カエデと盆栽

 三角晃「入門雑木盆栽」(文研出版)によると、盆栽とは自然の木を鉢に植え、栽培し、観賞するものとあります。盆栽の盆とは浅い器を指し、栽とは栽培を意味し、次の条件が備わることが必要とされています。

自然の風景の美しさ、枝・葉の美しさ、そのものにあった時代感の3つ

 雑木盆栽とは、主に落葉樹の盆栽のことをいい、四季の変化を楽しませるものです。盆栽の対象にされる樹木には、ケヤキ、カエデ(トウカエデ)、モミジ(山モミジ)、ブナ、ニレ、イチョウ、ソロ(アカシデ)、クワ、ハゼ、ツタなどが挙げられます。このように、盆栽界ではカエデとモミジを使い分けています。苗木の育て方として、実生、挿し木、とり木、継ぎ木、山どりなどあります。基本樹形としては、直幹、斜幹、双幹、半懸崖、株立ち、根連なり、双樹、寄せ植え、模様木、懸崖などがあります。仕立てのわざとしては、三つ編み、つかみ植え、石付き盆栽、整枝と剪定、芽つみ、葉刈り、針金がけなどのテクニックが挙げられます。以上の内容は「三角晃「入門雑木盆栽」」から引用しました。

 浜松市の北部に浜北区があります。浜北区は植木の産地で有名です。緑化木センターは多くの植木家さんが共同で出店している植木市です。庭の園芸品種もここで購入しました。盆栽の商品を撮影させていただきました。


写真上の左2つは太幹直幹のトウカエデ、右はヤマモミジの石つき盆栽の形態
写真下左はヤマモミジの半懸崖、右はトウカエデの太幹直幹


左上:ヤマモミジの斜幹、右上:トウカエデの寄せ植え
左下:トウカエデの直幹、下中央:ヤマモミジの双幹、下右:チシオの直幹


右上:コハウチワカエデ、中右:トウカエデ、下左:ハウチワカエデ、下右:ハナノキ
京都府立植物園にて、2005年5月1日

中尾佐助「花と木の文化史」(岩波新書)には、盆栽の変遷と発達についての記述があります。

「盆栽は、ハラキリ、カミカゼとともに国際的な日本語となっているが、盆栽の源は中国にある。唐代に盆景としてあらわれ、それ以来中国に現在まで伝えられている。盆景は鉢の中に植物を植えるが、石をそえることが多く、奇石だけを鉢に立てたものもある。これらは盆石とよばれる。中国盆栽は現在まで盆景、盆石が大きい部分を占めてきた。現在、中国では、何本もの枝をくねくねと曲げる「鮹造り」型の盆栽がかなり多くみられる。日本では中国の影響で、鎌倉時代の絵巻物に盆景、盆石がみられ、また、「鉢の木」型の盆栽も登場してくる。現在、日本の盆栽はほとんど全部が「自然美盆栽」という型になっているが、これが完成し普及したのは明治になってからである。」

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