2006年12月27日 読売日響の「第九」

日時:2006年12月16日 19時開演
場所:東京・池袋、東京芸術劇場
アルブレヒト指揮読売日本交響楽団
武蔵野音楽大学(合唱指揮:松井徹)
林正子(S)、坂本朱(A)、中鉢聡(T)、三原剛(B)

 小3の息子から誘われた、「お父さん、第九を見に行きたい」と。僕は、それは冗談だと思って放っておいた。そりゃ僕も確かに、小学校5年生くらいでベートーヴェンに目覚めてた個性的な子だった。でもさすがに小3時点では、全く・・・。そしたら、どうやら本気で、すっかり行くつもりだということを、うちの奥さんからあらためて24日に言われた。しかし日程的に、いろいろあって26日しかない。その日、東京では複数の「第九」があるが、サントリーホールでの都響は、デプリースト人気で早々と完売であることは知っていた。読売日響に問い合わせると、2名並びの席は一番前か二階の後方しか残ってないとのこと。ならば当然、一番前にする。だいたい僕は、オケのコンサートで良い席に座った試しがない。例えば、N響の3階自由席千五百円を愛用する人間だ。でも、息子の記念すべきオケ初体験だから、まあ仕方ない、少々高くても(それにしても、高い、贅沢!)。
 <それと僕としては、最近評判の美人ソプラノ歌手、林正子さんを間近で見たいという欲望もあった(相変わらずのエロオヤジ・モード)。その目的は十分に達せられた。今度は、彼女が出演するオペラを見たい 。>

 そう、リアルグループに続き、最前列づいている。今回はステージに向かって最も左方。目の前に第一バイオリンの最後列の奏者。視線の先にティンパニと大太鼓。しかも座ってみてわかったのだが、芸術劇場は、最前列とステージが近すぎる。音量バランスは悪く、バイオリンが聞こえ過ぎ。まあ息子にとっては、指揮者とかコンマスとかが近いのは嬉しいだろう。

 その音響的な問題が大きかったのだと思うが、僕個人としては、あまり感動しない演奏会になってしまった。ただ、終楽章の合唱団(武蔵野音大)は、なかなか良かった。独唱者4人も、第九の演奏会としては良いほうで、特にバリトンの三原さんは、木下牧子さんの歌曲を歌ってくださる歌手だが、美しく響く声で好印象。

 もちろん問題は、息子がどう感じたか、だ。息子が僕を誘った最大の理由は、まず、テレビドラマ「のだめ」で「第九」の第一楽章を知ったこと。そしてもちろん、映画「敬愛なるベートーヴェン」を見に行った感動が決定的な理由になった。生まれて初めてオーケストラの本格的な演奏会を聴いて、息子は何を感じたのだろうか。第3楽章は寝てていいぞと教えてあげたが、確かに第3楽章は席で辛そうにしていた。でも結局、居眠りすることはなく、最後まで聴き通した。終演後、「どうだった?」と尋ねたら、「お父さん、合唱が良かったよ。声が大きくて迫力があったよ」という。率直に、嬉しかった。高い金払って連れてきた甲斐があった。

 そして息子の次なる欲望を帰り道に聞かされた。「お父さん、僕は音大に行くんだよ」
 ・・・いやそれは、天才的な演奏能力があるならそれもいいかもしれないけど、全く平凡じゃないか、お前は。どうなるんだ、わが息子。



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