●東 直己/すすきの便利屋シリーズ他

 すすきの便利屋、あるいはすすきの探偵、何でも屋、<おれ>という一人称でしか自分を語らないくせに、主義主張だけは頑固に貫き、卑しき街を闊歩する。海外小説の読者を軽く引っ張り込む、日本離れしたハードボイルドのコアにこだわる立脚点。日本の端っこの街札幌すすきのから発信する、探偵のへらず口。豪華で忘れがたい脇役陣を抱えて、素晴らしくピュアな落ちこぼれ探偵の生きざまを描く、国産小説ぴか一の痛快とペーソスとがここにある。

 大人の職業探偵・畝原シリーズ、ヒットマン榊原のシリーズと、すべて札幌を舞台にして、東直己世界は裾野を広げている。決して有名な作家ではないかもしれない。しかし強固でかたくなな読者を掴み、離さないでいるのだと思う。深く、濃い、ファンの、ぼくもその一人である。


すすきの便利屋シリーズ

タイトル発行年
探偵はバーにいる1992
バーにかかってきた電話1993
消えた少年1994
向こう端にすわった男1996
探偵はひとりぼっち1998
探偵は吹雪の果てに2001
駆けてきた少女2004
ライト・グッドバイ2005
探偵、暁に走る2007


榊原健三シリーズ
フリージア1998
残光2001
疾走2008


探偵・畝原シリーズ
待っていた女・渇き1996
流れる砂1999
悲鳴2001
熾火2004
墜落2006
挑発者2007



ハーフボイルド・シリーズ
ススキノ、ハーフボイルド2003
後ろ傷2006


その他
沈黙の橋(サイレント・ブリッジ)1994
探偵くるみ嬢の事件簿1997
逆襲2001
死ねばいなくなる2001
ライダー定食2004
立ちすくむとき2004
古傷2004
義八郎商店街2005
スタンレーの犬2005
英雄先生2005
抹殺2007


雑文
札幌刑務所4泊5日1994
自衛隊おとなの幼稚園1996
すすきのバトルロイヤル2000
ススキノハードボイルドナイト2001


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