最終更新日:09/08/21
男声合唱組曲「尾崎喜八の詩から」
目 次
年月日 |
演 奏 会 |
会 場 |
出場人数 |
演 奏 曲 目 |
| 2008.10.10 | 田舎のモーツァルト音楽祭 | 穂高東中学校 | 18 |
第二全曲; 天上沢、夏雲、安曇野。 |
| 2007.8.25 | 尾崎喜八碑前の集い | 富士見町コミュニティ・プラザ | 26 |
全三部作 |
| 2007.8.18 | 特別リサイタル2007 | 森ノ宮APIO小ホール | 全三部作 | |
| 2007.6.10 | 大阪府合唱祭 | 高槻現代劇場大ホール | 13 |
「天上沢」「野辺山ノ原」 |
| 2007.5.27 | 第27回ANCORの会 | 大阪国際交流センター | 17 |
抜粋 |
| 2006.6.24 | 大阪府合唱祭 | 貝塚市民文化会館 | 第一よりT,U,Y | |
| 2006.5.28 | 第26回ANCORの会 | 大阪国際交流センター | 18 | 第一(自家版CD「喜八ベスト」採録 ) |
| 2004.11.28 | 京大グリーOB合唱団ファミリーコンサート【賛助出演】 | フェニックスホール | 第三 | |
| 2003.8.3 | アンサンブル葉音コンサート【賛助出演】 | 西宮プレラホール | 16 | 第三(自家版CD「喜八ベスト」採録) |
| 2003.6.22 | 大阪府合唱祭 | 貝塚市民文化会館 | 12 | 第三より |
| 2003.5.18 | 五つのOB男声合唱の集い(第23回ANCORの会) | 大阪国際交流センター | 17 | 第三 |
| 2002.5.19 | 五つのOB男声合唱の集い(第22回ANCORの会) | 大阪国際交流センター | 15 | 第二 |
| 2002.2.23 | 関西OB会25周年リサイタル | 神戸市産業振興センター | 17 | 第二(自家版CD「喜八ベスト」採録) |
| 2001.10.4 | バッカス・フェスタ | 伊丹ホール | 12 | 第二より「雪消の頃」、「田舎のモーツアルト」 |
| 1998.1.31 | 20周年記念コンサート | 音楽の友ホール | 第一 |
| 演奏:コールアカデミー関西OB会 指揮:松井義知 音源:
編集:北川 |
| 男声合唱組曲 「尾崎喜八の詩から」 (第一) | |
|
| 男声合唱組曲 「尾崎喜八の詩から・第二」 | |
| T. 雪消の頃 U. 郷愁 V. 盛夏の午後 W. 田舎のモーツァルト X. 夕暮の歌 Y. 野辺山ノ原 |
| 男声合唱組曲 「尾崎喜八の詩から・第三」 |
| 1.安曇野 2.和田峠 3.夏 雲 4.馬籠峠 5.夜をこめて |
| 男声合唱組曲 「尾崎喜八の詩から・第三」 | |
■ 安曇野 ■ 和田峠 (押韻十四行詩) ■ 夏 雲 ■馬籠峠 (押韻十四行詩) ■夜をこめて |
| 私のような者にでも校歌の歌詞を頼んで来る学校が時どきあるが、富士見にいる間にもよく頼まれた。そういう時私は書く前に必ず一度はその学校まで行って、そこの校庭のまんなかに立って周囲の景色だの校舎その物だのを見ないと気が済まない。だから北海道江別の女子高等学校の場合だけは別としても、その他はどんな山間僻地へもすすんで出かけた。もちろん長野県下が一番多いが。 これも南安曇郡豊科の女子高校へ下見に行った時の事を書いたもので、山も川も聚落も耕地も、その風景はこの妙齢の女子生徒にふさわしく暮春の情緒に満ち満ちてた。駅まで見送りに来た娘たちは皆人なつこく、そう言ってはおかしいが、出来るだけ私に寄り添って歩いた。そして私の乗るべき松本行きの電車がなるべく遅く来るように願っている様子さえ見えた。 あの校歌はまだ歌われているだろうか。しかし今書いたような事をあの時の娘達はもうみんなきれいに忘れてしまったかも知れない。それでいいのだ。それがこの世の常だ。そして私を運び去るべき車もやがて来るだろう…… 豊科高等学校 二 桜ばな霞む里わに 三 いにしえは遠くたづねつ 【現アカデミカコール所属Aさんの提供による。多謝!】 |
(参 考) 平成15年4月16日 多田武彦作曲合唱組曲「尾崎喜八の詩から・第三」 1.安曇野 季節:春それも暮春(晩春)、山地であるため我々の住む太平洋側の平地では初夏(五月頃)か 碌山記念館:荻原守衛(碌山)は日本近代彫刻の雄で、30歳の若さで亡くなった。20歳余で渡米、更にフランスに渡り絵画・彫刻を勉強、その間高村光太郎(詩人、彫刻家)と交流を持ち、ロダンとも会い作品を激賞されている。 また詩人尾崎喜八にとって高村光太郎は尊敬していた先輩であったから、何故「碌山記念館」が詩に読み込まれているのか 高村光太郎がキーワードになる。 「自註 安曇野」によると詩人が富士見高原隠棲時代に豊科女子高等学校(現在の豊科高校)の校歌の作詩を依頼され、詩作前に習慣としていた学校周囲の視察(観察かな?)