ブレゲ鑑定依頼16件

ジョン・ハリソンにも見事なパチが存在する。
下部で登場するブレゲ同様、T林さまの所蔵品。まさにパチ収集家?の懐は深い。

ちなみに銘はPohon Harrissonと刻まれている。



ブレゲの鑑定法が変わった。
スイス送りでニセモノなら没収という法律からだ。2008年に成立した。
その影響は、次の年(2009年)別の場所に出てきた。

フランスにあるブレゲ博物館(エマニュエル7代目ブレゲ館長)では、
鑑定依頼が殺到し、処理が難しくなった原因をニセモノの大量生産にあると不満だった。
だからこそ、この「ニセモノ没収&処分」決定は大歓迎。

カルティエの贋作没滅パフォーマンスは、重機で踏み潰すという過激さだが、
そのおかげで、ebayやアンティーク店のカルティエ贋作が激減した効果があった。
ブレゲも減るだろう。これはいけるはずだ。

私も2点の鑑定&証明書発行依頼をしていたが、しかし、とにかく連絡が異常に遅い。
以前から「未だか」というコレクターに「待てよ、証明書で何倍にもなるんだから」と
コレクター諸氏に口を酸っぱくしていたエマニュエル館長の毒舌だったが、
「10万円も取って半年〜7ヶ月は遅すぎだろう、パテックでも1ヶ月、スイス送りで3ヶ月だ」。
「しかもだ、OVHつきでね。どうなってんだよ?」とコレクターらも負けていない。

まぁ、世界中のコレクターと双方がワガママ合戦を展開していた状況だった。
しかし、今年だけは変遷期。一言の愚痴も言わずに、エマニュエルから連絡が途絶えるのだ。
その原因が、ニセモノでは没収という新たに設定されたスイス法律だった模様。

つまり、いくら鑑定のためとはいえ、本物と自信があるとはいえ、
正規代理店のスイス送りで没収を食らってはたまったものではない。1%の可能性だって。
それで、あらかじめ真贋をしておこうとしてブレゲ博物館の申し込み殺到という結果となる。

当然だ。結果、博物館はオーバーワークになってしまう。

しかも、パートのおばちゃんを多々雇って、
秘匿の鑑定ポイントを公開するわけにはいかないし、学芸員の資格も要求される(たぶん)。
「1枚の証明書で10万円なんだから、博物館の従業員を増やせよ」というわけにはいかない。

エマニュエル館長は今までのコレクターの「遅いコール」に加えて、
「この証明書のおかげで価値が上がるんだからゴチャゴチャ言うな」わがままで対立、
それすらも出来なくなっている激動の2009年を迎えているはずです。

そんなネタをサイト表紙に書いたら、数日でブレゲ鑑定依頼が私に殺到。
サイト案内で「休止します」と書いているにもだ。サイト休止は休暇じゃないのに。

今、エマニュエルの気持ちが私にも分かった。これはたまらない。

16件のうち、明らかなニセモノは14件だった。相変わらずニセが売れてますねぇ。
というより、注意点を書いてるのに、どうしてバカなヒッカケに何十万円も出すのか、
店だったら買わないだろうのに、ebayやヤフオクでは買ってしまう。真理だ。
本物が珍しく1件含まれてた。お見事。そして微妙が1件。

16個の内、有望を2点鑑定しましょう。


微妙本物1個目依頼。小型。Breguet No.1966

2009年5月30日 3:37

佐久間様

お世話になっております。お久しぶりです(2回目)
最近、ブレゲの時計と思われる時計を何点か手に入れました・・。

おそらくなのですが、ブレゲ製だと思うのですが、どんなもんでしょう?
1つはNo.1966.
(今、ブレゲ博物館に鑑定依頼しましたが、時間が掛かるようです。)
女性用で、とても綺麗です。やはりブレゲはとても重量感があって、良い感じです。
ホールマークは馬?何でしょうか・・・。

もう一つはもうすでに本物と分かったのですが、
(また写真はお送りします)そちらは男性用の超薄いものです。
(1920年製でということでした)

宜しく御願い致します。J



文字の黒さが異様であれば、100%どこかのパチ業者が入れたもの。正直、ヘタに見える。
通常の業者は、お得意さんに頼まれても「パチ」の協力はしない筈なのだが、
これは内蓋に銘が入っていたから入れることが可能だったと思う。

=1重円は小さいためだろうか。

▲一点の不確かな部分はあるが、重要鑑定ポイントとは異なっているので、
非常に微妙な気持ちになった。内蓋でも3−4タイプのバージョン違いがある。
まったくオリジナルと一緒でも贋作があるので(ブレゲ事業部Sさん談)、
こればかりは顧客帳簿などと比較しないと仕方がない。

