2007年02月14日 【CD新譜】ブラウニング初出音源他
○Browning(MSR CLASSICS,MS1121)50,58,64年
Chopin/練習曲op.25-12
Chopin/夜想曲op.27-2
Debussy/版画よりグラナダの夕べ
Debussy/花火
Barber/ピアノソナタ
Rachmaninoff/音の絵op.33-2,3,39-5
Rachmaninoff/前奏曲op.32-5
Falla/アンダルーサ
Albeniz/イベリアより エル・プエルト
R-Korsakov-Rachmaninoff/熊蜂の飛行
Hendriks/Etude in B-falt minor
アメリカの名ピアニスト、ジョン・ブラウニングの、いくつかのリサイタルのライヴを集めてのアルバムだが、初出音源だという。これはなかなか良いアルバムで、どの曲をとっても、音楽に生気がある。バーバーのピアノソナタ、また良い音源が増えたと喜びたい。
なお、最後に入っているFrancis Hendriksという作曲家の練習曲だが、当盤では、このトラックが一番面白い。どういう作曲家なのか全くしらないが、名ピアニストたるもの。こういう、アンコールで聴衆が喜びそうな、派手であまり知られてない曲を、ちゃんとレパに入れていたんだなと感心する。
というわけで、先日紹介したペナリオ4枚組といい、今回のブラウニングといい、良い盤が続くとレーベルそのものに興味が湧く。きっと、他にも良い仕事をしているのだろうと勝手に推測し、そして以下の盤のようなものにも手をだして、失敗するのである。
○Hong(MSR CLASSICS,MS1107)2004年
ロサンジェルス出身のアジア系アメリカ人ピアニスト、アルピン・ホンのリサイタル盤。なんでこれを買ったかと言えば、冒頭に、スカルラッティの有名な2曲が入っているのと、最後のストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」が全曲で15分と、少し時間短めな気がしたからだ。
アルゲリッチのアンコールの定番として有名になった、冒頭のスカルラッティ「ニ短調L422」から、聴き手は蹴つまづく。うーん、楽譜には幾つかのバージョンがあろうと思うが、明らかに譜読み間違いと思われる箇所あるぞ。元気がいいのはいいけど、空回り気味。次の「ロ短調K33」はホロヴィッツの演奏で有名な曲だが、特に言及したいことなし。
続いて僕は、最後のストラヴィンスキーを聴く。うげ、なんじゃこりゃ。譜読みがいい加減なのは、この人の特徴だったのだ。ただし演奏技術的には、相当に高いほう。ヴィルトゥオーゾと呼んでよい。でもねえ、第2曲を中心に、不思議な音をたくさん叩いているんだけど。音大にこういう人がいたら、面白いねえと皆が喜んでくれるだろうけど、プロのピアニストとして、こういう録音を発売してもいいんだろうか。今風に言えば、「のだめ」みたいな演奏かもしれない。こう書くと、「お、褒めてるのか」と思われるかもしれないが、僕は全く、褒めてない。千秋先輩ではないが、「でたらめじゃねえか」と突っ込むしかない。まあしかし、全曲の最後のグリッサンド、轟音である。そんな感じで、聴き所が皆無というわけではないのだ。
CDのトラックを戻り、2曲目はブラームス「6つの小品op.118」。そして次はドビュッシー「ベルガマスク組曲」。いずれも、悪い演奏ではないが、かといって、ここを聴くべしというほどのこともない。まあ、ドビュッシー最後の「パスピエ」が、この人らしく飛び跳ねる感じ(←おい、やっぱり、のだめみたいなのか)。
自由闊達で、面白いアルバムとは、確かに言えるかもしれない。何も面白くない盤が氾濫する中、せめてこれくらい個性的なほうがいいかもしれない。でもなあ・・・。こういうの、真のプロの仕事と言えるのだろうか。
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