この記事(1999年)を書いてから数年後。
なんと、アンティコルムにパテックフィリップと同じスタート価格で類似モノが出品。
しかし、それも束の間、このタイプに似せたバッタモノも数多く登場しました。
香港製。オイオイって感じでしたネ。(写真でも、ちと安そうだった)
追加記事 どうやら、2000年の初期より香港でトゥールビヨンの量産が検討されはじめ、 当時はコストがかかりまくっていたのが2000年暮れには結構作れるようになったそう。 時期による品質の違いが大きいので、選ぶ際は部品の出来で判断しよう。 とはいえ、それでも相場は50万円〜の様です。 更に、有名ブランド名で大変粗末なものが出来あがり(バセロンで発見)、 ブランドパチものは、写真から判断してちょっとダメみたいです。 こちらは10万円〜ですね。 レベル的には定価300万円の最安値トゥールビヨン(スイス製)が 2000年夏に登場しましたが、その発売に合わせて競合させようという事でしょう。 追加記事の続報を待て! 追加 初期作品はキュータイユのライバル?が真剣に力を入れていて、 驚いたことに出来は遥かに良かったらしいです。 香港製で安いといっても安いレベルの中に宝物レベルが混じっているそうだ! バカにされながらも、相対的にレベルが高いようですよ。 |
| VOL.14 トゥールビヨン腕時計 |
フライングトゥールビヨン試作品。
このトゥールビヨン腕時計はオーストラリアの懐中時計のコレクターさんから
譲って頂いた物です。大変、貴重な複雑機構のトゥールビヨン。
この語源は「渦巻き」「捨て子」があります。
捨て子については友人から教えてもらったのですが、
本当は手放してはいけない大切な物という事で、
このタイプも、いくらお金を積んでも買えないという貴重だという意味が
込められているかもしれません。
この機械は「フライングトゥールビヨン」というタイプで、トゥールビヨンとしては、
既存のブリッジ式トゥールビヨンに比べて作製数が少なく、
製作もヴィンセント・カラブレーゼ、香港のキュー・タイ・ユー、ブランドではIWC、
ブランパン、コルム(カラブレーゼ指導)グラシュテしかありませんでした。
また、腕時計のトゥールビヨンはダニエルロートという、
「ブレゲの再来」の呼称のある方が、ブレゲと、自分のブランドで
1988年に発表したのが最初と雑誌的にはなっているようです。
その時は大変なセンセーションで、時計業界を震撼させたと聞きました。
で、ダニエルロートの正規販売代理店の時計師さんによると、
私のこの時計は少なくとも10ー20年経っているみたいで、
ひょっとしたら、ダニエルロートさんよりも先に作った試作品で、
製品化されなかった「無銘の時計師」によるかもしれないと、大変驚かれました。
ダニエルロートさんに直接見て頂く約束までしましたが、
いつになるかは・・・大変楽しみです。
ところで、元持ち主さんによりますと、1980ー1985年製で
メーカーが発表する前の試作品だとのことでした。

私のその後の調査では、1950年ー52年にかけてパテック・フィリップの
エリック・ジャカール、アンドレ・ジバッハがトノー型タイプを作り、
その前には1945年にアンドレ・ポルナン(元ジュネーブ時計学校教授)は
精度コンクール用に30mmを作製しました。
初の自動巻きトゥールビヨンは1986年のオーデマ・ピゲ製でした。
上の記述と全く違いますね・・・ごめんなさい。調査不足でした。
トゥールビヨンとは、1795年にアブラハム・ブレゲが発明し、
1801年に特許がおりた複雑機構です。
12時のところのUFOみたいな宇宙船が1分間で1周する物です。
懐中時計をお持ちの方はイメージしやすいと思いますが、
テーブルに寝かした精度と、ワッカで吊り下げた時の精度が違う事を
経験から感じられると思います。
腕時計では、そんなに感じないかもしれませんが、実際には重力が
機械にかかっている以上変わります。
ブレゲの時代は重力の理論・観念が無かった頃だと思いますから、
経験から、何とかこの差を無くすには回転させればいいと考えたのでしょう。
絶対的な精度の時計を作ってやるぞという気持ちが伝わってくるようです。
「絶対」はないんだよ、と教えられる現在では、極めようと思っていても
途中で「こんなもんだ」という感じを持ってしまうように思えます。
絶対的な物は有ると考える方が「道」を極める為には良いのではないかと、
このトゥールビヨンを持ってしみじみ感じました。
ついでに言えば、1892年に特許のおりた、コベントリーの
バン・ボンニクセンが考案した52分30秒で回転する”カールセル”が有ります。
34分で1回転、39分に1回転があり、キュー試験(精度コンクール)では、
いつも上位を独占したと有ります。

⇒更に別のもので勉強だ!!!トゥールビヨン2へ
VOL15へ 逸品案内へ戻る 表紙へ