=ケースナンバー。異なるが気にしてはいけない(後述)。

=ワッカ部のホールマーク。ワシ頭だ。馬ではない

=外蓋。SGひし形に記憶があるぞ

▲当サイトにある”ひし形”は渦巻きBだったので(または無い方が無難)、
根本的に何かが不安だが、大きな鑑定ポイントではないのでスルー可能。

ポコ式の場合は、BreguetNo.XXXXではなく、BXXXX表記が普通でひし形が追加してある。
開閉式のケースでひし形はあったかなぁと言う程度だが、実は……略

=内蓋ホールマーク・これもワシ頭だ。

一般18金無垢の”ワシ頭”は、パリ向け専用ホールマークなので、合っている。
特殊ケースはフクロウだ。しかし、問題の丸秘が画像に無かったので、帳面以外は判別不能。
ブレゲ社の”クルリB”は見当たらなかったが、この時代だけは無くてもOK

=ちょっと重要ポイントが見えにくい。

<鑑定結果>サイト用に分かりやすくするため追記しています。

J保さま、佐久間です。

サイトを読まれていらっしゃると思いますが、
重要な部分を斜め読みで飛ばされなきようお願いいたします。
では、さっと結果をお知らせします。

ダイヤル=怪しい。書き加えられた典型のようだ。

ホールマーク=肝心のボウ軸が不明

他ホールマーク=微妙(フランス・パリ向け金無垢は正確)

裏蓋=やや正確(1重円が微妙だが、初めて見たので)

機械=本物さ微妙(肝心な部位が見えず微妙)

結論=本物鑑定が降りる可能性あり。しかし没収可能性あり。
正規代理店は避け、博物館の鑑定を1年ぐらい待つ方が無難です

印象=ダイヤルを見せると贋物印象を残させる

ダイヤルにはロゴが最初から無かったのだと思いますが、
仲間に「ロゴがないからニセモノ」とか「価格を上げるための操作」
などから痛いロゴにした可能性があります。

注意=フランス向けバシュロン・コンスタンタンにブレゲ銘を入れたのであれば、
価値はブレゲどころか、バセロンより遥かに落ちてしまう。微妙な冒険アイテム。

ケースやHMの基本はすでにサイト内で解説してるから転載しておく。

プラチナケースのウンチクから抜粋

更にはフランスでは輸入金と国内向け金では使用するホールマークが違う。
ワシ頭(18K)はパリ向け。フクロウ(18K)は輸入。エナメル装飾の素晴らしいものは、
さすがにパリといえども輸入しなければならないので、フクロウが時々見かけれる。

素晴らしいエナメル装飾や高級ダイヤがはまっている18K無垢ケースを除き、
変哲のない金ケースでフクロウだったら「なぜワザワザ輸入ケースを?」と考えると、
いろいろな裏の世界を垣間見てしまう。この辺は趣旨が違うので、まぁ置いておきましょう。

ゆえに多くの場合、ケースメーカーは独自のシリアルナンバーで管理するしかなかった。

よく時計機械のNo.とケースNo.が違うとオリジナルじゃないと言われるが、
各国の法律事情によって異なる方が普通なので、腕時計時代と一緒に考えてはダメ。
パテックフィリップでも別のナンバーがケースに振られており、顧客の要望によって、
機械と同じシリアルナンバーを追加してケースに刻印した。

ダイヤ装飾から抜粋

フランスの輸入ケース18Kフクロウ刻印により、普通にパリから一流宝飾ケースメーカーへ、
特注されたものと判断できる。
2ページ目で紹介するこのような一点特殊物は、各社が管理シリアルナンバーを付けるので、
ケースと機械の番号が一致しないのが普通です。ブレゲやパテックでも同様。

詳しく知らない人はリンク先を読み込んでください。
ケースと機械がオリジナル同士なのに、番号が違う=ガッチャマンとして買い叩く、
そういう業者も多いので要注意。戦前の懐中時計に当てはまります。
この辺りは常識レベルなので、知らないのじゃなく、知っててやってるはずだと思う。
我々コレクターとしては、結局、品質などの総合判断で判定するのがベストです。

フランス製ホールマーク色々

18KGOLD=⇒パッと見ると三角形のくぼみに見えるので覚えやすいけど。
950SILVER=⇒近代はイギリスやスイスと合わせて925になってる。
800銀では同じ女神マークの下手さ加減で判断します。
結構、マークを見慣れないと無茶な話ですよね。
950Platinum

あとカニ(蟹)=950もいるし、ワシの頭が割れてると金銀のコンビだし、
ようするに難しいです。まぁ、それを調べるのも勉強になりますし、
どんなベテランでも査定ミスする深さが有るのが魅力。
しかも、私は過去に”銀”としていたら”ホワイトゴールド”だったという
苦い経験を思い出します。

