2003年08月27日 【CD新譜】ヴォロドスのチャイコ

○Volodos(SONY,SICC135国内盤)2002年ライブ、2003年
収録曲:
チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番(小沢征爾指揮ベルリンフィル)
ラフマニノフ/前奏曲op.23-10,32-5
同/楽興の時op.16-2
同/ひな菊op.38-3
同/東洋のスケッチ
同/メロディop.3-3
ラフマニノフ=ヴォロドス/イタリアンポルカによるコンサート・パラフレーズ

 今月は、欲しいCDが、この一枚しかない。良い事だ、無駄ガネは使わないに限る。しかも実は今月、合唱の方で大物を仕入れてしまったので(まだサイトに書いてないが)、CDを買う金も無い。ということで一枚だけ買ったCDなのだが、輸入盤を待てばかなり安く買えるだろうに、大幅先行発売だという国内盤に手を出してしまった。まあ、ヴォロドスの新譜なら、買わざるを得ない。
 ある雑誌評で、ヴォロドスをシーラカンスと形容しているのを見た。黄金時代のピアニストたちと同じ流儀を追っているということを、そのように表現したのだろう。

 さて、今回のチャイコ1番、かなり期待をしていたのだが、冒頭、オケの前奏の4つの「ミドシラー」だけで、がっかりしてしまった。何てシマリのない音楽なんだ。そしてピアノが入ってくるのだが、実演に近い聞こえ方をしている。つまり、ピアノの音がオケに比べて弱いのだ。ヴォロドスのことだ、相当に強烈な打鍵でやっているだろうに、そういう感じが全くない。というわけで、何だか可もなく不可もない演奏、という印象を持ってしまった。いや、それはさすがヴォロドス、随所に、凡百のピアニストには真似できない技を披露してくれているのだが、どうもイマイチ・・・。そう感じてしまう理由は、やはりヴォロドスという人、ホロヴィッツの残像とダブってしまうくせに、ホロヴィッツほどの悪魔的な表現をしないからではないだろうか。これならホロヴィッツを聴いていればいいわけで、何も無理にヴォロドスに手を出すこともないかと。しかし、このライブ録音、演奏後の聴衆の拍手は熱烈だ。実力を伴わないピアニストが妙に絶賛を浴びるよりは、ヴォロドスがベルリンの聴衆にウケるという事実は、とても嬉しく思う。しかし、どうも僕は醒めたまま・・・。
 カップリングのスタジオ録音のラフマニノフの方は、ずっと印象が良い。特に「東洋のスケッチ」は楽しめた。ヴォロドス編曲の「イタリアンポルカ」が、当盤では一番の聴き物だろう。これも編曲趣味が、ホロヴィッツ寄りに過ぎて気持ち悪い気がしないでもないが。

 まあそれにしても、先日のラン・ラン、今回のヴォロドス、チャイコの1番のCDを2枚連続で買って、僕は2枚ともハズレ気分を味わってしまった。これはもう、この曲のCDは決して買うなという神のお告げであろう。



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