。マスターシリンダー側のタンクの補充も忙しいものでした。

エア抜き効果はかなりのものが期待できますが、万一ホース内にあるエアの逆流も不安なようならば、このようにニップルよりも高い位置にホースをセットする方法もあり得ます。ちなみに、大量にブレーキ液を消費してもいいのであれば、単にホースだけをキャリパーよりも上になるようにセットし、今回のような器具を使わずともブレーキペダルを踏んで排出させてエア抜きすることもできます。

さて。テストしてみた結果ですが・・・テストは、ブレーキキャリパーのピストンシールが痛んでいて徐々にエアが混入してしまった車を使いました。使用前はブレーキペダルの反応がスカスカで、まったくブレーキが効かない状態です。この器具の使用後は、ブレーキの踏みしろもでき、それなりに不安なくブレーキが効き走行できるようになっています。同じ様な器具を自作できないか? と考えてしまいますが、それにはブレーキサーボの負圧を得るためにキャブやエアインテークから来ているバキュームホースの中間に、やはりベアリングボールを利用したブリーザーバルブが使われていますから、それを解体車やパーツで入手し、耐油ホースと組み合わせるという方法もあります。たいていのブリーザーバルブのニップル端はブレーキのニップル端と同じ様なサイズですから、ホースは継ぎ足しせずに1本でいけるでしょう。


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