またもや今回もお礼メールなしが多い。依頼のメールを見ると数行ばかりでチョット悲しい。
このページを見ても分からないかもしれないが、見えない作業が多いことを理解して欲しい。
ネットではパッと依頼できるが、無料の場合は相手の都合を把握するためサイトは必読。

「サイト休止宣言してる中なのに鑑定をお願いして申し訳ないです」とかすら書かない、
ニセブレゲ買えるんだから社会人なのに。ふぅ、紋章内で愚痴ったばかりだった。
でも、そこで書いた次の日から余計なアクセスが減ったので、ちょっぴり幸せ。
2回礼のない依頼が来ると私は怒る。すると2chなんかで「詐欺師」呼ばわりだ。
「変なヤツ」とかさ。私を時計店主と見下してるからだろう。同じコレクターだよ!!!

いい加減、11年も続いてるんで、自己中心を止めようとかの啓発サイトが出てこないものか。

T林さまの愛用品(見事なパチ)に再登場願おう。
こんな場所でも使ってしまって申し訳ないが、多くの依頼者さんらが読んでないので仕方なく。
T林さまのメールでは「売主さんもニセモノと正直に話し、それを納得して…」おっとっと、
納得してはいけない贋作売買でした(失礼)。だけど、正直潔いのは歓迎です。



典型的なブレゲやパテックのパチは懐中時計を流用して腕時計にして流通させてること。
大掛かりに大量に出回っているので、まず本物はありません。否、絶対無いと言い切れる。
パテック贋作は、アガシやロンジンの機械。特にカタツムリ式緩急計があると最高。
ブレゲはやや新しいクロノグラフ。初期クロノグラフの腕時計としているので、高くて美味しい。

懐中時計エリアでは、10年前なら未だしも、現在は啓発されすぎて高額化しないので、
強引に腕時計にして、それだけで高く売れてしまうから面白いように業者は儲かるらしい。
腕時計雑誌では平均的なクロノグラフを、ピラーウィルが採用されて素晴らしい、
とかなんとかハッタリでやったから、ライター諸氏の煽り記事には批判が集まった。

ティファニーとロレックスのダブルネームとか、ブラックダイヤルが希少とか、
山ほど有った時計たちが、現在は全く見かけない。どこに行ってしまったんだろう?
量産できる時計を煽らねばならない店、広告費を稼ごうとする出版社の弊害です。

ところが、現在でも腕時計エリアで流通させれば、バカでかいパテックやブレゲ、ランゲ、
懐中時計エリアでは「こんなのに騙されるなんて」クラスでもビット殺到。
腕時計趣味人はブランド知識と価格、タイミングスクリュー程度しか勉強しない傾向大なので、
ポケットウォッチの並品でも「こいつぁ、スゲェ!!!」となってしまう。

振り込め詐欺に未だに引っかかる人々が多いのと同様で、啓発は難しいと理解している。
「自分は賢い」と自惚れてる人ほど引っ掛けられやすいと何度も書いているが、
詐欺師の素養とは「事実を捻じ曲げても平気な人」である。後ろめたさを感じないそうだ。
物を鑑るのと同様、人の価値も様々な部分で判断できるものだと思う。

また説教臭くなって申し訳ないです。私には悪の誘惑が常に来るから、自己暗示も含めて。

お世話になっております。J篤志です!
こんなにご連絡が早くびっくりしてしまいました・・・。
仕事で数日間出ておりまして、ご返信が遅れまして申し訳御座いません。
返信のアドレスですが、どちらへお送りしたら宜しいのか分からず、
こちらへお送りしております。
(実は、どうやってサイトで見つければよいのか分からず・・・)⇒ココです。

佐久間さんのサイトを実は見ておらず、状況も把握せずに勝手にメールしてしまい、
申し訳御座いません。
お忙しい中、お時間を割いて頂き、本当にありがとう御座いました。

下記の鑑定、ありがとう御座います。 どうも、怪しいようですね・・・。
やはりブレゲは難しい様です。 
本物に当たるかどうかは、しっかりとした目と運両方が必要なようですね・・。 
写真は何度も送ってもらったのですが
(といっても、私が判定できるかどうかが問題ですが・・)

どちらにせよ、本業激務中にお時間を割いて頂きまして、ありがとう御座いました。
お手数おかけいたしました。これからもどうぞ宜しく御願い致します。

今サイトを読んだら、もう既に私の写真が載っていてびっくりしました・・・。
先日のメールに佐久間様の状況も知らず勝手に安易なメール、失礼致しました!
本当に申し訳御座いません。

これからは失礼の無い様、心がける様致しますので、どうかこの無礼お許しください。

この潔さが重要です。ブレゲ鑑定依頼で唯一のお詫びの反応がJさんのみ。
でも、私も快くお詫びを受け入れますし、そもそも根を持ち始めたら永遠に増えていく、
ゆえに、その都度忘れるように体が馴染んでいます。