の帰途の状況(南豊科駅頭での)を歌ったもの。自然詩人と称されるように周辺の風景を色彩豊かに歌いあげ、見送ってくれた純真無垢な女学生との心温まる交流(交歓)が感じられる。同時に乗車予定の電車(一時的な別れ)と人生の最終列車(永遠の別れ)をダブらせながら待つ詩人の姿は哀愁を漂わせる結びではないだろうか。 2.和田峠 季節:晩春(安曇野の暮春よりはもっと遅い時季) 穂高町より南東に30キロ程下がった所にあり、山梨県境に近く、八ヶ岳からも30キロ程度。詩人が7年程住んだ富士見高原から最も近い。(標高1531m) この和田峠は旧石器人、縄文人が使っていた鏃(ヤジリ)の原料である黒曜石の原産地、それも質が高く日本の中心地であった様だ。 旧制中学校(京華商業)5年間 英語、作文、理科は特に優秀な成績であったといわれる詩人は後日気象観測なども行い所謂博物学(動植物、鉱物、気象、天文などを網羅)に造詣が深かった。 4曲目の「馬籠峠」と共に押韻14行詩として作られている。欧米の詩歌を深く研究しそれを実践もしていた。そういう一作品であると同時に、リズムを重視したからであろうか 完成度の高い口語自由詩を歌った詩人には珍しく五七調である。和田峠から一望した景観を一曲目の「安曇野」より更に色彩豊かに歌い、「あおじ」の鳴き声、黒曜石の「かけら」の発する音(からから)を歌い込んだ。そして峠 を越えて行く幼い兄妹を眺めながら詩人は自身の想い出に耽っている。 3.夏雲 季節:夏、雷雲(積乱雲、入道雲)の湧く7月晩夏 雷雨(夕立)が通り過ぎ、雲が割れて碧瑠璃色(透き通った紫を帯びた紺色)の大空が現れると同時に灼熱の太陽から熱線が注がれ、雷雲は遠ざかって霞沢のかなたで稲妻を光らせ雷鳴を轟かせている。実に気宇壮大な景観である。これを詩人は色鮮やかに歌い上げる。大自然の前では人間が如何にちっぽけなものなのかを痛感させられる。 4.馬籠峠 季節:晩秋 島崎藤村は本名を島崎春樹と言い木曽馬籠宿の問屋、庄屋、本陣の三業を兼ねた旧家の出で、日本近代詩の大先達である。 馬籠峠は岐阜県境に近く、穂高町から南南西に90キロほど下った所にあり、南木曽町と山口村の境をなす。(標高790m) 3曲目の「和田峠」と同じく押韻14行詩で五七調。木曽路から馬籠峠へ到る峠路の風景と峠からの360度眺望を歌い上げる。詩人として大先輩の藤村の里を結句として心地よく歌い上げている。 5.夜をこめて 季節:冬(春近い晩冬) 詩人は文学志望と恋愛の二つから父と激しい衝突をして24歳の時(大正4年)に家を出た(尾崎家を廃嫡された)が、大正12年9月1日の関東大震災の時に実家へ駆けつけ両親を助けたことで父と和解成立。 この詩は大正14年の作とされている。即ち和解成立後の作である。単純には、日雀の番が厳しい冬を乗り越えて春を告げる黎明の真紅の太陽を浴び、囀りながら嬉々として飛び立っていく情景を歌い上げた詩である。しかし尾崎家を廃嫡された詩人が愛人の死という悲しみを乗り越え、高村光太郎の紹介で水野実子(みつこ)と結婚し新進気鋭の詩人としてスタートはしたが、先行きは不安で一杯、即ち真っ暗闇、この苦しい時期を乗り切ろうとして夫婦二人が肩を寄せ合って生きていた。それが関東大震災により父と和解が成立し、真っ暗闇は一瞬にして明るく晴れわたった。この詩人自身の心境を日雀の番に托して歌った詩と理解したい。 作曲者多田武彦は数多ある尾崎喜八の詩歌の中から上記5作品を選定し、アレンジすると共に歌の順序を決め作品の内容に合った味付け(作曲)に腕を揮う。 我々演奏者は詩歌の内容と作曲者の意図する所を斟酌して演奏する。そして最終評価を下すのは聴衆の皆さんの役割である。 以上(末 木) (注)尾崎喜八氏のキーワードは詩人、登山家、博物学に造詣が深い、生前発売されていたクラシック・レコードは全部所有し、傾聴していたほど西洋音楽に造詣が深い、語学の天才(英独仏語をマスター、特に独語は独修)など。 |
【現アカデミカコール所属Aさんの提供による。多謝!】 |
| http://kihachi.tripod.co.jp/ 尾崎喜八文学館 http://www.alles.or.jp/~fujimi/kougen.html |
| http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/1957/index2.html (未認可版)多田武彦合唱作品データベース 信州山岳ガイド:http://www.shinmai.co.jp/kanko/yama/index.html
参考: http://www5.plala.or.jp/azumino-symphony/index.html |
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