ポーセレン真空焼成炉

 ポーセレン ファーネスの温度と真空度を自動的に制御する装置です。
 金属焼付ポーセレンは戦後、主にDr保母によって米国から日本に導入され、現在では広く行き渡っています。しかし、当時はこれを焼成する真空焼成炉は数が少なく、高価で入手困難でした。
 そこで、自作することを思い付き、制作したのが今回の装置です。真空焼成炉と制御器より成り立っています。
 先ず制御器について説明します。狭い技工室で使えるように、できるだけコンパクトにまとめてみました。

1.本体の大きさ
   幅 27cm、 高さ 18cm、 奥行 16cm
   アンプ用のケースを利用して穴をあけ、部品を取付け製作しました。
2.自動温度調節計
   左上の四角形の大きなメーター。目盛は400゚C〜1100゚Cとなっているので400゚C以下は測定できない。
   希望温度の設定は、中央のツマミを回して赤い針を目盛の温度に合わせます。
   設定温度に到達すると、タイマーのスィッチが入り、電気炉の電流をオン、オフしてその温度に係留します。
   設定時間がくると、ブザーが鳴り焼成が完了したことを知らせます。
3.タイマー
   上段中央にある。12分計を使用しました。
   希望温度を係留する時間に設定します。
   右下にタイマーのスィッチがあり、投入すると準備ができます。ブザーの音を止めるときにはこのスィッチを切ります。
4.真空排気弁
   中央上部に付いている黒い小さなナイロン製のバルブです。
   焼成が終って真空を解除するときに、バルブのハンドルを回して開けます。
5.真空計
   右上の丸いメーター。炉内の真空度を表示する。
   右下には真空ポンプの押しボタンスィッチがあり、押すとポンプが作動します。
6.真空度切り替えスィッチ
   右上側面に付いているロータリースィッチです。
   真空焼成、艶焼きなど目的に応じて、大気圧、600mmHg、720mmHgに切り替えます。
   圧力スィッチを内臓しているので、切り替えたそれぞれの圧力に自動的に係留することができます。
7.電源スィッチ
   左下の押しボタンにより、オン、オフする。
8.電圧計
   下段、中央左の四角いメーター。電気炉にかかる電圧を表示します。
9.電力調節ダイヤル
   下段、中央右の丸いダイヤル。目盛は1〜10まであり、電気炉の電力を調節します。
   電圧計と電流計の針を見ながらダイヤルを回して、設定します。
10.電流計
   下段、右下の丸いメーター。電気炉に流れる電流を示します。

内部構造

1.容器
  アンプ用のケース(LEAD)を利用、部品に合わせて穴をあけて取り付けた。
2.炉内温度の制御
 A.フォトトランジスタ式自動温度調節計(電子計器製作所)により温度を制御します。
    上面図の右上黒い円筒のものがそれです。
   無接点メーターリレー方式なので動作が確実で、オールトランジスター化され小型である。
   炉内に設置した熱電対からの出力をメーターに入力し、針を駆動します。
    調節計で設定した温度に達すると、自動的にヒーターの電源をオン、オフして一定の温度を保ちます。
 B.継電器 (下面図の左端黒いもの)
    実際の炉内ヒーターの電流のオン、オフは大電流に耐え得るパワーリレーを使用します。
   自動温度調節計からのオン、オフの信号によりパワーリレーの接点を駆動し、ヒーターの電流を切ったり、入れたりします。
 C.ヒーターの電力のコントロール
    シリコンを応用したVARITAP VP10A(Tokyo-Rikosha)により電力をコントロールします。
    100Vで10A までOKです。
    下面図の中央の黒のトライアックがそれです。円筒状で、周囲に冷却用のヒレが付いています。
   中心軸にシャフトが出ており、ツマミで回すと電力がコントロールされます。
 D.警報音の発生
    設定温度に達すると、自動温度調節計から信号が出てタイマー(上面図の上中央)を駆動します。
   タイマーで設定した時間が経過すると、タイマーにスイッチが入り、ブザー(後面図中央右寄りの白い塊)を鳴らします。
3.炉内真空度の制御
   電気炉の容器から真空ホースで後面図の下左端の銅管に接続します。
 A.配管
    1/4吋(6.35mm)の銅管を使い、アンプ・フィット管継手(日本エー・エム・ピーK.K.)により接続した。
   (コンピュータケーブル接続金具で有名)
   即ち、エルボー、ティ、バルブ、コネクター、アダプターなどを銅管に接続し、専用の圧着鉗子で圧着します。
   それにより空気が洩れることはありません。
    下面図の右端の黒い部分がナイロンの接合部、茶色の部分がが銅管です。
    上面図の中央部から上方の真空排気弁に配管が延びています。
    圧着鉗子は組み立てるまでレンタルで借りてきました。
 B.真空度の切り替え
    真空度は、600mmHg用と720mmHg用の真空スィッチ(SANWA DENKI)により真空ポンプの電源をオン、オフします。
    上面図下段と後面図左右の灰色の円筒状のものが真空スィッチです。


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