2007年6月より1年たった2008年6月、金は1gにつき500円高騰しています。
金が1gいくらかを知らない人(特に日本人)は多い
懐中時計のケースが金無垢だと聞かされても、ピンとこない人も多い。
余りにも身の回りにある、どんな品物より大きくて重いからです。

多くは金メッキ、仏壇でも金箔(金張り)、金無垢の物は指輪、イヤリング、ネックレス。
腕時計で金無垢ケースのものなんて100万円以下では少ないからこそ、
「ロレックスのステンレスは金より価値がある」なんて誌面であっても驚かない。

インディジョーンズがステンレスの財宝を探すことはないし、エジプトの宝がステンレスなら…。
政情不安になってお札が紙切れになっても、金無垢だけはどの世界でも売れるのが、
”持ち運びできる資産”という懐中時計の素晴らしい価値なのです。=初心に戻ると強く思う。

機械式じゃないとダメです。クオーツ式は売れません。電池が切れたらお終いだから。
その規格の電池が製造中止になったら?…と想像できない先見の明を持つ経営者・資産家が多いので、
くれぐれも外人から”エセ”と思われないように、この知識は必須と思いますよ。なんて……

新品の金無垢懐中時計の最安値が10年前は150万円からでした。しかも薄型ドレスで。
金の場合はソリッド・ゴールドと呼んで、18K、14K、9Kがメインです。
そういえば、銀メッキの製品も多いですよね。懐中時計の多くは銀無垢のケースをまとってます。
0800からスターリング・シルバー、その上の0925や0950はピュア・シルバーと呼びます。

貴金属は稀少な反面、量を必要とする製品が多いので、ある程度の資産価値が発生。
金属の盗難が報道されますが、重さに対する価値を知れば、いかに金銀が高価なことか。

古い懐中時計に触れ、私も少しばかり見直してみたら、やはり素晴らしさに再感動しました。

ILLINOIS14K無垢オープンフェイス懐中時計19J/5Pos

素性:アメリカ製1920年〜1930年。特別仕様?資料外の時計でした。
”汚い感じがした”このイリノイを友人の店で見つけ、以前はスルーしていました。興味なし。
その後、ドレスウオッチ系が別の場所に移されると、これだけが別の見え方をしました。(意味不明ですが)

私は汚れている時計と光加減で勘違いしていました。
ホワイトゴールドの懐中時計に、ホワイトではない色が混じって見えると「汚れている」と先入観、
実は、それはインデックスのイエローゴールド無垢の色でした。

そのおかげで、角度が変わるとダイヤル全体が白色になったり、黄色味がかったりしました。
「おお、すごい」と色彩の使い方のセンスに驚きました。

更に、普通はメタル系のダイヤルに銀を張るのがWG系の時計の傾向にも関わらず、
これはホワイトゴールドでした。ゆえに輝き方が好いと感じたんですね。
しかも、ダイヤルには白色の部分があるのですが、通常のものではなく、砂小粒を使ったマット地。
ここに至って、更に追加して「これは、すごいぞ」と思った次第です。

当サイトでイリノイといえば、バンスペシャルがありました。他ブランドに比べ少ない紹介率です。
あまり「おおっ!!!」というのに巡り会わなかったためでしたが、2番手にこれを紹介できて良かったです。

Dial:大変手間の掛かった作りをしています。ダイヤルは”古美術品”級です。
イエローゴールドのインデックス、ホワイトゴールドのプラチナ色部、白砂粒で塗せられたマット部。
特に白砂粒マット部に汚れあり(秒インデックス上部)。

ダイヤルに当たる光の角度によって黄色味がかったり(金色が強く)、白色がかったりし、
非常に興味深い作りをしています。量産品とは一線を画す素晴らしいダイヤルの価値は高い。

Case:45mm(リューズ部を除く)、14Kホワイトゴールド無垢ケース。内蓋も14KWG無垢。

Move:アンクル19石。5調整、ハイグレード。リューズ時刻合わせ式。モーターバレル。
ゴールド・シャトン(石留め輪・金無垢)にネジ留め、歯車にも金無垢を使用している。

精度:大変精度が良い。現在のセッティングで高精度を維持しています(平置き・吊り下げ時)。

付記:緩急針は少し動かしただけで反応が良く、他懐中と同じようにやると大きく時差が出ます。
ブレゲヒゲの調子が良すぎるといえばいいのでしょうか、反発力が良好という感じです。
天文台コンクール参加時計みたいな、熟練者による微妙な調整が可能となってると思います。





付属のチェーンも写真のとおり白色に輝いています。
鎖ワッカの一つにブランド名か素材名が刻印されているのですが、あまりにも小さく判別不可でした。
金張り、銀、金無垢、プラチナ無垢……。

黒ずんでいなかったので銀ではなさそうですが(持ち主は14KWG無垢と主張)、
私の持っているルーペでは難しく、高性能拡大鏡の必要性を感じました。



さて本題です。このダイヤルのどこが”美術品”級なのか、その答えは下にあります。

いったい、どこが”美術品”級なのでしょう?

上手く撮影できませんでした。でも、ダイヤルに針の影が写ってますよね、それが実は影ではないです。
湖に反射するごとくの”姿”です。実物は西洋の派手さではなく、和的なワビサビの美しさです。

(写真は灰色っぽく見えますが)

1・イエロー・ゴールドのインデックス。

2・ホワイト・ゴールドの手彫り装飾。
光沢はプラチナ色。

3・針の姿が映ってる程の輝き。
(光が当たって出来る影ではない

光加減と角度の違いで黄色味がかったり
全体が白色に見えたりと素晴らしい。
4・注目はまだあります。白部です。

砂粒が散りばめられたマット地!!!

では、もう一度ガラス(&ベゼル)を外して、撮影角度を変えたりしてみましょう。



う〜む、今ひとつ時計の素晴らしさが写し込めませんでした。
デジカメではなく、以前してたようにニコンの一眼レフで撮影すべきでしょう(申し訳ありません)。

秒針のインデックス周り上部に染みがありますが、掃除トライはしていません。
拭けば消えるケースのスリキズと違い、白いマット地が小粒の集合体のため慎重に考えました。

また、内蓋も14Kで良い感じです。ミラーになっていますが、実物には擦り傷があります。
鏡面仕上げは擦り傷がついても光加減で消えてしまい、撮影が難しいですが、
綺麗なものが汚く写り、スレは見えず、これこそプロとアマの腕の差といえましょう。
(無論、撮影素人は私のことです)。

金無垢ケース上のスリキズなので、磨いていれば消えていきます。



ムーブには傷も無く、ピカピカに輝いています。大きく、輝く赤いルビーが印象的です。



時計が動いているため、テンプ部が見えずに申し訳ないです。
各・金無垢の石押さえにネジ留めがしてあります。金の輪列、金のチラネジ。贅沢なつくりです。



<時間緩急調整>

緩急針と直角に交わる黒いネジを前後に回します。
1回転で1分/1日ぐらい。

更に、ケース裏も光加減によって凸凹してるように見えたり、磨いていると輝きがアチコチに出て、
自らが輝いているように見える手彫りの計算された装飾も写真には写し込めませんでした。



同様に機械を写すのも難しいでした。内蓋も灰色っぽいですが、機械が反射しています。



結論:実際に手に取らねば分からない高級な作りでした。

付記:ワッカ外周にもケース同様に装飾があります。




表紙