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題名:死者との誓い 原題:THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD (1993) 作者:LAWRENCE BLOCK 訳者:田口俊樹 発行:二見書房 1995.1.25 初版 価格:\1,900(本体\1,845) PWA賞受賞作品なのでそれなりに期待して読んだわりには、期待を裏切られた感のある作品かなあ、と思う。地味なストーリーにスカダーの近況報告みたいなものが重なって相乗効果の悩める日々……といったものが描かれてゆくのだけど、賞を取るような作品でもないと思う。初期の『過去からの弔鐘』『冬を怖れる女』あたりへ戻ったかなあ、という程度のロー・トーンな空気であるように思える。 この本でシリーズとしての一種のエポックとなっているのは、いっときスカダーのいい伴侶と思えたあのジャン・キーンをめぐるサブ・ストーリー。ぼく自身の個人的感情としては、しっかりもののドライなエレインより、スカダーの投影みたいなアル中のジャンの方が遥かに魅力的だったし、いまもその存在感は変わらないんだが、ブロックはジャンをあくまで重要な脇役としてしか捉えていないようでこの辺が実に残念だったが、本書では、その辺りをもう一度考えてみようという展開になっていて興味深かった。 ましてやスカダーの心をふと騒がせる未亡人の存在や、将来呑み始めることへの予感と絶望感、そして明るいエレインとの現在と明日……こういうスカダーの日常が、作品間のつなぎみたいに描かれているのが本書だと思う。 訳者あとがきによると、次作は『聖なる酒場の挽歌』に継ぐピーク作品との予告。今度は期待しているからねっ。 (1995/01/18) |