ナンセンスな貴方
エドワード・リア
エドワード・リアは有名な画家 興味を持ったも何かの因果か
本をめくれば不思議な世界 今日のコラムはリアを紹介
興味を持ったら一読いかがか
(わいりーコヨーテ作)
エドワード・リアとの出会い
それはamazonから届いたばっかりのハラス&バッチェラーの作品集(アニメ)を見ていたときのこと。
いたく印象に残った作品が1つありました。
その作品の名は「THE
OWL AND THE
PUSSY-CAT」
みみずくとネコのカップルが、船旅の末にたどり着いた島で結婚式を挙げるというお話です。
幻想的な作風と、みみずくとネコというあり得ないカップリングが
思いっきり私のはあとをグッと掴んでしまったのです。
オープニングには「Based
on Edward Lear's Nonsense
poem」と書かれていたため
この作品のベースは「エドワード・リア」氏の作品であることがすぐに解りました。
「何でみみずくとネコなんだ?ありえねぇ〜」そう思った私は
早速調べてみることにしたのです。
『リメリックの名人』エドワード・リア
まずは、エドワード・リア氏の生い立ちについて、軽く触れておこう。
エドワード・リアは、1812年にロンドン北部のハイゲイトにて生まれた。
21人家族の20番目という大家族の子供だったが、幼少の頃から体が弱く
50歳になるまで21歳年上の姉に面倒を見て貰っていた。
リアの才能が開花したのは15歳の時にアパートを借りて自活を始めた時であった。
幼いときから持っていた絵の才能を自活の手段としたリアは、その後ぐんぐんと才能を伸ばし、
36歳の時(1846年)には、ヴィクトリア女王に絵を教えるまでに至った。
同年、 「ナンセンスの歌」
を発表して、ナンセンス詩人として名を馳せたリアは、
ヨーロッパを旅しながら画業にいそしんだのと同時に、韻文、小説など沢山の作品を残した。
持病(てんかんや喘息)と鼻が大きいという(写真を見るとそうでも無いんだけどな)
コンプレックスから、内向的で極度の人間嫌いになり、そのせいか一生独身だったという。
「ナンセンスの絵本」はこうした背景から生まれた作品で、
味のあるイラストと、 「五行戯詩(リメリック)」 の詩からなり、全部で4冊ある。
一言で言い切ってしまうと 「奇人変人ショー!」
語弊をおそれずに書いてしまうけど、
ナンセンスの絵本に登場する人間達はあり得ないものばかりだ。
爪研ぎをしていて親指を切断してしまうおじさん・・・
目の異様に大きな女性と、それを見て逃げ出す男性達・・・
中には自身のコンプレックスについて触れたものもある。
作品をいくつか引用してみよう。
まるでタマゴの様な風貌のおっさんのイラストでは
<ケーブホーンのおっさんが つくづく嘆く生まれた因果
椅子に座って絶望しまくり そしてそのままあの世にぽっくり
これじゃおっさん まるで漫画>
帽子を持ったご婦人と、難しい顔をしたおばばのイラストでは
<ブラハのばあちゃんとっても長命 ところが言うこと意味不明
「これはかんたん帽子でしょ」聞かれて答え「田んぼ牛でしょ」
それでもばあちゃん とっても有名>
リアの独特なイラストは、とてもじゃないが文章で表すことが出来ないが、
ネット上にリアの作品を紹介する『Edward Lear
HomePage』があるので、
興味のある方は参照されたし。
日本でもグーグルあたりで検索すれば、いくつかの和訳も見ることが出来るだろう。
「五行戯詩(リメリック)」とは
言葉遊びの一種で、韻を踏みながら5行の詩を作るというもの。
それぞれ「1,2,5行」と「3,4行」で同じ韻を踏まなければならない。
いわゆる「a,a,b,b,a」の形式である。
上で引用した作品を例にして見てみると・・・
<ブラハのばあちゃんとってもちょうめい ところが言うこと意味ふめい
「これはかんたん帽子でしょ」 聞かれて答え「田んぼ牛でしょ」
それでもばあちゃん とってもゆうめい>
赤い字と青い字の関係に注目して欲しい。
しっかりと「a,a,b,b,a」の形式になっていることがわかる。
ちなみに、本来の詩(英語)を見てみると・・・
There was an Old Lady of
Prague, Whose language was
horribly vague;
When they
said, 'Are these caps?' She
answered, 'Perhaps!'
That
oracular Lady of Prague.
| 人間には必ず負の部分と正の部分があって、 無意識にもそれぞれのバランスを取りながら生きているのね。 例えば、普段物静かな人が、趣味やお酒で発散したり または、ストレスが溜まりすぎた人が他人に八つ当たりするのと同じように リア氏は自分を嘲笑うという「マゾ的」なところで 精神のバランスをとっていたのかもしれぬと、わいりーさんは思うんですよ。 コヨーテの日記帳より抜粋 (6/18分) |
「THE OWL AND THE
PUSSY-CAT」
実は「ナンセンス・ポエム」シリーズの本というのを、私はまだ目にしていない。
なので、このシリーズがどんな物なのかすら知らなくて、あまり詳しいことが書けないのだが
このTHE
OWL AND THE PUSSY-CATは、韻を踏みながら非常に綺麗な詩になっている。
| 原文を見てみる |
内向的なリアが、「ナンセンス絵本」ような奇抜な作品を制作したというのは
ある意味頷けるものがあるのだが
その一方で、この作品ような幻想的で素敵な詩も書いたことが大変興味深い。
実に有名な作品らしく、この詩をベースにした映画、アニメ、絵画などが多数出ているが
私が見たアニメはイギリスの「ハラス&バッチェラー・カートゥーン・フィルム」が
1952年に制作したもの(詳細)で、実に雰囲気の良いミュージカル・アニメだ。
日本では「みみずくとねこのミミー」として、ぽるぷ出版から絵本が出ている。(1976年初版・すでに絶版)
イラストもかわいいし、内容も難しくないので、子供と一緒に読んでみるのも良いかもしれない。
残念ながら、アニメ版を鑑賞することは非常に難しいが、絵本なら図書館などに置いてあることもあるので
興味のある方は探してみよう。
参考文献 等(青い文字をクリックするとamazonアソシエイトにリンクされ、購入することが出来ます。
| 資料名 | 著者・制作者等 | 発行 | 販売年 |
| 完訳 ナンセンスの絵本岩波文庫 | エドワード・リア (著) 柳瀬 尚紀 (翻訳) |
岩波文庫 | 2003/15/16 |
| ナンセンスの絵本 ほるぷクラシック絵本 | 同上 | ほるぷ出版 | 1985/12 |
| The Cartoons of Halas &
Batchelor(ビデオ) 「THE OWL AND THE PUSSY-CAT」 |
ジョン・ハラス ジョイ・バッチェラー |
||
| みみずくとねこのミミー | エドワード・リア(文) バーバラ・クーニー(画) くどうゆきお(訳) |
ほるぷ出版 | 1976/09/20 |
| その他、ウェブ上で調査 |
管理人注:
このコラムは、かつて”コヨーテの日記帳”に掲載したものをベースに、大幅に加筆・訂正したものです。
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