しかし、他の14人は…反応がない(最初は一人のお礼メールがあった)。

管理人になって依頼されるようになったら、本当に「労力大変で悲鳴」が正解。
1割のアクセスである時計サイトでコレだけ作業しているのが見れれば、
その10倍が普段の私のネットだけの作業となります。
でも、そのアクセスのおかげで広告費が入り、値引きやOVHで使え、格安品を出せる。

解決方法は、読者にとっても、私にとっても、配慮を欠かせないことだと思う。


さて、2個目のビンゴ候補は中型高級ドレス/18Kユニークケース。Breguet No.991
これは参考に画像だけでもアップしたいと思う。
後に持主さんより送られてきて、正規代理店OVHコースとなる予定。

時代が進み、飛行機を作り始めるブレゲ社。その頃には18Kケースに”フクロウ”が多くなる。
その根本原因はヒットラー占領下のパリ。特殊ケースじゃなくても金を輸入する事となる。

フクロウHMのケースを持つブレゲ懐中時計・手巻きドレスウオッチ大人向け。
最後に紹介する。本物かどうか、乞うご期待。

・・・画像を入れて解説を付記したら終了予定。
ニセモノであれば、本物と同品質の優れもの(特殊品を除くノーマルにて)。

=本物と遜色なし18K無垢44mm

ベゼルにはヘアラインの装飾。金アップライトのインデックス。針は精密にOK。
ダイヤルのデザインは普通に存在する高級機種レベル。
ハイグレードな機械、刻印も良い感じ。こちらも本物と比べてもOK▼

=ホールマークも多い。

=裏蓋に怪しさが(後述)。

▼2009年に当サイトで扱ったブレゲ本物での類似品本物鑑定書つきアイテム)▼

本物。違いは?

ほぼ、ムーブメント上に刻印されている記述らの場所が違っているだけで、
書かれてる内容は、依頼品と本物とは一緒だった。疑問点が殆ど無かった。

残りのチェックは、機械の表側に違いが有るかどうかだろうが、
誰もが同じで、購入する時点で観察するわけにいかないのがタマにキズ。

   

鑑定結果出る

=問い合わせスタート時

=添付資料2枚

=刻まれているマーク達

=ブレゲ社?

前半部に赤で強調しておいたが、このマークだけが怪しいと感じていた。
本来のマーク↓も付いていないレベルが多々あるので、
何らかの理由でバージョン違いのものかと思った。

=既出。これが本物ホールマーク(とはいえ、本物でも滅多に刻まれてない

ニセモノを作る側を想像してみれば、この1点だけを手抜きするだろうか?
まったく同じにするのに技術的な問題はないと思う。
これは心理的に理解できそうにないが、敢えて違いを入れる技術者心理?

=製造資料に無いと理由

持主さんはショック死

ブレゲ証明書が付いていない時計は、どの店でも安めに設定してあります。
くどいですが、真贋を問い合わせしてニセモノと言われる可能性は非常に高いです。

これから、どうすべきでしょうか。ホールマークを先輩から一つ一つ教えてもらおうか?



=知識がある人間を引っ掛けるか、無知な人を狙うか。

ブレゲに関しては、無知な人をターゲットにする時はバレバレの低レベルで行い、
大きく利ざやを取る。そうやって儲けるもの。

時々、知識のある人間をも手玉に取るようなハイレベルをリリースし、
利益はマイナスにしかならないだろうけど、妙に鬱積した憂さを晴らしていたのだろうか。

今回は、恐るべきレベルの贋作と言えましょう。

ここまで16個中、途中にあったJ篤志さんのブレゲNo.1966以外の15個はニセモノでした。
(J篤志さんからの依頼は受けていないので、彼のが贋作確定なら、16個全滅ということになります)

PS:今回の結果を受け、売主と(70万円で買った)持主さんの間に一悶着あったのは当然でしたが、
真贋鑑定を手伝った私に対しても恨みが来ているはずです。読者を装った悪口はご勘弁。いつもか…

資料が紛失しているだけで、もし出てきたら本物と認定変更なレベルなので仕方が無い、とフォローしておく。

17個目〜鑑定結果出る

こちらは同時に鑑定兼OVHで出していた、本物として私が鑑定していた自信アイテム
通信メモの文章が違って、「本物でした」的なものが嬉しい。

=本物の場合、メモが異なる

スイス送りの途中で、事故等で時計が紛失したりしたらという場合に備えて、
等価のある時計で弁償しますとか、細かな観察部位の言明がなされている。

本物となると、VIPなサービス体制の恩恵を受けれるのが重要。

18個目〜鑑定結果スタンバイ

こちら(BreguetNo.912)は別ルートの為、結果が私に来ていません。
金白コンビにコインエッジという特注モノなので安心はしているのですが…。



表紙